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雲は、なぜ 空に うかんで いるの?

雲は、なぜ空に浮いているのか

雲は、なぜ空に浮いているのか

分野:自然

見上げると、空に 白い 雲が ぽっかりと うかんで いる。

雲の しょうたいは、水や こおりの 小さな つぶの あつまりだ。じゅう力が あるのに おちて こない わけと、雲の 名まえの ひみつを たどって みよう。

見上げると、空に白い雲がぽっかりと浮かんでいる。

雲の正体は、水や氷の小さな粒の集まりだ。重力があるのに落ちてこないわけと、雲の名前の秘密をたどってみよう。

見上げると、空に白い雲がぽっかりと浮かんでいることがある。その正体は、水蒸気ではなく、水や氷の小さな粒の集まりだ。

重力があるのに、なぜ落ちてこないのか。雲の名前の付け方には、19世紀初めにイギリスの製薬会社の技術者が趣味で考えたラテン語の分類法という起源がある。十種雲形という国際的な分類のルール、うろこ雲・ひつじ雲といった日本語の俗称と正式名称の違い、そして世界各地でも似た雲が魚や羊にたとえられているという、文化を越えて共通する見立て方までをたどる。

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1. 雲の しょうたいは、水や こおりの つぶ

1. 雲の正体は、水や氷の粒

1. 雲の正体は、無数の水滴や氷晶だ

空に うかんで いる 白い 雲。その しょうたいは、目に 見えない くらい 小さな、水や こおりの つぶが、たくさん あつまった ものだ[1]

雲から 雨が ふって くる ことも ある。あれは、雲の中の つぶが、大きく そだった すがただ[1]

空に浮かんでいる白い雲。その正体は、目に見えないくらい小さな、水や氷の粒が、たくさん集まったものだ[1]

雲から雨が降ってくることもある。あれは、雲の中の粒が、大きく育った姿だ[1]

白く見える雲の正体は、大気中に浮かぶ、無数の微小な水滴や氷の結晶(氷晶)の集まりである。目に見える気体である水蒸気とは異なり、雲は液体または固体の粒でできている[1]

これらの粒が上空で成長し、雨や雪となって落ちてくることがある[1]

2. つぶが 小さすぎて、おちるのが ゆっくり

2. 粒が小さすぎて、落ちるのがゆっくり

2. 終端速度と上昇気流が、雲を支える

雲つぶは、かみの毛の 太さの 半分にも みたない ほど 小さい。小さすぎて、じゅう力が あっても、ほとんど おちて いる ことに 気づかないくらい、ゆっくりとしか おちない[2]

まるで、たんぽぽの わたげが、風に のって ふわふわと ゆっくり おちて いく ような ものだ。かるくて、空気の ていこうを 受けやすいから、ゆっくり おちる。ただし ほんとうは、わたげのように 毛が 生えて いるのでは なく、つるつるした 丸い 水や こおりの つぶだ[2]

さらに、下から 空気が 上に のぼって いく「上しょう気りゅう」が あると、つぶは その 空気に ささえられて、いつまでも おちきらずに ういて いられる[2]。このようにして 空に うかぶ 雲には、いろいろな 形が ある。人は それを、どうやって 見わけて きたのだろう。

雲の粒は、髪の毛の太さの半分にも満たないほど小さい。小さすぎて、重力があっても、ほとんど落ちていることに気づかないくらい、ゆっくりとしか落ちない[2]

まるで、たんぽぽの綿毛が、風に乗ってふわふわとゆっくり落ちていくようなものだ。軽くて、空気の抵抗を受けやすいから、ゆっくり落ちる。ただし本当は、綿毛のように毛が生えているのではなく、つるつるした丸い水や氷の粒だ[2]

さらに、下から空気が上にのぼっていく「上昇気流」があると、粒はその空気に支えられて、いつまでも落ちきらずに浮いていられる[2]。このようにして空に浮かぶ雲には、いろいろな形がある。人はそれをどうやって見分けてきたのだろう。

雲粒は直径が数マイクロメートルから数十マイクロメートルと極めて小さく、落下速度(終端速度)は1秒間に数ミリメートルから数センチメートルほどにすぎない[2]

大気中には至るところで上昇気流が生じており、雲粒の終端速度とこの上昇気流の速さがつり合うと、雲粒は下降できずに見かけ上、空中にとどまり続けることになる[2]。このようにして空に浮かぶ雲には、実は多様な形がある。人類はそれをどのように分類し、名付けてきたのだろうか。

