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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

月には、どうして 人が すめないの?

月には、なぜまだ人が住めないのか ── 月から見た空と、探査機が確かめてきた困りごと

なぜ月には人が住めないのか ── 空気・夜・放射線・砂・水を、探査機の測定で確かめる

分野:宇宙・天文

月の 上に 立って、空を 見上げて みよう。ひるでも 空は まっ黒で、そこに 青い 地球が うかんで いる。ずっと まっても、地球は おなじ ところから うごかない。

2025ねんには、月に おりた 小さな きかいが、地球が 太陽を かくす ところを うつした。そんな 月に、人は すめるのかな。「すめない」の 中には、いくつもの こまりごとが 入って いる。ひとつずつ、たしかめた 人たちの 話を 見て いこう。

月の上に立って、空を見上げたとする。昼でも空は真っ黒で、その黒い空に、青と白の地球が浮かんでいる。何時間待っても、何日待っても、地球は同じ場所から動かない。

2025年3月には、月に降りていた無人の着陸機が、地球が太陽をかくす瞬間を撮影した。中秋の名月を見上げると、あそこに行ってみたくなる。では、人は月に住めるのか。「住めない」の一言の中には、いくつもの困りごとが入っている。それぞれ、だれがどう調べているのかを見ていく。

月の表側に立って空を見上げると、昼でも空は黒く、そこに地球が浮かんでいる。しかも地球は、空のほぼ同じ位置から動かない[1][2]。

2025年3月14日、そんな月面に降りていた民間の無人着陸機「ブルーゴースト」が、地球が太陽をかくしていく瞬間を撮影した[4][5]。地球にいる人には皆既月食の夜で、月から見れば日食だった。中秋の名月を見ると、あそこに行ってみたくなる。では、人は月に住めるのか。このメモでは、空気、温度、2週間続く夜、放射線、重力、砂、水という順に、それぞれの「困りごと」を、探査機の測定と実験で調べた研究にあたって確かめる。最後に、それを逆手にとる「月の工場」の構想まで見る。

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1. 月から 見ると、ちきゅうは うごかないの?

1. 月から見上げると、地球は空で動かない

1. 月の空の地球 ── 動かず、満ち欠けは逆になり、月食は日食になる

月は、地球の まわりを 1しゅう する あいだに、ちょうど 1かい だけ 自分も まわる。だから、地球からは いつも おなじ がわしか 見えない。

たとえば、友だちの まわりを、友だちの ほうを 見ながら ぐるっと 1しゅう して みよう。友だちから 見ると、あなたの かおは ずっと 見えて いる。月と 地球は、これと にて いる。ただし 本当は、友だちの ほうを 見つづける ために、あなたは 1しゅうの あいだに その ばで ちょうど 1かい まわって いる。月も、おなじ だ[2]。

だから 月の 上では、地球は のぼりも しずみも しない[1]。地球が 見えない がわも ある。月の うらがわだ。

2025ねん 3がつ 14にち、地球では 月が 地球の かげに 入る 月食が あった。その ときに 月に いた きかい「ブルーゴースト」は、地球が 太陽を かくして いく ところを うつした[4][5]。月から 見ると、月食が 日食に なる。

さあ、こんな 月で、人は くらせるのかな。

月は、地球のまわりを1周する間に、ちょうど1回自転する。だから地球からは、いつも同じ面しか見えない。この状態を潮汐固定という[2]。

月の側から見ると、こうなる。月の表側に立てば、地球は空のほぼ同じ位置にとどまり、昇りも沈みもしない。月は少しゆれるので、地球は同じあたりを小さくずれるだけだ[1]。裏側に立つと、地球はそもそも見えない[1][2]。

満ち欠けも、地球から見る月とは逆になる。私たちが満月を見る夜は、太陽が地球の向こう側にあるので、月から見た地球は夜の側を向けた「新月」に近い。逆に、細い月の夜は、月から見た地球はほぼ満ちている[3]。

太陽・地球・月が一直線に並ぶと、地球では皆既月食、月から見ると日食になる。2025年3月14日の皆既月食は、南北アメリカなどで見られた。そのとき、3月2日から月の「危機の海」にいた民間の着陸機ブルーゴーストが、地球が太陽をかくし、太陽が地球のふちから出てくる「ダイヤモンドリング」を撮影した[4][5]。

静かで、不思議な空だ。ただ、この空には、地球の空にあるものが足りない。

月は、地球のまわりを1周する間に、ちょうど1回自転している。この潮汐固定のために、地球からは同じ面しか見えず[2]、月の表側に立つ人から見れば、地球は空のほぼ同じ位置にとどまる。月面から見て、地球は昇りも沈みもしない。位置がずれるのは、月がわずかにゆれる(秤動ひょうどう)ぶんだけだ[1]。裏側では、地球はそもそも見えない[1][2]。

地球の満ち欠けは、私たちが見る月の満ち欠けと逆になる。私たちが満月を見る夜、太陽は地球の向こう側にあるので、月から見た地球は夜の側を向けている。反対に、月が細い三日月に見える夜、月から見た地球はほぼ満ちて明るい[3]。

太陽・地球・月が一直線に並ぶと、地球では月食、月では日食が起こる。2025年3月14日の皆既月食は、南北アメリカなどで見られた[5]。3月2日に月の「危機の海」に着陸していたブルーゴーストは[4]、地球が太陽をかくす様子と、太陽が地球のふちから現れる「ダイヤモンドリング」を撮影した。アストロピクスは、民間の着陸機がこの現象を月面から撮ったのは初めてだと伝えている[5]。

この空にないものがある。空気だ。

2. どうして 月は、あつすぎて さむすぎるの?

