1. ネクタイは、だれが はじめたの?
1. 兵士が首に巻いていた布が、始まりだった
1. クラヴァットの起源 ── 30年戦争のクロアチア兵
ネクタイの もとに なった ものは、300ねん いじょう まえの ヨーロッパに ありました。へいたいが くびに まいて いた、ぬのです。
クロアチアと いう 国の へいたいが、フランスと いう 国で はたらいて いました。その くびの ぬのが かっこいいと ひょうばんに なり、みんなが まねしたと いわれて います。
ぬのの なまえは「クラヴァット」です。「クロアチアの 人」と いう いみの ことばから きたと いわれます。
フランスの 王さまが まねした という はなしも あります。ただし、いつ、どの 王さまかは、しりょうに よって ちがって いて、はっきり しません。
では、この ぬのは、どうやって いまの ネクタイに なったのでしょう。
クロアチアの兵士の首の布
いまのネクタイの先祖は、17世紀のヨーロッパで流行した「クラヴァット」という首の布です。この名前は、「クロアチア人」という意味の言葉から来たといわれます[2]。
30年戦争(1618〜1648年)のころ、フランスに雇われたクロアチアの兵士たちが、首に布を巻いていました。それがパリの人たちの目を引き、まねされるようになったようです[1][2][3]。兵士の布はレース、将校の布は上等な絹など、身分によって布がちがったそうです[2]。
年や王様は、資料でばらつく
フランスに来た年は、1660年とする資料もあれば、ルイ14世が1646年に7歳でこの様式を取り入れたとする資料もあり、そろっていません[2][3]。このメモでは、「17世紀のフランスで流行した」ことまでを確かなこととして書きます。
10月18日は、クラヴァットの日
クロアチアの国会は2008年に、10月18日を「クラヴァットの日」と決めました[4]。
では、この布は、どうやって今のネクタイの形になったのでしょうか。
いまのネクタイの先祖とされるのは、17世紀のヨーロッパで流行した「クラヴァット(cravat)」という首まわりの布です。この言葉は「クロアチア人(Croat)」に由来するとされます[2]。30年戦争(1618〜1648年)のころ、フランスに雇われたクロアチアの兵士たちが首に巻いていた布がパリの人々の目を引き、まねされた、というのが大きな筋書きです[1][2][3]。
この布は、身分や階級で素材がちがったとされます。兵士の布はレース、将校の布は上等なモスリンや絹だったとされます[2]。兵士にとって、この布は無事に帰れるようにというお守りでもあった、とも紹介されています[1]。
ただし、細部は資料でそろいません。英語版Wikipediaの「Cravat (early)」は、1660年にクロアチア人の連隊がフランスに来たと書き[2]、同じ英語版の「Necktie」は、ルイ14世が1646年に7歳でこの様式を取り入れたと書きます[3]。成和は、ルイ14世が興味を示した、とします[1]。2つの英語版のあいだでも年が合わないので、このメモでは「17世紀のフランスで流行した」までを確かなこととして書き、年と王様は決めません。
首に布を巻く習慣そのものは、もっと古くからあったようです。古代エジプトや、秦の始皇帝の兵馬俑にも、首に布などをつけた姿がある、という紹介もあります[1]。ただ、それがいまのネクタイにつながっているのかは、このメモでは確かめていません。
クロアチアの国会は2008年、10月18日を「クラヴァットの日」と定めました。提案したのは「アカデミア・クラヴァティカ」という団体だと、国会のページにあります[4]。
では、この布は、どうやっていまのネクタイの形になったのか。次の章で見ていきます。
2. いまの ネクタイは、どうやって できたの?
