1. さいて いる 花を おいかけて いく「てんちようほう」
1. 咲いている花を追いかける「転地養蜂」
1. 開花前線を追う「転地養蜂」という方法
1つの ばしょに ずっと すばこを おいて おく ようほうを 「ていちようほう」と いう。でも、その ばしょの 花が おわると、ミツバチは あたらしい みつを あつめられなく なる[1]。
そこで、春に なると、あたたかい 南から、なのはな、れんげ、アカシアと、花が さく じゅんばんに 合わせて、ミツバチの すばこを つぎつぎに 北へ うつして いく ようほうかが いる。これを 「てんちようほう」と いう[1]。
いろいろな 花の みつを、じゅんばんに あつめられるので、1つの ばしょに いる ときより、たくさんの はちみつが とれる[1]。
おいしい 食べものを もとめて、きせつごとに ばしょを かえる キャンプの ような ものだ。ただし ほんとうは、ミツバチが じぶんで キャンプさきを えらぶのでは なく、ようほうかが トラックで、すばこを はこんで あげて いる。
2. すばこを トラックに のせて、よるに はこぶ
2. 巣箱をトラックに乗せて、夜に運ぶ
2. 夜間の輸送と、巣箱の中の環境
いどうする ときは、ミツバチの 出入り口を ふさいだ すばこを、トラックの にだいに つみこむ。1回に 50から100この すばこを つむ ことも ある[2]。
いどうは、ミツバチが おちついて いて、気おんも ひくい 夜の あいだに おこなわれる ことが 多い。ある ようほう家は、しまねけんまで 5時間ほど かけて、よるに 車を はしらせて いる[2]。
3. 「じょうさつ」という きけん
3. 「蒸殺」という危険
3. 密閉輸送につきまとう「蒸殺」のリスク
すばこの 出入り口を とじて はこぶので、ミツバチは 外に にげられない。ひるまに 気おんが 上がると、たくさんの ミツバチじしんの 体の ねつも あわさって、すばこの 中が とても あつく なる ことが ある[3]。
この ままだと、中の ミツバチが 死んで しまう。これを 「じょうさつ」と いう。ひどい ときは、すの ろうまでも とけて しまう ことが あると いう[3]。
そこで ようほう家は、あみを つけて 空気が とおる ように したり、氷を つんで 車を 走らせたり、ガソリンスタンドで 水を かけて ひやしたり する[3]。
巣箱の出入り口を閉じて運ぶので、ミツバチは外に逃げられない。昼間に気温が上がると、たくさんのミツバチ自身の体の熱も加わって、巣箱の中の温度がどんどん上がってしまう[3]。
このままだと、中のミツバチが死んでしまう。これを「蒸殺」と呼ぶ。ひどいときは、巣そのものが溶け出してしまうこともあるという[3]。
そこで養蜂家は、通気用の網を付けて空気が通るようにしたり、トラックに氷を積んで走らせたり、給油所で水をかけて冷やしたりと、さまざまな対策をとっている。採蜜のためには巣箱にたくさんの蜂を入れておきたいが、数が多いほど蒸殺の危険も高まるという、悩ましい関係にある[3]。
巣箱は出入り口を密閉した状態で輸送されるため、ミツバチは外へ逃げられない。日中に気温が上昇すると、密集したミツバチ自身が発する体熱も加わり、巣箱内部の温度が急激に上昇する[3]。
この状態が続くと、巣箱内のミツバチが高温により死んでしまう。これを「蒸殺」と呼ぶ。深刻な場合には、巣そのものが熱で溶け出すこともあるという[3]。
養蜂家は、通気用の網を巣箱に取り付ける、トラックに氷を積み込む、給油の際に水をかけて冷却する、休憩時間を最小限にする、気温予報を踏まえて移動日程を調整するなど、複数の対策を組み合わせて蒸殺を防いでいる。採蜜効率を上げるには群れの規模を大きく保ちたい一方、群れが大きいほど蒸殺のリスクも高まるという、養蜂家が抱えるジレンマがそこにある[3]。
4. 北へだけでは ない。南へ 「にげる」 いどうも ある
4. 北へだけでなく、南へ「避難」する移動もある
4. 越冬のための、北海道からの南下移動
いどうは、北へ 向かう ものだけでは ない。ふゆに 北海道が さむく なりすぎる 前に、1400キロも はなれた、10ど いじょう あたたかい 場しょまで、3日間で ミツバチを はこぶ ようほう家も いる[4]。
その 場しょで、4月の おわりごろまで すごしてから、また 北海道へ もどって いく[4]。
5. せかい 一 大きな、アメリカの「じゅふん だいいどう」
5. 世界最大の「授粉大移動」、アメリカのアーモンド畑
5. 世界最大の授粉イベント、カリフォルニアのアーモンド農園
アメリカの カリフォルニアしゅうには、せかいの アーモンドの 8わり ちかくを つくる、大きな のうえんが ある。でも アーモンドの 花は、こん虫が みつを はこばないと、みが ならない[5]。
そこで まいとし 1がつから2がつに、アメリカじゅうから、およそ250まんの ミツバチの グループが、トラックで カリフォルニアへ あつめられる、と いわれて いる。とおくの 州から、2,000マイル(やく3,200キロ)いじょうも はこんだと いう ようほうかも いる。せかいでも とくに 大きな、じゅふんの ための 大いどうだ[5]。
アメリカのカリフォルニア州には、世界のアーモンドの8割近くを作る、広大な農園が広がっている。でもアーモンドの花は、昆虫が花粉を運ばないと実がならない[5]。
そこで毎年1月から2月に、アメリカ中から、およそ250万群ものミツバチが、トラックでカリフォルニアへ集められるといわれている。北部の州から2,000マイル(約3,200キロ)以上を運んだという養蜂家もいる。これは、世界でも特に大きな、授粉のための大移動だ[5]。