2. 空気がない月は、昼と夜の温度の差が大きい

2. 空気のうすい月 ── 昼は100℃を超え、夜はマイナス170℃前後まで下がる

月にも、ほんの すこし だけ 空気の ような ものは ある。でも、NASA は、とても うすくて、すって いきる ことは できない、と いって いる[6]。

空気が ないと、太陽の 光が 当たる ところは どんどん あつく なる。かげに なると、あつさを はこぶ ものが ないので、どんどん ひえる。ひるの じめんは 100度を こえ、よるは マイナス 170度くらいまで さがる。おうちの れいとうこは マイナス 18度くらいだ。それより ずっと、ずっと さむい。

ばしょや はかり方で、数は すこし ちがう[7]。

では、その ひると よるは、それぞれ どのくらい つづくのかな。

月にも大気はあるが、NASAは「とても薄くて弱く、呼吸できない」と説明している[6]。地球の空気は、体を守る毛布でもあり、熱を運ぶ風でもある。それがほとんどないので、日なたと日かげの温度差が極端になる。ただし本当は、空気は毛布よりずっと複雑で、たとえ話は「熱をたくわえて運ぶ」というところだけが当たっている。

温度は、場所や測り方で少しちがう。NASAの月の解説は、日なたでおよそ127℃、暗いところでおよそマイナス173℃としている[6]。月周回衛星LROの観測では、赤道付近の昼が約107℃、夜が約マイナス183℃だった[7]。日本のSLIMの記事では、昼は100℃を超え、夜はマイナス180℃まで、あるいは約マイナス170℃と紹介されている[8][10]。だいたい、昼は100℃を超え、夜はマイナス170〜180℃ほどと覚えておけばよい。

もっと冷たい場所もある。南極近くの、太陽の光が決して届かないクレーターの底では、マイナス238℃より低い温度が測られた[7]。

ところで、この昼と夜は、どれくらいの長さで入れかわるのだろう。

NASAは、月には「非常に薄く弱い大気(外気圏)」があるが、呼吸はできないと説明している[6]。地球の空気は、熱をたくわえ、風で運び、空を青く見せる。それがほとんどないため、日なたは熱くなり、日かげや夜は熱が逃げて冷える。空を昼でも黒く見せているのも、光を散らす空気がないからだ。

温度は、場所と測り方で数字が少しずつちがう。NASAの月の解説は、日なたでおよそ127℃(260°F)、暗所でおよそマイナス173℃(マイナス280°F)とする[6]。LRO探査機のDiviner(ダイバイナー)による2009年の速報は、赤道・中緯度の昼を224°F(約107℃)、夜をマイナス298°F(約マイナス183℃)とした[7]。日本のSLIMの越夜を伝える記事では、昼は100℃を超え、夜はマイナス180℃まで[8]、あるいは約マイナス170℃と紹介されている[10]。どれも「昼は100℃を超え、夜はマイナス170〜180℃ほど」に収まる。

極端に冷たい場所もある。Divinerは、南極付近の大きなクレーターの、太陽が当たらない場所で、マイナス397°F(約マイナス238℃)より低い温度を測った[7]。「永久に日が当たらない場所」が本当に存在することを、初めて確かめた測定だと、NASAの研究者は説明している[7]。

この極端な昼夜は、どれくらいの長さで入れかわるのか。探査機にとっては、それが生き残れるかを分ける。

3. 月の よるは、2しゅうかんも つづくの?

3. 夜が2週間続く ── 越えられないはずの夜を越えたSLIM

3. 夜が約14日間続く ── 設計にない夜を3回越えたSLIMと、日が沈まない場所

月の ひると よるは、それぞれ 2しゅうかん ぐらい つづく[8]。よるが 2しゅうかん あるので、太陽の 光で うごく きかいは、ずっと うごけない。

2024ねん 1がつ、日本の 月たんさき「SLIM(スリム)」が 月に おりた。めざした ところの 東、55メートルほどの ところだった。ただ、じょうげが さかさまに なって おりたので、太陽電池が 西を むいて しまい、はじめは でんきを つくれなかった[9]。

1がつ 28にち、日が 西から さすように なって、でんきが もどった[10]。それから よるが きた。SLIM は、よるを こす つもりで つくられて いなかった。それなのに、2がつ 25にちごろ、よるを こえて へんじを した[8][10]。けっきょく 3かい、よるを こえた[11]。

それとは べつに、月の 南の はしの ちかくには、ほとんど 日が しずまない ばしょが ある。よるが ない ばしょなら、太陽電池を つかいやすい。

でも、よるが こせても、まだ 目に 見えない こまりごとが のこって いる。

月の昼と夜は、それぞれ約14日間続く[8]。夜が2週間あると、太陽電池で動く探査機は電気をつくれず、気温はマイナス170℃前後まで下がる[10]。

2024年1月20日、日本のSLIMが月面に着陸した。目標のおよそ55メートル東に降り、目標は「100メートル以内」だったので、ねらい通りのピンポイント着陸となった[9][12]。ただし、エンジンの1基が高度約50メートルで働かなくなり、機体は上下が逆に近い姿勢で着地した。太陽電池は西を向き、発電できなかった[9][12]。

1月28日、太陽が西へ傾いて光が太陽電池に当たり、電力が戻った。観測をしたあと、1月30〜31日ごろに夜が来た[10]。SLIMは越夜を想定していなかったが、2月25〜26日、地上からの指令に応答した[8][10]。結局、3回夜を越え、2024年8月23日に運用を終えた[11]。

夜のない場所も、ほぼある。NASAのLRO探査機の画像を調べた研究では、月の南極近くのシャクルトン・クレーターのふちの一部が、月の1年の約94%で日が当たり、日かげになる時間は最長でも約43時間と見積もられた[13]。ここは、太陽電池を使う基地の候補地として注目されている。