2. ただの布が、いまの形のネクタイになるまで
2. 現在の形になるまで ── 19世紀の呼び名と、1920年代のバイアス裁ち
はじめの ぬのは、ただの ぬのを くびに まく ものでした。
いまの ネクタイに ちかい かたちに なったのは、100ねん くらい まえです。アメリカの 人が、ぬのを ななめに きって つくる やりかたを かんがえてから、ねじれにくい ネクタイに なりました。
ハンカチの りょうはしを もって、まっすぐ ひっぱった ときと、ななめに ひっぱった ときを くらべて みよう。ななめの ほうが、すこし のびるよ。
ただし ほんとうの ネクタイは、ハンカチより じょうぶで、なかに しんも 入って います。これは、のびかたを 知る ための ちいさな ようすみです。
「タイ」と呼ばれるように
1815年のワーテルローの戦いのあと、首の布は「タイ」と呼ばれるようになったとされます[2]。19世紀のイギリスには、シンプルで清潔なおしゃれを広めた、ジョージ・ブライアン・ブランメルという人もいました。この時代に、蝶ネクタイやアスコット・タイも生まれたそうです[1]。
ななめに切る工夫
いまの作り方に近づいたのは、1920年代です。アメリカのジェス(ジェシー)・ラングスドルフが、布をななめに切って、3つの部分をぬい合わせる方法を考えました[3]。布をななめに切ると、少しのびるので、ネクタイが結び目からねじれずに垂れやすくなります[3]。
年は、資料によって1922年[3]、1926年[1]とちがいます。日本語版Wikipediaは「1920年代」としています[5]。
クラヴァットは、19世紀のヨーロッパでも使われつづけました。英語版Wikipediaは、1815年のワーテルローの戦いのあと、この首の布が「タイ(tie)」と呼ばれはじめたとされます[2]。19世紀のイギリスでは、ジョージ・ブライアン・ブランメルがシンプルで清潔感のある装いを広め、19世紀後半には蝶ネクタイ、アスコット・タイ、フォア・イン・ハンド・タイが生まれました[1]。
いまのネクタイの作り方に近づいたのは、20世紀です。アメリカのジェス(ジェシー)・ラングスドルフが、布をバイアス(斜め45度)に裁ち、大剣・小剣・中つぎの3つの部分をぬい合わせる方法を考えました。バイアスに裁った布はのびがよいので、ネクタイが結び目からねじれずに垂れやすくなったとされます[3]。
この工夫の年は、英語版Wikipediaは1922年[3]、成和は1926年[1]と食いちがい、日本語版Wikipediaは「1920年代」とします[5]。どれが正しいかは、このメモでは決めません。いずれにしても、いまの作り方は、およそ100年前の工夫にさかのぼります。
3. にほんには、いつ ネクタイが 来たの?
3. 日本には幕末に来て、明治に国産が始まった
3. 日本への伝来と国産の始まり ── 小山梅吉(1884年)と西陣(1892年)
にほんに ネクタイが 来たのは、150ねん いじょう まえの、ばくまつと いう じだいだと いわれます。
にほんで さいしょに つくられた ネクタイは、1884ねんに ぼうしを うって いた 人が つくった、ちょうネクタイだと いわれます。ほかに、1892ねんに、西陣と いう ばしょで はじまったと いう はなしも あります。
10月1日は「ネクタイの ひ」です。1884ねんの ことに ちなんで きめられました。
ジョン万次郎が持ち帰った?
日本に最初にネクタイを持ち込んだのは、幕末にアメリカから帰ったジョン万次郎(中浜万次郎)だと伝えられます[5][6]。ただ、年についての資料が合わないので、このメモでは「幕末」としておきます。
国産の第1号
1884年(明治17年)10月に、帽子を売っていた小山梅吉が作った蝶ネクタイが、国産の第1号だとされます[6]。この日にちなんで、日本ネクタイ組合連合会は1971年に、10月1日を「ネクタイの日」と決めました[6]。
西陣では1892年
京都の西陣の組合は、国産のネクタイは1892年(明治25年)に西陣で始まった、と書いています[7]。1884年と1892年、どちらも「始まり」とされていて、なぜ2つあるのかは、それぞれの資料には説明がありませんでした。
日本にネクタイを最初に持ち込んだのは、ジョン万次郎(中浜万次郎)だと伝えられます。日本語版Wikipediaは、万次郎が1851年にネクタイを持っていたと書きます[5]。一方、東京ネクタイ協同組合は、日本への伝来を「18世紀の中ごろ」と書いていて[6]、1851年とは合いません。このメモでは、年は決めず、「幕末」までにとどめます。
国産の第1号は、1884年(明治17年)10月に、帽子商の小山梅吉が作った蝶ネクタイだとされます。日本ネクタイ組合連合会が1971年に10月1日を「ネクタイの日」と定めたのも、この日にちなんでいます[6]。
いっぽう西陣織工業組合は、国産のネクタイは1892年(明治25年)に西陣で始まった、と書いています[7]。1884年の蝶ネクタイと、1892年の西陣が、どちらも「始まり」とされていますが、何をもって最初と数えるのかは、どちらの資料にも書かれていませんでした。
4. ネクタイは、なんの ために つけるの?
