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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ちょうでんどうリニアは、はしると うく の?

超電導リニアは、走ると浮く ── 走って初めて浮く超電導リニアの仕組み

超電導リニアは「走って初めて浮く」── 時速150km以上・電磁誘導・−269℃の磁石・603km/h

分野:技術

ちょうでんどうリニアは、えきで とまって いる ときは、ゴムの タイヤで ささえられて います。ゴムの タイヤで ゆっくり はしり、はやく なって はじめて、うかびます[2]。

どうして はしって はじめて うくのでしょう。この メモでは、うく ちからの もと、つめたい じしゃく、603キロの きろくが わかります。

超電導リニアは、駅に止まっているとき、実は浮いていません。ゴムタイヤの支持輪で走り出し、時速150km以上の速さになって、ようやく浮き上がります[2]。

なぜ、動かないと浮けないのでしょうか。この記事では、浮く力が生まれるわけ、−269℃まで冷やす磁石、そして603km/hの記録の走りが分かります。

超電導リニアは、停止中には浮上しない。低速ではゴムタイヤの支持輪で走り、超電導磁石が地上のコイルを横切る速さが時速150km以上になると、浮くのに十分な力が生まれる[2]。

では、なぜ「動いて初めて浮く」のか。浮上力の源は電磁誘導であり、その磁石は−269℃の超電導状態で使われる。このメモでは、その理屈と冷却方式の見直し、2015年の603km/hが、10.8秒の走りだったことまでが分かる。

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1. えきに とまって いる リニアは、どうして いるの?

1. 駅に止まっているリニアは、何で支えられているのか

1. 浮上開始速度 ── 時速150km以上と支持輪

リニアは「10センチ うく」と いわれます[1]。でも、えきで とまって いる とき、しゃりょうは うきません。ひくい はやさの ときは、ゴムの タイヤが しゃりょうを ささえます[2]。

うき はじめる めやすは、じそく 150キロ いじょうです。1びょうで 40メートルほど すすむ はやさです。

ここで ぎもんが わきます。じしゃくの ちからで うくなら、とまって いても うけそうです。ところが、この リニアは ちがいます。うく ちからは、はしって いる あいだに つくられる のです。

超電導リニアは、磁石の力で約10cm浮いて走ります[1]。ただし、それは走っているときの話です。止まっているときや低速のときは、支持輪というゴムタイヤが車両を支えます[2]。

浮くのは、時速150km以上から

車両の超電導磁石が、走路の「浮上・案内コイル」を横切る速さが時速150km以上になると、車両を浮かせるのに十分な力が生まれる、とJR東海は説明しています[2]。時速150kmは秒速に直すと約42mです。150は「浮き始める目安」で、ここより少しでも遅いと必ず浮かない、という意味ではありません。

磁石の力で浮くのなら、止まっていても浮けそうです。なぜ、走らないと浮く力が足りないのでしょうか。その答えは、コイルの側にあります。

超電導リニアは、車両の超電導磁石と走路(ガイドウェイ)側のコイルの間に働く、引きつけ合う力と押し合う力で、約10cm浮いて走る[1]。ただしこれは走行中の状態であり、停止中や低速走行では、支持輪(ゴムタイヤ)が車両を支える[2]。

JR東海は、超電導磁石が「浮上・案内コイル」を横切る速さが時速150km以上になると、車両を浮かせるのに十分な力が生まれる、と説明する[2]。150km/hは秒速約41.7mに当たる。ただし150という数字は、浮上に十分な力が生まれる目安だ。

磁石の力で浮くのに、なぜ停止中は浮けないのか。その答えは浮上力の出どころにあり、次の章の主題になる。

2. うく ちからは、どこから くるの?

2. 浮く力は、走ることで「作られる」

2. 浮上力の源 ── 電磁誘導と浮上・案内コイル

じてんしゃの ライトが、ペダルを こぐと つき、とまると きえる ものが あります。タイヤの ちかくで、じしゃくが うごくと、電気が うまれる からです。これを「でんじゆうどう」と いいます。

ちょうでんどうリニアも、にた ことを して います。しゃりょうの じしゃくが、はやく はしって コイルの まえを とおると、コイルに 電気が ながれて、しゃりょうを うかせる ちからが うまれます[3]。

