1. 「5ミリ」で なまえが かわる
1. 名前を分けているのは、直径5mmの線
1. 気象庁の区分 ── 直径5mm以上が「ひょう」、未満が「あられ」
あられと ひょうは、どちらも 雲から おちて くる こおりの つぶです。ちがいは、まず 大きさです。
気象庁の ことばでは、直径が 5ミリ みまんの ものが あられ、5ミリ いじょうの ものが ひょうです[1]。5ミリは 0.5センチ。ものさしで 見ると、ほんの ちょっとです。
ひょうは、5ミリから 50ミリ ぐらいの ものが あると いわれます[7]。5センチ ほどの 大きな ものも あります。
この 5ミリの 線は、人が よびわけの ために きめた ものです。でも 大きさには、雲の 中での できごとが あらわれて います。それは あとの 章で 見ます。
気象庁の用語
気象庁の予報用語では、ひょうは積乱雲から降る直径5mm以上の氷のかたまり、あられは雲から落ちてくる直径5mm未満の氷の粒とされています[1]。5mmは0.5cmですから、あられはごく小さな粒です。
ひょうはどれくらい大きいのか
ひょうは直径5〜50mmほどのものがあるとされ、大きなものは落ちてくる速さが時速100kmに達することもあるという解説があります[7]。直径5cmで時速100kmを超えるという説明もあり、資料によって言い方に幅があります。
ただ、5mmという線は、人が呼び分けるために決めた区分です。粒の大きさは、雲の中でどれだけ育つ時間があったかを映しています。次の章から、その育ち方を見ます。
2. あたたかい 日にも、雲の 上は さむい
2. 地上が暖かくても、雲の上は寒い
2. 積乱雲の高さと低温 ── 暖かい日にも氷ができる理由
あられも ひょうも、積乱雲という 大きな 雲の 中で つくられます[2]。にゅうどう雲と よばれる 雲です。
この 雲の 高さは 10キロメートルを こえ、ときには うんと 高い ところまで とどきます[2]。
地面が あたたかくても、高い ところの 雲の 中は、とても つめたい ところです。そこで 水の つぶが こおって、こおりの つぶが できます[5]。
上に のぼるほど さむい ことを、山に のぼった ときの ことと かさねて みると、思いうかべやすいかも しれません。
3. こおりの つぶは、どう 大きく なるの?
3. あられは、雪の結晶に雲の水滴が凍りついて育つ
3. 着氷による成長 ── 過冷却の雲粒と、霰の生成
雲の 中には、0どより ひくくても こおらずに いる、過冷却の 水の つぶが あります。とても ふしぎな ものです。
こおりの つぶや 雪の 結晶に、この 水の つぶが ぶつかると、その ばで こおりついて くっつきます[4]。
これが くりかえされると、雪の 形は だんだん 見えなく なり、こおりの つぶの かたまりに なります。これが あられです[3]。
大きさは 2ミリぐらいから 5ミリ みまんで、まるくて 白っぽい ものが 多いと いわれます[4]。
4. ひょうが 大きく なれるのは、雲の 中に 長く いたから
4. ひょうを大きくするのは、強い上昇気流
4. ひょうの成長条件 ── 落下速度に匹敵する上昇気流
あられは、まだ 小さな つぶです。ひょうは、どうして そこから 5ミリを こえる ほど 大きく なれるのでしょう。
ひょうが 大きく なるには、ひょうが おちる 速さに ならぶ ぐらいの、下から 上へ ふきあげる 強い 風が いると いわれます[3]。この 風の おかげで、ひょうは 雲の 中に 長く いられます。
雲の 中を 上へ 下へと うごきながら、水の つぶや ほかの こおりを くっつけて 大きく なる、という せつめいが あります[6]。
たとえば、ボールが 下から 風を うけて、下に おちずに ささえられて いる ところを 思いうかべて ください。風が 強い ほど、ボールは 長く うかんで います。ただし 本当は、ひょうは まるい ボールでは ありません。
すごく 大きく なると、おちる とちゅうで とけきらず、こおりの まま ふって きます[6]。
5. ひょうを きると、まんなかに ふしぎな しま
5. ひょうの断面には、層が重なっている
5. ひょうの積層構造 ── 透明層と半透明層の交互構造
大きな ひょうを 半分に きると、切り口に すきとおった ところと、白っぽい ところが、なんども かさなって いる ことが あります[8]。
玉ねぎを 切った ときの ように、まるい しまが なんまいも かさなります。ただし 玉ねぎは やさいで、ひょうは こおりです。
しまが 見えない ひょうも あるので、しまの 数から 雲の 中の 動きが わかる、とは いえません。
透明と不透明が交互に並ぶ
大きなひょうを割ると、透明な層と半透明の層が交互に重なった断面が見えることがあります[8]。玉ねぎを切ったときのような、同心円の縞です。
層の数は、雲の中の旅の記録とは限らない
層が見えないひょうもあります。層の数から、雲の中を上下した回数を読み取れるとは限りません。