4. ネクタイは何の役に立つのか
4. ネクタイの役目 ── 装いの一部としての意味と、2つの研究
ネクタイは、ぼうしや くつの ように、からだを まもる ものでは ありません。
むかしは、ネクタイの もとの ぬのは、へいたいと えらい 人で ざいりょうが ちがって いました。いまは、きちんと した ふくそうの ひとつとして つかわれます。
外国の 研究で、きちんと した ふくを 着ると、ものごとを 大きく とらえやすく なると いう けっかが 出て います。ただし、ネクタイだけを しらべた ものでは ありません。
やくめとは べつに、ネクタイを ぎゅっと しめると、のうへ 行く 血の ながれが へったと いう 研究も あります。30人の 人を しらべた、みじかい じっけんです。ネクタイを しては いけない と いう ことでは ありません。その ときの 血の ながれの ちがいを、しらべた だけです。
ネクタイは、寒さや暑さから体を守る道具ではありません。成り立ちをたどると、身分や立場が分かる装いとして始まり、いまは場面に合った服装の一部として使われています。ただ、何のためかをひとつの答えで言い切った資料は、確かめたかぎり見つかりませんでした。成り立ちと、いくつかの研究から見ていきます。
もとは、身分がわかる布
クラヴァットは、兵士はレース、将校は上等な布、というように、身分で素材がちがいました[2]。着る人の立場が、首元でわかる装いでもあったわけです。
きちんとした服と、考え方
アメリカの研究者のスレピアンらは2015年に、5つの実験の結果を発表しました。フォーマルな服を着ると、ものごとを大きくとらえる考え方をしやすくなる、という内容です[8]。ただ、これは服装全体の話で、ネクタイだけを調べたものではありません。
ネクタイを締めると、脳の血流が
役目とは別に、体への影響を調べた研究もあります。リュデッケらは2018年に、30人のボランティアをMRIで調べた結果を発表しました。ネクタイを締めると、脳の血流が、統計的に意味のある差で下がった、という報告です[9]。ただし、これは検査のあいだの変化で、ふだんの生活で健康にどう影響するかまでは、この要旨には書かれていません。
ネクタイが何のためにあるのかを、ひとつの答えで言い切った資料は、確かめたかぎり見つかりませんでした。ただ、成り立ちと研究から、装いの一部として使われてきたことは見えてきます。
まず成り立ちから見ると、クラヴァットは、身分や階級によって素材がちがう布でした[2]。いまも、結婚式や葬式では色に作法があり(第6章)、場面に合った服装の一部として使われています。体を守るためのものというより、装いの一部と考えるのが、資料の範囲では自然です。ただし、これはこのメモの整理で、資料がそう言い切っているわけではありません。
服装が考え方に関係する、という研究があります。スレピアンらの論文(2015年、Social Psychological and Personality Science)は、5つの実験で、フォーマルな服の着用が、ものごとを大きくとらえる処理と関係することを報告しています。フォーマルな服を着る実験(実験3・4)でその傾向が強まり、その関係は「力をもっている感覚」を通じていた(実験5)とされます[8]。ただし、調べたのは服装全体で、ネクタイだけではありません。
役目とは別に、着けたときの体への影響を調べた研究もあります。リュデッケらの論文(2018年、Neuroradiology)は、30人のボランティアをMRIで調べ、ネクタイを締めたあとに、脳血流が有意に低下し、静脈の血流には有意な変化がなかったと報告しています。要旨には、ネクタイが眼内圧を上げることは、すでに示されていた、ともあります[9]。ただし、この要旨からわかるのは、検査中の血流の変化までで、日常の健康への影響がどれくらいあるのかは書かれていません。
5. どうして ネクタイを しない 人が ふえたの?
