1. こぶの 中には なにが あるの?
1. こぶの中身は水ではなく脂肪
1. こぶの正体 ── 脂肪と線維組織
ラクダの こぶの 中に 入って いるのは、脂肪です[1]。あぶらの かたまりの ような ものです。
ヒトコブラクダの こぶには、多い ときで 36キロほどの 脂肪が 入る、と いわれます[1]。お米の ふくろ(30キロ)より 重い こともある と いうことです。
ただし、これは いちばん 多い ときの 数字です。ラクダに よっても、ときに よっても、ずいぶん ちがいます。
2. こぶは、なんの ために あるの?
2. こぶは「食料庫」── しぼむこぶ
2. 貯蔵と体温調節 ── 脂肪を背中に集める意味
こぶの 脂肪は、食べ物が ないとき の 「たくわえ」に なります[2]。おべんとうを せなかに のせて いるような ものです。
その 脂肪を つかうと、こぶは だんだん 小さく しぼんで、よこに たおれて きます[2]。食べて、ねむると、また 立ちあがる と いわれて います。
体じゅうに 脂肪が つくより、せなかに あつめた ほうが、体の ねつを にがしやすい とも いわれます[3]。
3. 脂肪を つかうと、水が できるって ほんと?
3. 脂肪から水ができる、という話の落とし穴
3. 代謝水 ── 「こぶ=水の貯金」が成り立たない理由
脂肪を つかうと、水も ちょっと できます。脂肪 1グラムから、1.1グラムくらいの 水が できる、と いわれます[4]。
でも、それは 体の 中で できる 水の はなしです。こぶに 水が たまって いる、と いう ことでは ありません。
それに、脂肪を つかう ときには、いきを して 空気を すいます。すると はいから 水が にげて いきます。ぜんぶ 合わせると、水は へる ほうが 多い と いわれて います[1]。ただし、あつさや いきの しかたで かわる ので、いつも そうだとは 言えません。
4. ラクダは、あせを どうやって へらすの?
4. 体温を大きく上げ下げして、汗を節約する
4. 体温の日周変動 ── Schmidt-Nielsenらの1956年の研究
ラクダの いちばんの くふうは、こぶでは なく、体の 温度に あります。
ひるまは、体の 温度を 高く して、汗を かかずに たえます。夜に なると、その ねつを 水を つかわずに 外へ にがします[5]。
ためた ねつを、夜に すずしい 空気へ すてる。これで 水を すこし ずつ うかせる のです。
たとえば、手の ひらに 水を つけて ふくと、ひんやり します。汗も 水が かわく とき に ねつを もって いくので、汗を かく ほど 体の 水は へって しまいます。
5. 水が へっても、だいじょうぶ なの?
5. 体の水が大きく減っても耐えられる
5. 脱水耐性 ── 体重の3割近く
ラクダは、水を のまない 日が つづいて 体の 水が へっても、たえられます。
ラクダは、体の 水が 3わり 近く へっても たえる、と 書いて ある 本が あります[1]。ほかの どうぶつでは ふつう むずかしい、と されて います。
ただし、本に よって 数字は すこし ちがいます。「だいたい 3わり ぐらい」と おぼえて おきましょう。
6. 水を のんだら、どう なるの?
6. 一気に飲んでも壊れない赤血球
6. 急速な水分補給と赤血球 ── 低張環境でも溶血しにくい
のどが かわいた ラクダは、水を 見つけると、バケツ なんばい ぶんも 一気に のむ こと が あります[1]。100リットルほどに なる、と 書く 本も あります。
ふつうの 血の つぶは、うすい みずに つけると、水を すって われて しまう ことが あります。
でも、ラクダの 血の つぶは ちがいます。うすい みずに つけて しらべた ところ、ふくらむ だけで、われにくかった と いわれて います[6]。ラクダの 血の つぶは、たまごの ような 形を して います。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
手の うらに 水を ちょっと つけて、ふうっと いきを かけて みましょう。ひんやり する のは、水が かわく とき、ねつを もって いく から です。
ラクダは、その 水を へらす ために、体の 温度を 上げ下げして います。どうぶつえんで ラクダの こぶの 形を 見られたら、ふくらんで いるか、しぼんで いるか、見て みましょう。
今日できること:手の甲に水を少しつけて、息を吹きかけてみましょう。ひんやりするのは、水が蒸発するときに熱を持っていくからです。汗をかくと体の水が減る理由の、ひとつの手がかりになります。
出かけてできること:動物園でラクダを見られるなら、こぶの張り具合を見比べてみましょう。飼育下のラクダは食事が安定しているので、しぼんだこぶは見られないかもしれません。それも、こぶが食料庫だという考えの手がかりになります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:動物学の百科的解説、動物園の解説、日本の子ども向け科学解説、大学のブログ、1956年の論文の要旨、ラクダの血球の研究論文を突き合わせて使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。
- Wikipedia「Dromedary」。https://en.wikipedia.org/wiki/Dromedary (こぶの中身と脂肪の量、呼吸で失う水、脱水の限度、飲水量について)
- Cleveland Zoological Society / Ripley's「Camel humps」。https://www.ripleys.com/stories/camel-humps (脂肪が使われるとこぶがしぼみ、食べて休むと戻ることについて)
- 学研キッズネット 科学なぜなぜ110番「ラクダのこぶの中には何が入っているの?」。https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0143/ (こぶの脂肪の役割、熱の逃がしやすさ、日ざしをさえぎる説明について)
- Penn State University「Defying Dehydration: Camel Physiology」(Life at the Extremes)。https://sites.psu.edu/bruetteblogs/2025/02/28/defying-dehydration-camel-physiology/ (脂肪から生じる水の量について)
- Schmidt-Nielsen K. et al. "Body Temperature of the Camel and Its Relation to Water Economy." Am J Physiol 188:103–112, 1956。https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/ajplegacy.1956.188.1.103 (体温の変動と水の節約について。要旨のみ)
- ラクダの赤血球に関する研究論文(PMC10927079)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10927079/ (楕円形の赤血球と急速な補水について)
なおした ところ
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