このサイトは、ほんの入り口です

ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

つりエサの オキアミは、どこから 来るの?

オキアミはどこから来るのか ── 南極海の漁と釣り餌

オキアミはどこから来るのか ── 南極海の漁と釣り餌

分野:海・釣り

つりの エサとして よく 使われる オキアミ。じつは この エビに にた 小さな 生きものは、日本の 近くの 海では なく、地球の うらがわ、なんきょくの 海から やって くる。

釣りのエサとしてよく使われるオキアミ。実はこのエビに似た小さな生きものは、日本の近くの海ではなく、地球の裏側、南極の海からやってくる。

釣り餌としてなじみ深いオキアミは、南極海に生息するナンキョクオキアミである。体長わずか5cmほどのこの甲殻類は、南極の生態系を支える要であると同時に、日本の遠洋漁業の歴史とも深く結びついている。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ小学校高学年むけ中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. アザラシの ほうが、クジラより たくさん 食べて いる

1. アザラシのほうが、クジラより多く食べている

1. 南極の生態系を支えるキーストーン種

ナンキョクオキアミは、体の 長さが 5センチほどの、エビに にた 生きものだ[1]。なんきょくの 海に すむ クジラや アザラシ、ペンギン、魚、イカなど、たくさんの 生きものの エサに なって いる[1]

「オキアミと いえば クジラの エサ」と 思われがちだが、じつは 1年間に 食べられる りょうを くらべると、アザラシの なかまが いちばん 多く、クジラは その つぎに 多い[1]

ナンキョクオキアミは、体の長さが5センチほどの、エビに似た生きものだ[1]。南極の海にすむクジラやアザラシ、ペンギン、魚、イカなど、たくさんの生きもののエサになっている[1]

「オキアミといえばクジラのエサ」と思われがちだが、実は1年間に食べられる量を比べると、アザラシの仲間がいちばん多く、クジラはそのつぎに多い[1]

ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)は、体長5cm前後の甲殻類で、南極海における食物網の要となるキーストーン種である[1]。主要な捕食者による年間消費量の推定では、アザラシ類が6,300万〜1億3,000万トン、クジラ類が3,400万〜4,300万トン、イカ類が3,000万〜1億トン、鳥類が1,500万〜2,000万トン、魚類が1,000万〜2,000万トンとされ、クジラより先にアザラシ類の消費量が挙げられる規模となっている[1]

2. 数え切れないほど たくさん いる

2. 数え切れないほどたくさんいる

2. 地球最大級のバイオマスを持つ動物

小さな オキアミだが、その 数は ものすごく 多い。研究者たちの すいていでは、なんきょくオキアミの 重さを ぜんぶ たすと、1おく トンを こえる ことも あると いう[2]。ゾウ 1とうの 体じゅうを 5トンだと すると、その 2000万とうぶんの 重さに あたる。ただし じっさいに ゾウ 2000万とうが 集まって いるのでは なく、あくまで 重さを くらべる ための たとえだ。1しゅるいの 動物の 重さの ごうけいとしては、地球で いちばん おおきい なかまに 入ると 考えられて いる[2]

小さなオキアミだが、その数はものすごく多い。研究者たちの推定では、南極オキアミの重さを全部たすと、1億トンを超えることもあるという[2]。1種類の動物の重さの合計としては、地球でいちばん大きい仲間に入ると考えられている[2]

ナンキョクオキアミの世界的なバイオマス(現存量)は、推定方法によって1億2,500万トンから7億2,500万トンまで幅があり[2]、CCAMLR(南極の海洋生物資源の保存に関する委員会)が用いる推定値では約3億7,900万トンとされる[3]。単一種としてのバイオマスでは地球上で最も成功した生物の一つとされる[2]