夜を越えても、次の困りごとがある。目に見えない、空からふるものだ。

月では、昼と夜がそれぞれ約14日間続く[8]。夜の長さが地球の2週間分もあるので、太陽電池が頼りの探査機は、その間、電気をつくれず、気温はマイナス170℃前後まで下がる[10]。

2024年1月20日、日本の小型月着陸実証機SLIMが月面に着陸した。JAXAの結果報告では、目標の約55メートル東に着陸している[9]。目標は100メートル以内で、世界初のピンポイント着陸と評価された[12]。ただしメインエンジンの1基が高度約50メートルで機能を失い、機体は計画とちがう姿勢で止まった。太陽電池は西を向き、発電できなかったため、着陸後2時間37分で電源を切った[9]。後の総括会見では、逆さまに着陸したと説明されている[12]。

1月28日、太陽が西へ傾いて西向きの太陽電池に光が当たり、電力が戻った。観測をしたのち、1月30〜31日に着陸地点に夜が来た[10]。SLIMは越夜できる設計ではなかったが、2月25〜26日にコマンドに応答し、夜を越えたことが確認された[8][10]。越夜は結局3回確認され、2024年8月23日22時40分(日本時間)に月面での運用を終えた[11]。マイナビは、放射性同位体ヒーターなしの越夜が成功したことを、将来の軽く安い探査機づくりの手がかりになりうる、と紹介している[8]。

夜を避ける手もある。Speyerer と Robinson(2013)は、LRO の広角カメラ画像から、月の南極近くのシャクルトン・クレーターのふちに、月の1年のうち約94%で日が当たる場所があり、日かげの最長が約43時間にとどまると報告した[13]。この「ほぼ日が沈まない場所」は、太陽電池での基地づくりの候補地とされる。

夜と温度を越えても、目に見えない困りごとが残る。

4. 目に 見えない 光線は、どうやって よけるの?

4. 空からふる放射線と、「かぐや」が見つけた穴

4. 放射線と地下 ── 嫦娥4号の実測と、「かぐや」が見つけた縦穴・溶岩洞

月には、地球の ような 空気も、地球の ような まもりも ない。だから、うちゅうから とんで くる、目に 見えない 放射線ほうしゃせんが、そのまま 月の じめんに とどく[14]。

2019ねん、中国の たんさきが 月の うらがわに おりて、月の うえで ほうしゃせんを はかった。すると、地球の じめんの 200ばいくらい あった[14]。ひこうきで ながく とぶ ときの 5〜10ばい だ。

ふせぐ ほうほうの ひとつは、ぶあつい すなを かぶせる こと。もうひとつは、じめんの 下に かくれる こと。日本の たんさき「かぐや」は、月に 大きな あなが あるのを 見つけた。はばは 65メートルほど、ふかさは 80メートルより ふかい[16]。 むかしの ようがんの ながれで できた どうくつの、てんじょうが おちた ところ、と かんがえられて いる。

でも、まだ あなの 中に 人が 入った わけでは ない。

地球には大気と磁場があり、宇宙からの放射線をやわらげてくれる。月にはどちらもない[14]。

2019年1月3日、月の裏側に降りた中国の嫦娥4号(嫦娥じょうが)に、ドイツのキール大学が開発した測定器が載っていて、月面の放射線量を測った[34]。論文の題は「月面の放射線量の最初の測定」だ。結果は1時間あたり約60マイクロシーベルト。地上の約200倍で、フランクフルトからニューヨークへ飛ぶ旅客機の5〜10倍にあたる[14][15]。

研究者は、長く滞在するなら居住施設を月の土で厚くおおうことを勧めている[14]。もうひとつの案が地下だ。日本の月周回衛星「かぐや」は2009年に、マリウス丘で直径約65メートル、深さ約80〜88メートルの縦穴を見つけた。溶岩が流れた洞窟(溶岩洞)の天井が崩れたのではないか、と研究チームは考えた[16]。2017年には、かぐやのレーダーのデータから、その一帯に長さ約50キロメートルの溶岩洞が残っている可能性が示された。研究者は、溶岩洞の中は放射線や微小隕石、大きな温度変化から守られ、大規模な基地に向くかもしれないと説明している[17]。

ただし、これは画像と電波から推定された姿だ。放射線をよけられたとしても、体にはもうひとつ、月ならではの条件がかかる。

地球は、大気と磁場で宇宙からの放射線をやわらげている。月にはどちらもなく、月面の環境は惑星間空間に近いと、ドイツ航空宇宙センター(DLR)は説明している[14]。

2019年1月3日、月の裏側に降りた中国の嫦娥4号(嫦娥じょうが4号)に、キール大学が作った測定器LNDが載っていた[34]。これが月面の放射線量を測り、論文の題は「月面の放射線量の最初の測定」となっている。等価線量率は1時間あたり約60マイクロシーベルト。地上の約200倍で、フランクフルト〜ニューヨークの長距離飛行の5〜10倍にあたる[14]。論文は2020年9月に『Science Advances』に載った[15]。研究チームは、滞在が長くなれば体への影響が大きくなるので、居住施設を月の土で厚くおおって、がんなどのリスクを減らす方法を勧めている[14]。

もうひとつの案が地下だ。2009年、JAXAの春山純一らは、月周回衛星「かぐや」(SELENE)のカメラの画像から、マリウス丘の縦穴を報告した。直径約65メートル、深さ約80〜88メートル。溶岩洞の天井が崩れてできた「天窓」だと、研究チームはみている[16]。2017年には、かぐやのレーダー(LRS)のデータから、長さ約50キロメートルの溶岩洞が残っていると報告された。研究者は、溶岩洞の内部は宇宙放射線、微小隕石、大きな温度変化から守られ、大規模な月面基地に最適の場所かもしれないと述べている[17]。

なお、これは画像と電波から推定された洞窟で、内部を直接見た結果ではない。放射線を防げたとしても、体には重力という別の条件がかかる。

5. 月では からだが かるく なる。ずっと いても だいじょうぶ?

