1. ひゃくえんだまを いれたら どうなるの?
1. 100円玉を入れると、釣り銭は戻らなかった
1. 短く話しても釣り銭が出ない ── 硬貨式公衆電話の不満
むかしの こうしゅうでんわは、10えんだまや 100えんだまを いれて つかいました。
100えんだまを いれると、はじめに 100えん ぶんの はなせる じかんが きまります。みじかく はなして きっても、おつりは でませんでした[1]。
ちょっと つたえるだけなのに、100えん ぶん とられる。この おつりの ふべんさを おぎなう ほうほうとして、カードで つかう でんわが ひつように なりました。
昔の公衆電話は、硬貨を入れて使いました。100円玉を入れると、通話が始まった時点で「100円分の通話時間」が決まります。短い通話で終わっても、釣り銭は返ってきませんでした[1]。
「ひとこと伝えたいだけなのに」と思った人は、きっと多かったでしょう。この釣り銭の不便さを補う方法として、カード式が求められたと紹介されています。
一言伝えたいだけなのに、100円分の料金を取られる。当時の硬貨式では、そういうことが起きた。100円玉を投入すると通話開始時点で100円分の通話時間が設定され、短時間で通話を終えても釣り銭は返却されなかった[1]。利用者にとっては、実際に使った分より多く払う場面が生じる仕組みだった。
では、この不満はどう解消されたのか。この点を補う方法として、カード式が求められたと説明される。
2. テレホンカードは、どうやって つかうの?
2. 1982年、10円ずつ減るカードが登場した
2. 釣り銭の不満に、カードはどう答えたか ── 1982年12月23日
1982ねん 12がつ 23にち、とうきょうの ぎんざに ある すきやばし こうえんに、カードで つかえる でんわが おかれました[1]。にほんで はじめての ものです。
その でんわに さしこんで つかう ものが、テレホンカードです。じきの カードで、500えんから 5000えんまで 4しゅるい ありました[2]。
はなして いる あいだ、10えんぶん ずつ、のこりが へって いきます。はなしが おわると、のこりの かずが カードに かきなおされます[1]。のこりは「どすう」と いう かずで あらわされました。
ちょっと つかっても、のこりは カードに のこる。おつりの しんぱいが なくなりました。
3. どうして カードを あつめる ひとが いたの?
3. 絵柄が人気になり、集める人が現れた
3. なぜカードを集める人が現れたのか ── 図柄と販売促進
テレホンカードには、えを のせる ことが できました。おかもと たろうさんの え、アイドルの しゃしんなど、いろいろな カードが うまれました[2]。
おみせや かいしゃも、おきゃくさんに くばる ために つかいました。すきな え、めずらしい え。カードを あつめる ひとが ふえて、ひろく ひろまったと つたえられて います。
めずらしい カードには、たかい ねだんが ついた ことも あるそうです。ただし、ほとんどの カードが そう だったわけでは ないようです。
カードには図柄を印刷できたため、岡本太郎の絵やアイドルの写真などを使ったカードが人気になり、社会現象になったと紹介されています[2]。
企業が販売促進に使うこともあり、数の少ないカードは、収集家の間で高い値段で売買されたそうです[2]。図柄を楽しみながら集める人もいました。
高値がつくのは一部のカードで、多くのカードが高く売れたわけではないようです。具体的な金額の例は、信頼できる資料が見つからなかったため、ここでは書きません。
ところが、便利な支払い手段だったはずのカードは、いつしか集める対象にもなった。テレホンカードは図柄を印刷でき、岡本太郎(おかもとたろう)の絵やアイドルの写真を用いたカードが人気を集めて社会現象になった。企業の販売促進にも使われ、希少なカードは収集家の間で高値で売買された[2]。
では、どのカードも高く売れたのか。高額取引は一部の希少品の話であり、多くのカードが額面を上回る価格で取引されたと読むのは不正確である。具体的な取引額の例は、商業サイトの情報のみで裏づけが取れないため採らなかった。
4. こうしゅうでんわは、なぜ へって いったの?
4. 携帯電話が広まり、使う人が減った
4. 公衆電話はどれだけ減ったのか ── 1984年の934,903台から約10.9万台へ
いちばん おおかった 1984ねんごろ、こうしゅうでんわは にほんじゅうに 93まんだい いじょう ありました[4]。
そのあと、けいたいでんわを もつ ひとが ふえて、こうしゅうでんわを つかう ひとは へって いきました。だから だいすうも すこしずつ へりました。
いまは 10まん 9せんだいほど です。いちばん おおかった ころの、1わり ちょっとです。
カードも おなじです。テレホンカードの はっこうまいすうは、2002ねん 3がつに 63おくまい、2006ねん 3がつに 39おくまいに なったと いう ほうどうが あります[3]。
ピークの1984年には、全国に93万4903台の公衆電話がありました。携帯電話が普及して利用者が減り、いまは約10.9万台が維持されています[4]。ピークの1割ちょっと、およそ12%です。ピーク年は、ここでは報道(ITmedia)にしたがって1984年としますが、「1984年ごろ」と考えるのが安全です。
NTT東日本・西日本の公衆電話に限ると、2002年度に約58.4万台、2020年度に約14.6万台で、18年間に約44万台減りました[5]。この数字はNTT東西だけの台数なので、全国のピークの93万台と単純には比べられません。
テレホンカードの発行枚数も、2002年3月に約63億枚、2006年3月に39億枚と、約6割に減ったと報じられています[3]。
カードも電話機も使われなくなると、公衆電話の台数はどう変わったのか。ITmedia NEWSは、ピークの1984年に全国で934,903台あった公衆電話が、携帯電話の普及による利用者減で約10.9万台になったと報じる[4]。約10.9万台は、ピークの約11.7%にあたる。ピーク年は資料により表記がゆれるため、ここではITmediaにしたがい「1984年ごろ」とする。
別の資料でも、減り方は確かめられる。総務省の資料では、NTT東日本・西日本の公衆電話は2002年度に約58.4万台、2020年度に約14.6万台で、18年間に約44万台減った[5]。これはNTT東西のみの台数であり、1984年の全国ピークとは対象が異なるため、直接の比較はできない。
カードのほうはどうか。テレホンカードの発行枚数は2002年3月の約63億枚から2006年3月に39億枚(約62%)へ減少したとITmediaは伝える[3]。年間販売数でない可能性もあるため、傾向の参考にとどめる。
なお、総務省の2011年度の参考資料にも、日本の公衆電話を約10.9万台(人口千人あたり0.9台)とする記述がある[6]。2023年の報道の約10.9万台と数が同じで、数え方(第一種のみか等)が一致するかは未確認のため、推移の根拠には使っていない。
5. まちの こうしゅうでんわの かずは、どう きまるの?
