1. 金を さがす 人の ズボンだった
1. 金を探す人の作業ズボンだった
1. 起源 ── 1848年のゴールドラッシュ
1848年、アメリカの カリフォルニアで 金が 見つかり [4]、 金を さがしに 多くの 人が あつまりました。金を ほる しごとは、岩や 土で ズボンが すぐに やぶれて しまう、 はげしい しごとでした。
その あと、ドイツから きた 商人の リーバイ・ストラウスが、 じょうぶな 生地で つくった ズボンを 売る ように なり ました。金を ほる 人だけで なく、農家の 人や 牛を そだてる 人も、この じょうぶな ズボンを はく ように なりました[1]。だから、 「農家の 人が はいて いた」と いう 話は ほんとうです。
2. デニムと ジーンズ、名前の ひみつ
2. デニムとジーンズ、名前のひみつ
2. 名前の由来 ── ニームとジェノヴァ
ジーンズに つかわれる 青い 生地を「デニム」と いいます。 これは フランスの「ニーム」と いう 町で 作られた 生地 という いみの ことばが みじかく なった もの です [1]。
「ジーンズ」と いう ことばは、イタリアの「ジェノバ」 と いう 港町の 名前から きて います。ジェノバから ヨーロッパに 送られて いた 生地が「ジェノバの」と よばれて いた ことに ちなむと されて います [1]。
デニムは「ニームの生地」
ジーンズに使われる青い生地を「デニム」と呼びます。これは フランスの「ニーム」という町で作られた生地という意味の フランス語「セルジュ・ドゥ・ニーム」が短くなったことば だとされています[1]。
ジーンズは「ジェノバの」から
「ジーンズ」ということばは、イタリアの港町ジェノバに 由来します。ジェノバから輸出されていた丈夫な生地が 「ジェノバの(ジェーン)」と呼ばれていたことにちなむと されています[1]。「ジーン」 という語じたいは1795年にすでに使われており、1800年には、 この語の由来になった青い軍服が実際に仕立てられた記録が 残っています[1]。
「デニム」の語源は、フランス語の「セルジュ・ドゥ・ニーム (serge de Nîmes)」、つまり「ニーム産の綾織り生地」です。 ニームの職人たちが、別の生地(jean)を再現しようとして できたのが、いまのデニムだとされています[1]。
一方「jean」は、イタリアの港町ジェノヴァ(中世ラテン語で Genua、当時のフランス語でGêne)から輸出されていた生地を 指すことばに由来します。「jean」という語は1795年時点で すでに使われており、1800年には、スイスの銀行家ジャン= ガブリエル・エナールが、ジェノヴァに駐留した軍に「ブルー・ ドゥ・ジェーヌ」と呼ばれる青い生地の軍服を供給した記録が 残っています[1]。
3. 1本の 手紙から 生まれた リベット
3. 1本の手紙から生まれた発明
3. 発明 ── デイビスの手紙と1873年の特許
仕立て屋の ジェイコブ・デイビスは、きゃくから「ポケットの かどが すぐ やぶれる」と そうだんされて いました。 そこで、金ぞくの びょう(リベット)で ポケットの かどを とめる ほうほうを 思いつきました。
でも、とっきょを とる お金が なかった ため、デイビスは 生地の しいれ先だった リーバイ・ストラウスに 手紙を 書きました。ふたりは いっしょに とっきょを とる ことに し、1873年5月20日、リベットで ポケットを ほきょうした ズボンの とっきょが みとめられました[2]。 これが、いまの ジーンズの はじまりです。
お客の悩みから生まれたアイデア
仕立て屋のジェイコブ・デイビスは、客から「ポケットの角が すぐ破れる」という相談を何度も受けていました。そこで、 金属の鋲(リベット)でポケットの角を留める方法を思いつき ました。
1873年、特許を取得
しかし特許を取るお金がなかったため、デイビスは生地の仕入れ 先だったリーバイ・ストラウスに手紙を書き、共同で特許を 取ることを提案しました。1873年5月20日、2人は「ポケットの 留め方の改良」という特許(第139,121号)を取得しました [2]。リベットは、ポケットの 角やボタンの付け根など、力がかかる部分を補強するために 使われました[1]。
