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ろうそくの 火は、なぜ もえつづけるの?

ろうそくの火は、なぜ燃え続けるのか

ろうそくの火は、なぜ燃え続けるのか

分野:技術

160年 いじょう 前、イギリスの 科学者が、子どもたちに、ろうそくを だいざいに した じゅぎょうを、6回も した。

ろうそくには、それだけ ふしぎが つまって いる。しんに 火を つけると、なぜ、ずっと もえつづけるのだろう。

160年以上前、イギリスの科学者が、子どもたちに、ろうそくを題材にした授業を、6回も行った。

ろうそくには、それだけ不思議がつまっている。芯に火をつけると、なぜ、ずっと燃え続けるのだろう。

1860年から1861年にかけて、イギリスの科学者マイケル・ファラデーは、ろうそくを題材に、6回にわたる連続講義を行った。

ろうそくの芯に一度火をつけると、なぜ燃え尽きるまで燃え続けるのか。固体のろうがどうやって燃える炎になるのか、その仕組みをたどる。

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1. もえて いるのは、ろうでは なく「ろうの じょうき」

1. 燃えているのは、ろうそのものではなく「ろうの蒸気」

1. 固体のろうは、どのようにして燃える気体になるのか

ろうそくの しんに 火を つけると、まわりの ろうが とけて、えき体(えきたい)に なる。この えき体の ろうは、糸の すきまを 通って、上へ 上へと のぼって いく[1]

上まで のぼった ろうは、ほのおの ねつで さらに あたためられて、気体(きたい、けむりの ような すがた)に なる。じつは、もえて いるのは、この 気体に なった ろうなのだ[1]

ろう じたいが もえて いるのでは なく、ろうの 気体が、空気の 中の さんそと むすびついて もえて いるのだ[1]

ろうそくの芯に火をつけると、まわりのろうが溶けて、液体になる。この液体のろうは、毛細管現象(細いすきまを液体が上っていく現象)によって、芯をつたって上へ上へとのぼっていく[1]

上までのぼったろうは、炎の熱でさらに温められて、気体になる。実は、燃えているのは、この気体になったろうなのだ[1]

ろうそのものが直接燃えているのではなく、気体になったろうの蒸気が、空気中の酸素と結びついて燃えている。固体から液体、液体から気体という変化が、炎のすぐそばで次々に起きているのだ[1]

ろうそくの芯に着火すると、周囲の固体のろうが融解して液体になる。この液体のろうは、毛細管現象によって芯の繊維の間を上昇していく[1]

芯の先端まで達したろうは、炎の熱によってさらに加熱され、気化してろう蒸気になる。ろうそくが燃え続けている間、実際に燃焼しているのは、固体でも液体でもなく、この気化したろう蒸気である[1]

つまりろうそくの燃焼は、固体から液体、液体から気体へという状態変化と、気体になったろうが空気中の酸素と反応する燃焼反応が、芯の先端付近で連続的に起きることで成り立っている[1]

2. けした あとの けむりにも、火が つく

2. 消した直後の煙にも、火がつく

2. 白煙への着火実験が示す、蒸気燃焼の証拠

ろうそくを ふっと けすと、白い けむりが 立ちのぼる。この けむりに、マッチなどの 火を ちかづけると、けむりを つたって、ふたたび しんに 火が つく ことが ある[2]

これは、けした あとの 白い けむりの 中に、まだ もえる ちからを もった ろうの せいぶんが のこって いる ことを しめして いる[2]

ろうそくをふっと消すと、白い煙が立ちのぼる。この煙に、マッチなどの火を近づけると、煙をつたって、再び芯に火がつくことがある[2]

これは、消したあとの白い煙の中に、まだ燃える力をもったろうの成分が残っていることを示している。ろうそのものではなく、気体になったろうが燃えている、という証拠になる実験だ[2]

ろうそくを消すと、芯からは白い煙が立ちのぼる。この煙に炎を近づけると、煙の通り道を伝って炎が芯まで届き、再び着火することがある[2]