3. 雲の 名まえは、しゅみで 考えられた

3. 雲の名前は、趣味で考えられた

3. ルーク・ハワードが、ラテン語で雲を分類した

雲を あらわす 「けん雲」「せき雲」などの 名まえは、1802年、イギリスの ルーク・ハワードと いう 人が 考えた ものが もとに なって いる。ハワードは、くすりを 作る 会社で はたらく 人で、気しょう学は しゅみだった[3]

ハワードは、植物や 生きものの 名まえに つかわれて いた ラテン語を まねて、雲にも 名まえを つけた。この やり方が、今の 雲の 名まえの もとに なって いる[3]

雲を表す「巻雲」「積雲」などの名前は、1802年、イギリスのルーク・ハワードという人が考えたものがもとになっている。ハワードは、薬を作る会社で働く人で、気象学は趣味だった[3]

ハワードは、植物や生きものの名前に使われていたラテン語をまねて、雲にも名前をつけた。このやり方が、今の雲の名前のもとになっている[3]

現在の雲の分類の原型は、1802年12月、イギリスの化学技術者ルーク・ハワードが、ある学術団体の会合で発表した分類法である。ハワードは製薬会社に勤める傍ら、気象観測を趣味としていたアマチュア研究者だった[3]

ハワードは、18世紀の博物学者カール・フォン・リンネによる動植物の命名法を参考に、ラテン語を用いて雲を巻雲(シーラス)・積雲(キュムラス)・層雲(ストレイタス)・雨雲(ニンバス)などに分類した。この体系は翌1803年に論文として発表された[3]

4. 雲は、10しゅるいに わけられる

4. 雲は、10種類に分けられる

4. 十種雲形という世界共通のルールが生まれた

ハワードの 考えは、その後 かいりょうされて、雲を 10しゅるいに わける 「十しゅ雲けい」と いう きまりに なった。1929年、この きまりは、せかいで つかう ものとして みとめられた[4]

雲の 名まえは、① どのくらいの 高さに あるか、② どんな 形か、③ 雨を ふらせるか、と いう 3つの ことで きめられて いる[4]

ハワードの考えは、その後改良されて、雲を10種類に分ける「十種雲形」という決まりになった。1929年、この決まりは、世界で使うものとして認められた[4]

雲の名前は、①どのくらいの高さにあるか、②どんな形か、③雨を降らせるか、という3つのことで決められている[4]

ハワードの分類法はその後の観測の蓄積を経て改良され、雲を高度・形状・降水の有無によって10種類に整理する「十種雲形」としてまとめられた。1929年の会合でこの分類法の改訂案が合意され、1951年に発足した世界気象機関(WMO)が引き継いでいる[4]

上空5,000〜13,000メートル付近にできる上層雲(巻雲・巻積雲・巻層雲)、2,000〜7,000メートル付近の中層雲(高積雲・高層雲・乱層雲)、地表付近〜2,000メートルの下層雲(層雲・層積雲・積雲)という高度区分が、分類の骨格になっている。ただしこの高さの目安は地域によって変わり、積乱雲のように地表付近から上層近くまで垂直に大きく発達する雲もある[4]

5. 「うろこ雲」と「いわし雲」は、おなじ 雲

5. 「うろこ雲」と「いわし雲」は、同じ雲

5. 見た目からついた俗称と、正式名称は異なる

日本には、雲の 見た目から つけられた、したしみやすい 名まえが たくさん ある。魚の うろこに にた 「うろこ雲」、いわしの むれに にた 「いわし雲」、ひつじの むれに にた 「ひつじ雲」など[5]

じつは、「うろこ雲」と 「いわし雲」は、正式には おなじ 「けんせき雲」と いう 雲の べつの 名まえだ。「ひつじ雲」は、それとは べつの、「こうせき雲」と いう 雲だ[5]

日本には、雲の見た目からつけられた、親しみやすい名前がたくさんある。魚のうろこに似た「うろこ雲」、いわしの群れに似た「いわし雲」、ひつじの群れに似た「ひつじ雲」など[5]

実は、「うろこ雲」と「いわし雲」は、正式には同じ「巻積雲」という雲の別の呼び名だ。「ひつじ雲」は、それとは別の、「高積雲」という雲だ[5]

日本語には、雲の見た目にもとづく通称が数多くある。「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」は、いずれも上層にできる「巻積雲」の別名であり、見え方の印象によって呼び分けられているにすぎない[5]

一方「ひつじ雲」は、巻積雲より低い位置にでき、厚みがあるため底に陰ができる「高積雲」を指す。手を伸ばして小指を立てたとき雲のかたまりが隠れればうろこ雲、人差し指からもはみ出すほど大きければひつじ雲、という見分け方が知られている[5]