5. 重力が6分の1の月に、人は最後のアポロ17号でも約3日間しかいなかった

5. 重力は地球の6分の1 ── アポロ17号の75時間と、国際宇宙ステーションの骨

月の 重力じゅうりょくは、地球の 6ぶんの 1[6]。たいじゅう 30キログラムの 子は、月では、地球で 5キログラムの ものを もつ ときくらいの 重さに かんじる。ぴょんぴょん はねやすい。じっさい、アポロの ひこうしは、あるくより はねて いる ことが おおかった[19]。

でも、かるい ぶん、ほねや きんにくに かかる ちからも ちいさい。うちゅうステーションの ひこうしは、なにも しないと、1か月で ほねが 1%ほど うすく なる。だから 毎日 2じかんぐらい うんどうして いる[20]。

月で 6ぶんの 1の 重力の 中に ながく いると、からだは どうなるのかは、まだ よく わかって いない[19]。アポロの さいごの アポロ17ごうでも、月に いたのは 3日ほど[18]。

その 3日の あいだにも、ひこうしを なやませた ものが あった。あしもとの すな だ。

月の重力は地球の約6分の1[6]。月で感じる体重は、地球の6分の1になる。体重30キログラムの人なら、地球で約5キログラムのものを持つときの重さだ。体は軽く、アポロの飛行士は歩くよりも跳ねていたと、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)は書いている[19]。

ただ、軽いことは、体にとって楽なだけではない。国際宇宙ステーション(ISS)では、何も対策をしないと、体重を支える骨が1か月に約1%ずつ薄くなる。乗組員は1日平均2時間運動している[20]。では、月の6分の1の重力ではどうなるのか。ESAは、月の重力の下で働いたときの体への影響は「まだ分かっていない」と述べている[19]。研究者は、月では跳んだり跳ねたりするだけで、地球で歩く・走るのに近い力が骨にかかるかもしれない、とも考えている[19]。

実際に、人が月にいた時間は短い。12人が月面に立ったが、最後のアポロ17号でも月面滞在は約75時間、船外での活動は合計22時間4分だった[18]。NASAは、この3日あまりを、アポロ計画で最も大がかりな月探査の一つとして紹介している[33]。何か月も月で暮らした人は、まだいない。

その75時間のあいだにも、飛行士を悩ませたものがある。足元の砂だ。

月の重力は地球の約6分の1[6]。月で感じる体重は地球の6分の1になり、体重30kgの人なら、地球で約5kgの物を持つときの重さだ。アポロの飛行士は、歩くというより跳ねていた、とESAは書いている[19]。

軽いことは、体には楽ではない。ISS(国際宇宙ステーション)では、対策をしないと、体重を支える骨が1か月でおよそ1%ずつ薄くなる。乗組員は平均して1日2時間運動している[20]。では6分の1の重力ではどうか。ESAは、月の重力下で働くことが生理におよぼす影響は「まだ分かっていない」と述べている[19]。同じ記事に登場するトビアス・ウェーバーは、月では跳んだり跳ねたりするだけで、地球で歩く・走るのと同程度の力が骨にかかる可能性を指摘している[19]。

人が月にいた時間は短い。NASAによると、アポロ17号(1972年12月)の月面滞在は約75時間、船外活動は合計22時間4分だった[18]。NASAは、この3日あまりを、アポロ計画で最も大がかりな月探査の一つとして紹介している[33]。ESAによれば、月面に立ったのは12人だ[21]。ISSのように何か月も暮らした人は、月には、まだいない。

この75時間のあいだにも、飛行士を悩ませたものがある。足元の砂だ。

6. 月の すなは、こまりもの? たからもの?

6. 月の砂は、体に厄介で、酸素を含んでいる

6. レゴリス ── ガラスのようにとがった砂と、質量の4割を占める酸素

月の すなは、レゴリスと いう。いわが なんども ぶつかって、こなに なった ものだ。地球の すなは、風や 水で まるく なる。月には それが ない。だから ガラスの かけらの ように とがって いる[21][22]。

アポロ17ごうの ひこうし、シュミットさんは、ふねの 中で くしゃみが とまらなく なり、はなが つまった。「月の かふんしょう」と よんだ。月に おりた 12人 みんなに、なにかの しょうじょうが あった[21]。すなは、くつの ぬのを すり切らせ、ふたの すきまも こわした[21]。

ところが、この すなの 重さの 4わりぐらいは、さんそ だ[23]。すなを とけた しおに 入れて でんきを ながすと、さんそが とれる。ただし、これは 本物の 月の すなでは なくて、にせものの すなで やった 実験じっけんの 話だ[24]。

すなが こまりもので、たからものでも ある。じゃあ、水は?

