このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ひいおじいさんの ころより、いまの 高校生は なんセンチ たかい?

日本の高校生の身長は、100年でどう変わったのか

日本人の身長の100年:学校保健統計でたどる伸びと横ばい

分野:からだ・くらし

いまから 100年ほど まえ、17さいの 男の子の せの たかさは、平均へいきんで 160センチ ぐらいでした。いまの 高校生は、それより 10センチほど たかいのです[1]。

ところが、この のびは ずっと つづいて いる わけでは ありません。おとうさん・おかあさんの 世代と くらべると、ほとんど おなじなのです。どうして でしょう。

1926年に17歳だった男子は、平均で身長160.6cmでした。2024年の17歳の男子は170.8cmです。100年ほどで、約10cm高くなった計算です[1]。

ただ、この伸びは今も続いているわけではありません。親の世代とくらべると、17歳の平均身長はほとんど変わらないのです。学校で毎年はかってきた記録から、その理由の手がかりを探します。

文部科学省の学校保健統計によると、17歳男子の平均身長は1926年の160.6cmから2024年の170.8cmへ、女子は150.3cmから158.0cmへ伸びた[1]。一方で、男子の17歳は1994年度に170.9cmを記録して以後、約30年ほぼ横ばいだったと報じられている[2]。

伸びた時期と止まった時期を年ごとの記録で見比べ、なぜ止まったのかについて、確かなこと(記録)と仮説(要因)を分けて整理する。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. せの たかさは、いつから はかって いるの?

1. 明治から続く、学校での身長の記録

1. 1900年度から続く学校保健統計という長い時系列

学校では、毎年、せの たかさと 体重たいじゅうを はかって いますね。その 記録きろくを、国が しらべる 学校の 子どもたちの ぶんだけ あつめた ものが あります。

この 記録きろくは、明治めいじ33年(1900年)から つづいて いると いわれます。ただし、1940年から 1947年までは、記録きろくが ありません[1]。

ひとつの 国が、こんなに ながく 子どもの せを はかり つづけて きた ことが、ふしぎでは ありませんか。だから 100年ぶんの くらべが できるのです。

学校の健康診断では、身長と体重が毎年はかられます。そのうち、調査の対象になった子どもたちの結果を国がまとめたものが「学校保健統計」です。

この記録は、1900年度(明治33年度)から毎年つづいていると紹介されています。ただし、1940年から1947年までは記録がありません[1]。

同じ年齢の子どもの数字が長く残っているので、「100年前の17歳と今の17歳をくらべる」ことができます。この記事では、その中から17歳の数字を主に使います。

学校保健統計は、文部科学省が、調査対象となった児童・生徒の身長・体重などを毎年集計する調査で、1900年度(明治33年度)から続く。1940〜47年度は記録がない[1]。この記事の数字の多くは、この統計を紹介したnippon.comの記事を通して確認したもので、文科省の原表そのものは読んでいない。

年齢ごとの平均値が1世紀にわたって並ぶため、「同じ年齢の子どもが、時代ごとにどれだけ違うか」を直接見比べられる。17歳の値は、成長がほぼ終わる時期の指標として使いやすい。

2. 100年で、なんセンチ かわった?

2. 男子は約10cm、女子は約8cm

2. 1926年から2024年:男子+10.2cm、女子+7.7cm

17さいの 男の子の 平均へいきんを 見ましょう。1926年は 160.6センチ、2024年は 170.8センチです。10.2センチ たかく なりました[1]。

17さいの 女の子は、150.3センチから 158.0センチに なりました。7.7センチ、つまり 8センチ ちかい ちがいです[1]。

10センチは、30センチの ものさしの 3ぶんの 1ぐらいです。ひいおじいさんの 世代の 子が いまの 教室に はいったら、まわりより 平均へいきんで その ぶんだけ ひくい、という ことです。

ただし これは 「平均へいきん」の はなしです。ひとりひとりは、いつの 時代も、たかい 人も ひくい 人も います。

17歳の平均身長を、1926年と2024年でくらべてみます。男子は160.6cmから170.8cmへ、10.2cm伸びました。女子は150.3cmから158.0cmへ、7.7cm伸びました[1]。