6. せかいでも、おなじ 雲を 魚や ひつじに たとえて いる

6. 世界でも、同じ雲を魚や羊にたとえている

6. 雲の見立て方は、文化を越えて共通している

「うろこ雲」を、えいごでは 「マッカレルスカイ(さばの空)」と よぶ。日本と おなじように、魚に たとえて いる[6]

「ひつじ雲」も、フランスや ドイツなど、いろいろな 国で 「ひつじの 雲」と よばれて いる[6]

「うろこ雲」を、英語では「マッカレルスカイ(さばの空)」と呼ぶ。日本と同じように、魚にたとえている[6]

「ひつじ雲」も、フランスやドイツなど、いろいろな国で「羊の雲」と呼ばれている[6]

巻積雲は英語で"mackerel sky"(さばの空)と呼ばれ、日本語の「さば雲」「いわし雲」と同様に、魚の群れに見立てる発想が共有されている[6]

高積雲や巻積雲のような、羊毛を思わせるもこもことした雲は、フランス語でも"moutonné"(羊毛状の)、ドイツ語でも"Schäfchenwolken"(羊の雲)と呼ばれることがある。厳密にどの雲を指すかは言語や地域によって幅があるものの、日本語の「ひつじ雲」と同じように、羊にたとえる発想が複数の言語で共有されている[6]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

空を 見上げて、見えた 雲の 形を、じっと かんさつして みよう。うろこ雲かな、ひつじ雲かな、それとも べつの 形かな。

空を見上げて、見えた雲の形を観察してみよう。手を伸ばして指をかざすと、うろこ雲とひつじ雲を見分けられるかもしれない。

空を見上げて、見えた雲がどの高さ・形にあたるか、十種雲形にあてはめて考えてみよう。次にその雲を見かけたとき、日本語の俗称と、英語やドイツ語の呼び方を並べてみると、まったく違う場所の人々が、同じ形を見て、同じような連想をしてきたことが見えてくる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 気象庁仙台管区気象台「空に浮かぶ白い雲、その正体はなんでしょうか」。 https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/kyouiku/yoho/kumo.pdf (雲の正体が空中に浮かぶ水や氷の小さな粒の集まりであること、雲粒が成長して落下する現象が雨や雪であること)
  2. ダイヤモンド・オンライン「地球には重力があるのに、なぜ『雲』は空に浮かんでいるのか」。 https://diamond.jp/articles/-/330239 (雲粒が髪の毛の太さの半分にも満たないほど小さいこと、落下速度(終端速度)が秒速数ミリ〜数センチと非常に遅いこと、上昇気流と終端速度がつり合うと雲粒が浮かんだままになること)
  3. フリー百科事典『ウィキペディア』「ルーク・ハワード」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ルーク・ハワード (製薬会社に勤めるアマチュア気象学者だったルーク・ハワードが1802年12月の学術団体の会合で雲の分類法を発表したこと、カール・フォン・リンネの命名法を参考にラテン語で雲を分類したこと、1803年に論文として発表されたこと)
  4. フリー百科事典『ウィキペディア』「国際雲図帳」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/国際雲図帳 (ハワードの命名法が1929年に国際気象委員会が採用した分類法の基礎となったこと、1951年設立の世界気象機関(WMO)がこの分類法を引き継いでいること、上層雲・中層雲・下層雲という高度による区分)
  5. ウェザーニュース「うろこ雲とひつじ雲 簡単に見分ける方法」、防災情報ナビ「ひつじ雲とうろこ雲といわし雲とさば雲の違い」。 https://weathernews.jp/s/topics/202010/070045/ https://www.ibousai.jp/learn/bskn010.html (うろこ雲・いわし雲・さば雲が正式には巻積雲の別名であること、ひつじ雲が別の雲(高積雲)であること、小指・人差し指を使った見分け方)
  6. Weatheronline「Weather Facts: Sometimes a bit fishy」、Wetteronline.de「Altocumulus (Schäfchenwolke)」。 https://www.weatheronline.co.uk/reports/wxfacts/Sometimes-a-bit-fishy.htm https://www.wetteronline.de/wetterlexikon/altocumulus (巻積雲が英語で"mackerel sky"と呼ばれフランス語で"nuages moutonneux"、ドイツ語で"Schäfchenwolken"とも呼ばれること、ドイツ語のSchäfchenwolkenは高積雲・巻積雲を含む羊にたとえた通称として使われること)

なおした ところ

更新履歴

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