月の砂はレゴリスと呼ばれる。岩が隕石などに何度もたたかれて砕けた粒だ。地球の砂は風や水にころがされて丸くなるが、月にはそれがないので、粒はガラスの破片のように鋭い[21][22]。静電気で、触れたものに張りつく[22]。

アポロ17号の地質学者ハリソン・シュミットは、宇宙船の中でくしゃみが出て、鼻がつまった。彼はそれを「月の花粉症」と呼んだ。ESAによると、月面に立った12人の全員に、何らかの症状が出た[21]。砂は宇宙服のブーツの層をすり減らし、サンプル容器の真空シールまでこわした[21]。ESAは、髪の毛の50分の1ほどの細かい粒が肺に何か月も残りうるとして、「この砂がどれほど有害かは分かっていない」と書いている[21]。

その砂を、逆に材料として見る人たちがいる。月の砂は、質量で約40〜45%が酸素だ。ただし、鉄やチタンなどの金属と結びついた形なので、そのままは吸えない[23][24]。ESAは英国のMetalysis(メタリシス)社と、模擬の砂を約950℃の溶けた塩に入れて電気を流し、酸素と金属の粉を取り出す実験をした。約50時間で、酸素のほとんど(約96%)が取り出せたという[23]。ただし、これは本物の月の砂ではなく、模擬砂での実験だ[24]。

酸素は、月の足元にある。では、水は?

月の砂(レゴリス)は、岩が隕石などに何度もたたかれて砕けた粒だ。地球の砂は風や水に転がされて丸くなるが、月にはそれがないので、粒は鋭くとがっている。NASAは「小さなガラスの破片のよう」と説明している[21][22]。静電気を帯びて、触れたものに張りつく[22]。低重力なので、砂が舞い上がりやすく、船内にも入りこみやすいという[22]。

アポロ17号の地質学者ハリソン・シュミットは、船内でくしゃみと鼻づまりに悩まされ、これを「月の花粉症(lunar hay fever)」と呼んだ。ESAによれば、月面に立った12人の全員に何らかの症状が出て、船内の砂は、焼けた火薬のようなにおいがした[21]。砂は宇宙服のブーツの層を削り、サンプル容器の真空シールを壊した[21][22]。ESAは、髪の毛の50分の1ほどの粒が肺に何か月も残りうると述べ、「この砂がどれほど有害か、私たちは知らない」と書いている[21]。

この砂は、資源でもある。ESAの記事では、月のレゴリスは質量で約40〜45%が酸素で、鉄やチタンなどの金属と結びついている[23][24]。ESAは英国のMetalysis社と、模擬レゴリスを約950℃の溶かした塩に浸して電流を流し、酸素と金属の粉に分ける実験をした。約50時間で、含まれる酸素の約96%を取り出せたと報告している[23]。ただしこれは、本物ではなく模擬砂での実験だ[24]。

酸素は、月の足元にある。では、水はどうか。

7. 月に 水は あるの?

7. 月の水は、南極の日かげにある氷をさがしている

7. 極の氷 ── LCROSSの5.6%、LUPEXの1.5メートル、嫦娥7号の延期

月の みなみの はしには、太陽の 光が ぜんぜん 当たらない、ふかい くぼちが ある。そこは、ひどく さむい。だから、氷が とけずに のこって いるかもしれない、と 考えられて きた[7]。

2009ねん、アメリカの NASA が、つかい 終わった ロケットの 一部を、その くぼちに ぶつけて、ふきあがった けむりを しらべた。すると、水が 見つかった。けむりの 中の 水は 155キログラムほど[25][26]。ただし それは、ぶつけた 1か所の 話だ。

いま、ほかの 国も たしかめに いく。日本は インドと いっしょに「LUPEX」を 2028ねんどに うちあげる よてい。ローバーが 月の じめんを 1.5メートルほど ほって、水の りょうと しつを しらべる[28]。中国の「嫦娥じょうが7ごう」は 2026ねんに 打ちあげる はずだったが、2027ねんに のびた[29]。

水が あれば、人は のめる。ほかにも、つかえる ことが あるのかな。

月の南極近くには、太陽がまったく当たらないクレーターの底がある。そこは冷たく、水の氷が溶けずに残っているかもしれないと考えられてきた[7]。

2009年10月9日、NASAの探査機LCROSSは、使い終わったロケットの上段を南極のカベウス・クレーターにぶつけ、舞い上がった噴煙を観測した。噴煙の中に、約155キログラムの水蒸気と水の氷があった。カベウスの砂の質量の、約5.6%(誤差プラスマイナス2.9%)が水の氷だと見積もられた[25][26]。ただし、これは1か所の値だ。

月の水がどこにどれだけ、どんな形であるのかは、まだ調べている最中だ。2023年8月23日に南緯約69度に着陸したインドのチャンドラヤーン3号は、地表の温度を測った。月の周回衛星からの予想より高い約57℃を記録した。研究チームは、高緯度では場所ごとの温度の差が大きいと述べている[27]。温度は氷が失われる速さを決める大事な条件なので、こうした細かい差も氷を探す手がかりになる。

次の探査もある。日本はインドと共同でLUPEX(月極域探査機)を2028年度にH3ロケットで打ち上げる予定で、ローバーが最大約1.5メートルの深さの砂を採って、水の量と質を調べる[28]。中国の嫦娥じょうが7号は、シャクルトン・クレーター付近に降りて水の氷を探す計画で、2026年8月に打ち上げが延期され、2027年になると伝えられた。台風の影響もあったとみられている[29]。

氷が見つかったら、飲む以外にも使い道がある。

月の南極近くには、太陽が決して当たらない、永久影のクレーターがある。Divinerが測った極端な低温(マイナス238℃より低い)が示すように、そこでは水の氷が溶けずに残りうる[7]。

実際に、水は見つかった。2009年10月9日、NASAのLCROSSは、使い終わったCentaurロケットの上段を、南極のカベウス・クレーターにぶつけた。舞い上がった噴煙から、約155kgの水蒸気と水の氷が観測され、カベウスのレゴリスの質量の約5.6%(±2.9%)が水の氷と見積もられた[25][26]。結果は2010年10月22日の『Science』に載った[26]。NASAは、場所によっては、氷が純粋な結晶のかたちで存在することも確かめられたと説明している[25]。ただしこれは、ひとつのクレーターの、ひとつの場所の値だ。

