かみなりは なんで 光ってから、音が おくれて くるの?

雷はなぜ光って音が遅れるのか ── 電気の道と、空気の中の衝撃波

雷はなぜ光って音が遅れるのか ── 放電のしくみと、光と音の速さの違い

分野:自然

かみなりが ピカッと 光ってから、ゴロゴロと 音が するまで、 すこし 時間が あきますね。

なんで、光と 音が いっしょに こないのでしょうか。

この きじでは、かみなりの しくみを 見て いきます。

雷がピカッと光ってから、ゴロゴロと音がするまで、少し時間が あきますね。

なぜ、光と音がいっしょに来ないのでしょうか。

この記事では、雷が発生するしくみと、光と音の速さの違い、 そして雷までの距離を計算する方法を見ていきます。

雷が光ってから雷鳴が聞こえるまでのタイムラグは、小学生でも 経験的に知っている現象ですが、その背景には放電という現象の 物理と、光と音という2つの波の速さの違いがあります。

この記事では、雲の中で電荷がどう分かれるのか、放電がどんな 段階を経て地上に達するのか、放電路がなぜ太陽より高温になるのか、 そして光と音の速さの違いから雷までの距離を求める方法までを たどります。

読み方を切り替えられます。 画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ小学校高学年むけ中学生むけの 3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。 選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. くもの 中で 何が おきて いるの?

1. 雲の中で何が起きているのか

1. 電荷の分離 ── 雷雲ができるまで

らいうん(かみなりを おこす くも)の 中では、こおりの つぶが ぶつかり あって います。小さな こおりの つぶと、 大きな こおりの つぶが こすれ あう ことで、くもの 上と 下で、でんきの せいしつが わかれて いきます。 ふうせんを かみの毛に こすりつけると、でんきが たまって かみの毛が ふわっと たつ ことが ありますね。 あれと にた ことが、くもの 中でも おきて いるのです (ただし、くもの 中では もっと ずっと おおきな スケールで おきて います)。

くもの 上の ほうに プラスの でんき、下の ほうに マイナスの でんきが たまって いくと、じめんとの あいだで いっきに でんきが ながれます。これが かみなりです [1]

氷の粒がこすれ合う

雷を起こす雲(積乱雲)の中では、小さな氷の粒(氷晶)と、 大きな氷の粒(あられ)がぶつかり合っています。この こすれ合いによって、小さな氷の粒はプラスの電気を、 大きな氷の粒はマイナスの電気を帯びるようになります。

雲の上下で電気が分かれる

プラスの電気を帯びた軽い氷の粒は雲の上のほうへ、マイナスの 電気を帯びた重いあられは雲の下のほうへと運ばれていきます。 こうして雲の上と下で電気のかたよりが大きくなり、限界を こえると、雲と地面のあいだで一気に電気が流れます。これが 雷です[1]

積乱雲の内部では、小さな氷晶と、比較的大きな氷の粒である あられが衝突をくり返しています。この衝突により、氷晶は 正(プラス)に、あられは負(マイナス)に帯電するという、 「着氷電荷分離」と呼ばれる過程が起きていると考えられて います[1]

正に帯電した軽い氷晶は上昇気流で雲の上層へ運ばれ、負に 帯電した重いあられは雲の下層にとどまります。この結果、 雲の上層に正電荷、下層に負電荷が蓄積されます。電荷の かたよりが大きくなり、間にある空気の絶縁が電気の力に 耐えられなくなると、放電が発生します。これが雷です [1]

2. らくらいの しゅんかん ── みちすじが のびて いく

2. 落雷の瞬間 ── 見えない道が地面までのびる

2. 放電の3段階 ── ステップトリーダーから主雷撃へ

雲の中で でんきの かたよりが おおきく なると、目に 見えない、でんきの とおり道が、雲から 少しずつ じめんに むかって のびて いきます。

この みちすじが じめんに とどくと、こんどは その みちすじを つかって、じめんから 雲に むかって、 ものすごい りょうの でんきが いっきに かけあがります。 わたしたちが 目に する、あの まぶしい 光は、この しゅんかんに 出る ものです[1]

見えない道が少しずつのびる

雲の中で電気のかたよりが大きくなると、目に見えない電気の 通り道が、雲から少しずつ、階段を下りるように地面に 向かってのびていきます。この通り道を「ステップトリーダー」 と呼びます。

地面からも道がのびて、つながる

この通り道が地面に近づくと、地面の高い場所からも、 むかえに行くように別の道がのび始めます。2つの道がつながると、 その通り道を通って、地面から雲に向かってものすごい量の 電気が一気にかけあがります。私たちが目にするあのまぶしい 光は、この瞬間に発生するものです[1]

