1. じしゃくに くっつくのは どんな もの?
1. 鉄にくっつくのは、鉄が磁石に変わるから
1. 強磁性体と磁区:磁石が鉄を磁石にする
じしゃくを いろいろな ものに 近づけると、 くっつく ものと、くっつかない ものが あります。
てつの くぎは、くっつきます。
1円玉は、くっつきません。 10円玉も、くっつきません。
きんぞくなら 何でも くっつく わけでは ないのです。
くっつくのは、てつなど、 ほんの すこしの きんぞくだけです。
ふしぎな ことが あります。
てつの くぎどうしを 近づけても、くっつきません。 くぎは、じしゃくでは ないからです。
では、なぜ じしゃくには くっつくのでしょう。
じしゃくを 近づけると、 くぎが その ときだけ じしゃくに かわるのです。
じしゃくに なった くぎと、じしゃくが ひっぱりあって、くっつきます。
ここで、たとえ話を して みます。 くぎの 中に、小さな 子どもが たくさん ならんで いると そうぞうして ください。
ふだんは みんな、ばらばらの ほうを むいて います。
じしゃくが 近づくと、みんなが いっせいに おなじ ほうを むきます。
みんなの 力が そろうので、くぎが じしゃくに なるのです。
くっつく金属は、ごく一部
事典の解説によれば、磁石にくっつく金属は、鉄・ニッケル・コバルトなど、ごく一部です。 アルミニウムや銅、金、銀はくっつきません[1]。 1円玉はアルミニウム、10円玉はおもに銅でできているので、くっつかないのです[22]。
じつは、くっつかない金属も、磁石の力にまったく反応しないわけではありません。 アルミニウムは磁石にごく弱く引かれ、銅はごく弱くはね返されます。 弱すぎて、手に持った磁石では分からないだけなのです[19]。
では、鉄はなぜくっつくのでしょう。
電子は、小さな磁石
ものをつくっている原子の中には、電子という小さなつぶがあります。 この電子の一つ一つが、とても小さな磁石のような性質を持っています[1]。
ほとんどの物質では、この小さな磁石の向きがばらばらで、打ち消し合っています。 だから全体としては磁石になりません。
鉄はちがいます。となりどうしの小さな磁石が、自然に同じ向きにそろう性質があるのです[1]。
鉄の中の、小さな区画
それなら、鉄くぎはいつも磁石のはずです。でも、くぎどうしはくっつきません。
鉄の中は、向きがそろった小さな区画にたくさん分かれています。 区画ごとに向きがばらばらなので、くぎ全体では打ち消し合っているのです。
校庭に、ばらばらの方向を向いた子どもたちが並んでいるところを想像してください。 一人一人が小さな磁石です。ばらばらなので、全体としては何の力も出ません。 そこへ先生が「こっちを向いて」と声をかける。磁石を近づけるのは、これにあたります。
くっつく瞬間に起きていること
そこに磁石を近づけると、区画の向きが磁石にそろいます。 くぎがそのときだけ磁石になり、磁石と引き合う。これが「鉄が磁石にくっつく」ことの正体です。
磁石でくぎを同じ向きに何度もこすると、くぎが磁石になるのは、そろった向きが残るからです。
ただし、くぎの磁石は弱く、落としたり熱したりすると弱まってしまいます。 ずっと磁石のままでいる「永久磁石」を作るには、材料と作り方の工夫がいります。それが3章の話です。
くっつく金属は限られている
事典の解説によれば、磁石にくっつくのは、鉄・ニッケル・コバルトなどの強磁性体です。 アルミニウム・銅・金・銀はくっつきません[1]。 1円玉(アルミニウム)や10円玉(銅が主成分の青銅)が磁石に反応しないのはこのためです[22]。
ただし、「くっつかない」金属も、磁場にまったく反応しないわけではありません。 アルミニウムは外からの磁場の向きにわずかに磁化される常磁性体、 銅は磁場と逆向きに弱く磁化される反磁性体です[19]。 どちらも反応が弱すぎて、ふつうの磁石では「くっつく」「はね返す」として感じ取れないだけです。 身近な水も、反磁性体の一つです[19]。
磁性のもとは電子のスピン
物質の磁性は、原子の中の電子のスピンから生まれます。 スピンは電子が持つ自転のような性質で、一つ一つが小さな磁石としてふるまいます[1]。 多くの物質では、スピンは対になって打ち消し合ったり、向きがばらばらだったりして、全体としての磁力は出てきません。
強磁性体では、隣り合う原子のスピンが自然に同じ向きにそろいます。 そのため、全体として大きな磁力を持つことができます[1]。
磁区:ふだんの鉄が磁石でない理由
ここで疑問が出ます。鉄のスピンが自然にそろうなら、なぜ鉄くぎどうしは引き合わないのか。
答えは磁区です。JEOLの用語集によれば、鉄の中は、スピンがそろった小さな領域(磁区)に分かれていて、 磁区ごとに向きがちがいます[24]。くぎ全体では、それらが打ち消し合っています。
磁石を近づけると、磁石の向きにそろった磁区が広がり、くぎ全体が一時的に磁石になります。 近づけた磁石の極と反対の極がくぎの手前側にでき、両者が引き合う。 磁石は鉄を磁石に変えてから引いているのです。
磁石を離すと、多くの磁区はばらばらに戻ります。 一方、磁石でくぎを一方向に何度もこすると、そろった向きが残り、くぎ自体が弱い磁石になります。
一時的な磁石と、永久磁石
特殊鋼メーカーの解説によれば、磁石を離すと磁区がすぐにばらばらに戻る材料を軟磁性材料、 保磁力が大きく、そろった向きが残りやすい材料を硬磁性材料と呼びます[21]。 くぎの鉄は前者に近く、永久磁石は後者です。
どちらが優れているという話ではありません。 鉄鋼メーカーの解説によれば、モーターや変圧器の鉄心には、電流に合わせて磁化の向きがすばやく切りかわる軟磁性材料が向いています[25]。 一方、冷蔵庫のドアやスピーカーの磁石には、外から磁場をかけなくても磁化が残り続ける硬磁性材料が必要です[21]。
「磁石にくっつく」ことと「それ自体が磁石である」ことは、別の性質です。 永久磁石を作るとは、そろえた磁区の向きを戻りにくくする工夫をすることで、3章のネオジム磁石はその到達点の一つです。
2. ちきゅうも じしゃくなの?