この白い煙には、気化したろうが冷えてできた小さな液滴などが含まれ、まだ燃える成分が残っている。この実験は、ろうそくの燃焼が固体や液体のろうではなく、気化したろう蒸気によって成り立っていることを視覚的に確かめる手がかりになる、古典的な実験として知られている[2]

3. ほのおの 中に ある、3つの いろ

3. 炎の中にある、3つの層

3. 炎心・内炎・外炎の3層と、それぞれの温度

ろうそくの ほのおを よく 見ると、中心の くらい ところ、その まわりの オレンジ色の ところ、いちばん 外がわの ほとんど 見えない ところの、おおまかに 3つに わかれて いる[3]

中心は「えんしん」と よばれ、まだ もえて いない ろうの 気体が あつまって いる ところだ。おんどは、めやすで 300から400どくらいと、3つの 中で いちばん ひくい[3]

オレンジ色の ところは「ないえん」と よばれ、すす(小さな 炭の つぶ)が できて いる。おんどは 500から600どくらいで、いちばん 明るく 見える。いちばん 外がわの「がいえん」は、さんそが とどきやすいので、いちばん 高い おんど(めやすで やく1400ど)に なる。この 3つの 色と おんどは、ほのおの ばしょに よって かわる、だいたいの めやすだ[3]

ろうそくの炎をよく見ると、中心の暗いところ、そのまわりのオレンジ色のところ、いちばん外側のほとんど見えないところの、おおまかに3つの層に分かれている[3]

中心は「炎心」と呼ばれ、まだ燃えていないろうの気体が集まっているところだ。温度は目安で300〜400℃くらいと、3つの層の中でいちばん低い[3]

その外側の「内炎」はオレンジ色で、すす(炭素の小さな粒)ができている。温度は目安で500〜600℃ほどと、いちばん明るく見える層だ[3]

いちばん外側の「外炎」は、空気中の酸素が届きやすく、燃焼が進む領域で、透明に近く見える。温度は目安で1400℃ほどまで上がり、3つの層の中でいちばん高温になる。ただし、これらの層の境目や温度は、炎の場所や条件によって変わる[3]

ろうそくの炎を観察すると、内側から炎心・内炎・外炎という、おおまかに3つの層に分かれていることが分かる[3]

炎心は、気化したばかりでほとんど燃焼していないろう蒸気が集まる領域で、温度は目安で300〜400℃程度と最も低く、発光もしないため暗く見える。内炎は、ろう蒸気が酸素不足のまま不完全燃焼し、炭素の微粒子(すす)が生じる領域で、温度は目安で500〜600℃程度に達する。このすすが熱せられて発光するため、内炎はオレンジ色に明るく見える[3]

最も外側の外炎は、周囲の空気から酸素が供給されやすく、燃焼が進む領域である。すすが少なく透明に近く見えるが、温度は目安で1400℃程度に達し、3層の中で最も高温になる。ただし、これらの層の境目や温度は固定値ではなく、炎の場所や条件によって変わる目安である[3]

4. なぜ ほのおは オレンジ色に 光るのか

4. なぜ炎はオレンジ色に光るのか

4. すすの熱放射と、ガスコンロの青い炎

オレンジ色に 見えるのは、ないえんに できる「すす」の つぶだ。すすは 小さな 炭の つぶで、あつく なると、光を 出す。フライパンの 金ぞくが あつく なると 赤く 光るのと、にた しくみだ。ただし ほんとうは、金ぞくと すすでは、ざいりょうが ちがう[3]

ガスコンロの 火は、さんそが たっぷり あって、すすが ほとんど できないので、オレンジ色の 光が 目立たず、青く 見える[3]

オレンジ色に見えるのは、内炎にできる「すす」の粒だ。すすは小さな炭素の粒で、高温になると光を出す性質がある。鉄を真っ赤になるまで熱すると光り出すのと、似たしくみだ。ただし本当は、鉄とすすでは材料が違う[3]