仕立て屋ジェイコブ・デイビスは、客から寄せられる「ポケット の角が破れる」という苦情に対し、銅製のリベット(鋲)で ポケットの角やボタンフライの付け根を補強する方法を考案 しました。しかし特許出願の費用を工面できなかったため、 生地の仕入れ先であったリーバイ・ストラウスに、共同出願を 持ちかける手紙を書きました。
1873年5月20日、2人は米国特許第139,121号「ポケット開口部の 留め方の改良(Improvement in Fastening Pocket-Openings)」 を取得しました[2]。この日が、 リベット付きジーンズの誕生日とされています。1人のアイデアと 1人の資金・販路が組み合わさって生まれた発明でした。
4. 「501」と いう ばんごうの なぞ
4. 「501」という番号に残るなぞ
4. 型番の謎 ── 1906年の地震で消えた記録
リーバイスの だいひょう的な ジーンズには「501」と いう ばんごうが つけられて います。1890年ごろから つかわれて いる ふるい ばんごうです[2]。
でも、なぜ「501」なのかは、じつは わかって いません。 1906年に おきた 大きな 地震で、会社の きろくが うしなわれて しまった からです[2]。有名な 数字なのに、りゆうが なぞの まま なのです。
5. 日本に やってきた ジーンズ
5. 日本にやってきたジーンズ
5. 日本への伝来 ── 1945年以降、古着から
日本に ジーンズが 広まったのは、1945年に せんそうが おわった あとの ことです。アメリカの 兵たいが 日本に もちこんだ 古い ジーンズが、映画や 音楽の 中の かっこいい すがたと いっしょに 広まって いきました [3]。
1950年ごろには、東京に 7000けん いじょうの 古着屋が あったと いわれて います[3]。 その 中でも「アメよこ」と いう 場所は、古い ジーンズが 手に 入る 町として 知られて いました。
6. ふるいのが すごい? わざと やぶる?
6. 古いものが高い? わざと傷める?
6. ビンテージとダメージ ── 逆転した価値観
じょうぶさの ために 生まれた ジーンズですが、1980年代 ごろから、ふるい ジーンズを たかい ねだんで 売り買い する ブームが おこりました。とくに 1950年代に 作られた 「501」は「ビンテージジーンズ」と よばれ、とても 人気に なりました[3]。
さらに、あたらしい ジーンズを わざと やぶったり、 色を ぬいたり する「ダメージジーンズ」も うまれました。 買って もらった ばかりの ぴかぴかの くつより、すこし はきこんで よごれて いる ほうが かっこいいと おもう ことが ありますよね。それと にた かんかくです。 じょうぶに するために うまれた ふくを、わざと きずつける という、おもしろい ぎゃくてんです。
古いジーンズを探す「ビンテージ」ブーム
丈夫さのために生まれたジーンズですが、1980年代から1990年 代にかけて、古いジーンズを高い値段で売り買いするブームが 起こりました。とくに1950年代に作られた「501」は「ビン テージジーンズ」と呼ばれ、高値で取引されるようになりました [3]。
わざと傷める「ダメージジーンズ」
さらに、新しいジーンズをナイフで切ったり、漂白剤で色を 抜いたり、継ぎ当てをしたりして、あえて古びた雰囲気を出す 「ダメージジーンズ」も広まりました[3]。 丈夫にするために生まれた服を、わざと傷つけて売るという、 おもしろい逆転が起きています。ひざから下がゆるやかに 広がる「ブーツカット」のように、形そのものを変える流行も 生まれました[3]。
耐久性のために生まれたジーンズですが、1980年代から1990年代 にかけて、古着のジーンズを高値で取引する「ビンテージ」ブーム が起こりました。とくに1950年代製の501は、当時の織機や 縫製の特徴が評価され、高額で取引される対象になりました [3]。
並行して、新品のジーンズにナイフで切れ込みを入れたり、 漂白剤に浸したり、継ぎ当てを施したりして、あえて使い古した 風合いを演出する「ダメージジーンズ」も広まりました [3]。頑丈さを追求して生まれた 衣類が、古さや傷みそのものに価値を見いだされるように なりました。ひざ下がゆるやかに広がる 「ブーツカット」など、形の流行も時代とともに移り変わって きました[3]。
7. なんで 世界中の 定番に なったの?