2. 地球も磁石。でも、中に磁石はない
2. 地磁気とダイナモ理論:永久磁石ではありえない理由
ほういじしんを 見た ことは ありますか。
はりの 先は、だいたい 北の ほうを むきます。
それは、ちきゅうが 大きな じしゃくだからです。
では、ちきゅうの まん中に 大きな じしゃくが うまって いるのでしょうか。
いいえ、うまって いません。
ちきゅうの 中は、ものすごく あついのです。 じしゃくは、うんと あつく すると 力が なくなって しまいます。
ちきゅうの 中では、どろどろに とけた てつが ぐるぐる うごいて います。
その うごきが、じしゃくの 力を つくりつづけて いるのです。
じてんしゃの ライトには、タイヤを こぐと 光る ものが あります。 タイヤの うごきが、電気を つくって いるからです。 ちきゅうの 中も、それと おなじです。 とけた てつが うごくことで、じしゃくの 力が つくられて いるのです。
ほういじしんを もって へやの 中を あるくと、 てつの つくえや、れいぞうこの そばで、 はりが くるって しまう ことが あります。
ちきゅうの じしゃくの 力は、それほど つよく ありません。 だから、近くの てつの ほうに はりが ひっぱられて しまうのです。
方位磁針が北を指すわけ
方位磁針の針は、だいたい北のほうを指します。 地球そのものが大きな磁石だからです[3]。 ただし、針が指す北(磁北)は、地図の北(真北)とぴったり同じではありません。そのずれは、場所と時代によって変わります[7]。 針のN極が北に引かれるので、北極の近くには、磁石でいうS極にあたるものがあることになります。
地球が大きな磁石だという考えを、実験をもとに本にまとめたのが、イギリスの医者ウィリアム・ギルバートです。 磁石メーカーの解説によれば、ギルバートは1600年に出した『磁石論』で、磁石についての多くの実験とともに、地球そのものを巨大な磁石として論じました[11]。
地球の中に、磁石はない
では、地球の真ん中に巨大な磁石が埋まっているのでしょうか。
埋まっていません。 磁石メーカーの解説によれば、磁石は強く熱すると、材料ごとに決まった温度で磁石の力を失います[17]。 地球の中心は数千℃もあるので、そこに磁石のかたまりがあっても、磁石ではいられないのです[8]。
地球は、発電機
かわりに考えられているのが「ダイナモ理論」です。 地球の中心の外側(外核)には、どろどろにとけた鉄やニッケルがあります。 これが地球の熱や自転によって流れ動くことで電流が生まれ、その電流が磁石の力を作っていると考えられています[3]。
ダイナモとは発電機のことです。地球は、自分の中で電気を起こし続けている発電機のようなものなのです。
地球の磁石の力はそれほど強くありません。 方位磁針を鉄の机や冷蔵庫に近づけると、針は地球よりも近くの鉄のほうに引っぱられてしまいます。 方位磁針を使うときは、鉄のものから離して持つのがコツです。
地球の磁石は、ひっくり返る
地球の磁石は、ずっと同じではありません。 長い歴史の中で、N極とS極が何度も入れかわってきました。 最後に入れかわったのは、およそ77万年前です[23]。
その記録がよく残る地層が千葉県市原市にあり、2020年、この地層をもとに、地球の歴史の一つの時代が「チバニアン(千葉時代)」と名づけられました[18]。 地球の歴史の時代の名前に日本の地名がついたのは、これがはじめてです。
地磁気と偏角
方位磁針のN極がおおよそ北を指すのは、地球全体が磁石だからです(地磁気)[3]。 ただし、N極が指すのは地理上の北(真北)ではなく磁北で、両者のずれ(偏角)は場所と時期によって変わります[7]。 そのため、地図と方位磁針で方角を正確に合わせるには、その土地の偏角を知って補正する必要があります。 N極が引かれる先なので、地理上の北極付近には磁石のS極にあたる極があります。
地球全体を一つの磁石として扱う考え方は、1600年にイギリスのウィリアム・ギルバートが著した『磁石論(De Magnete)』にさかのぼります。 磁石メーカーの解説によれば、ギルバートは磁石や磁性体について多くの実験を行い、地球を巨大な磁石として論じました[11]。
永久磁石説が成り立たない理由