ガスコンロの炎は、ガスと空気がよく混ざり、酸素がたっぷり供給されるため、すすがほとんどできない。そのためオレンジ色の光が目立たず、青く見える。ろうそくの炎がオレンジ色なのは、芯のまわりに酸素が届きにくく、不完全燃焼が起きてすすができるからなのだ[3]

炎がオレンジ色に見える主な原因は、内炎で発生するすす(炭素の微粒子)の熱放射である。すすの粒子が高温に熱せられると、可視光を含む連続スペクトルの光を放射する。これは、加熱された金属が赤熱・白熱するのと同じ原理だが、発光する物質が金属ではなく炭素の微粒子である点が異なる[3]

ガスコンロなどの炎では、燃料と空気があらかじめよく混合された状態で燃焼するため、すすがほとんど生成されない。そのためすすによるオレンジ色の発光が目立たず、燃焼で生じる分子などによる青い光が見える。一方、ろうそくの炎では、芯の周囲に酸素が拡散して供給されるまでに時間がかかるため、内炎で不完全燃焼が起こり、すすが生じてオレンジ色に発光する[3]

5. しんが もえつきない ための くふう

5. 芯が燃え尽きないための工夫

5. 自己芯切れ機構は、1825年に発明された

むかしの ろうそくは、しんが だんだん 長く なって、ほのおの 外に 出て しまう ことが あった。そう なると しんが くろく こげて、けむりが 出やすく なるので、人が はさみで しんを きって いた[4]

1825年、フランスの カンバセレスと いう 人が、あんで 作った しんを かんがえた。この しんは、もえると ひとりでに 外がわへ まがって、いちばん あつい ところで もえつきる。だから、はさみで きる ひつようが なくなった[4]

昔のろうそくは、芯がだんだん長くなって、炎の外にはみ出してしまうことがあった。そうなると芯が黒く焦げて、煙が出やすくなるので、人がはさみで芯を切っていた[4]

1825年、フランスのカンバセレスという人が、編んで作った芯を考えた。この芯は、燃えていくと自然に外側へ曲がっていき、いちばん熱い外炎の部分で燃え尽きる。そのため、わざわざはさみで切らなくても、ちょうどよい長さに保たれるようになった[4]

現在のろうそくの芯には、編み込み式の自己芯切れ芯が使われているものがある。これは1825年、フランスのカンバセレスによって考案された機構である[4]

それ以前のろうそくは、芯が長くなるとすすや煙が出やすくなるため、専用のはさみ(スナッファー)で定期的に芯を切り詰める必要があった。カンバセレスが考案した編み込み式の芯は、燃焼が進むにつれて自然に外炎側へ湾曲し、最も高温な外炎に触れて燃え尽きる構造になっている。この工夫により、芯の長さが自動的に一定に保たれ、手作業での芯切りが不要になった[4]

6. ファラデーは 子どもたちに「ろうそくの かがく」を 語った

6. ファラデーは子どもたちに「ロウソクの科学」を語った

6. ファラデーは、ろうそくを手がかりに科学を語った

1860年から 1861年に かけて、イギリスの 科学者 マイケル・ファラデーは、ロンドンの 王立(おうりつ)けんきゅうじょで、子どもたちに むけて、ろうそくを だいざいに した じゅぎょうを、6回も おこなった[5]

その 中みは 1861年に 本に なり、「ロウソクの かがく」と いう 題で、今でも 読まれて いる[5]。1本の ろうそくにも、これだけ たくさんの かがくが つまって いるのだ。

1860年から1861年にかけて、イギリスの科学者マイケル・ファラデーは、ロンドンの王立研究所で、子どもたちに向けて、ろうそくを題材にした授業を、6回にわたって行った(クリスマス・レクチャー)[5]

その内容は1861年に本になり、「ロウソクの科学」という題で、今でも世界中で読まれている[5]