7. なぜ世界中の定番になったのか
7. 世界に広がった理由 ── 丈夫さと、着る人を選ばないこと
ジーンズが 世界中で きられて いるのは、まず 生地が じょうぶで、長く つかえる ことが ひとつの りゆうです。
さらに、作業服として 生まれた かたちは、男の人も 女の人も、 子どもも おとなも、おなじ ように はけます。時代に よって 「かっこいい ふく」「べんりな ふく」と、いろいろな いみを もたせられた ことも、世界中に 広まった りゆうの 1つです。
生地の丈夫さと、長く使えること
ジーンズが世界中で着られているのは、まず生地が丈夫で、 長く使えることが理由の1つです。
だれでも、いろいろな意味で着られる服
さらに、作業服として生まれた形は、性別や年齢を問わず同じ ように着られます。時代によって「若者らしさの象徴」「作業着」 「おしゃれな古着」と、いろいろな意味を持たせられたことも、 世界中に広まった理由の1つです。
ジーンズが世界的に定番の衣類になったのは、生地そのものの 丈夫さに加え、性別・年齢・体型を問わず着られる単純な形で あることが理由に挙げられます。
もう1つの理由は、ジーンズが時代ごとに異なる意味を担って きたことです。労働着、若者文化の象徴、あこがれの輸入品、 ビンテージの収集対象、あえて傷めるファッションと、その 役割は何度も塗り替えられてきました。1本のズボンが、こう して形を変えずに意味だけを変え続けてきたことが、150年 近く定番であり続けている理由です。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
おうちに ある ジーンズを、あらためて 見て みましょう。
あんぜんな ばしょで できる こと
- ポケットの かどを さわって みる。 金ぞくの びょう(リベット)が ついて いるか、 さがして みましょう。
- タグを 見て みる。 なんばんの ジーンズか、どこの くにで 作られたか、 書いて あるか さがして みましょう。
きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「デニムって、どこの ことば?」だけで じゅうぶんです。
おうちにあるジーンズを、あらためて見てみましょう。
今日できること
- ポケットの角を触ってみる。 金属の鋲(リベット)が付いているか、さがしてみましょう。
- タグを見てみる。 何番のジーンズか、どこの国で作られたか、書いてあるか さがしてみましょう。
気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口に なります。「ゴールドラッシュって、他に何を変えたの?」 だけでも十分です。
手持ちのジーンズのタグや、ポケットのリベットを確認すると、 この記事で扱った発明の歴史が身近に感じられます。
手を動かして確かめる
- ジーンズのリベットとステッチを観察する。 ポケットの角の金属鋲と、背面ポケットの縫い模様を、 虫めがねなどで観察してみましょう。
- 古着店やビンテージショップをのぞいてみる。 買う必要はありません。大人と一緒に、どんな年代の ジーンズが並んでいるか、歴史を観察するつもりで 見てみましょう。
一次情報にあたる
英語版Wikipediaの「Jeans」「Levi Strauss & Co.」の項目には、 この記事で扱った歴史の出典が、注釈つきで掲載されています。
気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。 「1873年5月20日、リベットの特許」という一文でもかまい ません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。 もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。 リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。
出典について:Wikipediaは百科事典です。英語版と日本語版を使い分けています。
- Wikipedia「Jeans」(英語版)。 https://en.wikipedia.org/wiki/Jeans (デニム・ジーンズの名前の由来、初期の着用者(工場労働者・鉱山労働者・農家・牧場労働者)、リベットの役割についての解説)
- Wikipedia「Levi Strauss & Co.」(英語版)。 https://en.wikipedia.org/wiki/Levi_Strauss_%26_Co. (1873年の特許(第139,121号)、501という型番の由来と1906年の地震による記録の喪失についての解説)
- Wikipedia「ジーンズ」(日本語版)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ジーンズ (日本への伝来(1945年以降、古着、アメ横)、ビンテージジーンズ、ダメージジーンズ、ブーツカットについての解説)
- Wikipedia「California Gold Rush」(英語版)。 https://en.wikipedia.org/wiki/California_Gold_Rush (1848年1月24日、サッター製材所での金の発見についての解説)
- Levi Strauss & Co.公式サイト「Happy 75th Anniversary, Arcuate!」。 https://www.levistrauss.com/2018/11/15/happy-75th-anniversary-arcuate-5-facts-pocket-design/ (背面ポケットのアーキュエイト・ステッチが1943年11月16日に商標登録されたことについての公式解説)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。 誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、 その理由をこの欄に残します。