「地球の中心に巨大な永久磁石がある」と考えたくなりますが、これは成り立ちません。 強磁性体は、温度が上がると原子の熱運動が激しくなり、ある温度を超えると、磁化に必要なそろった向きを保てなくなります。 地球の中心部は数千℃に達するので、永久磁化はしていません[8]。 磁石メーカーの解説によれば、強磁性体が温度の上昇によって磁力を失う温度をキュリー温度と呼び、その値は物質ごとにちがいます[17]。
ダイナモ理論
現在の説明はダイナモ理論です[3]。
- 地球の外核は、液体の鉄やニッケルなどでできている。
- この液体の金属が、内部の熱による対流と地球の自転によって流れる。
- 電気を通す流体が動くことで電流が生まれ、その電流が磁場を作る。
- できた磁場の中を流体がさらに動くことで電流が維持され、磁場が保たれる。
ダイナモは発電機を意味します。地球や太陽のような天体は、内部の流体運動によって磁場を生み出し、維持している天然の発電機だというのが、この理論の考え方です[3]。
地磁気の逆転とチバニアン
ダイナモが作る磁場は、一定ではありません。 偏角が場所だけでなく時期によっても変わるのは、地磁気そのものが少しずつ変化しているためです[7]。 長い時間で見ると、地球の磁場はN極とS極が入れかわる逆転を何度もくり返してきました。
最後の逆転はおよそ77万年前で、その記録は千葉県市原市の地層に残っています[23]。 その記録がよく残る千葉県市原市の養老川沿いの地層「千葉セクション」が、2020年1月に国際地質科学連合(IUGS)によって国際的な基準地(GSSP)に認められ、 77.4万年前〜12.9万年前の地質時代が「チバニアン」と名づけられました[18]。 日本の地名が地質時代の名前になったのは、これが初めてです。
溶岩や地層の中の磁性鉱物は、できたときの地磁気の向きを記録します[23]。 その向きを年代順にたどると、過去の逆転が読み取れます。 77万年前の逆転も、こうした地層の磁気の記録から見つかったものです。 一方で、今の磁場の状態から次の逆転がいつ起きるかを予測することは非常に難しく、 逆転は数百年から数千年かけて起こるため、始まってから半分ほど進むまではそれが起きていると気づけないとされています[31]。
3. いちばん つよい じしゃくは どれ?
3. いちばん強い磁石は、日本とアメリカで同じころに生まれた
3. ネオジム磁石:日米の同時開発と、強さの裏側
いま いちばん つよい えいきゅうじしゃくは、 ネオジムじしゃくと いいます。
日本の 人と、アメリカの 人が、 おなじ ころに べつべつに 作りました。
ふたりは、おたがいの ことを しりませんでした。 はじめて 会ったのは、けんきゅうを はっぴょうする 大きな 会の ときだったそうです。
ネオジムじしゃくは、小さくても とても つよいのが とくちょうです。 だから、きかいを 小さく する ことが できます。
クッキーを 作る ときは、こなを かためて、やいて 仕上げますね。 じしゃくも、それと おなじような やり方で 作る ものが あるのです。
こなに して かため、やいて 作る じしゃくも あります。 さいごに、とても つよい じしゃくの 力を あてて、 やっと じしゃくに なるのです。
ネオジムじしゃくは、 パソコンや 車の モーターの 中で はたらいて います。
小さな じしゃくを 口に 入れては いけません。
おなかの 中で じしゃくどうしが くっついて、 大けがに なった 子が います。
小さい きょうだいの 手が とどく ところに おかないでね。
いちばん強い磁石
いま、もっとも強い永久磁石はネオジム磁石です。 ネオジム・鉄・ホウ素を主な材料にしています[2]。 磁石メーカーの解説によれば、同じ大きさで比べると、ネオジム磁石は、よく見かける黒っぽいフェライト磁石の10倍ほどの力でものを引きつけます。 ただし、値段の安さとさびにくさでは、フェライト磁石のほうがずっと上です[12]。
知らない二人が、同じころに
作ったのは、日本の佐川眞人と、アメリカのジョン・クロートです。 1980年代のはじめ、二人はおたがいを知らないまま、ちがう作り方で同じ磁石にたどりつきました。 はじめて顔を合わせたのは、1983年にアメリカのピッツバーグで開かれた国際会議だったそうです[6]。 佐川は材料の粉を固めて焼く方法、クロートはとかした金属を一気に冷やす方法です。 「日本の発明」とだけ言うと、半分しか正しくありません。
身の回りにかくれた磁石
ネオジム磁石は、パソコンのハードディスクやモーター、ハイブリッドカーなど、身の回りの機械の中にかくれて使われています[2]。
磁石はどうやって作る?
