1. たんそせんいは、鉄より かるくて、じょうぶだ
1. 炭素繊維は、鉄より軽くて、じょうぶだ
1. 炭素繊維は、鉄より軽く、強度は10倍にもなる
たんそせんいは、その 名の とおり「たんそ」の つぶが つながった、かみの毛より ずっと 細い いとの ような ものだ。この 細い いとを、めんの ように たくさん たばねて、かためて つかう(ただし ほんとうの めんでは なく、たんその いとの たばだ)[1]。
おもさは、おなじ 大きさの 鉄と くらべると、やく 4分の1しか ない。それなのに、ひっぱる 力に たえる 強さは、鉄より ずっと 大きい[1]。
2. はじまりは、エジソンの 電きゅうと、京都の 竹だった
2. はじまりは、エジソンの電球と、京都の竹だった
2. 1880年、エジソンが電球に「炭にした竹」を使った
1880年ごろ、はつめい家の エジソンは、長い 時間 光りつづける 電きゅうを つくろうと、いろいろな ものを ためして いた。木、糸、かみの毛まで ためしたが、なかなか うまく いかなかった[2]。
さいごに たどりついたのが、竹を むしやき(たんかさせる こと)に した フィラメントだった。とくに、日本の 京都・八幡の 竹が いちばん 長もちした。この 竹は、やく 1,000時間も ひかりつづけたと いわれて いる[2]。
1880年ごろ、発明家のエジソンは、長い時間光りつづける電球を作ろうと、いろいろなものを試していた。木、糸、髪の毛まで試したが、なかなかうまくいかなかった[2]。
最後にたどりついたのが、竹を蒸し焼き(炭化させること)にしたフィラメントだった。とくに、日本の京都・八幡(やわた)の竹がいちばん長もちした。この竹は、約1,000時間も光りつづけたといわれている[2]。
1878年ごろから、エジソンは長寿命の白熱電球用フィラメントの開発に取り組み、金属から木綿糸、髪の毛にいたるまで数千種の植物・素材を試したとされる。最終的にたどりついたのが、竹を炭化させたフィラメントだった[2]。
1880年、来日していたエジソンの助手が京都府知事の紹介で竹の産地を訪れ、地元の資料によれば、石清水八幡宮に近い八幡(やわた)産の真竹が採用されたと伝えられている。この竹を使ったフィラメントは、約1,000時間もの点灯を記録したという。炭化させた植物繊維で発光させるという点では、この竹フィラメントは後の炭素繊維の遠い先駆けと見ることもできるが、構造や製法は現在の炭素繊維とは異なる、あくまで電球の発光体としての利用だった[2]。
3. 1959年、日本人が 今の たんそせんいを 生み出した
3. 1959年、日本人が今の炭素繊維を生み出した
3. 進藤昭男が、PAN系炭素繊維の製法を発明した
今、せかいで つかわれて いる たんそせんいの もとを つくったのも、日本人だ。1959年、大阪の けんきゅうじょに いた しんどう あきおさんが、ある せんいを むしやきに すると、じょうぶな たんそせんいが できる ことを 見つけた[3]。
しんどうさんは、この つくりかたを とっきょに した あと、たくさんの かいしゃに ぎじゅつを おしえた。それが、日本が いまも たんそせんいで せかいを リードして いる りゆうの 1つに なって いる[3]。
4. 白い いとを、なんども やいて 黒く する
4. 白い糸を、何度も焼いて黒くする
4. 耐炎化・炭化・黒鉛化という3つの工程を経て作られる
たんそせんいは、はじめから 黒い わけでは ない。まず、白い アクリルの いとを つくる。それを、空気の 中で 200℃から 300℃くらいの 火で じっくり やく[4]。
つぎに、空気の ない ところで、1,000℃を こえる もっと 強い 火で やく。すると、いとの 中の たんそ いがいの ものが ぬけて いき、たんそだけが のこった、黒い せんいに かわる[4]。
6. つりざおから ロケットまで、いろいろな ところで つかわれる
6. 釣り竿からロケットまで、いろいろなところで使われる
6. スポーツ用品から人工衛星まで、幅広い用途がある
たんそせんいは、かるくて じょうぶな とくちょうを いかして、つりざお、じてんしゃの フレーム、ゴルフの クラブなど、いろいろな どうぐに つかわれて いる。ひこうきや、うちゅうを とぶ じんこうえいせいにも つかわれて いる[6]。
炭素繊維は、軽くてじょうぶな特徴を生かして、釣り竿、自転車のフレーム、ゴルフのクラブなど、いろいろな道具に使われている。飛行機や、宇宙を飛ぶ人工衛星にも使われている[6]。
軽量かつ高強度・高弾性率という特徴から、炭素繊維はスポーツ・レジャー用品(釣り竿、ゴルフシャフト、テニスラケット、自転車フレーム)、自動車、航空機、人工衛星まで、幅広い分野で使われている。同じ強度を保ちながら重量を減らせるため、燃費や機動性が重要な乗り物ほど採用が進んでいる[6]。
身のまわりで、くろい ぼうざいを さがして みよう
身のまわりで、黒い棒材をさがしてみよう
製品の素材表示から、炭素繊維の使われ方をたどる
家に つりざおや、じてんしゃ、テニスや バドミントンの ラケットが あったら、くろくて つやの ある ぼうざいの ぶぶんが ないか さがして みよう。もって みると、おもさに おどろくかも しれない。
家に釣り竿や、自転車、テニスやバドミントンのラケットがあったら、黒くてつやのある棒材の部分がないかさがしてみよう。持ってみると、重さに驚くかもしれない。
スポーツ用品店やカタログで、「カーボン」「CFRP」といった表示のある製品を探してみよう。同じ種目の道具でも、素材によって価格や重さがどれくらい違うかを見くらべると、炭素繊維という素材の価値が実感できるはずだ。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