月全体で、氷がどこにどれだけ、どんな形であるかは、まだ調べている最中だ。2023年8月23日に南緯約69度に着陸したインドのチャンドラヤーン3号のChaSTEは、月の高緯度で初めて、地表から約10cmの深さまでの温度を測った。地表は約330K(約57℃)で、月周回衛星のDivinerから予想された273〜300K(約0〜27℃)より高かった。研究チームは、高緯度では場所ごとの局所的な温度差が大きく、地下でも温度勾配が大きいと述べている。温度は氷が失われる速さを決める大事な条件なので[27]、こうした差は氷を探す手がかりになる。

次の探査も控えている。JAXAとインドのISROが共同で開発するLUPEXは、2028年度にH3ロケットで打ち上げの予定で、月の南極域に降り、ローバーが最大約1.5mの深さの砂を採って、水の量と質を調べる。JAXA、ISRO、NASA、ESAの機器が載る[28]。中国の嫦娥じょうが7号は、シャクルトン・クレーター付近に降りて水の氷を探す計画で、2026年8月24日の打ち上げ予定が2027年へ延期された。台風の影響もあったとみられている[29]。

氷が見つかれば、飲む以外にも使い道が出てくる。

8. 月に こうじょうを つくると、なにが できるの?

8. 月の工場 ── 現地で作って、現地で使う

8. 月の工場 ── 砂から酸素、氷から燃料を作る構想と、いまの段階

遠足に 行くとき、水を ぜんぶ 家から もって いくか、ついた ところの 水を つかうか。月では、この ちがいが とても 大きい。月へ はこぶ には、ロケットが いるからだ。ただし 本当は、月には 川が なくて、氷を さがして とかす ところからだ。

JAXA は、月の すなから 水を とりだし、水を すいそと さんそに わけて、ロケットの ねんりょうに する「工場」を かんがえて いる[30]。人が 月に 7かい いじょう 行くなら、月で つくる ほうが、地球から おくる 荷物は すくなく なる、という けいさんも ある[32]。

2026ねん 7がつ、日本の 会社 日揮にっきが、その 地上の れんしゅう 工場を 設計せっけいする しごとに えらばれた[31]。月の 工場は、いま、地上の じっけんと せっけい図の だんかいだ。

人が つぎに 月に おりる けいかくは、「アルテミスけいかく」の メモに ある。

月に必要なものを全部地球から運ぶのは、重くて高くつく。そこで、月の資源を月で使う「その場資源利用(ISRU)」が考えられている。たとえるなら、遠足で水筒の水を家から全部持っていくか、着いた先の水を使うかのちがいだ。ただし本当は、月には川がなく、まず氷を探して溶かすところから始まる。

JAXAは、月の砂から水を取り出し、水素と酸素に分けて着陸機などの燃料にする「月面推薬生成プラント」を構想している。2040年代以降の持続的な月面探査に必要な中核システムと位置づけている[30]。JAXAの検討を紹介した記事によると、有人探査が7回以上になれば、使い捨てにするより月で作るほうが、地球から送る物資は少なくて済む[32]。

2026年7月22日、日揮ホールディングスがJAXAの事業(地上実証プラントの詳細設計と要素試作試験)に採択されたと発表した。2027年3月31日までに、砂から水を取り出す実験などをする[31]。月の砂から酸素を取る実験(ESA)と合わせても、月の工場は、いまは地上の実験室と設計図の段階だ。

人が次に月に降りる計画は、アルテミス計画のメモにある。

月で必要なものを全部地球から運ぶのは、重く、高くつく。そこで、月の資源を月で使う「その場資源利用(ISRU)」が考えられている。たとえるなら、遠足で水を家から全部持っていくか、着いた先で汲むかのちがいだ。ただし、月には川がなく、氷を探して溶かすところから始まる点がちがう。

JAXAは、月の砂に含まれる水を取り出して電気分解し、液体水素と液体酸素を作る「月面推薬生成プラント」を構想している。有人月着陸機や飛翔移動機の燃料になる。JAXAは、2040年代以降の持続的な月面探査に必要な中核システムと位置づけている[30]。JAXAの検討を紹介した2020年の記事は、有人探査が7回以上になれば、使い捨てより月で作るほうが、送る物資が少なくて済むという試算を伝えている[32]。

2026年7月22日、日揮ホールディングスは、JAXAの事業「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの詳細設計及び要素試作試験等」に採択されたと発表した。事業は2027年3月31日まで続き、詳細設計とリスク評価、用意したレゴリスからの水の抽出実験をする[31]。ESAの、模擬砂から酸素と金属を取り出す実験[23]とあわせても、月の工場は、いまは地上の実験室と設計図の段階にある。

「住めない」の中身は、空気、温度、夜、放射線、重力、砂、水と、ひとつずつ具体的な問いに分けられ、それぞれに測定と実験が進んでいる。人が次に月へ降りる計画は、アルテミス計画のメモで読める。

9. つぎの ばんに、月の くらい ところを 見て みよう

9. 細い月の夜に、月の暗い側を見てみる

9. 細い月の夜に、地球の光で照らされた月を見る

月が 細い 三日月の ころ、月の くらい ところが、うっすら 光って 見える ことが ある。これは、地球で はねかえった 太陽の 光。月から 見ると、そのころの 地球は ほとんど まんまるで、明るい[3]。月の 夜の じめんを、地球が てらして いる。