3. 日本は むかし、オキアミりょうの さきがけだった

3. 日本は昔、オキアミ漁の先がけだった

3. 日本のオキアミ漁業 ── 事業化から撤退まで

なんきょくオキアミりょうは、1973年に ソビエトれんぽう(いまの ロシアなど)が 本かくてきに はじめた[4]。日本の 会社は、1974年に、みんかん会社としては せかいで はじめて オキアミりょうを 事業に した[5]。1975年からは、つりエサとして 売る 会社も あらわれた[4]

しかし、もうけが 出しにくく なり、日本は 2012年に オキアミりょうから てを ひいた[5]。いまは、かんこくなど ほかの 国の 会社から 買って、日本まで 40日ほど かけて はこんで いる[4]

南極オキアミ漁は、1973年にソビエト連邦(いまのロシアなど)が本格的にはじめた[4]。日本の会社は、1974年に、民間会社としては世界ではじめてオキアミ漁を事業にした[5]。1975年からは、釣りエサとして売る会社もあらわれた[4]

しかし、もうけが出しにくくなり、日本は2012年にオキアミ漁から手をひいた[5]。今は、韓国などほかの国の会社から買って、日本まで40日ほどかけて運んでいる[4]

南極オキアミ漁は、1973年にソビエト連邦が本格的に開始し、日本水産(現ニッスイ)が1974年に民間企業として世界で初めて事業化した[5]。1975年からは広松久水産が釣り餌としての販売を開始している[4]

しかし、採算の悪化により、日本は2012年に漁船を売却してオキアミ漁から撤退した[5]。現在、日本国内で流通するオキアミは韓国企業などから買い付けたもので、南極海から日本まで約40日をかけて運ばれてくる[4]

4. いまは どこの 国が とって いるのか

4. 今はどこの国がとっているのか

4. 現在の漁業国と、CCAMLRによる漁獲規制

いま、オキアミを とって いる 国は、ノルウェー、中国、かんこく、ウクライナ、チリなど。年間で 35万から 40万トンほどが とられて いる[5]。とった オキアミは、ぎょふん(魚の えさ)や 食用、サプリメントなどに 使われて いる[5]

なんきょくの 海の 生きものを まもる ための 国さいの きまり(CCAMLR)が あり、とって よい 上げんを、その 海いきに いる オキアミぜんたいの 1%ほどに かぎって いる[6]。じっさいに とられて いる りょうは、それより さらに 少なく、ぜんたいの 0.3%くらいだと いう[6]

今、オキアミをとっている国は、ノルウェー、中国、韓国、ウクライナ、チリなど。年間で35万から40万トンほどがとられている[5]。とったオキアミは、魚粉(魚のえさ)や食用、サプリメントなどに使われている[5]

南極の海の生きものを守るための国際的な決まり(CCAMLR)があり、とってよい上限を、その海域にいるオキアミ全体の1%ほどに限っている[6]。実際にとられている量は、それよりさらに少なく、全体の0.3%くらいだという[6]

近年の主な漁業国はノルウェー、中国、韓国、ウクライナ、チリで、年間漁獲量は35万〜40万トン程度で推移している[5]。漁獲物は魚粉・食用・オキアミオイルのサプリメントなど幅広い用途に利用される[5]

南極の海洋生物資源を保存するための国際条約機関CCAMLRは、南西大西洋区域において、未利用状態での推定バイオマス約6,000万トンの約1%にあたる62万トンを「トリガーレベル」として設定し、漁獲をこの水準以下に規制している[6]。実際の年間漁獲量は、この区域の未利用バイオマスのおよそ0.3%にとどまるとされる[6]。ただし、南極半島沖の2つのペンギンコロニーで30年以上蓄積された観測データを分析した米海洋大気庁(NOAA)の研究では、採餌行動・ひなの大きさ・繁殖成功を含む複数の指標において、漁獲が特定の狭い海域に時間的・空間的に集中することがペンギンへの影響を局所的に強めており、その影響の大きさは環境条件の悪化による影響に匹敵しうると報告されている[7]