5. クールビズで、ネクタイをしない人が増えた
5. クールビズ(2005年)と、ネクタイの生産・輸入の減少
2005ねんに、「クールビズ」が はじまりました。あつい なつに、ネクタイと 上着を やめて、すずしい ふくで 仕事を しよう、と いう よびかけです。エアコンを つかいすぎない ように する ため でも あります。
ネクタイを つくる 会社は こまって、「ネクタイは、場めんに 合わせて えらぼう」と よびかけました。
日本で 1ねんに つくられたり、外国から 入って きたり する ネクタイの 数は、2004ねんから 2022ねんまでに、およそ 4ぶんの 1に なりました。
ノーネクタイの軽装で、室温は28度
2005年6月1日に、クールビズが始まりました。小泉純一郎首相と、小池百合子環境相が先頭に立って呼びかけ、オフィスの温度を28度にして、ネクタイも上着もない軽い服で仕事をする、という内容でした[10]。目的は地球温暖化対策で、この年は、二酸化炭素を減らす約束の京都議定書が発効した年でもありました[10]。
環境省がいま出している説明では、「TPOに応じた服装の自由化」「各自の判断による快適で働きやすい軽装」と書かれています[11]。ネクタイという言葉は出てきません。
ネクタイの業界は困った
東京ネクタイ協同組合によると、日本ネクタイ組合連合会は2005年6月に、小泉首相と閣僚に、抗議の声明文を出しました[6]。組合は、環境省に「ノーネクタイ」という言い方をやめるよう申し入れたことも書いています[12]。2006年の夏には、「ネクタイはTPOで選びましょう」という言葉入りの札を作ったそうです[12]。
数字で見ると
日本で作られたネクタイと、輸入されたネクタイを合わせた数は、2004年に約4,250万本でした[13]。2022年は約1,100万本で[14]、およそ4分の1です。ただ、クールビズの始まった2005年には、約4,030万本で、前の年から5%ほどしか減っていません[13]。ゆっくり減っていったようです。
2005年6月1日に始まったクールビズは、小泉純一郎首相と小池百合子環境相が率先して協力を呼びかけ、室温を28度にして、ノーネクタイ・上着なしの軽装で過ごす、という取り組みでした。日本経済新聞は、この年に京都議定書が発効し、環境問題への関心が高まっていたことにも触れています[10]。環境省の令和5年度の発表では、毎年5月1日から9月末まで集中的に呼びかけ、「TPOに応じた服装の自由化」や「各自の判断による快適で働きやすい軽装」をうたっています。ネクタイという言葉は、この発表には出てきません[11]。
業界は反発しました。東京ネクタイ協同組合は、日本ネクタイ組合連合会が2005年6月に、小泉首相と閣僚に抗議の声明文を出したと書いています[6]。組合の対応のページには、環境省に「ノーネクタイ」という表現の使用をやめるよう申し入れたこと、シワになりにくい加工や機能性素材の商品を作ったこと、2006年夏に「ネクタイはTPOで選びましょう」という札を作ったことが書かれています[12]。
では、数はどう動いたのか。東京ネクタイ協同組合の統計から、いくつかの年を抜き出します(単位は千本)。
| 年 | 国産 | 輸入 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2004年 | 12,801 | 29,676 | 42,478 |
| 2005年 | 11,650 | 28,622 | 40,271 |
| 2008年 | 8,180 | 26,822 | 35,002 |
| 2013年 | 5,131 | 20,163 | 25,294 |
| 2022年 | 1,586 | 9,482 | 11,068 |
2004〜2013年は組合の統計ページ[13]、2022年は令和5年度版の「生産・輸入概況」[14]の数字です。版がちがうため、同じ年でも少しずれます。たとえば2009年の国産は、前者では6,684千本、後者では6,358千本です。
2004年から2022年までに、合計はおよそ4分の1、国産は約8分の1になりました。ただ、クールビズの始まった2005年の合計は、前の年から約5%しか減っておらず、大きく減るのは2008年以降です。西陣織工業組合は、ピーク時に1,000万本を優に上回るネクタイを作っていた西陣で、2005年のクールビズ運動以降、需要が大きく減った、と書いています[7]。しかし、この統計だけでは、減った理由がクールビズだけなのかは決められません。組合の統計ページにも、理由の分析は書かれていませんでした。
6. ネクタイの 色には、いみが あるの?
6. 色には「決まり」と「目安」がある
6. ネクタイの色 ── 場面の作法と、印象の目安
ネクタイの 色には、ばめんに よる きまりが あります。おいわいの ときは しろや ぎんいろ、おそうしきの ときは くろい ネクタイです。
あかは げんき、あおは まじめ、と いわれる ことも あります。でも、これは きまりでは なく、そう 見えやすい と いう めやすです。
場面の決まり
結婚式では、白やシルバーのネクタイが使われます。黒は葬式などを思わせるので、基本的に避けるのがマナーとされます[16]。葬式では黒いネクタイです[5]。これは法律ではなく、社会の作法です。
色の印象は目安
赤系は情熱やリーダーシップ、青系は誠実や冷静、黄色系は親しみやすさ、といった印象が紹介されています[15]。ただし、これは決まりではなく、心理的な目安として書かれたものです。色ごとの印象を実験で確かめた研究までは、このメモでは確認していません。
ネクタイの色には、2種類の話が混ざっています。場面で決まる作法と、色が与える印象の目安です。
作法のほうから見ます。日本語版Wikipediaは、慶事は銀色や灰色、弔事は黒、法要は鈍色やネイビーなどと整理しています[5]。結婚式向けの解説では、国際的なフォーマルの場ではシルバーが標準で、日本では白も定番ですが、親族が白を着ることが多いので、ゲストはシルバーやライトグレーが無難とされています。黒は弔事を連想させるので基本的に避け、動物柄は殺生を連想させるので不向きとされます[16]。いずれも、法律や公的な規則ではなく、広く共有された作法です。
印象のほうは、たとえば@DIMEの記事が、赤系は情熱や生命力、リーダーシップなど活動的な印象、青系は誠実や冷静といった意味、黄色系は親近感を与えやすい、などと紹介しています[15]。記事自身が、心理的な印象・目安として書いているもので、決まりではありません。色ごとの印象を実験で確かめた研究までは、このメモでは確認していません。
7. ネクタイには、どんな しゅるいが あるの?
