1. 刀は もてないのに、どうして 作れるの?
1. 持てない刀を、なぜ新しく作れるのか
1. 銃刀法の例外 ── 美術品としての「登録」と製作の承認
日本では、刀を 持つことは、ほうりつで 原則として 止められて います。
ただ、美術品としての 力が ある 刀は、べつです。「登録」という 手つづきを すると、持つことが ゆるされます[2]。文化財に にた ものとして、大切に して いくためです。
作るほうにも きまりが あります。作る 前に「承認」という ゆるしが いります。はじめての 人は 文化庁へ、すでに ゆるしを もらった 人は、それぞれの 県の きょういく いいんかいへ 申しこみます[2]。
ここで 作られるのは、武器では なく、美術品と しての 刀です。
2. 5年の しゅぎょうは、どれくらい 長いの?
2. 承認の条件は「5年以上」の修業
2. 承認の要件 ── 5年以上の修業とその基準
刀を 作る 人に なりたい 人は、まず、承認を もらって いる 刀匠の もとで、5年 以上 しゅぎょうを します[1]。
この 5年には、めやすが あります。1日 8時間、1しゅうかんに 5日。土日だけ 通う 5年は、みとめられません[1]。
これを 計算して みます。1日 8時間 かける 週 5日で、1週間に 40時間です。5年は 260週 くらいですから、40かける 260で、およそ 10400時間(やく 1万時間)に なります。
学校の 授業に たとえると、毎日 学校に 通いつづけて、ようやく たどりつく 長さ です。ただし 本当は 授業では なく、刀匠の そばで 仕事を 見て 手を 動かす 日々です。
刀匠を目指す人は、文化庁の承認を受けた刀匠のもとで、5年以上修業します[1]。全日本刀匠会は、この「5年」を、おおむね1日8時間・週5日を基準にするとしています。週末だけ通う5年は認められません[1]。
この基準で計算すると、1週間で40時間です。5年を260週とみなせば、40×260でおよそ10,400時間、ざっと1万時間になります(祝日や休みは引いていません)。
この修業を終えた刀匠が、弟子について「5年以上技術の練磨に専念した」と証明します。規則にそう定められているとされます[3]。
刀匠になる道は、資格試験のように、一度の試験で決まる形ではありません。積み重ねた時間が、条件の中心にあります。
3. 文化庁の けんしゅうって、なに?
3. 文化庁の研修 ── 修業の途中から参加する
3. 文化庁主催の美術刀剣刀匠技術保存研修会
しゅぎょうの ほかに、文化庁が ひらく けんしゅうかいが あります。「美術刀剣刀匠技術保存研修会」と いいます。
この けんしゅうかいには、4年 しゅぎょうを おえた 人から 参加できます[1]。5年めを まつ 前に、はじまるのです。
この けんしゅうでは、日本刀の 基本の 知識と、鉄を きたえる わざを おしえます。刀匠と しての 心がまえを そだてる ことも ねらいです[9]。
この けんしゅうを 終える ことも、承認を もらう ための 条件の 1つです。
4. 承認の あとも、まなびつづけるの?
4. 承認のあとも続く学びと、作れる数のこと
4. 承認後 ── 作刀実地研修会と製作数の扱い
承認を もらえば 一人前かと いうと、そうでも ありません。
日本美術刀剣保存協会は、わかい 刀匠や 刀匠みならいを むけに、「作刀実地研修会」を ひらいて います。3年間 つづく けんしゅうで、「無鑑査」の 刀匠が 先生に なります[8]。
また、文化庁は、作って よい 刀の 本数を 決めて いないと 説明して います[2]。ただし、刀の しゅるいごとの さいていの 作る 日数は、各県が 決めて います[2]。
5. 材料の 玉鋼は、どこで 作られるの?