つりエサの ふくろを、見て みよう

釣りエサの袋を、見てみよう

身近な製品から、オキアミの流通をたどってみる

つりぐ屋さんや スーパーで、オキアミの エサや、オキアミが 入った しなものを 見つけたら、ふくろの うらの、どこの 国で とれたかを 見て みよう。地球の うらがわの 海と、じぶんの くらしが つながって いる ことが 分かる。

釣り具屋さんやスーパーで、オキアミのエサや、オキアミが入った品物を見つけたら、袋の裏の、どこの国でとれたかを見てみよう。地球の裏側の海と、自分の暮らしがつながっていることが分かる。

釣り具店やスーパーで、オキアミを使った餌や、クリルオイルのサプリメントなどを見つけたら、パッケージの原産国表示を確認してみよう。多くの場合、その原料は地球の裏側、南極海からはるばる運ばれてきたものだ。1つの商品の裏に、遠く離れた海の生態系とのつながりが隠れている。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. Wikipedia「ナンキョクオキアミ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ナンキョクオキアミ (ナンキョクオキアミの体長が5cm前後であること、南極海の食物網を支えるキーストーン種であること、アザラシ類6,300万〜1億3,000万トン・クジラ類3,400万〜4,300万トン・イカ類3,000万〜1億トン・鳥類1,500万〜2,000万トン・魚類1,000万〜2,000万トンという年間消費量の推定は同出典による)
  2. Wikipedia「ナンキョクオキアミ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ナンキョクオキアミ (世界的なバイオマスが推定方法により1億2,500万トンから7億2,500万トンの幅があること、単一種のバイオマスとして地球上で最も成功した生物の一つとされることは同出典による)
  3. CCAMLR「Krill fisheries and sustainability」。 https://www.ccamlr.org/en/fisheries/krill-fisheries-and-sustainability (CCAMLRが用いる世界的なバイオマス推定値が約3億7,900万トンであることは同出典による)
  4. 東京新聞「<躍るオキアミ 南極からの使者>極寒 南極の漁場(上) 釣り人の『万能餌』 40日かけて日本へ」。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/271971 (南極オキアミ漁を1973年にソビエト連邦が本格的に開始したこと、広松久水産が1975年から釣り餌として販売を開始したこと、南極海から日本まで約40日かけて運ばれることは同出典による)
  5. みなと新聞「基礎から分かる水産用語<153> ナンキョクオキアミとは」。 https://note.com/minatoshimbun/n/n3c0718fa457a (日本水産(現ニッスイ)が1974年に民間企業として世界初の事業化を行ったこと、2012年に漁船を売却し日本が操業を停止したこと、近年の主な漁業国がノルウェー・中国・韓国・ウクライナ・チリであること、近年の年間漁獲量が35万〜40万トン程度であること、漁獲物が魚粉・食用・サプリメント等に利用されることは同出典による)
  6. CCAMLR「Krill fisheries and sustainability」。 https://www.ccamlr.org/en/fisheries/krill-fisheries-and-sustainability (南西大西洋区域の未利用バイオマスが約6,000万トンと推定されること、その約1%にあたる62万トンが「トリガーレベル」として漁獲規制に用いられること、実際の年間漁獲量がこの区域の未利用バイオマスのおよそ0.3%にとどまるとされることは同出典による)
  7. NOAA Fisheries「Antarctic Fishing for Krill, Even at "Precautionary" Levels, Still Affects Penguins」。 https://www.fisheries.noaa.gov/feature-story/antarctic-fishing-krill-even-precautionary-levels-still-affects-penguins (南極半島沖の2つのペンギンコロニーで30年以上の観測データをもとに、採餌行動・ひなの大きさ・繁殖成功などの指標を調べた研究で、漁獲の時間的・空間的な集中がペンギンへの影響を局所的に強めていること、その影響の大きさが環境条件の悪化による影響に匹敵しうるとされることは同出典による)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。