中秋の 名月から 2しゅうかん ちょっと たつと、日が しずんだ あとの 西の 空に、細い 月が 出る。そこで、月の くらい ところを さがして みよう。見えるか どうかは、天気しだい。NASA は、春の ほうが 見やすい と せつめい して いる[3]。だから 秋は、見えない ことも ある。日が ぜんぶ しずんで から 見る こと。くらい ときは、おうちの 人と いっしょに 見よう。

もっと しりたく なったら、LUPEX の ページ[28]を のぞいて みよう。どんな 機械きかいを のせて、なにを たしかめるのか、書いて ある。

中秋の名月から2週間ちょっとたつと、夕方の西の空に細い月が出る。日が沈んだあと、細い月の暗い部分が、うっすら光って見えることがある。地球照だ。

月の上に立てば、そのころの地球はほとんど満ちていて明るい。地球にあたった太陽の光が、月の夜の側を照らしている[3]。細い月の暗い部分が見えたら、それは月の空に浮かぶ地球の光だ。空の状態しだいで、NASAは春のほうが見やすいと説明しているので[3]、秋は見えない夜もある。太陽が完全に沈んでから見ること。

月の探査で何を確かめようとしているのかは、JAXAのLUPEXのページで読める[28]。

最後に、月の夜を、地球から見てみる。中秋の名月の2週間ちょっと後、日没直後の西の空に細い月が出る夜がある。月の暗い部分が、うっすら光って見えることがある。地球照(earthshine)だ。

NASAは、月の暗い面がかすかに光る現象を地球照と呼び、新月のころに見やすく、4〜6月ごろに明るくなりやすいと説明している。月に立つ人がそのころの空を見上げれば、満ちた地球が見える[3]。第1章の、月から見た地球の満ち欠けが逆になる話と、同じものを別の側から見ていることになる。明るくなりやすい時期からは外れるので、秋は見えなくても不思議ではない。太陽が完全に沈んでから見ること。

何を調べる探査なのかは、JAXAのLUPEXのページに、機器の分担や掘る深さまで書かれている[28]。読み比べるなら、LCROSSの結果[26]と並べてみるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

