1. 「さいきん けした しゃしん」と いう ばしょ
1. 「最近削除した項目」という場所
1. アプリの「ゴミ箱」機能 ── 30日間の猶予
スマホの しゃしんアプリで しゃしんを けすと、すぐには きえません。「さいきん けした しゃしん」と いう とくべつな ばしょに、しばらく のこって います。
たとえば iPhoneでは、この ばしょに 30にちかん のこります。その あいだなら、もとに もどす ことが できるのです [1]。
2. むかしの パソコンは、けしても のこって いた
2. 昔のパソコンは、消してもデータが残っていた
2. ファイルシステムの「目印」を消すだけのしくみ
むかしの パソコンでは、ファイルを「けす」と いっても、 じつは データ じたいは きえて いません でした。
ちょうど、としょかんの ほんだなから ほんを ぬかずに、 もくろくカードだけ すてて しまう ような ものです。ほんは たなに のこって いるのに、どこに あるか わからなく なるのと にて います。
だから、あたらしい データを その ばしょに かきこむ まで、もとの データを さがしだして もとに もどせる ことが ありました[3]。
昔のパソコンでは、ファイルを「消す」といっても、実はデータ自体は消えていませんでした。
目印だけを消す
多くのしくみでは、削除するときに行うのは、そのファイルの場所を記録した「目印(索引情報)」を消すことと、その場所を「もう使ってよい」と印をつけることだけです。データそのものは、その場所に新しいデータが書き込まれるまで、ハードディスクの上に残り続けます[3]。
だからこそ、専用のソフトを使えば、上書きされる前のデータを見つけ出して、もとに戻せることがあったのです。
昔のパソコンでは、ファイルを「削除」しても、実はデータ自体は消えていなかった。
目印だけを消す
多くのファイルシステムでは、削除操作で行われるのは、ファイルの場所を記録した索引情報(メタデータ)を無効にすることと、そのファイルが占めていた領域を「解放済み」と印づけることだけだ。実データが記録されているセクタやブロックには、削除直後には何も手を加えられない[3]。
だからこそ、専用のソフトウェアを使えば、新しいデータで上書きされる前のデータを見つけ出し、もとに戻せることがあった。データ復旧業者が使う技術は、この性質を利用したものだ。
3. いまの スマホは、なぜ もどせないのか
3. 今のスマホでは、なぜ復元できないのか
3. 暗号化と記憶装置のしくみ ── 今のスマホで復元が難しい理由
でも、いまの スマホは、むかしの パソコンとは しくみが ちがいます。
いまの スマホの データは、ひとつずつ 「あんごう」 に なって います。あんごうを とく カギを なくして しまうと、データが のこって いても、なかみを 読める 人は だれも いなく なるのです[4]。
でも、今のスマホは、昔のパソコンとはしくみが違います。
暗号のカギがなくなる
今のiPhoneや、多くのAndroid端末では、データが1つずつ暗号になっています。工場出荷時の状態に戻す操作(初期化)をすると、暗号を解くための「カギ」も同時に消えてしまいます。カギがなければ、データが物理的に残っていても、中身を読み出すことはできません[4]。スマホに使われているメモリでは、データが1か所にまとまって記録されるとは限らず、バラバラの場所に分散して記録されるため、昔ながらの方法での復元も難しくなっています[4]。
今のスマホは、昔のパソコンとはしくみが違う。
暗号のカギがなくなる
今のiPhoneや、多くのAndroid 7以降の端末では、データが個別に暗号化されている。工場出荷時の状態に戻す操作(初期化)をすると、暗号を解くための鍵も同時に消去される。鍵がなければ、データが物理的にストレージ上に残っていても、理論上、中身を読み出すことはできない[4]。スマホに使われるフラッシュメモリでは、データが決まった場所にまとまって記録されるとは限らず、コントローラーの判断で飛び飛びの場所に記録される。これも、ハードディスク時代のような物理的な復元手法を通用しにくくしている[4]。
なお、パソコン用のSSD(記憶装置の一種)には「TRIM」という機能があり、削除された場所を、次に書き込みやすいようあらかじめ消去しておく。この機能が実際に働いた場合、削除後のデータ復元は一般的にほぼ不可能になるとされる[5]。スマホの記憶装置も似た性質を持つが、スマホで復元がとくに難しい主な理由は、ここまでに説明した暗号化としくみの複雑さによるところが大きい。
4. けした データを、たんていの ように さがせるのか
4. 消したデータは、探偵のように調べられるのか
4. データ復旧業者にもできないこと