落雷は大きく3つの段階を経て発生します。まず、雲の中で 電荷のかたよりが大きくなると、「ステップトリーダー」と 呼ばれる、階段状に断続的にのびる先駆放電が、雲から地上に 向かって進んでいきます[1]

ステップトリーダーが地上に近づくと、地上の突起物などから 「ストリーマ」と呼ばれる上向きの放電が発生し、両者が 接続します。この接続が完了すると、確立された電離した通り道 を通って、地面から雲に向かって大電流が一気に流れる「主雷撃 (リターンストローク)」が発生します。私たちが視認する 強い閃光は、この主雷撃によるものです[1]

3. かみなりの みちすじは、太陽より あつい

3. 雷の通り道は、太陽より熱い

3. 放電路の温度 ── 太陽表面の約5倍

かみなりが とおった みちすじの まわりの 空気は、いっしゅんで やく2まんどから 3まんどまで あつく なります [1]。太陽の ひょうめんより あつい おんどです。

空気は あつく なると、いっきに ふくらもうと します。 この きゅうな ふくらみが、まわりの 空気を つよく ふるわせて、あの おおきな 音を 生み出すのです。

太陽の表面より熱くなる

雷が通った道のまわりの空気は、1秒よりずっと短い時間で、 局所的に2万〜3万℃まで熱くなります[1]。 これは太陽の表面温度(約6000℃)のおよそ5倍にあたる熱さです。

急な膨張が音を生む

空気は急に熱くなると、爆発するように一気にふくらもうと します。この急激な膨張が、まわりの空気を激しく振動させる 衝撃波を生み出し、これが私たちの耳に届く「ゴロゴロ」という 雷鳴になります。

主雷撃が始まってから1マイクロ秒後には、放電路の大気は 局所的に2万〜3万℃という高温に達します [1]。これは太陽の表面温度 (約6000℃)のおよそ5倍にあたります。空気はふだん電気を ほとんど通しませんが、主雷撃では非常に大きな電流が、 電離してもなお高い抵抗を持つ細い通り道に一気に流れこむため、 このような急激な発熱が起こります。

この急激な加熱によって、放電路の周囲の空気は爆発的に膨張し、 その圧力変化が周囲の空気を強く振動させる衝撃波を発生させ ます。この衝撃波が伝わる過程で音波に変化したものが、私たちが 耳にする雷鳴です[1]

4. 光と 音の はやさの ちがい

4. 光と音の速さの違い

4. 光速と音速 ── 約90万倍の速さの差

光は、1びょうかんに やく30まんキロメートルも すすみます。 でも 音は、1びょうかんに やく340メートルしか すすみません。

光の ほうが、音より ずっと ずっと はやいので、かみなりが おちた その しゅんかんに、まず 光だけが すぐに とどき、おくれて 音が とどく、と いう わけです。

やって みよう

とおくの はなびを 見た ときの ことを おもいだして みましょう。パッと 光ってから、ドーンと いう 音が すこし おくれて とどく はずです。あれも おなじ りゆうです。

光は音よりずっと速い

光は、1秒間に約30万キロメートルも進みます。地球を1秒間に 7周半もできる速さです。音は、1秒間に約340メートルしか 進みません[2]

花火と同じしくみ

光の速さは音の速さのおよそ90万倍にもなります。そのため、 雷が発生したその瞬間に、光はほぼ一瞬で私たちの目に届きますが、 音は少し遅れて耳に届くのです。遠くの花火を見たとき、光って から少し遅れて「ドーン」という音が聞こえるのも、まったく 同じしくみです。

光は真空中を1秒間に約30万キロメートル(正確には秒速 29万9792.458キロメートル)進みますが、空気中の音速は 気温15℃でおよそ秒速340メートルです[2]。 両者の速さにはおよそ90万倍の開きがあります。

このため、雷放電が発生した瞬間、光はほぼ瞬時に観測者に 到達しますが、音は音速でしか伝わらないため、光より遅れて 到達します[1]。この時間差が、 雷が光ってから雷鳴が聞こえるまでのタイムラグの正体です。

5. かみなりまでの きょりを はかる ほうほう

5. 雷までの距離を計算する方法

5. 距離の推定 ── 秒数から距離を求める

光ってから 音が とどくまでの びょう数を かぞえれば、 かみなりまでの きょりが わかります。

1びょうで、音は やく340メートル すすむので、かぞえた びょう数に 340メートルを かけざんすると、だいたいの きょりが わかるのです[2]

秒数を数えるだけで分かる

光ってから音が届くまでの秒数を数えれば、雷までのおよその 距離が分かります。

「秒数×340メートル」で計算する

音は1秒間に約340メートル進むので、「数えた秒数×340メートル」 で、だいたいの距離が計算できます[2]。 たとえば、光ってから音が聞こえるまで10秒だったら、 340×10で約3400メートル、つまり約3.4キロメートル先で 雷が発生したことになります。

音速を秒速340メートルとすると、光ってから雷鳴が聞こえる までの秒数に340をかけることで、落雷地点までのおよその 距離(メートル)を求めることができます [2]

たとえば、稲光を見てから10秒後に雷鳴が聞こえた場合、 340×10=3400メートル、つまり約3.4キロメートル先で 落雷が発生したと推定できます。光の到達時間は音に比べて 無視できるほど短いため、この計算では考慮していません。

6. なんで ゴロゴロと 音が つづくの?