いまの強い磁石の多くは、材料をこまかくくだいて粉にし、型に入れて形を作り、高い温度で焼き固め、けずって形を整えて作ります。 そして最後に、とても強い磁石の力をかけて磁石にします。これを「着磁」といいます[13]。
焼き固めただけでは、まだ磁石として働きません。 1章の「くぎを磁石でこすると磁石になる」を、ずっと強い力で一気にやるようなものです。
磁石の歴史に出てくる日本人
強い磁石の歴史には、日本の研究者が何度も出てきます。 1917年、東北帝国大学(いまの東北大学)の本多光太郎が「KS鋼」という強い磁石を作りました[10]。 電気学会の資料によれば、1930年には、東京工業大学の加藤與五郎と武井武が「フェライト」という新しい磁石の材料を発明しました[9]。 Wikipediaの解説によれば、フェライト磁石はいまも、モーターやスピーカーなど、あちこちで使われています[15]。 その先に、1980年代のネオジム磁石があるのです。
強い磁石をいくつか飲みこむと、おなかの中で磁石どうしが腸のかべをはさんで引き合い、 腸に穴があくことがあります。 小さな子どもが手術で取り出した事故が報告されています[5]。
小さな磁石は、小さい子の手が届くところに置かないでください。
日本の永久磁石研究の系譜
強い永久磁石の歴史には、日本の研究者が何度も登場します。 1917年(大正6年)、住友吉左衛門の支援を受けた東北帝国大学(現在の東北大学)の本多光太郎らによってKS磁石鋼が発明されました[10]。 電気学会の資料によれば、1930年には、東京工業大学の加藤與五郎と武井武が、酸化物の磁性材料フェライトを世界に先駆けて発明しています[9]。 Wikipediaの解説によれば、フェライト磁石は現在も、モーター、スピーカー、センサーなどに広く使われています[15]。
ネオジム磁石の同時開発
現在もっとも強力な永久磁石はネオジム磁石で、 ネオジム(Nd)・鉄(Fe)・ホウ素(B)を主成分とする希土類磁石です[2]。
開発したのは、住友特殊金属の佐川眞人と、ゼネラルモーターズ研究所のジョン・J・クロートです。 二人は同じ時期に独立して開発を進め、クロートは1982年に液体急冷法を確立しました。 両者は1983年にピッツバーグで開かれた国際会議で、初めてお互いを知ったといいます[6]。 製法もちがい、佐川は原料の粉末を成形して焼き固める焼結法、 クロートは溶かした合金を急速に冷やす液体急冷法でした。 「日本人の発明」とだけ書くのは、事実の半分です。
小さくても磁力が強いので、ハードディスク、各種のモーター、ハイブリッドカーなどに使われ、 機械の小型化を支えています[2]。
製法:焼き固めてから、磁石にする
磁石メーカーの解説によれば、焼結磁石は、おおまかに粉砕・成形・焼結・加工・着磁という工程を経て作られます[13]。 原料を細かい粉にし、型に入れて形を作り、高温で焼き固め、寸法を整えるために削る。 ここまでの段階では、まだ永久磁石として働く状態になっていません。 最後の着磁で強い磁場をかけ、1章で見た磁区の向きを一方向にそろえて、はじめて永久磁石になります。
永久磁石の性能には、磁石が持つ磁化の強さ(残留磁束密度)と、そろえた向きの崩れにくさ(保磁力)が大きく関わります。 磁石メーカーの資料によれば、ネオジム磁石の代表的な等級では残留磁束密度がおよそ1.2テスラ前後、保磁力がおよそ900キロアンペア毎メートル前後に達し、 この二つがともに大きい材料です[27]。
強さの比較と使い分け
磁石メーカーの解説によれば、同じ大きさで比べたとき、ネオジム磁石はフェライト磁石の約10倍の吸着力を出す一方、 価格の安さとさびにくさ(耐食性)ではフェライト磁石が大きく上回ります[12]。 そのため、小さくても強い力が必要なところにはネオジム磁石、数が多くコストが大事なところにはフェライト磁石、という使い分けになります。 磁石メーカーの解説によれば、たとえばハードディスクでは、データを読み書きする部分(ヘッド)を動かす装置に磁石が使われています[14]。
4. どうぶつも じしゃくを かんじる?
