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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

火山かざんは どうして 日本の 地図の 上で、線のように ならぶの?

日本の火山はなぜ「線」に並ぶのか ── 地図に点を打つと見える、地下100kmの深さ

火山フロントと沈み込み帯 ── 活火山の帯状分布を、プレートの深さと水による融点低下から読む

分野:自然

日本の 地図に、火山かざんの 場所を 点で うって みると、ふしぎな ことが おきます。点が、ばらばらでは なく、長い 線のように ならぶのです。

この 線は、地面の 下の 見えない ものと つながって います。なぜ 線に なるのか、その わけが わかります。

日本には、いま活動している火山(活火山)が111あります[8]。この火山を地図の上に点で打っていくと、散らばるのではなく、列島に沿ってつながった帯のように見えてきます。

しかも、その帯には太平洋側に「端」があります。端の外側にはほとんど活火山がありません。火山が地図の上で定規を当てたように並ぶのは、なぜでしょうか。答えは、地図には出てこない、地下100kmほどの深さにあります。

日本の活火山111[8]を地図に落とすと、ほとんどが海溝と平行な帯の中に収まる。帯の海溝側の端を結んだ線が「火山フロント」で、日本では、この線より太平洋側に活火山はほとんどない[1]。

この分布は、沈み込む海のプレートの深さと、プレートから出る水がマントルの岩石を溶けやすくする働きで説明されている。なぜ火山が定規を当てたように並ぶのか、その答えは地下の深さと水にある。

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1. 点を うつと、線に なる

1. 火山を結ぶと「火山フロント」が見える

1. 火山フロント ── 活火山の海溝側の端を結んだ線

火山の 場所を つないだ 線に、「火山フロント」と いう 名前が あります[1]。

この 線は、北海道の 上から はじまって、東北の まん中を とおり、関東かんとうの 西の はしに きます。そこから 海の 上の 島じまへ のびて いきます[1]。

びっくりするのは、線の 東がわです。太平洋の ほうには、火山が ほとんど ありません[1]。

火山は、どこにでも あるのでは なく、きまった 場所に かたまって います。

活火山を結んだ線を「火山フロント」といいます[1]。気象庁の解説では、火山は海溝と平行に分布していて、その海溝側の端のラインがフロントです[3]。

線の形は、千島列島から北海道を横切り、東北地方の真ん中を通って関東地方の西の端に達します。そこから伊豆半島、伊豆諸島、小笠原諸島へと続きます[1]。

そして、フロントより東側、つまり太平洋側には、活火山がほとんどありません[1]。有珠山、富士山、桜島など日本のほとんどすべての活火山は、フロントから大陸側の数十kmの幅に集中していると説明されています[2]。

「ほとんどすべて」という言い方が大切です。例外がゼロとは書かれていません。それでも、帯の細さと端のくっきりさは目を引きます。

活火山を結んだ線を火山フロントという[1]。気象庁は、火山が海溝と平行に分布し、その海溝側の端のラインをフロントと呼ぶと説明している[3]。

フロントは千島列島から北海道を横断し、東北地方の中央、関東地方の西端を通って、伊豆半島・伊豆諸島・小笠原諸島へ連なる[1]。日本では、これより東側(太平洋側)に活火山はほとんどない[1]。

有珠山・富士山・桜島など、日本のほとんどすべての活火山は、フロントから大陸側の数十kmの幅に集中している[2]。「すべて」ではなく「ほとんどすべて」と書かれている点に注意したい。

2. 海の そこの 大きな 板が、ゆっくり もぐって いく

2. 海のプレートは年に数cm、列島の下にもぐり込む

2. 沈み込み ── 太平洋プレートは年8cm程度

日本の まわりの 海の そこには、かたい 大きな 板が あります。「プレート」と いいます。

この 板は、少しずつ うごいて、日本の 下へ もぐりこみます。太平洋がわの 板は、1年に 8センチメートルくらいの 速さです[4]。

100万年 つづくと、80キロメートルほど すすむ 計算です。1年では 気づかなくても、長い 時間で 見ると、大きく うごきます。

日本列島の周りには、海のプレートが陸のプレートの下へ沈み込む場所があります。太平洋プレートは東南東の方向から年間8cm程度、フィリピン海プレートは南東の方向から年間3〜7cm程度の速さで日本列島に近づいていると、地震本部は説明しています[4]。

年8cmを100万年続けると、80kmです。1年ではほとんど気づかない動きが、地質の時間では大きな距離になります。

沈み込んだプレートは、そのまま地下へ深く入っていきます。この「地下のどこまで入ったか」が、次の章の鍵です。

太平洋プレートは東南東の方向から年間8cm程度、フィリピン海プレートは南東の方向から年間3〜7cm程度の速さで日本列島に近づき、陸側のプレートの下へ沈み込んでいる[4]。数字は「程度」であり、場所や時期で変わる。

8cm/年は、単純計算で100万年に約80kmである。沈み込んだプレートは地下深くに入り続けるので、火山の位置を決める要素として「沈んだプレートの深さ」が注目される。

3. 火山の 下には、いつも 同じ ふかさが ある

3. 火山の帯は「プレートの深さ100〜150km」の真上

3. 帯の位置 ── 沈んだプレートが深さ100〜150kmに達する場所

おもしろい きまりが あります。もぐりこんだ 板が、地面の 下、100キロメートルから 150キロメートルの ふかさに とどく 場所の 上に、火山が ならぶのです[2]。