ファラデーは、ろうそくが燃えるしくみだけでなく、燃えるときに水や二酸化炭素ができること、そして人間の呼吸も、酸素を使って二酸化炭素を出すという点で、ろうそくの燃焼とよく似ていることまで話を広げた。1本のろうそくにも、これだけたくさんの科学がつまっているのだ[5]

1860年から1861年にかけて、イギリスの科学者マイケル・ファラデーは、ロンドンの王立研究所で、少年少女を対象とした連続講義(クリスマス・レクチャー)を6回にわたって行った。講義はろうそくを題材としながら、燃焼や呼吸など幅広い科学へと話を広げていった[5]

この講義の内容は、ウィリアム・クルックスの編集により1861年に「ロウソクの科学」として出版され、現在に至るまで科学読み物の古典として読み継がれている[5]

ファラデーは、ろうそくの燃焼の仕組みから出発し、燃焼によって生じる水や二酸化炭素の性質、さらには人間の呼吸が酸素を消費し二酸化炭素を排出するという点で燃焼と共通することまで、議論を発展させた。身近な1本のろうそくを手がかりに、化学の基本的な考え方を体系的に示した点に、この講義の価値がある[5]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

あんぜんの ために

火を つかう じっけんは、かならず おうちの 人と いっしょに、まわりに もえる ものが ない ところで しよう。けむりに 火を ちかづける じっけんは、おうちの 人に やって もらおう。

じゅんびが できたら、おうちの 人と いっしょに、ろうそくを 見て みよう。ほのおの 中を そっと 見て、くらい ところと、オレンジ色の ところが 見えるか さがして みよう。つぎに、おうちの 人に ふっと けして もらい、白い けむりが 立ちのぼるか たしかめて みよう。

安全のために

火を使う実験は、必ず大人と一緒に、燃えやすいものがまわりにない場所で行いましょう。

準備ができたら、大人と一緒にろうそくを観察してみましょう。炎の中をそっと見て、暗い炎心、オレンジ色の内炎が見えるか探してみます。次に、火を消した直後の白い煙に、少し離れたところからマッチの火を近づけてもらい、煙を伝って火がつくかを観察してみましょう。

安全のために

火を使う実験は、必ず大人と一緒に、燃えやすいものが周りにない場所で行うこと。

炎心の暗さ、内炎のオレンジ色、外炎の透明感の違いを、安全な距離から観察してみる。あわせて、消した直後の白煙に着火する実験を大人と一緒に行うと、煙を伝って火が戻る様子から、蒸気燃焼の仕組みを体感できる。ファラデーの「ロウソクの科学」を実際に読んでみるのもよい。150年以上前の講義が、今でも読み物として通用することを確かめられるはずだ。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 化学と歴史のネタ帳「ろうそくが燃えるわけ」。 https://katakago.sakura.ne.jp/chem/fire/candle1.html (固体のろうが溶けて液体になり、毛細管現象で芯を上り、気化したろうが酸素と結びついて燃焼すること)
  2. 雑学ネタ帳「ロウソクの火が消えた後、煙に火を近づけると火が付く」。 https://zatsuneta.com/archives/002997.html (消したあとの白い煙に気化したろうが残っており、煙を伝って再点火できること)
  3. 学研キッズネット 科学なぜなぜ110番「ろうそくの火は、なぜオレンジ色なの?」。 https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0593/ (炎心300〜400℃・内炎500〜600℃・外炎1400℃という3層構造と温度、内炎のすすの熱放射がオレンジ色に見える理由)
  4. 英語版ウィキペディア「Candle」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Candle (1825年、フランスのカンバセレスが編み込み式の自己芯切れの芯を考案したこと、それ以前は専用のはさみで芯を切る必要があったこと)
  5. 日本語版ウィキペディア「ロウソクの科学」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ロウソクの科学 (1860年から1861年にかけてのクリスマス・レクチャーとして王立研究所で行われた6回の連続講義、ウィリアム・クルックスの編集により1861年に出版されたこと)

なおした ところ

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