4. 動物は磁石を感じているのか
4. 動物の磁気受容:細胞の中で確認された反応
わたり鳥は、ずっと とおくまで とんで いきます。
サケや ウミガメも、とおくの うみから、 生まれた ばしょの ちかくに かえって きます。
ちきゅうの じしゃくの 力を かんじて、 ほうがくを しって いるのでは ないか、と かんがえられて います。
わたり鳥の からだの 中に、目に 見えない ほういじしんが かくれて いると かんがえると、わかりやすいかもしれません。
でも、どう やって かんじて いるのかは、 まだ よく わかって いません。
いま、たくさんの 人が しらべて いる ところです。
2021年に、東京大学の けんきゅうチームが、 生きものの からだを つくる 小さな へや(さいぼう)の 中で、 じしゃくの 力に こたえて 光りかたが かわる ものを 見つけました。
さいぼうの 中で たしかめられた ことです。 でも、それが 鳥が ほうがくを しる しくみなのかは、 まだ わかりません。
でんしょばと(手がみを はこぶ ハト)も、 ちきゅうの じしゃくの 力を つかって いるのでは ないかと いわれて います。
渡り鳥のなぞ
渡り鳥は、地球の磁石の力を感じて方角を知っているのではないか、と考えられています。 でも、体のどこで、どうやって感じているのかは、まだはっきりしていません[4]。
渡り鳥のほかにも、伝書バト、生まれた川にもどってくるサケ、ウミガメなど、遠くの目的地に迷わずたどりつく生きものがいます。 公益財団法人の解説記事によれば、目や鼻だけでなく、地球の磁石の力を感じる「コンパス」のようなしくみを持っていると考えられています[16]。
細胞の中で見えたもの
2021年、東京大学の研究チームが、生きた細胞の中にある「フラビン」という分子が、 磁石の力があるかないかで光り方を変えるようすを、はじめて直接観察しました[4]。
フラビンは、ビタミンB2(リボフラビン)を含む、似た構造を持つ分子のグループの名前で、わたしたちの体の細胞にもあります。 光を当てると、自分でうっすら光る性質があります。これを「自家蛍光」といいます。
研究チームは、この光り方を、磁石の力をかけたときとかけないときで比べました。 すると、磁石の力をかけたときに、光り方が変わったのです。
地球の磁石の力はとても弱いので、「そんなに弱い力を、生きものが本当に感じられるのか」は長いあいだの疑問でした。 細胞の中の分子が磁石の力に反応するようすを、目に見える形でとらえたところに、この研究の新しさがあります。
分かったこと、まだ分からないこと
ただし、これで「動物が磁気を感じるしくみが分かった」わけではありません。 細胞の中で磁石の力に反応する分子が見えた、という細胞内で確認された現象です。
鳥の体の中で、同じことが本当に起きているのか。 起きているとして、その変化がどうやって脳に伝わり、方角の感覚になるのか。 そこはまだ、これから確かめる問題として残っています。
フラビンは、わたしたちの体の細胞にもある分子です。 だからといって、人間が磁石の力を感じられる、という話ではありません。 この研究が見たのは、細胞の中の分子の反応だけです。
磁気受容という未解決問題
渡り鳥、伝書鳩、生まれた川に戻るサケ、ウミガメなど、遠くの目的地に迷わずたどり着く動物は、 公益財団法人テルモ生命科学振興財団の解説記事によれば、視覚や嗅覚に加えて、地磁気を感じ取る「コンパス」のようなしくみを持つと考えられています[16]。 渡り鳥などが地磁気を手がかりに方角を知る磁気受容は、長く研究されてきましたが、 どの分子がどう働いているかは分かっていません[4]。 有力な説の一つは、光を受けた分子の中の電子のスピンの状態が、弱い磁場で変わるというものです。
この説はラジカル対機構と呼ばれます[28]。 光を吸収した分子の中で、対になっていた電子が一つずつに分かれた状態ができ、 その二つの電子のスピンの向きの組み合わせが、ごく短い時間のあいだに移り変わります。 磁場はこの移り変わり方に影響するので、反応の進み方が磁場の向きや強さで変わりうる、という考え方です。
地磁気の強さはおよそ0.25〜0.65ガウスで[29]、冷蔵庫に貼る磁石(およそ100ガウス)よりはるかに弱い磁場です[30]。 そのような弱い磁場でも、スピンという量子的な性質を通してなら反応に影響しうる。この点が、この説が注目される理由です。
2021年の観察
2021年、東京大学の研究チームは、生きた細胞の中で、 磁場の有無によってフラビン分子の自家蛍光が変化することを、世界で初めて直接観察したと発表しました[4]。 フラビンは、磁気受容に関わると考えられているたんぱく質にも含まれる分子です。
フラビンは、ビタミンB2(リボフラビン)や、そこから作られるFMN・FADなどを含む分子のグループの名前で、光を当てると弱く光る性質(自家蛍光)があります。 磁場によって分子の中の反応の進み方が変われば、この光り方も変わるはずです。 研究チームはこの光を手がかりにして、生きた細胞の中で起きている磁場の効果を、外から見える形でとらえました。
確かなことと、仮説
ここで線を引いておく必要があります。 観察されたのは「細胞の中の分子が磁場に反応すること」です。 それが動物の方位感覚そのものであることは、まだ証明されていません。 しくみを調べる手がかりが増えた、と受け取るのが正確です。
残っている問いは、少なくとも三つあります。 実際の鳥の体の中で同じ反応が起きているのか。 起きているとして、地磁気ほどの弱い磁場で見分けられるほどの差が出るのか。 そして、その差がどうやって神経の信号になり、方角の感覚として使われるのか。
フラビンはヒトを含む多くの生物の細胞にある分子です。 細胞の中で磁場への反応が見えたからといって、その生物が磁場を「感じている」ことにはなりません。 分子の反応が起きることと、生きものがそれを感覚として使っていることのあいだには、いくつもの段階があります。 「動物の磁気感覚のなぞが解明」といった見出しを見かけたら、どの段階が確かめられたのかを確認してみてください。
5. じぶんで ためすと どう なる?