- フリー百科事典『ウィキペディア』「炭素繊維」、コトバンク「炭素繊維」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/炭素繊維 https://kotobank.jp/word/炭素繊維-95241 (炭素繊維がJIS規格上「質量比で90%以上が炭素でできた繊維」と定義されること、単繊維の太さがPAN系で5〜7マイクロメートルであること、鉄と比較して比重が約4分の1・比強度が約10倍・比弾性率が約7倍とされることはウィキペディアおよびコトバンクによる)
- 国土交通省「地域観光資源の多言語解説文データベース」石清水八幡宮エジソン記念碑、八幡市「八幡ストーリー エジソン記念碑」。 https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/R2-01481.html https://www.city.yawata.kyoto.jp/yawata-story/introduction/introduction008.html (1878年ごろからエジソンが白熱電球の長寿命フィラメントの材料を数千種類試したこと、最終的に竹を炭化させたフィラメントにたどりついたこと、1880年に来日していたエジソンの助手が京都府知事の紹介で竹の産地を訪れ京都・八幡産の真竹が特に優れた性能を示したこと、この竹を使ったフィラメントが約1,000時間点灯したとされることは国土交通省の多言語解説文データベースおよび八幡市公式の解説による)
- フリー百科事典『ウィキペディア』「進藤昭男」、戦後日本のイノベーション100選「炭素繊維・炭素繊維複合材」、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)訃報記事。 https://ja.wikipedia.org/wiki/進藤昭男 https://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00053&test=open https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20161101.html (1959年に通商産業省工業技術院の進藤昭男がポリアクリロニトリル繊維を蒸し焼きにする炭素繊維の製法を発明し同年9月に特許出願、1962年に特許公告されたこと、この取り組みが経済産業省により「進藤モデル」と名づけられたことはウィキペディアおよび戦後日本のイノベーション100選による。技術指導を行った企業数が「30社近く」であることはAISTの訃報記事による〈ウィキペディア等にある「28社・1965〜1982年」という具体的な社数・期間は、今回一次資料で確認できなかったため本文には採用していない〉)
- 炭素繊維協会「炭素繊維の製造工程」、フリー百科事典『ウィキペディア』「炭素繊維」。 https://www.carbonfiber.gr.jp/material/manufacture/ https://ja.wikipedia.org/wiki/炭素繊維 (PAN系炭素繊維がPAN繊維を空気中200〜300℃で加熱する耐炎化工程、窒素等の不活性ガス中1,000〜1,500℃で加熱する炭素化工程、高弾性率を目的にさらに2,000〜3,000℃で加熱する黒鉛化工程を経て製造されることは炭素繊維協会の製造工程解説による。同協会のPAN系開発history頁の耐炎化温度〈200〜350℃〉はピッチ系の不融化工程の温度と記載が近接しており誤読しやすいため、工程別に温度を明記した製造工程頁の数値を優先した。工程の呼称・概略はウィキペディアとも共通する内容として確認した)
- 東洋経済オンライン「東レ・炭素繊維50年目の飛躍」、ITmedia「ボーイングはなぜ東レと炭素繊維の独占供給契約を結んだのか」、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)関連資料。 https://toyokeizai.net/articles/-/4391?page=4 https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/0902/16/news015.html https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20161101.html (東レが炭素繊維の世界市場で長年トップクラスのシェアを占めていること、ボーイング社と独占供給契約を結び787型機の主翼・胴体など主要構造部材向けにCFRPを供給していることは東洋経済オンラインおよびITmediaの報道による。787の機体構造重量の約50%をCFRPが占めることはAISTの資料による。機体重量の具体的な軽量化率〈約20%等〉は、比較対象や条件を明確に裏づけられる一次資料が確認できなかったため、本文には記載していない)
- フリー百科事典『ウィキペディア』「炭素繊維」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/炭素繊維 (炭素繊維が航空機・人工衛星・自動車・ゴルフシャフト・釣り竿・テニスラケットなどスポーツ・レジャー用途を含む幅広い分野で使われていることはウィキペディアによる)
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