1. 「ヒック」は、のどが とじる 音
1. 「ヒック」は、空気がせき止められる音
1. 音の正体 ── 約35ミリ秒のずれ
むねの 下に、横隔膜という 筋肉が あります。ふだんは、これが 下がって、空気を すいこんで います。
しゃっくりの ときは、この 筋肉などが きゅうに ぎゅっと ちぢみます。空気が いきおいよく 入って こようと します。
すると、のどの おくの 声帯が、すぐに とじます。入り口の とびらが ばたんと しまる ような ものです。この ときに 出る 音が「ヒック」です[1]。
ただし ほんとうは、とびらでは ありません。のどの おくに ある ヒダが、よりあって ふさぐのです。
2. だれが 「ヒック」を めいれい して いるの?
2. 脳の奥から出る指令
2. 延髄の中枢と、求心路の不確かさ
ヒックの めいれいは、脳の 下の ほうから 出て いると 考えられて います。「えんずい」と いう ところです。
そこから 神経を 通って、横隔膜と 声帯に、ほとんど 同じ ときに 合図が とどきます[2]。だから、じぶんの つもりでは 止められません。
ふつうの 息の リズムを 作る ところとは、べつの 場所だと 見られて います。
3. なにが きっかけに なるの?
3. しゃっくりのきっかけ
3. 誘因 ── 多彩だが決め手はない
ある 研究者は、つめたい 空気や、炭酸の のみものが きっかけに なると 話して います。おなかから のぼって きた すっぱい ものや、のどの はれも、きっかけに なるそうです[3]。
でも、これだけ 食べたら かならず ヒックが 出る、と いう ものでは ありません。
冷たい空気、炭酸飲料、逆流した胃酸、のどの炎症など、いろいろなことが刺激になると、ある研究者は説明しています[3]。ただし、これを食べれば必ず出る、というものではありません。
誘因として、咽頭の炎症、胃酸の逆流、冷たい空気、炭酸飲料など、多彩な要因が挙げられている[3]。単一の決まった原因があるわけではなく、同じものを飲んでも、出る人と出ない人、出る日と出ない日がある。
4. おなかの 中の あかちゃんも
4. おなかの中の赤ちゃんも、しゃっくりをする
4. 胎児のしゃっくりと、役割をめぐる仮説
おなかの 中に いる あかちゃんも、しゃっくりを します。まだ 生まれる ずっと 前から、「ヒクッ」と 動く ようすが 見つかって います[1]。
なんの ために あるのかは、まだ よく わかって いません。いくつかの かんがえが あります。
- 生まれた あとの あかちゃんが、ミルクと いっしょに のんだ 空気を 出すため
- 生まれたら 息を するので、おなかの 中で する 練習の ため
- 大むかしの 生きものが、水の 中と りくの 上で 息を 切りかえた なごり
どれも 「そうかも しれない」と いう ところです[4]。
5. ヒックを 止める ほうほうは?