7. 種類と結び方 ── 結び方は85通りある
7. 形・柄・結び方 ── ケンブリッジの研究者が数えた85通り
ネクタイには、ながい ものの ほかに、ちょうネクタイや、ひもの ような ループタイも あります。
ながい ネクタイの むすび方は、85とおり あると、外国の 研究者が かぞえました。1999ねんの ことです。
形と柄
ふつうのネクタイは、首に巻く細いほうを小剣、前に下がる太いほうを大剣といいます[5]。形には、蝶ネクタイ、アスコットタイ、ひものようなループタイ(ポーラータイ)などもあります[5]。柄は、無地、しま模様、ドット、小紋、ペイズリー、チェックなどがあります[5]。
結び方は、85通り
基本の結び方は、プレーンノット、ウィンザーノット、ハーフウィンザーノットです[5]。ケンブリッジ大学の研究者のフィンクとマオは、1999年に科学雑誌のNatureで、ふつうのネクタイで結べる結び方は85通りある、と発表しました[17]。そのうち、広く使われている4つのほかに、美しいと考えられる新しい結び方を6つ紹介した、といいます[17]。「美しい」の基準は、左右対称と、つりあいだそうです[3]。
形では、ふつうのネクタイのほかに、蝶ネクタイ(ボウ)、アスコットタイ、ループタイ(ポーラータイ)があります。ふつうのネクタイは、首に巻く細いほうが小剣、前に下がる太いほうが大剣です。柄は、無地(ソリッド)、しま模様のレジメンタル、ドット、小紋、ペイズリー、チェックなどです。結び方は、プレーンノット(フォア・イン・ハンド)、ウィンザーノット、ハーフウィンザーノットが基本とされています[5]。
結び方が全部で何通りあるかを、数学的に数えた研究があります。ケンブリッジ大学のキャヴェンディッシュ研究所にいたフィンクとマオが、1999年にNature(398巻、31〜32ページ)に発表した論文で、ふつうの長さのネクタイで結べる結び方は85通りあると示しました。そのうち、広く使われている4つの結び方のほかに、美しいと考えられる新しい結び方を6つ紹介しています[17]。「美しい」の基準は、左右対称とつりあいです[3]。
じぶんでも やって みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
おうちの 人に、ネクタイを した ことが あるか、きいて みましょう。
あんぜんな ばしょで できる こと
- ネクタイの うらを 見せて もらう。どこで つくられたかを しめす ひょうじが ある ことが あります。
きょう 出て きた 日づけを ひとつ だけ ノートに 書いて おきましょう。「10月1日」だけでも いいです。
このメモの数字や日付は、公開されている資料で自分でも確かめられます。
今日できること
- 大人にネクタイを見せてもらう。大剣と小剣、ぬい目の数を見て、3つの部分をぬい合わせているか確かめてみましょう[3]。
- 東京ネクタイ協同組合の統計ページを開く。年ごとの本数の表を、自分の目で見てみましょう[13]。
気になった数字を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「1884年、小山梅吉」だけでも十分です。
このメモの数字のうち、資料によって食いちがうもの(伝来や工夫の年、統計の版)と、どの資料でも同じものを、区別して読んでみてください。
手を動かして確かめる
- 組合の統計を2つの版で見くらべる。2004〜2013年のページ[13]と、令和5年度版の概況[14]で、同じ年の数字がどれくらいずれるかを確かめられます。
- 環境省のクールビズの発表を読む。いまの説明が、ネクタイをどう扱っているかを、原文で確かめましょう[11]。
- 大人のネクタイを見せてもらう。大剣・小剣・中つぎのぬい目と、織り目の向きを見て、バイアスに裁った布かどうかを確かめてみましょう[3]。
一次情報にあたる
2つの研究は、どちらも論文の要旨が公開されています(英語)[8][9]。結び方の数は、Natureの論文が出発点です[17]。
気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。「2005年6月1日、クールビズ」という一文でもかまいません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。
出典について:日本ネクタイ組合連合会に関わる東京ネクタイ協同組合、西陣織工業組合、環境省、クロアチア国会などの公的・業界団体のページと、学術論文の要旨を使いました。英語の資料は、内容を日本語で説明しています。Wikipediaは、誰でも書きかえられる資料で、資料どうしの年代の食いちがいも含めて、本文にそう書きました。このメモは、これらの団体のものではなく、個人のまとめです。
- 成和株式会社「ネクタイの歴史」。 https://www.seiwa-nw.com/tie_history/ (日本のネクタイメーカーの解説。年表つき)