アメリカのカリフォルニア州は、世界のアーモンド生産量の8割近くを占める一大産地である。アーモンドの多くの品種は自家受粉しにくく、昆虫による花粉媒介を必要とし、ミツバチが広く利用されている[5]。
そのため毎年1月から2月にかけて、全米各地から推定およそ250万群のミツバチのコロニーが、トラックでカリフォルニアへ運び込まれるといわれている(カリフォルニア州のアーモンド園約120万エーカーに、1エーカーあたり2群が必要という計算にもとづく推定)。米農務省(USDA)の調べでは、2017年7月から2018年1月にかけて、北部大平原地域だけで推定約38万4,600群が輸送されており、2,000マイル(約3,200キロ)以上を移動したと報告した養蜂家もいるという。これは世界でも特に規模の大きい授粉イベントとされている[5]。授粉が終わると、多くの群れは北部へ戻り、群れの回復とはちみつ生産にあてられる[5]。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
スーパーに ならんで いる はちみつは、どこから きたのだろう。びんに はって ある シールを 見ると、「れんげ」や 「アカシア」など、花の 名前が 書いて ある ことが ある。その 花が、いつ、どこで さくのかを、おうちの 人と さがして みよう。
お店に並んでいるはちみつが、どんな旅をしてきたか想像したことはありますか。びんのラベルに「れんげ」や「アカシア」など花の名前が書かれていたら、その花が咲く季節と場所を調べてみましょう。ミツバチたちの移動ルートが見えてくるかもしれません。
はちみつの瓶のラベルに、「れんげ」「アカシア」といった単一花蜜の表示があれば、その花の開花時期と地域を調べてみるとよい。採蜜時期と照らし合わせることで、そのはちみつが、いつ、どの地域で集められたのか、ミツバチと養蜂家がいた季節と場所に思いを馳せることができる。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
- はちみつコラム「転勤あり?なし? 養蜂スタイルで変わるミツバチの仕事場事情」。 https://miel-mie.com/blog/2024/07/10/about_beekeeper/ (定地養蜂と転地養蜂の違い、菜の花・れんげ・アカシアなど開花時期を追って北上すること、転地養蜂の方が生産量が高いとされること、移動・設備コストや気候変動、養蜂家の高齢化により転地養蜂の件数が減少傾向にあること)
- 近藤養蜂場「転地養蜂」。 https://www.832.co.jp/tenchi (鹿児島・大分・島根・北海道を巡る移動ルート、1回に50〜100個の巣箱を積むこと、夜間に約5時間かけて島根県へ移動する例、れんげ・トチ・ハゼ・アカシアなどの蜜源植物)
- 北のみつ蜂便り「蒸殺」。 https://naruse-bee.jp/php/freo/index.php/view/207 (蒸殺の定義とメカニズム、巣が溶け出すこともあること、通気網・氷・給油所での散水などの対策、群れの規模と蒸殺リスクのジレンマ)
- 山田養蜂場「Beeワールドin日本 北海道から巣箱の大移動 篇/後編篇」。 https://www.3838.com/bee-world/backnumber/210121_jp5/ https://www.3838.com/bee-world/backnumber/210128_jp5/ (北海道から1,400キロ・3日間かけて10度以上暖かい場所へ移動し、4月末ごろまで滞在してから北海道へ戻ること)
- 米国農務省 経済調査局(USDA ERS)「Chart of Note」、カリフォルニア大学農業普及局(UC ANR)「Bug Squad」(2件)、The Bee Supply「California Almond Pollination」。 https://www.ers.usda.gov/data-products/charts-of-note/107088 https://ucanr.edu/blog/bug-squad/article/californias-almond-pollination-season-just-buzzin https://ucanr.edu/blog/bug-squad/article/arnon-dag-how-improve-cross-pollination-almond-pear-apple-and-cherry-trees https://thebeesupply.com/blogs/beekeepers-blog/california-almond-pollination (カリフォルニアが世界のアーモンド生産のおよそ8割近くを占めること、アーモンドが昆虫による交雑受粉に依存すること、アーモンド園約120万エーカーに1エーカーあたり2群が必要という計算から全米推定約250万群が1〜2月にトラックで運ばれるとされること、世界でも特に規模の大きい授粉イベントとされること、USDA ERSの調べで2017年7月から2018年1月にかけて北部大平原地域だけで約38万4,600群が輸送され2,000マイル以上を移動したと報告した養蜂家もいること、授粉後は多くが北部へ戻ること)
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更新履歴
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