「100年で約10cm」というのは男子の数字です。女子は約8cmです。

たとえば、ものさし(30cm)の3分の1ほどの差です。教室で、100年前の17歳の男子と今の17歳が並ぶと、平均では、頭のてっぺんが手のひら1つ分くらい変わる計算になります。

もちろん、これは平均の話です。どの時代にも、背の高い人も低い人もいました。数字は集団の傾向を表すだけで、一人ひとりの良し悪しを表すものではありません。

nippon.comが再掲する学校保健統計では、17歳の平均身長は、男子が1926年の160.6cmから2024年の170.8cmへ+10.2cm、女子が150.3cmから158.0cmへ+7.7cm伸びた[1]。「100年で約10cm」は男子の値であり、女子は約8cmである。

17歳男子の伸びを100年で割ると1年あたり約1mmで、年ごとの変化はごく小さい。それでも世代を隔てれば、10cmという明確な差になる。ただしこれは集団の平均値の比較で、個人の身長の優劣を示すものではない。

3. どうして のびたの?

3. 伸びた理由は、1つではなさそう

3. 栄養・生活環境の改善という説明と、その限界

どうして そんなに のびたのでしょう。ぜんぶは わかって いませんが、栄養えいようが よく なった ことや、くらしが ゆたかに なった ことが、ちからに なったと 考えられて います[4]。

むかしは、食べ物が じゅうぶんでない 時代も ありました。その あと、給食きゅうしょくが ひろがり、食べる ものも ふえて いったと いわれます。

ただし、牛にゅうや 給食きゅうしょく「だけ」が りゆうと 決まった わけでは ありません。いくつもの ことが かさなって、少しずつ のびて いったと 考えられます。

身長が伸びた理由として、産業技術総合研究所(産総研)の解説は、栄養の改善や生活環境の向上が寄与したと考えられる、としています[4]。

戦後、食生活や暮らしが大きく変わった時期と、身長が伸びた時期は重なっています。ただ、どの変化がどれだけ効いたのかまでは、この解説からは分かりません。

ただ、牛乳や給食だけが伸びた原因だと決まったわけではありません。医療や衛生、暮らしの変化など、複数の要因が重なったと考えるのが自然です。この記事では、確かなことは「伸びた」という記録で、理由は説明の候補にとどまる、と分けて読みます。

身長増加の要因について、産総研の解説は栄養改善と生活環境の向上が寄与したと考えられるとする[4]。個々の栄養素と身長の関係は、この記事の出典からは裏づけられず、因果は断定できない。

牛乳・給食を単独の原因とする見方は、この材料からは支持できない。複数要因の一部と見るのが妥当であり、ここでは「伸びた(記録)」と「なぜ伸びたか(仮説)」を区別して以下を読む。

4. のびは、いつ とまったの?

4. 1994年度に170.9cm、そこから約30年

4. 1995年ごろに頭打ち:約30年の横ばい

のびは、ずっと つづいたのでは ありません。17さいの 男の子の 平均へいきんは、1994年度に 170.9センチに なりました。そのあと、ほとんど かわって いません[2]。

2024年の 17さいの 男の子は 170.8センチで、1994年度の 170.9センチと ほとんど おなじです[1][2]。

これは、おとうさん・おかあさんが 子どもだった ころと、いまの 子の せが ほとんど おなじ、という ことです。

17歳男子の平均身長は、1994年度に170.9cmになりました。それ以降、2021年度まで、およそ30年ほとんど変わらなかったと報じられています[2]。

学校保健統計をまとめた記事でも、戦後の体格の向上は身長も体重も1995年ごろまで続き、その後の約30年は目立った変化がないとされています[1]。

2024年の17歳男子は170.8cmで、1994年度の170.9cmより0.1cm低いだけです。伸び続けた100年の後半に、坂道が急にたいらになったような形です。

17歳男子の平均身長は1994年度に170.9cmを記録し、2021年度まで約30年横ばいだったと日本経済新聞は伝える[2]。nippon.comも、戦後の体格の向上は身長・体重とも1995年ごろまで続き、その後の30年に顕著な変化はないとまとめる[1]。

2024年の17歳男子は170.8cm[1]で、ピークとされる1994年度との差は0.1cmである。女子の1994年度は158.1cmとする検索抜粋があるが原表は未確認で、ここでは男子の値を主に扱う。

5. おやの 世代と、くらべると?