5. 家にある物で、磁石を確かめる
5. 磁石・金属・電流を、自分の手で確かめる
おうちの 人と いっしょに、ためして みましょう。
- 1円玉、10円玉、ジュースの かんに じしゃくを 近づけて みる。くっつくのは どれかな。
- じしゃくに くぎを くっつけて、その くぎに べつの くぎを 近づけて みる。
1つめで くっつかなかった ものは、どれでしたか。 きんぞくでも、くっつかない ものが あったはずです。
2つめで、くぎに くぎが くっついたら、 くぎが じしゃくに なった しょうこです。 じしゃくから くぎを はなしても、下の くぎが しばらく くっついて いる ことが あります。
たとえ話を してみます。 さいしょに、くぎの 中の 小さな 子どもたちが、 同じ ほうを むくと 言いました。 じしゃくを はなした あとも、子どもたちが 少しだけ 同じ ほうを むいた ままなので、くぎに 力が のこるのです。
つよい じしゃくは つかわないで ね。
やってみよう
- くっつく・くっつかない調べ:1円玉、10円玉、スチール缶、アルミ缶に磁石を近づけて、表にしてみましょう。
- 磁石の強さ調べ:クリップを何個までつなげてぶら下げられるか、家にある磁石ごとに比べてみましょう。
1つめの表を作ると、「金属なら何でもくっつく」わけではないことが、はっきり分かります。 スチール缶リサイクル協会の説明によれば、スチール缶は鉄、アルミ缶はアルミニウムでできているので[26]、同じ缶でも結果が分かれます。
2つめの実験では、磁石によってつながるクリップの数がちがうことがよく分かります。 冷蔵庫に貼るような磁石と、電池のふたなどに使われる強い磁石を比べると、差がはっきり出るはずです。
なぜ、この実験でわかるのか
1つめの実験は、1章で見た「磁石にくっつく金属は限られている」ことを、自分の手で確かめるものです。 スチール缶とアルミ缶は、見た目も重さも近いのに、片方だけ磁石にくっつきます。
2つめの実験では、磁石によって持ち上げられる重さがはっきりちがいます。 3章で見たとおり、磁石の強さは材料によって大きく変わるので、家にある磁石を何個か集めて比べると、その差を体感できます。
実験をするときは、強力な磁石を指ではさまないように気をつけてください。 くっついた磁石を外すときは、いきなり引っぱらず、少しずつずらすと安全です。
次の疑問
気になる疑問は、まだ残っています。 磁石を温めると、なぜ力がなくなるのか。渡り鳥は、磁気を感じてどこまで飛ぶのか。モーターは、磁石と電気でどうやって回っているのか。 図書館やインターネットで調べるときは、1つの説明だけで決めず、いくつかの資料を読み比べてみましょう。
やってみよう
- 強磁性体の見分け:1円玉、10円玉、スチール缶、アルミ缶で試し、つく・つかないを表にする。
- 渦電流:ネオジム磁石を銅またはアルミのパイプの中に落とす。強い磁石は指をはさむとけがをするので、大人といっしょに行ってください。
1つめで結果が分かれるのは、1章で見たとおり、磁石につくかどうかは、その金属が強磁性体かどうかで決まるからです。 つかない金属も、常磁性や反磁性として、ごく弱く反応しています。
渦電流とレンツの法則
2つめのパイプの実験では、磁石はゆっくり落下します[20]。 1章で見た常磁性や反磁性の力は弱すぎて、この減速は説明できません。
磁石が動くと、パイプを貫く磁場が変化します。 磁場が変化すると、電磁誘導によってパイプに渦電流という電流が流れます。 その渦電流が作る磁場が、磁石の落下をさまたげる向きに働くのです。これをレンツの法則といいます。
磁石にくっつかない銅やアルミが、動く磁石には力をおよぼす。 これは、磁場が変化すると電流が生まれ、その電流が磁場を作るという、電気と磁気の結びつき(電磁誘導)そのものです。 発電機が電気を起こすしくみも、この関係を利用しています。
ネオジム磁石は強力なので、指をはさんだり、磁石どうしがぶつかって割れたりします。 渦電流の実験以外は、ふつうのフェライト磁石で十分です。
次に調べるなら
この先には、まだ調べられる問いが残っています。 磁石を温めると、なぜある温度で磁性が消えるのか(キュリー温度と熱運動)。 電流が磁場を作り、磁場の変化が電流を生むという関係は、モーターや発電機でどう使われているのか。 そして、77万年前の地層に残る地磁気の向きは、どうやって測るのか。 気になった問いを1つ選んで、図書館やインターネットで自分なりに調べてみましょう。 官公庁や大学、学会など、根拠がはっきりしている資料ほど、あとで確かめやすくなります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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- Wikipedia「強磁性」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E7%A3%81%E6%80%A7 (強磁性は隣り合うスピンが同じ向きに整列し、全体として大きな磁気モーメントを持つ物質の磁性であること。鉄・ニッケル・コバルトが代表例であること)
- Wikipedia「ネオジム磁石」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%82%B8%E3%83%A0%E7%A3%81%E7%9F%B3 (ネオジム・鉄・ホウ素を主成分とする希土類磁石であること。用途。開発の年と経緯は[6]による)