5. 設置の基準も、2022年に見直された
5. 置く数の決まりも変わったのか ── 2022年の制度改正
こうしゅうでんわは、どれだけ おくかの きまりが あります。2022ねんに、その きまりが ゆるく なり、いままでの 3ぶんの 1 ほどの かずで よいことに なったと つたえられて います[4]。
つかう ひとが へったので、きまりも、いまの くらしに あわせて かわった のですね。
公衆電話には、どれくらいの数を置くかの基準があります。2022年に電気通信事業法施行規則が改正され、設置基準が緩和されて、従来の3分の1程度の数でよいことになったと報じられています[4]。
利用が減った現実に合わせて、制度のほうも見直されたわけです。
台数が減ったあと、置くべき数の決まりはどうなったのか。2022年の電気通信事業法施行規則の改正で、公衆電話の設置基準が緩和され、従来の3分の1程度の数でよいことになったとITmedia NEWSは報じる[4]。利用の減少に合わせて、設置の義務も見直された形である。
6. さいがいの ひ、こうしゅうでんわは どうだった?
6. 震災の日、通話は前の日の約10倍になった
6. 震災の日、公衆電話は使われたのか ── 2011年3月11日
2011ねん 3がつ 11にちは、ひがし にほんで、おおきな じしんが ありました。
この ひ、ひがし にほんの いつも おいて ある こうしゅうでんわで、つうわの かいすうは まえの ひの おおよそ 10ばいに なりました。50まんかいから、500まんかいへ ふえたのです[6]。
とうきょうの まわりでは、27まんかいから 400まんかいで、おおよそ 15ばいでした。
みんなが つながりたい とき、こうしゅうでんわが たよりに された ことが うかがえます。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
おうちの ひとに きいて みよう
むかし、テレホンカードを もって いたか、きいて みましょう。もって いたなら、どんな え だったかを おしえて もらいます。
まちで さがして みよう
おでかけの とき、こうしゅうでんわを さがして みましょう。えきや びょういんの ちかくなどに あるかも しれません。みつけたら、どこに あるかを おぼえて おきます。かける ひつようは ありません。
身近な人に聞いてみる
家族や親戚に、テレホンカードを使ったことがあるか、どんな絵柄だったかを聞いてみてください。公衆電話でどんなときに電話をかけていたかも、当時の暮らしが分かる話になります。
街で探してみる
駅や病院、公共の施設などで、公衆電話がどこにあるかを探してみましょう。見つけたら、緑や灰色の電話機の形や、カードの差し込み口があるかどうかを観察します。実際にかける必要はありません。
公式情報
NTT東日本・西日本や総務省のサイトに、公衆電話の台数や設置の方針についての資料があります。
身近な人に聞く
家族に、テレホンカードの使用経験や、公衆電話を使っていた場面を聞き取る。収集していた場合は、図柄や入手方法も尋ねる。
街で観察する
駅・病院・公共施設などの公衆電話の設置場所と機種(カード挿入口の有無など)を観察する。
一次資料にあたる
電気通信事業法施行規則の2022年改正後の設置基準を、総務省の資料で確かめる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
今回は、報道・解説記事と、総務省の公表資料を突き合わせた。制度の条文と、災害時の運用の一次資料は未確認。
- 現代ビジネス「テレホンカード誕生の解説」 https://gendai.media/articles/-/77302 (カード式の導入と釣り銭の問題・仕組み)
- 楽天証券「テレホンカードと公衆電話の歴史」 https://media.rakuten-sec.net/articles/print/47434 (導入時のカードの種類・図柄と収集)
- ITmedia(2007年3月) https://www.itmedia.co.jp/bizid/spv/0703/29/news144.html (カードの発行枚数の減少)
- ITmedia NEWS(2023年9月) https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/11/news084.html (台数のピークと現在・設置基準の緩和)
- 総務省「電話のユニバーサルサービスとしての公衆電話の見直し」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/universalservice/02kiban03_04000791.html (NTT東西の台数の推移)
- 総務省 公衆電話の現状(参考資料) https://www.soumu.go.jp/main_content/000729480.pdf (震災日の通話数・2011年度の台数)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
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