1. くるまの めんきょを かえすと、どうなるの
1. 運転免許を返納すると、どうなるのか
1. 運転免許を返納すると、どうなるのか
くるまを うんてんする 人が、大きな じこを おこす ニュースを 見た ことが ある人も いるかもしれません。高齢の 人が うんてんを やめる ために、めんきょを かえす「へんのう」 と いう しくみが あります。
めんきょを かえせば、じこは へります。でも、くるまが なくなると、とおくの おみせに 買い物に 行けなく なって しまう 人も 出て きます。
運転する人が大きな事故を起こすニュースを見たことがある人もいるかもしれません。高齢の人が運転をやめるために、免許を返す「返納」というしくみがあります。
2023年には38万2957件の免許が返納され、そのうち約68パーセントを75歳以上の人が占めました[1]。免許を返すことは、事故を減らすための1つの手段として広がってきました。
しかし、免許を返せば、それで問題が解決するわけではありません。車がなければ、遠くのスーパーへ買い物に行けなくなってしまう人が出てくるからです。
高齢の運転者による重大な交通事故が起きるたびに、「運転免許を返すべきではないか」という話題がニュースになる。実際、2019年に東京・池袋で高齢の運転者が死傷事故を起こしたあと、その年の運転免許の自主返納件数は60万件を超え、過去最多を記録した[1]。
運転免許の自主返納制度は、1998年(平成10年)に始まった[1]。2023年には38万2957件が返納され、そのうち約68パーセントを75歳以上の人が占めた[1]。免許を返すことは、事故を減らすための1つの手段として広がってきた。
しかし、免許を返せば、それで問題が解決するわけではない。車がなければ、遠くのスーパーへ買い物に行けなくなってしまう人が出てくるからだ。
2. 買い物に こまって しまう 人たち
2. 「買い物難民」という問題
2. 「買い物難民」という問題
くるまが なくて、食べものの 買い物に こまって しまう 人の ことを、「買い物なんみん」と よびます。
国の しらべに よると、こうした 人は、65さい いじょうの 人の、およそ 4人に 1人だと いわれて います。
つまり「めんきょを かえす」ことと、「あんぜんに くらしつづける」 ことは、べつべつに かんがえなければ ならない もんだいなのです。
3. でんわで よぶ「のりあいバス」
3. 電話で呼ぶ「乗合バス」のしくみ
3. デマンド交通 ── 電話で呼ぶ乗合バスのしくみ
この もんだいの たいさくとして ひろがって いるのが、 「のりあいバス」の しくみです。
この バスは、りようする 人が 電話などで よやくした ときに あわせて、はしる みちすじや じかんを きめて くれます。
まるで、いつも 電車の 時こくを 気に する かわりに、行きたい ときに 電話を すれば むかえに 来て くれるような ものです。 だれも のらない バスを からのまま はしらせるより、むだが すくなく なります。
4. でんわに 出る AI
4. 電話に出るAI ── 音声予約の実証実験
4. 電話に出るAI ── 自動音声応答による予約の実証実験
でんわの よやくを うける 人の 手間が かかると いう もんだいも ありました。
2025年、山梨けんの あるまちでは、AI(じんこうちのう)が でんわで 音声あんないを して、よやくを うけつける じっけんが おこなわれました。
まるで、でんわの むこうに、あんないロボットの 駅いんさんが いるような ものです。この じっけんでは、よやくの 95パーセント いじょうが、AIだけで うまく できました。
電話の予約を受ける人の手間や費用がかかるという問題もありました。
2025年2月、山梨県都留市では、AIによる自動音声応答で乗車予約ができるしくみの実証実験が行われました[4]。利用者が電話をかけると、流れてくる音声案内に答えるだけで、予約が完了するしくみです[4]。
この実証実験では、95パーセント以上の予約がAIの自動応答だけで正常に完了し、利用した人の7割以上が「満足」と答えました[4]。専用のスマートフォンアプリの使いかたがわからないという高齢者の声に応える形で導入されたもので、電話という使い慣れた手段のまま、予約の受付を自動化できたことが評価されました[4]。
デマンド交通には、電話予約を受け付けるオペレーターの人件費がかかるという課題もあった。
2025年2月、山梨県都留市では、AIによる自動音声応答で乗車予約ができるしくみ「AIつる~と」の実証実験が行われた[4]。利用者が電話をかけると、流れてくる音声案内に応じて答えるだけで、予約が完了するしくみだ[4]。
この実証実験では、95パーセント以上の予約がAIの自動応答だけで正常に完了し、利用した人の7割以上が「満足」と答えた[4]。専用のスマートフォンアプリの使いかたがわからないという高齢者の声に応える形で導入されたもので、電話という使い慣れた手段のまま、予約の受付を自動化できたことが評価された[4]。
5. これからの まち
5. これからの街
5. これからの街 ── まだ実験の途中にあるしくみ
のりあいバスは、買い物いがいにも つかわれはじめて います。
やまぐちけんの あるまちでは、2025年から 2026年に かけて、 おなじ 車で、人を はこぶだけでなく、スーパーの しなものを おうちまで とどける じっけんが おこなわれました。
ただし、こうした しくみの おおくは、まだ ためして いる とちゅうです。だれにでも つかいやすいか、これから どうやって つづけて いくか、まだ かんがえなければ いけない ことが たくさん あります。
乗合バスは、買い物以外にも使われはじめています。