ひょうの断面には、透明な層と半透明(不透明)の層が交互に重なる積層構造が見えることがある[8]。ただし層が見えないひょうもあり、断面から上下運動の回数を読み取れるとは限らない。成因は、この記事では扱わない。
断面の層は、大きさ(5mm以上)と並ぶ、ひょうを見分ける手がかりになりうる。あられの多くは、小さいために、断面を見る機会が少ない。
6. あられにも 2しゅるい。「雨」か「雪」か
6. あられは2種類。予報では「雨」か「雪」か
6. 雪あられと氷あられ ── 予報文での扱いの違い
あられには、「ゆきあられ」と「こおりあられ」の 2しゅるいが あります[1]。
ゆきあられは、白くて もろく、じめんに あたると はねて われる ことも あります。こおりあられは、すこし すきとおって、ゆきあられより かたい ほうと いわれます[7]。
天気よほうでは、ゆきあられは「雪」、こおりあられは「雨」の なかまとして あつかわれます[1]。とても ちいさな つぶでも、よほうの ことばでは ちがう あつかいなのです。
これは よほうの ことばの きまりです。どちらが すぐれて いる、という ことでは ありません。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日 できること
ものさしを だして、5ミリの ながさを 見て みましょう。ひょうと あられの 境目が、どれくらいか わかります。
もし ひょうや あられが ふって きたら、外には でないで、まどの 中から 見ます。かみなりが 鳴る ときは とくに あぶないので、おうちの 人と たてものの 中に いて ください。
もっと 知りたい とき
気象庁の「よほうようご」に、あられや ひょうの ことが のって います。おうちの 人と いっしょに 見て みましょう。
今日できること
ものさしで5mmの長さを測り、消しゴムや豆などの身近なものと並べてみましょう。ひょうとあられの境目が、意外に小さいと感じるかもしれません。
ひょうやあられが降ってきたときは、外に出ず、建物の中の窓から見ます。雷が鳴っているときは特に危険なので、屋内にいてください。
公式の資料
気象庁の「予報用語(降水)」ページと「積乱雲ってどんな雲?」のページが、この記事の土台です。原文を読むと、言葉の定義と雲の説明が確かめられます。
今日できること
ものさしで5mmを測り、身近なものと大きさを比べてみるとよい。ひょう・あられの降る場面では、屋内の窓越しに観察する。雷を伴うことが多く、外に出るのは危険である。
資料を読むなら
気象庁の予報用語(降水)[1]と積乱雲の解説[2]が公的な定義の出発点である。成長機構は雪の科学館[3]、断面構造は百科事典的な解説[8]にあたると、説明のちがいが見える。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
記事中の[ ]の番号は、下の資料に対応します。予報用語と積乱雲の説明は気象庁、成長の説明は雪の科学館・極地研究所の辞典・企業や気象情報会社の解説による。
- 気象庁「予報用語(降水)」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html (ひょう・あられの区分、雪あられ・氷あられの予報での扱い)
- 気象庁「積乱雲ってどんな雲?」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tenki_chuui/tenki_chuui_p2.html (積乱雲の高さ)
- 中谷宇吉郎 雪の科学館「ひょうやあられが降る条件」 https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/oshiete/ (霰の生成、ひょうの成長と上昇気流)
- 国立極地研究所 雪氷辞典「霰」 https://ads.nipr.ac.jp/glacierDictionary/item/%E9%9C%B0 (着氷による成長、大きさ)
- Yahoo!天気・災害「「ひょう」と「あられ」の違い」 https://weather.yahoo.co.jp/weather/promo/column/knowledge/hail-and-graupel.html (降りやすい季節、雲の内部の低温)
- 東京海上ホールディングス「雹を理解し、備える」 https://www.tokiomarinehd.com/news_insights/ni36.html (ひょうの成長過程の説明)
- ウェザーニュース 防災ハンドブック https://weathernews.jp/s/gensai/handbook/page1-6.html (ひょうの大きさ・速さ、雪あられと氷あられの性質)
- Wikipedia「雹」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B9 (断面に層が見えることがある、という説明のみ補助的に使用)
なおした ところ
更新履歴
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