1. あいてが だれでも、まず 食べて しまう
1. 相手が誰でも、まず食べてしまう
1. 好中球とマクロファージが、力ずくで初期防衛する
ばいきんが からだに 入ると、まっさきに かけつけるのが 「こうちゅうきゅう」と いう 白けっきゅうの なかまだ。あいてが なんの ばいきんかは たしかめず、見つけしだい 食べて しまう[1]。
「マクロファージ」も おなじように、からだに 入って きた、あぶなそうな あいてを 見つけると、どんどん のみこんで しまう。まるで、あやしい ものを 見つけしだい とりおさえる、パトロールカーの ような ものだ。ただし ほんとうは、車では なく、からだの 中を うごきまわる、目に 見えない くらい 小さな さいぼうだ[1]。
2. たたかうより、じょうほうを つたえる
2. 戦うより、情報を伝える
2. 樹状細胞が、獲得免疫への橋渡しを担う
「じゅじょうさいぼう」も あいてを 食べる。でも それより 大きな やくわりは、食べた あいての とくちょうを、つぎの 部たいに つたえる 「じょうほうやく」だ[1]。
つたえられる さきは、「T さいぼう」と いう、もっと せいみつに たたかう 部たいだ。まだ その あいてと 出会った ことの ない T さいぼうを、はじめて うごかす ことが できる[1]。
3. 1つの さいぼうが、1しゅるいの てきだけを おぼえる
3. 1つの細胞が、1種類の敵だけを覚える
3. 抗原受容体が、精密に敵を識別する
T さいぼうや、「B さいぼう」と いう べつの なかまは、それぞれ じぶんだけの 「かぎ」を もって いる。その かぎに ぴったり あう 「かぎあな」を もつ あいてだけに、はたらきかける ことが できる[1]。
B さいぼうは、あいてに ぴったり くっつく 「こうたい」と いう ものを つくりだす。こうたいが くっつくと、あいては うごきを とめられたり、こうげきされたり する[1]。
4. なぜ 100おくも の かぎを 作れるのか
4. なぜ100億もの鍵を作れるのか
4. 利根川進が、抗体多様性の遺伝的原理を解明した
1つ 1つの あいてに あわせて、べつべつの いでんしを もって いたら、からだの 中には いでんしが 入りきらない。では、100おく しゅるいも の かぎは、どうやって 作られて いるのだろう[4]。
日本人の 研究しゃ、とねがわ すすむは、いでんしの 一ぶひんを、さいころの 目のように くみかえる ことで、すくない ぶひんから たくさんの しゅるいの かぎを 作れる ことを あきらかに した。この 発見で、1987年に ノーベルしょうを うけとった[4]。
5. てきを 見分ける まえに、「じぶん」を しって おく
5. 敵を見分ける前に、「自分」を知っておく
5. HLAという目印で、自己と非自己を区別する
てきを 見分けるには、まず 「じぶんの めじるし」を しって いなければ ならない。からだの ほとんどの さいぼうの ひょうめんには、「HLA」と いう めじるしが ついて いる[5]。
この めじるしの くみあわせは、人に よって ほとんど ちがう。めんえきは、この めじるしや、てきの とくちょうを てがかりに して、「じぶん」と 「じぶんでは ない もの」を 見わけて いる[5]。
6. いちど たたかった てきは、わすれない
6. 一度戦った敵は、忘れない
6. メモリー細胞が働き、ワクチンが効く
いちど たたかった てきの じょうほうは、「メモリーさいぼう」と いう さいぼうに のこされる。おなじ てきが もういちど からだに 入って くると、メモリーさいぼうは、1かいめよりも はやく、つよく たたかう ことが できる[6]。
よぼうせっしゅ(ワクチン)は、この しくみを りようした ものだ。てきを よわめたり、うごけなく したり した ものを さきに からだに 入れて おく ことで、メモリーさいぼうに じょうほうを のこして おく[6]。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
母子手帳(ぼしてちょう)や、よぼうせっしゅの おしらせには、いままで うけて きた ワクチンの きろくが のこって いる。おうちの 人と いっしょに、見て みたい ところだ。
母子手帳や、予防接種のお知らせには、今まで受けてきたワクチンの記録が残っている。家の人といっしょに、見てみたいところだ。
母子手帳や予防接種のスケジュール表には、これまでに受けたワクチンの記録が残っている。1回で終わるものと、複数回の接種が必要なものがあるのはなぜだろうか。メモリー細胞の仕組みと結びつけて考えてみるのもおもしろい。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
- ヤクルト「健康管理ラボ/免疫細胞の種類と役割とは?」。 https://www.yakult.co.jp/shirota/immunity/immune-cells-types-and-roles/ (好中球が白血球で最も多い貪食細胞であること、マクロファージが異物を貪食し情報をT細胞に伝えること、樹状細胞がナイーブT細胞を活性化できること、T細胞・B細胞・NK細胞それぞれの役割)
- マクロフィ「自然免疫・獲得免疫とは?わかりやすく免疫の仕組みを解説します!」。 https://www.macrophi.co.jp/special/1435/ (自然免疫が生まれつき備わった迅速な防御であること、獲得免疫が病原体の情報を記憶し再侵入時に速やかに対処する学習型の防御であること、樹状細胞が自然免疫と獲得免疫の橋渡し役であること)
- 滋賀医科大学病理学講座「免疫」。 https://www.shiga-med.ac.jp/~hqpatho2/lecture3.html (T細胞・B細胞が抗原受容体によって特異的に抗原を認識すること、B細胞が抗体を作り抗原に結合させることで無力化・攻撃の目印にすること)
- くまもと免疫学「抗体ができるメカニズムが解明されるまで」、子供の科学「【ノーベル医学・生理学賞】利根川進先生の研究」。 https://www.immunology-kumamoto.com/免疫学の昔話/抗体ができるメカニズムの解明/ https://www.kodomonokagaku.com/read/28023/ (利根川進が抗体の可変部位をコードする遺伝子断片(V・D・J領域)の組換えにより抗体の多様性が生まれることを実験的に証明し1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞したこと、抗体の種類数が100億にも達すると考えられていること)
- HLA研究所「HLAについて」。 https://hla.or.jp/about/ (HLAが赤血球を除くほぼ全ての細胞に発現していること、複数の遺伝子座の組み合わせにより個人ごとにほぼ固有の型となること、自己と非自己の識別に関与する重要な免疫機構であること)
- 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「メモリーB細胞が再感染から速やかに体を守る仕組みを解明」。 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20130712/index.html (メモリーB細胞が、1回目の感染よりも再感染時に速やかに大量に抗体産生細胞へ分化すること、ワクチンがこの一次応答・メモリー細胞形成の仕組みを利用していること)
なおした ところ
更新履歴
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