マヨネーズは なにから できて いるの?

マヨネーズはなにからできている? ── 水と油はまざらないはずなのに

マヨネーズの科学と歴史 ── 乳化のしくみと、マオンの物語

分野:技術

水と あぶらは、まざらないはずです。でも マヨネーズは、 水っぽい すと あぶらが、ねっとりと まざって います。

なんで、こんな ことが できるのでしょうか。

この きじでは、その ひみつと、マヨネーズが 生まれた ものがたりを 見て いきます。

水と油は、まざらないはずです。でもマヨネーズは、水っぽい酢と 油が、ねっとりとまざり合っています。

なぜ、こんなことができるのでしょうか。

この記事では、そのひみつと、マヨネーズが生まれた物語、そして 日本に持ちこんだ人の挑戦を見ていきます。

水と油は本来混ざり合わない物質ですが、マヨネーズはその2つを なめらかに一体化させています。この現象には「乳化」という 化学が関わっています。

この記事では、卵黄が果たす役割、18世紀の港町マオンに伝わる 誕生の物語、そして日本にマヨネーズを持ちこんだ中島董一郎の 挑戦までをたどります。

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1. なんで 水と あぶらは まざらないの?

1. なぜ水と油は混ざらないのか

1. 極性の違い ── 水と油が反発する理由

水と あぶらを びんに 入れて ふると、いっしゅん まざった ように 見えますが、しばらく おくと また、水と あぶらの 2つの そうに わかれて しまいます。

これは、水の つぶと あぶらの つぶが、おたがいを 「なかまでは ない」と かんじて、くっつきたがらない せいしつを もって いるからです。

ふっても、すぐに分かれてしまう

水と油をびんに入れてふると、一瞬混ざったように見えますが、 しばらく置くとまた、水と油の2つの層に分かれてしまいます。

粒どうしが、くっつきたがらない

これは、水の粒と油の粒が、おたがいを「仲間ではない」と 感じて、くっつきたがらない性質を持っているからです。 水の粒どうしは強く引き合い、油の粒を押しのけてしまいます。

水分子は電気的な偏り(極性)を持つ「極性分子」で、分子 どうしが強く引き合う性質があります。いっぽう油の主成分で ある脂肪酸やトリグリセリドは、電気的な偏りがほとんどない 「無極性分子」です。

水分子どうしが強く引き合う結果、極性を持たない油の分子は 押しのけられ、水と油はそれぞれ分離した層を作ります。 これが、水と油が本来混ざり合わない理由です。

2. たまごが かける まほう

2. 卵黄が果たす、橋渡しの役目

2. 乳化 ── レシチンによる界面活性

マヨネーズには、たまごの きいろい ぶぶんが つかわれて います。この きいろい ぶぶんには、水とも あぶらとも なかよく できる ぶっしつが ふくまれて いるのです。

この ぶっしつが、あぶらを 小さな つぶに して 水の 中に ちらばらせ、その つぶの まわりを つつみこんで いきます。 せっけんが あぶらよごれを 水で あらいながせる のと にた しくみです(ただし、 マヨネーズは あらい ながすのでは なく、しっかり まぜあわせて とじこめます)。少しずつ あぶらを たしながら いきおいよく まぜる ことで、小さな つぶの まま たもたれ、 あの ねっとりした マヨネーズに なるのです。

卵黄にふくまれる「橋渡し役」

マヨネーズには、卵黄(卵の黄色い部分)が使われています。 卵黄には「レシチン」という物質がふくまれていて、これが 水とも油ともなかよくできる、橋渡し役になります。

油を小さな粒に包みこむ

レシチンは、水の中に油を小さな粒として包みこみ、粒どうしが くっついて分かれてしまうのを防ぎます。これを「乳化」と 呼びます。油を少しずつ加えながら勢いよくかき混ぜることで、 油が細かい粒のまま保たれ、あのねっとりしたマヨネーズになる のです[1]

マヨネーズは、水の中に油が細かい粒として分散した「水中油滴型 (O/W型)エマルション」です。卵黄にふくまれるリン脂質 「レシチン」が、界面活性剤としてこの構造を安定させています [1]

界面活性剤の分子は、水になじみやすい部分(親水基)と、油に なじみやすい部分(親油基)の両方を持っています。この分子が 油と水の境界面に並ぶことで、油の粒の表面を覆い、粒どうしが 再び結合(合一)するのを防ぎます。油を少量ずつ加えながら 撹拌することで、レシチンが油の表面を覆う速度に追いつき、 安定した乳化状態が保たれます。

3. マヨネーズの はじまり ── マオンの ものがたり

3. マヨネーズの始まり ── マオンの物語

3. 起源説 ── 1756年、マオンでの出来事

マヨネーズの 名前の ゆらいには、ゆうめいな はなしが あります。1756年、フランスの ぐんたいが、スペインの 小さな 島(メノルカとう)に ある、そのころ イギリスが おさめて いた 「マオン」と いう みなとまちを せめた ときの ことです。