山口県のあるまちでは、2025年10月から2026年3月にかけて、同じ車で人を運ぶだけでなく、スーパーの商品を住民の自宅まで届ける実証運行が行われました[5]。1台の車が、人と荷物の両方を運ぶことで、限られた予算や人手を効率よく使おうという工夫です。
ただし、これらの多くはまだ実証実験の段階にあります。予約の音声案内がどの年代にも使いやすいか、運行の費用をだれが負担し続けるのかなど、確かめなければならないことはまだ多くあります。
デマンド交通は、買い物以外の場面にも広がりつつある。
山口県下関市豊田町では、2025年10月から2026年3月にかけて、同じ車両で人を運ぶだけでなく、スーパーの商品を住民の自宅まで届ける「貨客混載」の実証運行が行われた[5]。1台の車が、人と荷物の両方を運ぶことで、限られた予算や人手を効率よく使おうという工夫だ。
ただし、これらの多くはまだ実証実験の段階にある。予約の音声案内がどの年代にも使いやすいか、運行の費用をだれが負担し続けるのかなど、確かめなければならないことはまだ多い。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
じぶんの すんで いる まちに、どんな バスや でんしゃが あるか しらべて みましょう。
きょう できる こと
- おうちの 人に、まちの バスに ついて 聞いて みる。 のりあいバスが あるか、どうやって よやくするか 聞いて みましょう。
- じぶんの まちの バスていを さがして みる。 バスていに、どんな じかんに バスが 来るか 書いて あるか、見て みましょう。
きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「デマンドこうつうって なに?」だけで じゅうぶんです。
自分の住んでいる町に、どんなバスや電車があるか調べてみましょう。
今日できること
- 家の人に、町のバスについて聞いてみる。乗合バスがあるか、どうやって予約するか聞いてみましょう。
- 自分の町のバス停を調べてみる。バス停に、どんな時間にバスが来るか書いてあるか、見てみましょう。
出かけてできること
- 市役所や町役場で、地域の交通に関するパンフレットをもらう。
- 実際に乗合バスに乗って、予約から乗車までの流れを体験する。
気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「AIつる~とって結局どんなしくみなの?」だけでも十分です。
自分の住んでいる自治体の公共交通について調べてみよう。
手を動かして確かめる
- 自分の自治体のデマンド交通の有無を調べる。自治体の公式サイトには、地域公共交通に関するページがあることが多い。運行のしかた(型)や予約方法を、この記事の分類と照らし合わせてみる。
- 家族に、免許返納後の生活について聞いてみる。高齢の家族や知人がいれば、買い物や通院の移動手段をどうしているか聞いてみると、この記事の内容を身近な視点で確かめられる。
一次情報にあたる
地域公共交通の統計は国土交通省、免許返納の統計は警察庁、食料品アクセス問題の統計は農林水産省が、それぞれ公式サイトで公開している。ニュース記事と一次統計を読みくらべると、報道でどこが強調され、どこが省略されているかに気づける。
AIつる~とのような実証実験は、うまくいった数字だけが報道されがちだ。実証実験のあと本格運行に進んだか、その後の続報も追ってみると、技術が定着する過程が見えてくる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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出典について:農林水産省は政府機関、日本経済新聞は報道機関、その他は地方自治体政策・技術系のメディアです。
- 日本経済新聞「運転免許証の返納、2023年は38万件 4年連続で減少」。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE01DLC0R00C24A3000000/ (2023年の自主返納件数、75歳以上の割合、2019年の事故後にピークを迎えたことについての出典)
- 農林水産政策研究所「食料品アクセス問題に関する推計結果」。 https://www.maff.go.jp/primaff/seika/pickup/pu24/24_03.html (食料品アクセス困難人口=買い物難民の定義、2020年時点の推計人数・割合についての出典)
- ジチタイムズ「デマンド交通とは?言葉の定義や取り組み事例を解説」。 https://www.publicweek.jp/ja-jp/blog/article_50.html (デマンド交通の定義、運行方式の種類、安芸太田町の運賃・開始年についての出典)
- ロボスタ「都留市でオンデマンド交通の実証運行を実施、AI自動音声応答の電話予約で送迎車が停留所に 95%以上の予約が正常に完了」。 https://robotstart.info/2025/04/07/turu-on-demand-transportation-demo.html (2025年、山梨県都留市のAI自動音声応答による乗車予約の実証実験についての出典)
- 住友商事「国内初の産官学連携AIオンデマンドシステム×貨客混載の実証実験を開始」。 https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2025/group/20250812 (山口県下関市豊田町の「生活バス」へのAIオンデマンド機能・貨客混載機能導入の実証実験についての出典)
なおした ところ
更新履歴
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