その ちからが、しゃりょうを おしあげ、ひきあげます[3]。だから、はやく ならないと うかないのです。

ただし ほんとうは、自転車の ライトと ちがい、リニアの コイルは 地面がわに あります。うごくのは しゃりょうの じしゃくです。

自転車のライトと同じ、電磁誘導

自転車のペダルをこぐと光るタイプのライトは、磁石が動くと電気が生まれる電磁誘導を使っています。止まると、光は消えます。

超電導リニアの浮上も、同じ電磁誘導が関わります。神奈川県の解説によると、車両の超電導磁石が通ると、走路の両側にある浮上案内コイルに電流が流れ、車両を押し上げる力(反発力)と引き上げる力(吸引力)が生まれます[3]。

速く通るほど、浮く力は強くなります[2]。走路のコイルが生む力が浮上に十分になる速さが、時速150km以上と説明されています。

自転車のライトとの違いは、動く側です。ライトは磁石がコイルの近くを回りますが、リニアでは磁石が車両にあり、コイルは走路に固定されています。

浮上・案内コイルには、外部から電気を送らない。車両の超電導磁石が高速で通過すると、電磁誘導でコイルに電流が流れ、車両を押し上げる反発力と引き上げる吸引力が生まれて、車両が浮上する[3]。自転車のダイナモライトが、走っている間だけ光るのと同じ電磁誘導だ。ただし、動くのはリニアでは磁石側、コイルは走路に固定されている。

停止中に浮けないのは、磁石が止まっていればコイルに電流が誘導されないからだ。時速150km以上という条件は、その電流が浮上に足る力を生む速さと読める。ただし、この因果は資料の説明を組み合わせた理解であり、原文が「速さと電流の強さ」を直接結んで述べているわけではない。

3. その じしゃくは、どうして つよいの?

3. その磁石は、なぜマイナス269℃まで冷やすのか

3. 超電導 ── 電気抵抗0と永久電流

リニアの じしゃくは、ふつうの じしゃくでは ありません。「ちょうでんどう」という、とくべつな じょうたいに した コイルです。

ちょうでんどうは、とても つめたい ところで、電気の とおりにくさが 0に なる ことです[4]。マイナス269どの、ヘリウムという えきたいに ひたして、この じょうたいに します。

いちど 電気を ながすと、ながれ つづけます。そのため、かるくて つよい じしゃくに なります[4]。

これで、しゃりょうを 10センチ いじょう うかせる ちからが つづく と いわれます[4]。

電気抵抗が0になる

超電導とは、とても低い温度で、電気の流れにくさ(電気抵抗)が0になる現象です。ニオブ・チタン合金は、−269℃の液体ヘリウムに浸すと、この状態になります[4]。

ふつうの電線は、電気を流すと熱が出てエネルギーが失われます。抵抗が0なら、一度流した電流が流れ続けるので、これを永久電流と呼びます[4]。

軽くて強い磁石になる

国土交通省の資料は、超電導磁石を使うと、車両を継続的に10cm以上浮かせる強い磁力が出せる、と説明します[4]。−269℃は、絶対零度(−273℃)まで、あと4℃という低い温度です。

止まっていては浮かず、走ると浮く。それは、磁石が動いてコイルに電流を生むことと、その磁石が超電導で強くなっていることの、二つが組み合わさって成り立っています。

超電導は、極低温で電気抵抗が0になる現象だ。ニオブ・チタン合金は、−269℃の液体ヘリウムに浸すと超電導状態になる[4]。抵抗がないので、一度流した電流は減らずに流れ続け(永久電流)、軽量で強力な磁石をつくれる[4]。

国土交通省の資料は、この磁石と浮上コイルにより、車両を継続的に10cm以上浮上させる強力な磁力が得られるとする[4]。−269℃は絶対零度(−273.15℃)に約4℃まで迫る温度で、こうした冷却をしてまで超電導磁石を使うのは、強い磁力が必要だからだ。

浮上力の源は、電磁誘導(移動する磁石がコイルに電流を生む)と、超電導による強力な磁石の組み合わせだ。ただし、なぜ超電導を選んだのかという比較検討の経緯は、この記事で使った資料には書かれていない。

4. うい たあとは、どうやって まえへ すすむ?