5. 止め方に、根拠はあるのか
5. 止め方の根拠 ── 息こらえと民間療法
「おどろかせる」「さとうを なめる」など、いろいろな 話が あります。でも お医者さんの 話では、ほとんどは 理科の 目で 見ると、はっきりした わけが ないそうです[5]。
りくつが ある やりかたが、ひとつ あります。「息こらえ」です。息の 出し入れを 止めて、むねと おなかに 力を 入れる やりかたです。ヒックが 出た 一ばん はじめの ときに はじめるのが 大事だと、ある お医者さんは 書いて います[5]。
2回め、3回めが 出て からは、息こらえだけでは 止まりにくいそうです。かならず 止まる ほうほうでは ありません。
コップの 反対がわから 水を のむ やりかたは、あぶないので おすすめ できません。水が はいの ほうへ 入る ことが あるからです[5]。
ほとんどの民間療法には根拠がない
驚かす、箸をコップに渡して飲む、砂糖をなめるといった方法は、基本的に科学的な根拠がないと、呼吸器内科医の倉原優さんは書いています[5]。
理屈があるのは「息こらえ」
息の出し入れを止めて胸とおなかに力を入れる方法には、迷走神経への刺激や、肺の動きを制限することなどの理屈があります。最初のヒックの時点で始めるのがよく、2〜3発目が出てしまうと息こらえだけでは治まりにくいそうです[5]。これは医師個人の見解で、必ず止まるとは言えません。
コップの反対側から飲む方法は、前かがみ・息止め・冷たい水という条件がそろい、理屈は通ります。しかし水を誤って気管に吸い込む危険があり、医学的には勧められないとされています[5]。
6. ずっと 止まらない ときは
6. 長引くときの受診の目安
6. 持続時間による分類と受診の目安
ふつうの しゃっくりは、しばらくすると 止まります。でも 2日いじょう つづく ときは、おうちの 人に 話して、お医者さんに 見て もらいましょう。
ながく つづく しゃっくりの 後ろに、びょうきが かくれて いる ことが あると いわれて います[6]。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
ヒックの 音が、どんな じゅんばんで 起きるのか、じぶんの 体で 考えて みましょう。
あんぜんな ばしょで できる こと
- ふつうの 息を して、むねの 動きを 見る。 むねと おなかに そっと 手を あてて、息を すう ときに どこが ふくらむか かんじて みます。ヒックでは、この 「すう 動き」が きゅうに 起きて、そのあとに のどが とじる、じゅんばんです。のどは わざと とじません。
- ヒックが 出たら、思い出して みる。 出る 前に 何を して いたか、ひとこと ノートに 書いて おきましょう。
今日できること
- 吸う動きと止まる動きの順番を考える。胸とおなかに手を当てて、ふつうに息を吸うときにどこが動くか確かめます。しゃっくりでは、この吸う動きが急に起き、そのあとに声帯が閉じます。のどをわざと閉じる必要はありません。順番を頭の中で追ってみましょう。
- しゃっくりが出たら、直前を書き留める。冷たいものを飲んだ、笑った、急いで食べたなど、直前にしていたことを1行だけ記録すると、きっかけの手がかりになるかもしれません。
手を動かして確かめる
- 吸気と声門閉鎖の順序を考える。安静呼吸で胸腹部に手を当て、吸気筋の動きを確かめる。そのうえで、吸気の急な開始→約35ミリ秒後の声門閉鎖という順序を、図に書いて整理する。声門は意図的に閉じない。
- しゃっくりの記録をつける。出たときの直前の行動と、続いた時間を記録する。数日続くときは記録より受診を優先する。
資料を読むなら
「Hiccups: A new explanation for the mysterious reflex」(PubMed Central)は、英語の総説で、35ミリ秒の値などが載っている。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
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出典について:医学系の総説・病院・クリニック・医師の解説・報道の公開情報を使っています。
- Hiccups: A new explanation for the mysterious reflex(PubMed Central)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3504071/ (約35ミリ秒のずれ、胎児のしゃっくりについて)
- みどり病院 薬局ブログ。 https://midori-hp.or.jp/wp/pharmacy-blog/web20210721-2/ (しゃっくりの起き方、延髄の中枢、持続時間による分類について)
- 日経メディカル「しゃっくりは横隔膜の痙攣だけで片付かない」。 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201712/554179.html (刺激が伝わる神経の研究、きっかけ、乳幼児に多い理由の説について)
- ナショナル ジオグラフィック日本版。 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/041000174/ (しゃっくりの役割についての仮説の紹介)
- 倉原優「しゃっくり」の解説(Yahoo!ニュース エキスパート)。 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/99f0979652c95dc9f795e8e4eddcea51bc6411d7 (息こらえの理屈、民間療法の根拠について。医師個人の見解)
- きだクリニックのブログ解説。 https://kida-clinic.jp/blog/105454 (長引くしゃっくりと受診の目安について)
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