むかしの パソコンなら、たんていの ように データを さがしだせる ことが ありました。でも、いまの スマホでは、スマホの 中から じかに とりだす やりかたは、 せんもんの かいしゃでも ほとんど できないと 言われて います[4]。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
じぶんでも、スマホの せっていを たしかめて みましょう。
あんぜんな ばしょで できる こと
- 大人と いっしょに、しゃしんアプリの「さいきん けした しゃしん」を さがして みる。 なんにちかん のこるか、せっていを かくにんして みましょう。
- だいじな しゃしんは、どこに バックアップして いるか、 大人と かくにんして みる。 けす まえに、コピーが ある ばしょを しって おくと あんしんです。
きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「さいきん けした しゃしんは、30にちかん のこる」だけで じゅうぶんです。
自分でも、スマホの設定を確かめてみましょう。
今日できること
- 大人といっしょに、写真アプリの「最近削除した項目」を探してみる。何日間残るか、設定を確認してみましょう。
- 大事な写真がどこにバックアップされているか、大人と確認してみる。消す前に、コピーがある場所を知っておくと安心です。
気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「TRIMって、パソコンにもあるの?」だけでも十分です。
データ削除のしくみという視点を持つと、日ごろ使っているスマホやパソコンの動きがより興味深く見えてきます。
手を動かして確かめる
- 自分のスマホの「最近削除した項目」の保存期間を、設定画面で確認してみる。機種やアプリによって、日数が違うことがあります。
- ハードディスクとSSD、フラッシュメモリの違いを調べてみる。それぞれの記憶装置が、データをどう記録しているかを比べてみましょう。
一次情報にあたる
データ復旧業者の技術解説記事には、TRIMコマンドやファイルシステムの仕組みについて、より詳しい説明がまとめられている。
気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。「削除しても、すぐにはデータは消えていなかった」という一文でもかまいません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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出典について:メーカー公式サポートページ、データ復旧の専門業者による技術解説、科学技術ジャーナリズムのサイトを使っています。
- 「最近削除した項目」アルバムからの写真・ビデオの復元 - Apple公式サポート。 https://support.apple.com/ja-jp/124460 (iPhoneの「最近削除した項目」が30日間保存され、その後自動的に完全消去されることについての公式解説)
- 写真や動画を削除する - Google フォト ヘルプ(Google公式)。 https://support.google.com/photos/answer/6128858?hl=ja (Googleフォトのゴミ箱が、バックアップの有無にかかわらず30日間保管されることについての公式解説)
- ファイル削除とデータ復元の仕組み - データ復旧ナレッジ。 https://www.datasmart.co.jp/knowledge/delete-file-recovery/ (ファイルシステムにおける削除操作が、索引情報の無効化と領域の解放マークのみであり、実データがすぐには消去されないことについての解説)
- 「データ復旧業者が直面するSSDのデータ救出の難しさ。近年のスマホはまず不可能、悪徳業者に注意を」 - PC Watch。 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1192004.html (近年のスマートフォンにおけるファイル単位の暗号化、初期化時の暗号鍵消去、フラッシュメモリの記録方式の特性についての、データ復旧業界の専門家による解説)
- 「技術解説」SSDのTRIM機能により削除データが復旧できない理由 - データサルベージ。 https://data-salvage.jp/work/58072 (TRIMコマンドの動作と、削除後のデータ復元がほぼ不可能になる理由についての、データ復旧業界の専門家による解説)
なおした ところ
更新履歴
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