4. 浮いたあとは、磁石の「押し引き」で前へ進む

4. 推進 ── 推進コイルとリニアモータ

うく ちからと、まえへ すすむ ちからは、べつです。まえへ すすむ ちからは、ちかくの 「すいしんコイル」から きます[2]。

コイルに 電気を ながして、エヌきょくと エスきょくを つぎつぎ かえます。すると、しゃりょうの じしゃくが ひきよせられたり、おされたり して、まえに すすみます[2]。

この しくみを「リニアモータ」と いいます。ただし、ふつうの モータのように くるくる まわるのでは ありません。まっすぐ すすむ ように つくられた、モータです。

前へ進む力は、浮上とは別のコイルが生みます。走路に取りつけた「推進コイル」に電流を流し、N極とS極を切りかえます。すると、車両にのせた超電導磁石が引きつけられたり押されたりして、前へ進みます[2]。

国土交通省の資料も、超電導磁石と推進コイルによるリニアモータで駆動する、と説明します[4]。

浮上は「走ることで作られる」力、推進は「電流を流して作る」力です。どちらも磁石の押し引きですが、生まれ方が違います。

推進は、ガイドウェイの推進コイルに電流を流してN極とS極を切りかえ、車両の超電導磁石を引きつけたり押したりして前へ進める方式だ[2]。国土交通省の資料も、超電導磁石と推進コイルによるリニアモータで駆動すると述べる[4]。

つまり同じ超電導磁石を、浮上では電磁誘導で作られる力の相手に、推進では外部から電流を流すコイルの相手に使っている。浮上コイルは電流を誘導し、推進コイルは電流を流すという違いが、ここで見える。

ただし、推進コイルの通電の切りかえ方(制御の詳細)は、ここで使った資料では扱われていない。

5. 603キロは、どんな はしりだったの?

5. 時速603kmは、10.8秒だけの走りだった

5. 有人走行603km/h ── 2003年のMLX01と2015年のL0系

2015ねん 4月21日、やまなしの じっけんせんで、L0けいの しゃりょうが、人が のって 603キロを だしました。人が のった てつどうで 600キロを こえたのは、はじめてです[6]。

でも、603キロで 1じかん はしったのでは ありません。600キロを こえて いたのは、10.8びょうで、やく 1.8キロです[6]。

その まえの きろくは、2003ねん12月の 581キロです[7]。じっけんは 1997ねんに ほんかくてきに はじまって いました[7]。

603キロは、1びょうで 170メートルほど すすむ はやさです。

鉄道史上初の有人600km/h超え

2015年4月21日、山梨リニア実験線で、L0系が有人走行で603km/hを記録しました。有人の鉄道車両が600km/hを超えたのは、これが初めてと発表されています[6]。

ただし、603km/hで1時間走ったわけではありません。600km/hを超えていたのは約10.8秒間で、距離は約1.8kmです[6]。603km/hは秒速約167mなので、10.8秒で約1.8kmという数字とも合います。

それまでの記録

従来の記録は、2003年12月にMLX01が出した581km/hでした[7]。山梨実験線での本格的な走行実験は、平成9年(1997年)4月に始まっています[7]。記録更新は、実験開始から18年後、前の記録からは約12年後になります。

2015年4月21日、山梨リニア実験線でL0系が有人走行で603km/hを記録した。鉄道史上初めて有人で600km/hを超えた走行で、600km/h超の区間は約10.8秒・約1.8kmだった[6]。603km/h=秒速約167.5mで、10.8秒では約1.8kmとなり、数字は整合する。603km/hを1時間走ったのではない、という点は注意が要る。

従来の記録は、2003年12月にMLX01が記録した581km/hだった。山梨実験線での本格的な走行実験は、平成9年(1997年)4月に始まった[7]。したがって新記録は、実験開始から18年、前の記録から約12年後で、差は22km/hである。

速度の比較対象は、有人走行の記録に限られる。

6. つめたく する てまは、へらせるの?