- Wikipedia(英語版)「Cravat (early)」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Cravat_(early) (クラヴァットの起源と、名前の由来の解説。英語の資料)
- Wikipedia(英語版)「Necktie」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Necktie (ネクタイの歴史、バイアス裁ちの工夫、結び方の研究の解説。英語の資料)
- クロアチア国会「The Cravat Day celebrated on the Saint Mark's Square」。 https://www.sabor.hr/en/press/news/cravat-day-celebrated-saint-marks-square (クラヴァットの日の式典を伝える、国会のページ。英語の資料)
- 日本語版Wikipedia「ネクタイ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ネクタイ (種類、柄、結び方、色の作法、日本への伝来の解説)
- 東京ネクタイ協同組合「東京ネクタイ協同組合について」。 https://www.tokyonecktie.or.jp/aboutus/ (ネクタイ業界の団体の紹介。国産第1号、ネクタイの日、クールビズへの抗議の記述)
- 西陣織工業組合「織ネクタイの殿堂 TIE VILLAGE」。 https://nishijin.or.jp/tie-village/ (京都・西陣の織ネクタイの紹介。国産ネクタイの始まりと、需要の減少の記述)
- Slepian, M. L., Ferber, S. N., Gold, J. M., & Rutchick, A. M. (2015). The cognitive consequences of formal clothing. Social Psychological and Personality Science, 6(6), 661–668. https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1948550615579462 (フォーマルな服と、ものごとのとらえ方を調べた論文の要旨。英語の資料)
- Lüddecke, R., et al. (2018). Should you stop wearing neckties? — wearing a tight necktie reduces cerebral blood flow. Neuroradiology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29961088/ (ネクタイを締めたときの脳血流をMRIで調べた論文の要旨。英語の資料)
- 日本経済新聞「2005年6月1日 クールビズがスタート、ノーネクタイの軽装で」。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59732310Z20C20A5EAC000/ (クールビズの開始を振り返る記事)
- 環境省「令和5年度クールビズについて」(2023年4月25日)。 https://www.env.go.jp/press/press_01503.html (クールビズの目的、期間、服装についての公式の説明)
- 東京ネクタイ協同組合「組合としてのクールビズ対応」。 http://www.tokyonecktie.or.jp/coolbiz.html (クールビズに対する業界の申し入れや取り組みの記録)
- 東京ネクタイ協同組合「日本のネクタイ生産および輸入の推移(数量)」。 http://www.tokyonecktie.or.jp/toukei.html (2004〜2013年の国産・輸入の本数の表)
- 東京ネクタイ協同組合「日本におけるネクタイ生産調査」(令和5年度版「日本のネクタイ 生産・輸入概況」より)。 https://www.tokyonecktie.or.jp/survey/ (2022年までの本数。本文の2022年の数字はここから)
- @DIME「印象がガラリと変わる!仕事に役立つネクタイの色が持つ意味」。 https://dime.jp/genre/1541205/ (ネクタイの色ごとの印象の紹介記事)
- SUIT LIBRARY「結婚式参列のネクタイ選びのポイント」。 https://www.suit-select.com/suit-library/wedding-suit-tie/ (結婚式でのネクタイの色や柄の作法の解説)
- Fink, T. M. & Mao, Y. (1999). Designing tie knots by random walks. Nature, 398, 31–32. https://www.nature.com/articles/17938 (ネクタイの結び方が85通りあることを示した論文。英語の資料)
なおした ところ
更新履歴
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