6. なぜゴロゴロと音が続くのか

6. 雷鳴が長く続く理由 ── 放電路の広がり

かみなりの でんきの とおり道は、まっすぐな 1本の せんでは なく、ジグザグに まがったり、えだ分かれしたり して います。

みちすじの ばしょに よって、わたしたちまでの きょりが ちがうので、音が とどく じかんも すこしずつ ずれます。 だから、いっしゅんの 音では なく、ゴロゴロと ながく つづく 音に きこえるのです。

まっすぐではない、電気の通り道

雷の電気の通り道は、まっすぐな1本の線ではなく、ジグザグに 曲がったり、枝分かれしたりしています。

場所ごとに届く時間がずれる

通り道のさまざまな場所で音が発生しますが、それぞれの場所 から私たちまでの距離が違うため、音が届く時間も少しずつ ずれます。近い部分の音は早く、遠い部分の音は遅れて届く ため、いくつもの音が重なり合い、一瞬の音ではなく、 ゴロゴロと長く続く音に聞こえるのです[1]

雷放電路は、大小さまざまな長さの直線状の放電路がつながり、 ジグザグに屈曲したり枝分かれしたりしています。雷鳴は、 これら放電路の各部分で瞬時に発生した多数の音響パルスが 重なり合いながら伝わり、観測点に近い部分から順に到達する ことで生じます[1]

放電路のうち観測者に近い部分の音は早く届き、遠い部分の音は 遅れて届くため、単一の破裂音ではなく、時間的に引きのばされ、 周波数の低いゴロゴロという音として聞こえます。上空の複雑な 気温分布による音の屈折も、この響き方に影響すると考えられて います[1]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

かみなりは とても きけんです。おとが 聞こえたら、 すぐに じょうぶな たてものの 中に にげましょう。

あんぜんな ばしょで できる こと

  • 光ってから 音が とどくまでの びょう数を かぞえる。 まどの 中から、あんぜんに かぞえて みましょう。
  • 花火の 光と 音の ずれを かんさつする。 花火たいかいに 行く きかいが あったら、光ってから 音が とどくまでの じかんを かぞえて みましょう。
メモの すすめ

きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「光は 音より はやい」だけで じゅうぶんです。

雷は非常に危険です。雷が聞こえたら、すぐに頑丈な建物の 中に避難しましょう。木の下は危険なので避けてください。

安全な場所でできること

  • 光ってから音が届くまでの秒数を数える。 窓の中から、安全に数えてみましょう。
  • 花火の光と音のずれを観察する。 花火大会に行く機会があったら、光ってから音が届くまでの 時間を数えてみましょう。
メモのすすめ

気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口に なります。「音速って、気温によって変わるの?」だけでも 十分です。

雷は人体にも危険を及ぼす自然現象です。雷鳴が聞こえたら、 頑丈な建物や自動車の中など、安全な場所に避難してください。

手を動かして確かめる

  • 光ってから音が届くまでの秒数を数える。 安全な室内から、稲光と雷鳴の時間差を数えてみましょう。 340をかけると、おおよその落雷距離が分かります。
  • 気象庁の雷ナウキャストを見てみる。 気象庁の公式サイトでは、雷の活動状況をリアルタイムで 確認できる情報が公開されています。

一次情報にあたる

雷の放電メカニズムは、いまも観測・研究が続いている分野です。 気象庁や大学の研究機関が公開している資料を読むと、より 詳しい物理過程を知ることができます。

メモのすすめ

気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。 「光と音の速さの差はおよそ90万倍」という関係でもかまい ません。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。 もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。 リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

出典について:Wikipediaは百科事典、音羽電機工業は雷対策機器を扱う専門メーカーのサイトです。

  1. Wikipedia「雷」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/雷 (電荷分離、放電の3段階(ステップトリーダー・ストリーマ・主雷撃)、放電路の温度、光と音の伝わり方の違い、雷鳴が長く続く理由についての解説)
  2. 音羽電機工業「光と音で雷の距離を知ろう」。 https://www.otowadenki.co.jp/knowledge_distance/ (光速・音速の数値と、雷までの距離を求める計算方法についての解説)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。 誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、 その理由をこの欄に残します。