- Wikipedia「ダイナモ理論」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2%E7%90%86%E8%AB%96 (地球や太陽などの天体が、内部の流体運動によって大規模な磁場を生成・維持するしくみを説明する理論であること)
- 東京大学「生きた細胞の中で、磁場によるフラビン分子の自家蛍光の変化を直接観察」 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0508_00093.html (生きた細胞の中で、磁場の有無によりフラビン分子の自家蛍光が変化することを世界で初めて直接観察したこと)
- 独立行政法人国民生活センター「マグネットボールの誤飲に注意」(2018年4月19日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180419_1.html (ネオジム磁石をうたうマグネットボールを複数個誤飲し、磁石どうしが引き合って腸壁をはさんだまま消化管にとどまり、穿孔したものを開腹手術等で摘出した事故があったこと)
- 公益財団法人本田財団「本田賞」2023年の受賞業績の解説(佐川眞人・ジョン・J・クロート) https://www.hondafoundation.jp/commemoration/index/285/year%3A2023 (佐川が焼結法を確立したこと、クロートが1982年に液体急冷法を確立したこと、両者が1983年にピッツバーグの国際会議で初めて互いを知ったこと)
- 米国地質調査所(USGS)「What is declination?」 https://www.usgs.gov/faqs/what-declination (地球上のほとんどの場所で、方位磁針は地理上の北を正確には指さないこと。そのずれを偏角と呼び、場所と時期によって変わること)
- 米国地質調査所(USGS)「Is the Earth a magnet?」 https://www.usgs.gov/faqs/earth-a-magnet (およそ650℃を超えると原子の熱運動のために永久磁化が起こりえないこと。地球の中心部は数千℃で、永久磁化していないこと)
- 一般社団法人電気学会 資料(フェライトの発明について、PDF) https://www.iee.jp/file/foundation/data02/ishi-04/ishi-0405.pdf (1930年、東京工業大学の加藤與五郎と武井武が、酸化物磁性材料フェライトを世界に先駆けて発明したこと)
- 公益財団法人本田財団「本田賞」2023年の受賞業績の解説(本多光太郎とKS磁石鋼の歴史的背景の説明) https://www.hondafoundation.jp/commemoration/index/285/year%3A2023 (1917年、住友吉左衛門の支援を受けた東北帝国大学の本多光太郎らによってKS磁石鋼が発明されたこと)
- 株式会社マグエバー「磁石の歴史」 https://magever.net/magnet-history/ (1600年、英国の医者ウィリアム・ギルバートが、磁石と巨大な磁石としての地球について多くの実験を行い『磁石論』を出版したこと)
- 株式会社マグナ「よくある質問」(ネオジム磁石とフェライト磁石のちがい) https://www.magna-tokyo.com/faq/18 (同じサイズで比べるとネオジム磁石はフェライト磁石の10倍の吸着力を出すこと、価格と耐食性ではフェライト磁石が優れていること)
- ネオマグ株式会社「磁石の製造方法と家でもできる作り方」 https://www.neomag.jp/mag_navi/column/column003.html (磁石は原料を粉にして型で成形し、焼き固めたあとに着磁するという工程を経て製造されること)
- 日本電磁測器株式会社「磁石の用途」 https://www.j-ndk.co.jp/maguken/001.html (ハードディスクのヘッドアクチュエータ(VCM)などに磁石が使われていること)
- Wikipedia「フェライト磁石」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E7%A3%81%E7%9F%B3 (フェライト磁石がスピーカー、モーター、センサーなどに使われていること)
- 公益財団法人テルモ生命科学振興財団「Healthist」の生物の磁気感覚に関する記事 https://healthist.net/biology/3768/ (渡り鳥、伝書鳩、サケ、ウミガメなどが、視覚や嗅覚に加えて地磁気を検知する「コンパス」を使うと考えられていること)
- 株式会社マグナ「キュリー温度とは」 https://www.magna-tokyo.com/column/curie-temperature (強磁性体は温度の上昇にともなって磁力を失い、その温度をキュリー温度と呼ぶこと)
- 文部科学省 海洋・地球科学に関するページ(チバニアンの命名について) https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/kaiyou/gaiyou/1343292_00003.htm (2020年1月、国際地質科学連合で千葉県市原市の養老川河岸の地層「千葉セクション」がGSSPに認められ、77.4万年前〜12.9万年前の地質時代が「チバニアン」と命名されたこと)
- Wikipedia「常磁性」「反磁性」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%A3%81%E6%80%A7 (アルミニウムは外部磁場の向きにわずかに磁化される常磁性体、水や銅は外部磁場と逆向きに弱く磁化される反磁性体であること)