5. 親の世代とほとんど同じ高さ

5. 令和元年度と平成元年度:世代間差0.1cm

すこし まえの 数字で、おやの 世代と くらべて みます。2019年度の 17さいの 男の子は 170.6センチ。おやの 世代(へいせい元年度)は 170.5センチでした[3]。

ちがいは、0.1センチ。女の子も、157.9センチと 157.8センチで、ちがいは 0.1センチです。

「おとうさんより 子どもが たかい」のは ふつうと 思いがちですが、いまの 17さいの 平均へいきんでは、そう とは かぎらない、と いう ことです。

親の世代とくらべてみましょう。令和元年度の17歳男子は170.6cm、その親の世代にあたる平成元年度は170.5cmで、差は0.1cmでした。女子も157.9cmと157.8cmで、差は0.1cmです[3]。

ひいおじいさんの世代から今の世代までは大きく伸びたのに、親と子の世代では、平均ではほとんど差がありません。「子どもは親を追い越す」という感覚が、平均では当てはまりにくくなっています。

もちろん、個人のレベルでは、親より背の高い子も低い子もいます。ここで比べているのは、集団の平均です。

令和元年度の17歳男子は170.6cm、親世代(平成元年度)は170.5cmで世代間差は0.1cm。女子は157.9cmと157.8cmで、やはり0.1cmだった[3]。

約30年の世代間隔で0.1cmという差は、前の章で見た1世紀の伸び(男子+10.2cm)と比べて桁が2つ小さい。平均値の話であり、個々の親子の身長関係を述べるものではない。

6. うまれた 年ごとに 見ると?

6. 生まれ年別に見ると、下がるかもしれない

6. 出生年コホート別の成人身長:ピークと予測、低出生体重との関係

学校の 記録きろくは「17さいの ときの せ」です。これとは べつに、おとなに なった 人の せを、生まれた 年ごとに 調べた 研究が あります。

それに よると、1960年代の なかごろ 生まれの 人から、せの のびが にぶり、1980年いご 生まれで 止まって います[4]。おとなの せの ピークは、1978〜79年 生まれで、男の人 171.5センチ、女の人 158.5センチでした[5]。

この 研究では、2014年に 生まれた 人が おとなに なった ときの せは、男の人 170.0センチ、女の人 157.9センチに 下がると 予想されて います。ただし、まだ 生まれて まもない 人の ことなので、これは 「予想」です[5]。

ひとつの 手がかりとして、うまれた ときの 体重たいじゅうが 少ない 赤ちゃんが ふえた ことが 見つかって います。でも、これで ぜんぶの りゆうと 決まった わけでは ありません。

学校保健統計は「17歳のとき」の数字ですが、大人になった人の身長を、生まれた年ごとに調べた研究もあります。産総研の解説では、1960年代半ば以後に生まれた世代で伸びる速さが下がり、1980年以後生まれでは止まっているとされます[4]。

国立成育医療研究センターの2017年の発表では、成人身長のピークは1978〜79年生まれで、男性171.5cm、女性158.5cmでした。2014年生まれの人の成人身長は、男性170.0cm、女性157.9cmまで下がると予測されています(男性−1.5cm、女性−0.6cm)。これは実測ではなく予測です[5]。

同じ発表は、生まれたときの体重が2500g未満の赤ちゃんの割合(低出生体重児の割合)が、1970年代後半の5.1%から2007年には9.7%へ、2倍近くに増えたことに注目しています。その年に生まれた人の成人身長と強く逆向きの関係が見られました[5]。