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  1. LROC(Lunar Reconnaissance Orbiter Camera)「Looking Over The Limb」。 https://lroc.im-ldi.com/images/895 (月面から見ると地球は昇りも沈みもせず、月のゆれで少しずれるだけであること。裏側では地球が見えないこと)
  2. NASA Science「Tidal Locking」。 https://science.nasa.gov/moon/tidal-locking/ (月の自転周期と公転周期が一致し、裏側がいつも隠れていること)
  3. NASA Earth Observatory「Earthshine」。 https://science.nasa.gov/earth/earth-observatory/earthshine-83782 (地球照の説明。月に立つ飛行士は日没後に満ちた地球を見ること)
  4. NASA「NASA Science Data Received, Blue Ghost Captures Eclipse From Moon」(2025年3月14日)。 https://www.nasa.gov/blogs/missions/2025/03/14/nasa-science-data-received-blue-ghost-captures-eclipse-from-moon/ (ブルーゴーストが3月2日に危機の海に着陸し、地球が太陽をかくす瞬間を撮影したこと)
  5. アストロピクス「月面から見た「日食」 地球と太陽が作る「ダイヤモンドリング」を民間月着陸機が撮影」。 https://astropics.bookbright.co.jp/solar-eclipse-diamond-ring-effect (2025年3月14日の皆既月食が月から見ると日食になること、撮影の時刻、民間機として初めてであること)
  6. NASA Science「Moon Facts」。 https://science.nasa.gov/moon/facts/ (重力が地球の6分の1であること、外気圏は呼吸できないこと、日なたと暗所の温度)
  7. ScienceDaily「New NASA Temperature Maps Provide 'Whole New Way Of Seeing The Moon'」(2009年9月)。 https://www.sciencedaily.com/releases/2009/09/090917191609.htm (NASA発表の転載。LRO探査機Divinerの、赤道・中緯度の昼夜の温度と、南極の永久影の低温)
  8. マイナビニュース「JAXAの月探査機「SLIM」、“月の夜”を越えることに成功 観測再開へ」(2024年3月2日)。 https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240302-2896545/ (月の昼と夜が約14日間ずつであること、昼は100℃超・夜はマイナス180℃まで、SLIMが越夜を想定していなかったこと)
  9. JAXA「小型月着陸実証機(SLIM)の月面着陸の結果・成果等について」(2024年1月25日)。 https://www.jaxa.jp/press/2024/01/20240125-1_j.html (目標の約55メートル東への着陸、エンジンの不具合、太陽電池が発電できなかったこと)
  10. sorae「JAXA月探査機「SLIM」、月面で夜を越すことに成功 コマンド送信に応答」(2024年2月26日)。 https://sorae.info/space/20240226-jaxa-slim.html (1月28日の電力回復、2月25〜26日の応答、月の夜が約マイナス170℃になること)
  11. JAXA「小型月着陸実証機(SLIM)の月面活動の終了」(2024年8月26日)。 https://www.jaxa.jp/press/2024/08/20240826-1_j.html (計画していなかった越夜を3回確認したこと、2024年8月23日22時40分の運用終了)
  12. sorae「運用終えた月探査機「SLIM」プロジェクト解散を前にJAXAが会見で総括」(2024年12月26日)。 https://sorae.info/space/20241226-slim.html (目標100メートル以内でのピンポイント着陸、逆さまに着陸した経緯)
  13. Speyerer, E. J. and Robinson, M. S.「Persistently illuminated regions at the lunar poles: Ideal sites for future exploration」『Icarus』222巻(2013年)、122〜136ページ。 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0019103512004174 (シャクルトン・クレーターのふちの、日が当たる割合約94%と、日かげの最長約43時間)
  14. ドイツ航空宇宙センター(DLR)「How intense and dangerous is cosmic radiation on the Moon?」(2020年9月25日)。 https://www.dlr.de/en/latest/news/2020/03/20200925_how-intense-and-dangerous-is-cosmic-radiation-on-the-moon (嫦娥4号での放射線測定、1時間あたり約60マイクロシーベルト、地上の約200倍、月の土で居住施設をおおす提案)
  15. Zhang, S. ほか「First measurements of the radiation dose on the lunar surface」『Science Advances』6巻(2020年)、eaaz1334。 https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aaz1334 (月面の放射線量の最初の実測を報告した論文)
  16. ScienceDaily「Window opens into Moon's past volcanism」(2009年12月30日)。 https://www.sciencedaily.com/releases/2009/12/091230184030.htm (かぐやが見つけたマリウス丘の縦穴の大きさ、溶岩洞の天井が崩れたという見方)
  17. 宇宙科学研究所(ISAS)「Detection of intact lunar lava tubes in the data from SELENE (Kaguya) radar sounding」。 https://www.isas.jaxa.jp/en/topics/001159.html (かぐやのレーダーによる2017年の報告〔Kaku ほか、Geophysical Research Letters〕で、マリウス丘に長さ約50キロメートルの溶岩洞が残っている可能性と、基地に向くという研究者の説明)
  18. NASA「Apollo 17: Mission Details」。 https://www.nasa.gov/missions/apollo/apollo-17-mission-details/ (月面滞在約75時間、船外活動の合計22時間4分)
  19. ESA「Moving on the Moon」。 https://www.esa.int/About_Us/EAC/Moving_on_the_Moon (月の重力の下での体への影響がまだ分かっていないこと、アポロ飛行士が跳ねていたこと)
  20. NASA「Counteracting Bone and Muscle Loss in Microgravity」。 https://www.nasa.gov/missions/station/iss-research/counteracting-bone-and-muscle-loss-in-microgravity/ (ISSでの骨の減り方と、1日平均2時間の運動)
  21. ESA「The toxic side of the Moon」。 https://www.esa.int/Science_Exploration/Human_and_Robotic_Exploration/The_toxic_side_of_the_Moon (月の花粉症、12人全員の症状、ブーツやシールを傷めたこと、砂の毒性はまだ分からないこと)
  22. NASA Science「What hazards are caused by lunar regolith?」。 https://science.nasa.gov/biological-physical/what-hazards-are-caused-by-lunar-regolith (ガラスの破片のような粒、静電気での付着、低重力で舞い上がること)
  23. ESA「Oxygen and metal from lunar regolith」(2019年10月)。 https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Images/2019/10/Oxygen_and_metal_from_lunar_regolith (レゴリスの酸素が質量で40〜45%であること、溶けた塩を使う抽出の実験)
  24. ESA「Oxygen and metal powder extracted from moonrocks」。 https://www.esa.int/Space_in_Member_States/United_Kingdom/Oxygen_and_metal_powder_extracted_from_moonrocks (酸素が金属と結びついていること、実験は模擬砂で行われたこと)
  25. NASA Science「LCROSS」。 https://science.nasa.gov/mission/lcross/ (2009年10月9日の衝突、水の発見、場所によっては純粋な氷の結晶であること)
  26. AAAS「Science: LCROSS Impact Ejects Minerals and Frozen Water from Crater on the Moon」。 https://www.aaas.org/news/science-lcross-impact-ejects-minerals-and-frozen-water-crater-moon (水蒸気と水の氷約155キログラム、質量の約5.6%、2010年10月22日号の『Science』)
  27. Durga Prasad, K. ほか「ChaSTE onboard Chandrayaan-3 provides first thermal measurements of southern polar region of the Moon」第56回月惑星科学会議(2025年)、要旨1951。 https://www.hou.usra.edu/meetings/lpsc2025/pdf/1951.pdf (チャンドラヤーン3号の着陸日と緯度、地表温度がDivinerの予想より高かったこと)
  28. JAXA国際宇宙探査センター「月極域探査機(LUPEX)プロジェクト」。 https://www.exploration.jaxa.jp/program/lunarpolar/ (LUPEXの目的、2028年度の打ち上げ予定、最大約1.5メートルの掘削、各機関の機器)
  29. Scientific American「China delays ambitious Chang'e 7 moon mission until 2027」(2026年8月)。 https://www.scientificamerican.com/article/china-delays-ambitious-change-7-moon-mission-until-2027/ (嫦娥7号の打ち上げ延期と、シャクルトン・クレーターでの水の氷の探査計画)
  30. JAXA有人宇宙技術部門「日揮グローバルと月面推進薬生成プラント構想に係る連携協力を開始」。 https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/news/detail/001513.html (月面推薬生成プラントの内容と、2040年代以降の中核システムという位置づけ)
  31. 日揮ホールディングス「JAXA事業「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの詳細設計及び要素試作試験等」に採択」(2026年7月22日)。 https://www.jgc.com/jp/news/2026/20260722_01.html (採択の日付、事業期間、水の抽出実験)
  32. sorae「JAXAが描く「将来の有人月面探査」月の砂から燃料と酸化剤を生産」(2020年3月)。 https://sorae.info/space/20200302-jaxa.html (有人探査が7回以上になると月での推薬生産のほうが有利になるという試算)
  33. NASA「Apollo 50th Anniversary: Missions」。 https://www.nasa.gov/specials/apollo50th/missions.html (アポロ17号が月に3日あまりとどまり、計画で最も大がかりな月探査だったという紹介)
  34. キール大学「First measurements of radiation levels on the moon」(2020年)。 https://www.uni-kiel.de/en/details/news/203-moon-mission (測定器LNDがキール大学で開発・製作され、嫦娥4号に載ったこと)

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