- 日本物理教育学会『物理教育』55巻3号掲載の論文(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/55/3/55_KJ00005898427/_article/-char/ja/ (銅やアルミニウム製のパイプの中をネオジム磁石がゆっくり落下する実験が、渦電流を示す演示実験として知られていること)
- 大同特殊鋼株式会社「磁性材料とは」 https://www.daido.co.jp/products/smm/what/magnetic_material.html (外部の磁界を取り除くと速やかに磁気がなくなる軟磁性材料と、保磁力が大きく永久磁石として用いられる硬磁性材料のちがい)
- Wikipedia「日本の硬貨」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%A1%AC%E8%B2%A8 (1円硬貨の素材は純アルミニウム、10円硬貨の素材は青銅であること)
- 国立極地研究所 お知らせ(2015年5月20日) https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20150520.html (最後の地球磁場の逆転が約77万年前に起こったことを、信頼度の高い方法で決定したこと。千葉県市原市の地層「千葉セクション」の国際標準模式地選定につながる成果であること)
- JEOL(日本電子株式会社)用語集「磁区」 https://www.jeol.co.jp/words/emterms/20121023.041359.html (磁区は、強磁性体の中でスピンの向きがそろった領域であること)
- JFEスチール株式会社「電磁鋼板(スーパーコア)」製品情報 https://www.jfe-steel.co.jp/products/denji/product/supercore/use.php (電磁鋼板のような軟磁性材料が、変圧器などの鉄心材料として使われていること)
- スチール缶リサイクル協会「スチール缶って?」 https://steelcan.jp/knowledge/knowledge01/ (スチール缶が鉄でできており、磁石にくっつく性質を利用して分別・リサイクルされていること)
- NeoMag(愛知製鋼グループ)「ネオジム磁石の磁気特性」 https://www.neomag.jp/products_navi/ndfeb/ndfeb_magnetic_properties.html (ネオジム磁石の代表的な等級で、残留磁束密度がおよそ1.2テスラ前後、保磁力がおよそ900キロアンペア毎メートル前後に達すること)
- 神戸大学ニュースサイト「タンパク質結合水の運動が生物の磁気コンパスを制御」 https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/2021_10_01_03/ (クリプトクロムに生じるラジカル対の電子スピン状態が外部磁場の影響を受け、反応の進み方が変わるというラジカル対機構の考え方)
- NOAA(米国海洋大気庁)National Centers for Environmental Information「Geomagnetism Frequently Asked Questions」 https://www.ncei.noaa.gov/products/geomagnetism-frequently-asked-questions (地球の磁場の強さがおよそ0.25〜0.65ガウス(25,000〜65,000ナノテスラ)であること)
- NASA(米国航空宇宙局)ゴダード宇宙飛行センター「Sun-Earth Day」ページ https://science.gsfc.nasa.gov/attic/sunearthday.nasa.gov/2011/facts.php (冷蔵庫に貼る磁石の強さがおよそ100ガウスであること)
- 米国地質調査所(USGS)「Are we about to have a magnetic reversal?」 https://www.usgs.gov/faqs/are-we-about-have-a-magnetic-reversal (今の磁場の状態から逆転の発生を予測することは非常に難しく、逆転は数百年から数千年かけて起こるため、始まってから半分ほど進むまではそれが起きていると気づけないこと)
海外の出典について:USGS(米国地質調査所)は地球の地形・資源・自然災害などを調べるアメリカ合衆国の政府機関、NOAA(米国海洋大気庁)は気象・海洋・地磁気などを観測するアメリカ合衆国の政府機関、NASA(米国航空宇宙局)はアメリカ合衆国の宇宙開発機関です。
[1]〜[3]・[15]・[19]・[22]は Wikipedia です。考え方の筋道を確かめるために使い、年号と人名は[6]で確かめています。 より確かな情報は、各項目が参照している論文や教科書で確かめてください。
方位磁針が近くの鉄でくるうこと、着磁前の焼結体がまだ永久磁石として働かないこと、 電流と磁場が互いを生み出す電磁誘導の関係については、中学校の理科で扱う基礎的な物理現象として書いており、 個別の出典は付けていません。読者が自分で確かめられる範囲は、5章の実験で確かめられます。
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