5. 材料の玉鋼 ── 3昼夜の操業で作る鉄
5. 日刀保たたらと玉鋼の頒布
刀の 材料に なる 鋼が、玉鋼です。日刀保たたらという 場所で、日本美術刀剣保存協会が つくって います。
砂鉄と 木炭を かわるがわる 入れ、3日3晩、火を 見まもりつづけます[5]。3日3晩は 3昼夜、つまり 72時間です。おわると、鉧と いう 大きな 鉄の かたまりが、およそ 2.5トン できます[5]。
たとえば、たき火を 3日間 つづけるのを 想像して ください。ねむる ひまも なさそうです。ただし ほんとうは、大ぜいの 人が 交代で 作業する 大がかりな しごとです。
玉鋼は、原則として 刀匠でなければ 手に 入れられません。わけて もらえるのは、原則として 1年に 1回です[7]。
6. できた 刀は、どこで 見て もらうの?
6. 作品を見てもらう場 ── 現代刀職展
6. 現代刀職展(作刀の部)の審査対象と出品規程
作った 刀を みんなに 見て もらう 場が あります。日本美術刀剣保存協会が ひらく「現代刀職展」です。
この 展覧会には、協会の 会員でなくても 出せます。太刀や 刀などの 部と、短刀や 剣の 部の 2つが あり、1人 1点ずつ 出せます[4]。
ただし、むかしからの 技と 材料で 作って いない 刀は、しんさの 対象に なりません[4]。
いい 作品には、特賞・優秀賞・努力賞と いった 賞が あります[4]。
作った刀を評価してもらう場が、日本美術刀剣保存協会の「現代刀職展」です。作刀の部は、協会の会員でなくても出品でき、太刀・刀などと、短刀・剣の2部門に、1人1点ずつ出せます[4]。
伝統的な技術と材料で作られていないものは、審査の対象外です[4]。受賞は、特賞・優秀賞・努力賞などです。賞金の額は年度の要項によって変わることがあるため、ここでは書きません。
現代刀職展(作刀の部)は、日本美術刀剣保存協会が主催する。会員でなくても出品でき、太刀・刀など/短刀・剣の2部門に、1人1点ずつ出品できる。伝統的技術・材料によって制作されていないものは審査の対象外で、特賞・優秀賞・努力賞がある[4]。賞金は年度の要項による。
7. 見に いったり、計算したり して みよう
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 出口 ── 現代刀職展の案内を見る/原典を読む
おうちで できる ことは、計算です。「1日 8時間、週 5日を 5年」を、じぶんで 計算して みましょう。電卓を 使っても かまいません。答えが 10000時間 くらいに なれば、あっています。
もし よければ、日本美術刀剣保存協会の ページで、現代刀職展の 案内も 見られます[4]。おうちの 人と、ようすを 見て みましょう。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:全日本刀匠会、文化庁、日本美術刀剣保存協会の公式ページと、日本法令索引の資料を使った。日数や時間の計算は、筆者が行った。条文と研修会の目的は、検索結果の要約による。
- 全日本刀匠会「刀鍛冶になりたい方へ」。 https://www.tousyoukai.jp/want/ (修業の年数と基準、研修会への参加について)
- 文化庁「銃砲刀剣類所持等取締法」。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/juhotouken/index.html (登録の仕組み、製作の承認、製作本数について)
- 日本法令索引「美術刀剣類製作承認規則」。 https://hourei.ndl.go.jp/simple/detail?lawId=0000077928¤t=16 (承認の条件について。検索結果の要約による)
- 日本美術刀剣保存協会「現代刀職展(作刀の部)」。 https://www.touken.or.jp/employment/contest.html (出品の資格と部門、審査の対象について)
- 日本美術刀剣保存協会「たたら事業」。 https://www.touken.or.jp/about/jigyou/tatara.html (操業の日数と鉧の量について)
- 日本美術刀剣保存協会「たたら操業と日刀保たたら」。 https://www.touken.or.jp/museum/sword/tatara.html (復元の年と、玉鋼の頒布について)
- 日本美術刀剣保存協会「玉鋼頒布」。 https://www.touken.or.jp/employment/tamahagane.html (玉鋼を入手できる人と頒布の回数について)
- 日本美術刀剣保存協会「作刀実地研修会」。 https://www.touken.or.jp/employment/kensyu.html (承認後の研修の対象と期間について)
- 文化庁「研修会一覧」。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/kenshu/pdf/94230401_01.pdf (研修会の目的について。検索結果の要約による)
なおした ところ
更新履歴
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