1. 1820年ごろ、アメリカで うまれた リール
1. 1820年ごろ、アメリカで生まれたリール
1. 1820年ごろ、ジョージ・スナイダーが作った「ケンタッキーリール」
「ベイトリール」は、いとを まいて ある ぶひん(スプール) が くるくる まわると、いとが でて いく リールです。
アメリカの とけいしょくにんだった ジョージ・スナイダーが、いとを まきとる ぶひんが まわる リールを、1820年ごろまでに アメリカで はじめて つくった 人だと つたえられて います (じぶん用に さいしょに つくったのは、1810年 ごろとも いわれます)[1]。
「ベイトリール」は、糸を巻いておく部品(スプール)がくるくる回って、糸を送り出すタイプのリールです。
時計職人が作ったリール
アメリカのケンタッキー州で時計職人をしていたジョージ・スナイダーが、1820年ごろまでに、こうしたリールをアメリカで初めて作った人だと伝えられています(自分用に最初に作ったのは1810年ごろとの記録もあります)[1]。この形のリールは、のちに「ケンタッキーリール」と呼ばれるようになりました。
2. なぜ いとが からまるの?
2. なぜ糸が絡まるの?
2. バックラッシュが起きるしくみ
ベイトリールは、スプールが くるくる まわって いとを おくりだします。
ルアーが 水面に おちて とまっても、スプールは すぐには とまりません。じてんしゃの タイヤの ように、 いきおいで まわりつづけようと するのです。 その ぶん だけ、いとが よぶんに 出て きて、リールの中で ぐしゃぐしゃに からまって しまいます。これが「バックラッシュ」です。
ベイトリールは、スプールがくるくる回って糸を送り出します。
回りつづけようとするスプール
ルアーが水面に落ちて止まっても、スプールはすぐには止まりません。自転車のタイヤのように、いきおいで回りつづけようとするのです。スプールが回りつづけるため、糸が余分に出てきて、リールの中でぐしゃぐしゃに絡まってしまいます。これが「バックラッシュ」です。
ベイトリールは、スプールが回転して糸を送り出すしくみだ。
回りつづけようとするスプール
ルアーが着水したり、空気抵抗で減速したりすると、糸を引っぱる力は弱まる。ところが、スプールには回転を続けようとする性質(慣性)があるため、スプールが回りすぎて、ルアーが引っぱるよりも多くの糸が送り出されてしまう。その差の分だけ糸がたるみ、リールの中でぐしゃぐしゃに絡まってしまう。これが「バックラッシュ」と呼ばれるトラブルだ。
3. 1952年、まわりを おさえる ブレーキ
3. 1952年、回転をおさえるブレーキ
3. 1952年、アブ社が発表した遠心ブレーキ
この もんだいを ふせぐ ために、ブレーキの しくみが かんがえられました。
1952年、スウェーデンの アブしゃが、スプールの まわる はやさに あわせて じどうで ブレーキが きく「えんしんブレーキ」を つんだ リールを はっぴょうしました [2]。
この問題を防ぐために、ブレーキのしくみが考え出されました。
回転の速さで効き目が変わる
1952年、スウェーデンのアブ社が、スプールの回る速さに合わせて自動でブレーキが効く「遠心ブレーキ」を積んだリール「アンバサダー」を発表しました[2]。回転が速いときほど強くブレーキが効き、遅くなるとゆるむしくみです。
4. 1982年、じしゃくの ブレーキ
4. 1982年、磁石のブレーキ
4. 1982年、ダイワが開発した磁石のブレーキ
それから 30年ほど あと、べつの ブレーキも うまれました。
1982年、日本の ダイワしゃが、じしゃくの ちからで スプールの まわりかたを おさえる ブレーキを かいはつしました[3]。じしゃくは、ぶひんに さわらずに ブレーキを かける ことが できます。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
じぶんでも、まわる ものが とまりにくい ようすを かんさつして みましょう。
あんぜんな ばしょで できる こと
- おとなに おねがいして、じてんしゃの タイヤを まわして もらい、こいで いなくても しばらく まわりつづける ようすを みて みる。 スプールが とまりにくいのと にた しくみです。
- 大人と いっしょに、つりぐてんで ベイトリールの ブレーキダイヤルを 見せて もらう。
きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「バックラッシュは、いとを おくりだす ぶひんが まわりつづける せいで おきる」だけで じゅうぶんです。
自分でも、回るものが止まりにくい様子を観察してみましょう。
今日できること
- 大人に自転車のタイヤを回してもらい、手を近づけずに、こいでいなくてもしばらく回りつづける様子を観察してみる。スプールが止まりにくいのと似たしくみです。
- 大人といっしょに、釣り具店でベイトリールのブレーキダイヤルを見せてもらう。
気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「サミングって、どうやるの?」だけでも十分です。
スプールの慣性という視点を持つと、ベイトリールの構造がより興味深く見えてきます。
手を動かして確かめる
- 自転車の車輪を手で回して、こいでいなくてもしばらく回りつづける様子を観察してみる。慣性によって物体が回転を続けようとする性質を体感してみましょう。
- 遠心ブレーキとマグネットブレーキ、それぞれの長所と短所を調べてみる。飛距離、扱いやすさ、価格など、比べる観点はいろいろあります。
一次情報にあたる
釣り具メーカー各社の技術解説ページには、ブレーキシステムの詳しいしくみがまとめられている。
気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。「遠心ブレーキは1952年に発表された」という一文でもかまいません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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出典について:Wikipedia、釣り具の歴史を専門に扱うアーカイブサイト、釣り具メーカーの技術解説記事を使っています。
- George W. Snyder - Wikipedia(英語版)。 https://en.wikipedia.org/wiki/George_W._Snyder (1820年ごろのジョージ・スナイダーによるリール製作とされる経緯、時計職人としての経歴、「ケンタッキーリール」という呼び名についての解説)
- History of the ABU 5000 - Bass Fishing Archives。 https://bass-archives.com/history-of-the-abu-5000/ (1952年の「アンバサダー」の発表と、遠心ブレーキを積んだリールとしての開発経緯についての解説)
- Technology - DAIWA(公式サイト)。 https://www.daiwa.com/scandinavia/brand/technology (1982年のマグサーボの発表と、現行のマグフォースシステムへの発展についての公式解説)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
- 低学年むけで、自転車のタイヤを回す観察を「おとなにお願いして回してもらう」形に直し、スナイダーのリールの説明に「糸を巻きとる部品が回る」ことを足しました(先生の目での読み直しによる)。
- 低学年むけ・高学年むけで、「スプール」が糸を送り出す部品であることが最初の説明で分かるように言いかえました(先生の目での読み直しによる)。
- 低学年むけ・高学年むけの導入に、ルアーが止まったあともスプールが回りつづける話を足しました。高学年むけの観察は、大人にタイヤを回してもらい手を近づけない形に直しました。中学生むけでは、磁石ブレーキの説明から「電磁誘導」の語を外し、スプールが回りすぎて糸が余分に出る説明も言いかえました。低学年むけ・高学年むけでは、スプールが「糸を巻いてある部品」だと分かるようにしました(先生の目での読み直しによる)。
- 低学年むけで、スプールが回ると糸が出ていくことと、メモの文が単独で分かることを直し、高学年むけで、余分な糸が出る理由(スプールが回りつづけること)を明示しました(先生の目での読み直しによる)。
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