ただし、これは「一緒に動いていた」という関係(相関)で、原因だと証明されたわけではありません。要因の1つの可能性、として読みます。

産総研の解説によれば、日本人の成人身長の時代変化は、1960年代半ば以後に生まれた世代で速度が低下し、1980年以後の生まれで止まっている[4]。国立成育医療研究センターの2017年の報告では、ピークは1978〜79年生まれ(男性171.5cm、女性158.5cm)で、2014年生まれの人の成人身長は男性170.0cm、女性157.9cmと予測される(男性−1.5cm、女性−0.6cm)。後者は予測値である[5]。

同じ報告は、低出生体重児(一般に出生体重2500g未満)の出生率が1970年代後半の最低5.1%から2007年に9.7%へ増え、その出生年の平均成人身長と強い逆相関(男性r=−0.98、女性r=−0.88)を示したと述べる[5]。相関は因果を証明せず、要因の1つの可能性にとどまる。比率は約1.9倍である(9.7÷5.1)。

学校保健統計の17歳(横断的な年ごとの値)と、成人身長の出生年別推定(コホート)は、集計の仕方が違う数字である。両者が同じ方向(伸びの停止)を示すことは、単一の統計の偶然でない可能性を示唆する。

7. じぶんでも たしかめて みたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

やってみよう。おうちの 人に 「17さいの ころ、せは なんセンチだった?」と 聞いて みましょう。おじいさん・おばあさんにも 聞けたら、いちばん いいです。おぼえて いない ときは、それも 大じな 答えです。

聞いた 数字を メモに ならべて、いまの じぶんの せと くらべても かまいません。ただし、たかい・ひくいは、よい・わるいでは ありません。

学校の けんこうしんだんの 記録きろくが あれば、去年と 今年で なんセンチ かわったかも、見て みましょう。

次のようなことを、調べたり試したりできそうです。

  • 家族に、17歳ごろの身長をおぼえているか聞いてみましょう。祖父母の世代まで聞けると、年ごとの変化が見えます。おぼえていなくても、それも1つの答えです。高い・低いは、よい・悪いではありません。
  • 学校の健康診断の記録があれば、自分の身長が1年でどれだけ変わったかを見てみましょう。
  • 文部科学省の学校保健統計のページで、自分の年齢の平均値の年ごとの表を見てみましょう。年ごとの数字が、この記事の数字とどれくらい合うかを確かめられます。

この記事は、二次資料と一部の一次発表の突き合わせにとどまった。次のような確かめ方がある。

  1. e-Statで公開されている学校保健統計調査の年齢別平均身長の表を開き、1926年・1994年度・2024年の17歳の値を原表で確かめる。速報値か確報値かも見る。
  2. 国立成育医療研究センターのプレスリリース[5]の原論文にあたり、低出生体重児の割合と成人身長の相関の計算方法を確かめる。
  3. 家族に17歳ごろの身長を聞き、生まれ年と並べて、記事の数字と比べる。家族一組に聞いただけでは、統計の代わりにはならないことにも注意する。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

出典について:学校保健統計を紹介した解説記事、新聞記事、業界団体の解説、公的研究機関の解説とプレスリリースを突き合わせて使った。文科省の原表は確かめていない。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. nippon.com「日本人の体格:100年前より身長で10センチ…」(文部科学省・学校保健統計に基づく)。 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02523/ (1900年度からの記録、1926年と2024年の17歳の値、1995年ごろの頭打ちについて)
  2. 日本経済新聞「170.9センチの壁」。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD223C30S2A021C2000000/ (1994年度の17歳男子の値と、その後の横ばいについて)
  3. 日本スポーツ栄養協会「文科省・学校保健統計(1)身長」。 https://sndj-web.jp/news/000635.php (令和元年度と親の世代の17歳の比較について)
  4. 産業技術総合研究所「日本人の身長の時代変化」。 https://www.airc.aist.go.jp/dhrt/archives/centered/secularchange/index.html (生まれ年別の身長の変化、栄養や生活環境の説明について)
  5. 国立成育医療研究センター「成人身長の変化と低出生体重児」プレスリリース(2017年)。 https://www.ncchd.go.jp/press/2017/adultheight.html (成人身長のピーク、2014年生まれの予測、低出生体重児との関係について)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。