6. 冷やす手間を、減らせないか

6. 高温超電導磁石 ── 液体ヘリウムを使わない冷却

ヘリウムで マイナス269どまで ひやすのは、てまが かかります。そこで JR東海は、べつの じしゃくも つくりました[5]。

こちらは、れいとうきで マイナス255どまで ひやします。ヘリウムの えきたいを つかいません[5]。

「こうおん」と いっても、マイナス255どです。へやの あたたかさでは ありません。それでも、ヘリウムの えきたいを いれなくて よく、つくりも かんたんに なると いわれます。

現在の超電導磁石は、−269℃の液体ヘリウムで冷やします。JR東海は、液体ヘリウムを使わず、冷凍機で−255℃まで冷やす「高温超電導磁石」も開発しました。国土交通省の資料は、超電導線材を−255℃まで冷やすことで、リニア用の磁石として使えるとしています[5]。

この磁石は構造が簡素で、メンテナンスの手間も少ないとされます。国土交通省の資料では、リニア用磁石として使用可能とされ、運用の安定性は引き続き検証されています。

「高温」といっても−255℃で、室温ではありません。−269℃との差は14℃です。

現在の超電導磁石は、−269℃の液体ヘリウムで冷却する。これに対しJR東海は、液体ヘリウムを使わず冷凍機で−255℃まで冷やす高温超電導磁石も開発した。国土交通省の技術評価資料は、超電導線材を−255℃まで冷却すればリニア用磁石として使用でき、冷凍機冷却で液体ヘリウムを使わず、構造も簡素で省メンテナンスとする。リニア用磁石として使用可能とされ、運用の安定性は引き続き検証されている[5]。

報道では、液体ヘリウムが輸入依存で、安定した運行に懸念があったと伝えられる。ただし、これは資料の背景説明にもとづくもので、開発の動機のすべてではない。

「高温」は相対的な言い方で、−255℃は室温ではない。−269℃との差は14℃で、冷やす温度がわずかに上がる代わりに、冷やし方が液体ヘリウムから冷凍機へ変わる。

7. もっと しりたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 出口 ── 確かめたい問いと、資料の読みどころ

じてんしゃに ダイナモの ライトが あったら、こいで みて、ひかりかたを みて みましょう。はやく こぐと あかるく なるか、とまると どうなるか、よく みて ください。うごかす ときは、おとなと いっしょに、あんぜんな ばしょで します。

「うごいて はじめて はたらく」ふしぎな しくみが、ほかにも ないか、さがして みてください。

もっと しりたい ときは、JR東海の こども むけの ページを ひらいて みましょう[1]。

ダイナモ式のライトがついた自転車があれば、走っているあいだだけ光ることを観察してみましょう。ペダルをこぐ速さで明るさが変わるかも見てください。自転車を安全に走らせられる場所で、大人といっしょに試します。

浮く速さの「150km/h」は目安です。この数字がどのように決まるのかは、この記事の資料では分かりませんでした。自分で調べるなら、JR東海の「リニアの違い」のページ[2]を読み、浮上に必要な速さがどう説明されているか探してみましょう。

ダイナモ式ライトの自転車があれば、走っている間だけ光る様子を観察できる。安全な場所で、周囲に注意して行う。光り方が速さで変わるかを見ると、「動く磁石がコイルに電流を生む」感覚がつかめる。ただし、リニアはコイルが走路側にあり、磁石が動く側だ。

資料を読むなら、浮上開始速度と推進はJR東海の子ども向けページ[1][2]、超電導の基礎は国土交通省の概要資料[4]、冷却方式は同省の技術評価資料[5]が日本語で読める。浮上に必要な速さがどう決まるのかは、さらに調べる価値のある問いだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:JR東海、国土交通省、神奈川県の解説、報道を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. JR東海 リニア中央新幹線 リニアの仕組み(子ども向けページ)。https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/linearfuturecity/about/ (浮いて走る仕組みと浮上の高さについて)
  2. JR東海 リニア中央新幹線 リニアの違い。https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/linearfuturecity/difference (時速150km以上で浮くこと、支持輪、推進コイルについて)
  3. 神奈川県 超電導リニアの仕組み。https://www.pref.kanagawa.jp/docs/gd6/cnt/f160210/p162232.html (電磁誘導で浮上コイルに電流が流れる説明について)
  4. 国土交通省 超電導リニアの概要(PDF)。https://www.mlit.go.jp/common/001019011.pdf (超電導、永久電流、浮上と推進について)
  5. 国土交通省 超電導リニア技術評価資料(PDF)。https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001595280.pdf (高温超電導磁石と冷却方式について)
  6. 乗りものニュース(JR東海発表の報道)。https://trafficnews.jp/post/39566 (2015年の603km/h記録について。報道)
  7. 国土交通省 超電導磁気浮上式鉄道の開発概要。https://www.mlit.go.jp/tetudo/gijutukaihatu/06_01.html (2003年の581km/hと走行実験の開始について)

なおした ところ

更新履歴

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