その ぐんたいを ひきいて いた リシュリューこうしゃくが、 マオンの みせで、たまごと あぶらと レモンじるを つかった ソースを たべて、たいそう 気に入りました。あとで パリで この ソースを しょうかいした ときに「マオンの ソース」 と よんだ ことが、マヨネーズの 名前の ゆらいだ、と いわれて います[2]。ただし、 これは いちばん ゆうりょくな せつであって、たしかめられた じじつでは ない ことにも 気をつけて ください。

1756年、マオンという港町で

マヨネーズの名前の由来には、有名な話があります。1756年、 フランスの軍隊が、スペインの小さな島(メノルカ島)にある、 当時イギリス領だった「マオン」という港町を攻めたときの ことです。

「マオンのソース」が名前の由来に

その軍を率いていたリシュリュー公爵が、マオンの料理店で、 卵と油とレモン果汁を使ったソースを食べて、たいそう気に 入りました。あとでパリでこのソースを紹介したときに「マオン のソース(マオネーズ)」と呼んだことが、マヨネーズという 名前の由来だといわれています[2]。 ただし、これは数ある起源説の中でもっとも有力とされている もので、確定した史実として証明されているわけではありません。

マヨネーズの起源には複数の説がありますが、もっとも有力 とされているのが「マオン起源説」です。1756年、七年戦争 のさなか、当時イギリス領だったメノルカ島の攻略を指揮して いた第3代リシュリュー公爵が、港町マオンで食事をした際、 卵・油・レモン果汁を使った とろみのあるソースに出会いました[2]

気に入ったリシュリュー公爵は、のちにパリでこのソースを 「マオンのソース(sauce mahonnaise)」として紹介し、これが 「mayonnaise」という語の由来になったとされています [2]。ただし、1742年出版の『フレン チ・クックブック』にも現代のマヨネーズに似たソースの記述が あるとされ、フランス起源説を唱える研究者もいます。マオン 起源説はあくまで諸説の中で最有力とされているものであり、 確定した史実ではない点に注意が必要です。

4. 日本に やってきた マヨネーズ

4. 日本にやってきたマヨネーズ ── 中島董一郎の挑戦

4. 日本への導入 ── 中島董一郎と1925年

日本で さいしょに マヨネーズを うりだしたのは、 中島董一郎といちろうさんという 人です。中島さんは わかい ころ、 アメリカで くらして いた ときに マヨネーズに 出会い、 その えいようの 高さに おどろきました。

1925年、中島さんは 日本で はじめて マヨネーズを 作り、 うりだしました[3]。でも、まだ マヨネーズと いう ことばさえ しられて いなかった じだいだったので、かみの毛に つける せいひんと まちがえられる ことも あった そうです [3]

アメリカで出会った、栄養満点のソース

日本で最初にマヨネーズを売り出したのは、中島董一郎という 人です。中島は若いころ、仕事でアメリカに滞在していたとき、 サラダにマヨネーズをかけて食べる習慣を目にし、その栄養価の 高さに注目しました。

整髪料とまちがえられた、まだ知られていない味

1925年3月、中島は日本で初めてマヨネーズを製造・販売しました [3]。しかし初年度の売り上げは 120箱(600キログラム)にとどまり、「マヨネーズ」という 言葉さえ知られていなかった時代だったため、整髪料 (ポマード)とまちがえられることもあったといいます [3]

日本にマヨネーズを持ちこんだのは、キユーピー株式会社の 創業者である中島董一郎です。中島は1912年、農商務省の海外 実業練習生に選ばれて欧米に派遣され、1916年に帰国するまでの 数年間、アメリカで缶詰の勉強をするかたわら、日常的に野菜 サラダにマヨネーズが使われている食文化に触れ、その栄養価の 高さに着目しました[4]

1923年の関東大震災後の復興のなかで食生活の変化を感じ取った 中島は、1925年3月、日本で初めてマヨネーズの製造・販売に 踏み切りました[3]。しかし 初年度の売り上げはわずか120箱(600キログラム)にとどまり ました。「マヨネーズ」という言葉自体が浸透していなかった 時代であり、整髪料(ポマード)と誤認されることさえあった といいます[3]

5. 日本の マヨネーズの きまり

5. 日本のマヨネーズのルール

5. JAS規格 ── マヨネーズと呼べる条件

日本には、なにを「マヨネーズ」と よんで よいかの きまりが あります。

しょくようの しょくぶつあぶらが、ぜんたいの おもさの 65パーセント いじょう はいって いないと、マヨネーズとは よべない ことに なって いるのです[1] [5]

植物油脂が65%以上、という決まり

日本には、何を「マヨネーズ」と呼んでよいかのルールが あります。

JAS(日本農林規格)という規格で、食用の植物油脂が、全体の 重さの65%以上ふくまれていないと、マヨネーズとは呼べない ことになっているのです[1] [5]。油が 少ないものは「マヨネーズタイプ調味料」などの別の名前で 売られています。

植物油脂65%以上、という規格の条件

日本では、JAS(日本農林規格)が「マヨネーズ」と表示できる 食品の条件を定めています。原材料に占める食用植物油脂の 重量の割合が65%以上であることが、マヨネーズを名乗るための 条件です[1] [5]

この基準を満たさない、油の含有量が少ない製品は、「マヨネーズ タイプ調味料」といった別の名称で販売されます。カロリーを 抑えた商品が多いのは、油の含有量を減らしているためです。

6. なんで わかれて しまう ことが あるの?

6. なぜ分離してしまうことがあるのか

6. 分離の原因 ── 乳化が崩れるとき

じぶんで マヨネーズを 作った ときに、とちゅうで みずっぽく わかれて しまう ことが あります。

あぶらを いちどに 入れすぎると、たまごの きいろい ぶぶんが、すべての あぶらの つぶを うまく つつみこめず、 あぶらどうしが くっついて 大きく なって しまうのです。 こう なると、水と あぶらに もどって しまいます。

とちゅうで分かれてしまうことがある

自分でマヨネーズを作ったとき、途中で水っぽく分かれて しまうことがあります。

油の入れすぎが原因

油を一度に入れすぎると、卵黄がすべての油の粒を包みきれず、 油どうしがくっついて大きくなってしまいます。こうなると、 もとの水と油に戻ってしまいます。少しずつ油を加えながら しっかりかき混ぜることが、分離を防ぐこつです。

手作りマヨネーズが調理中に分離してしまう現象は、乳化状態が 崩れることで起こります。油を一度に大量に加えると、レシチン が油滴の表面を覆う速度が追いつかず、油滴どうしが接触して 合一し、粒が大きくなっていきます。

油滴が大きくなりすぎると、水中に均一に分散していられなく なり、やがて油の層と水の層に分離してしまいます。少量ずつ 油を加えながら十分に撹拌し、レシチンが油滴表面を覆う時間を 確保することが、安定した乳化状態を保つための鍵になります。

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

おうちの人と いっしょに、水と あぶらが まざるかを たしかめて みましょう。

あんぜんな ばしょで できる こと

  • 水と あぶらを びんに 入れて ふって みる。 しばらく おいて、どう なるか かんさつして みましょう。
  • マヨネーズの ラベルを 見て みる。 おうちの マヨネーズの げんざいりょうに、なにが 書いて あるか、おうちの人と いっしょに 見て みましょう。
メモの すすめ

きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「にゅうかって なに?」だけで じゅうぶんです。

おうちの人といっしょに、水と油が混ざるかを確かめて みましょう。

今日できること

  • 水と油をびんに入れてふってみる。 しばらく置いて、どうなるか観察してみましょう。
  • マヨネーズの原材料表示を見てみる。 おうちのマヨネーズの原材料に、なにが書いてあるか、 おうちの人といっしょに見てみましょう。
メモのすすめ

気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口に なります。「レシチンって、他の食べ物にも入っているの?」 だけでも十分です。

マヨネーズの原材料表示を確認し、JAS規格に沿った表示になって いるかを見てみると、この記事の内容が実感として理解しやすく なります。

手を動かして確かめる

  • 大人と一緒に手作りマヨネーズに挑戦する。 卵黄・油・酢を使い、油を少しずつ加えながら混ぜる過程を 観察すると、乳化が進む様子を実感できます。生卵を使うため 食中毒などのリスクがあります。新鮮な卵を使い、作ったら 保存せずにすぐ食べきるなど、必ず大人と一緒に安全に注意 して行ってください。
  • 他の乳化食品を探してみる。 牛乳やアイスクリーム、バターなども乳化の仕組みを利用した 食品です。共通点を調べてみましょう。

一次情報にあたる

キユーピーなど食品メーカーの公式サイトでは、マヨネーズの 歴史や製法についての詳しい情報が公開されています。

メモのすすめ

気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。 「マヨネーズはJAS規格で油65%以上」という基準でもかまい ません。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

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出典について:Wikipediaは百科事典、キユーピーはマヨネーズメーカーの公式サイトです。

  1. Wikipedia「マヨネーズ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/マヨネーズ (乳化の仕組み、卵黄のレシチンの役割、起源説、JAS規格による植物油脂65%以上という定義についての解説)
  2. キユーピー「マヨネーズの発祥は?」。 https://www.kewpie.co.jp/mayonnaise/tips/origin.html (マオン起源説(1756年、リシュリュー公爵)についての解説)
  3. キユーピー「ヒストリー」。 https://www.kewpie.co.jp/mayonnaise/history/ (中島董一郎の経歴、1925年3月の日本初のマヨネーズ発売についての公式解説)
  4. Wikipedia「中島董一郎」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/中島董一郎 (1912年に農商務省の海外実業練習生に選ばれ欧米に派遣され、1916年に帰国したという経歴についての解説)
  5. 農林水産省「ドレッシングの日本農林規格」。 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-365.pdf (マヨネーズと呼べる条件として、原材料に占める食用植物油脂の重量割合が65%以上と定めた公式規格)

なおした ところ

更新履歴

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