ふかさが そろう 場所は、海に ならんで、線のように なります。だから、火山も 線に なるのです。

地図の 線は、地面の 下の ふかさの 「かげ」だと 考えると、わかりやすいです。

地震本部の用語集では、火山は、沈み込んだプレートの深さが100〜150kmに達したところの地表に、海溝軸にほぼ平行に分布するとされています。この帯の海溝側の境界線が火山フロントです[2]。

ここに、地図の線の正体があります。海溝に沿って沈み込みが続けば、「深さ100〜150km」に達する場所も海溝に沿って並びます。だから火山も帯になります。

地図の上の線は、地下のプレートの深さを、地表に映した影のようなものです。見えない深さが、火山の位置という形で見えていることになります。

火山は、沈み込んだプレートの深さが100〜150kmに達したところの地表に、海溝軸にほぼ平行に分布する。この帯の海溝側の境界が火山フロントである[2]。

沈み込み面の深さが一定の場所は海溝と平行に並ぶ。ゆえに火山も帯になる、という筋道だ。ただし、なぜ「その深さ」で火山ができるのかは、次章の水の働きを見る必要がある。

4. かぎは「水」。岩が とけやすく なる

4. 水が岩石の溶ける温度を下げる

4. マグマの生成 ── 水による融点の低下

地面の 下の 岩は、とても あついのに、そのままでは かんたんに とけません。とける ためには、きっかけが いります。

そのきっかけが 「水」です。水が まざると、岩が とけはじめる 温度が ぐっと 下がり、それが マグマの もとに なります[1]。

たとえば、ふゆの 道に 塩しおを まくと、こおりが とけやすく なりますね。塩しおが こおる 温度を 下げるからです。ただし 本当は、岩と 水の 話で、塩しおと 氷とは しくみが ちがいます。

海の 板は、水を ふくんで しずみます。100キロメートルほどの ふかさで、その 水が 出ていくと いう けんきゅうが あります[7]。

地下の岩石は熱いのに、すぐには溶けません。溶けるには、きっかけが要ります。地震本部のコラムは、水があると岩石が溶け始める温度がぐっと下がり、これがマグマのもとになると説明しています[1]。産総研も、水がマントルの岩石の溶ける温度を下げる効果を挙げています[5]。

ある解説では、日本列島の地下100〜200kmの温度は約1400℃と推定され、そこへ水を加えると融点が約200℃下がる実験結果があるとされます[6]。1400℃でも、水がなければ溶けないところが、ポイントです。この数字は博物館の解説による一例です。

水の出どころは、沈み込む海のプレートです。深さ100km程度で脱水が進み、出てきた水が上部マントルで溶けた岩石をつくる助けになるという研究が紹介されています[7]。

冬の道に塩をまくと氷が溶けやすくなるのに少し似ていますが、しくみは別物です。ここではイメージ作りにとどめます。

水の存在によって岩石が溶け始める温度は大きく下がり、これがマグマの元になる[1]。産総研も、水がマントルの岩石の溶ける温度を低くすると説明し、海洋プレートが含む水が沈み込んでマグマ形成を促すとしている[5]。

数字の一例として、日本列島の地下100〜200kmの地温は約1400℃と推定され、その条件で水を加えると融点が約200℃下がるという実験結果がある[6]。出典は博物館の解説である。

東京大学の研究紹介は、沈み込む海のプレートから深さ100km程度で脱水が進み、放出された水が上部マントルのメルト生成に寄与するという報告を挙げる[7]。数値は他の資料の深さ(100〜150km)と矛盾しない。

5. 世界で 見ると、日本は 火山の 多い 国

5. 世界の火山の中の日本

5. 数字で見る日本の活火山 ── 111と約1500

日本には、「火山」が 111 あります[8]。これは、これから 火山が ふく かもしれない 火山の ことです。

世界には、火山が 1500ほど あって、その ほとんどが 太平洋の まわりに あります。日本には、その 1わり くらいが あるといわれます[9]。

太平洋の まわりには、同じように 海の 板が もぐりこむ 場所が 多いのです。日本の 線は、世界の 線の 一部と 考えられます。

気象庁は、活火山を、概ね過去1万年以内に噴火した火山と、現在活発な噴気活動のある火山と定めています。日本の活火山は111です[8]。

内閣府の防災情報では、世界には約1500の活火山があり、そのほとんどが環太平洋地帯に分布します。日本にはその約1割があると説明されています[9]。111÷1500を計算すると約7.4%で、内閣府の説明する「約1割」とおおむね合います。

沈み込みは日本だけの現象ではありません。環太平洋の各地で同じようなことが起きているので、火山の帯も太平洋の縁に沿って続きます。日本の火山フロントは、その大きな輪の一部になります。

気象庁の活火山の定義は「概ね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」で、日本には111ある[8]。

内閣府は、世界に約1500の活火山があり、そのほとんどが環太平洋地帯に分布し、日本にはその約1割があると説明する[9]。111÷1500は約7.4%で、内閣府の説明する「約1割」とおおむね合う。なお、第四紀火山(約350)は活火山とは別の数え方で、混同しないこと[10]。

環太平洋に火山が多いのは、沈み込み帯が太平洋の縁に多いこととつながる。日本のフロントは、その環の一部を成す。

6. 場所に よって、火山の 数は ちがう

6. 帯の濃さは場所で変わる。まだ答えが出ていない点

6. 密度の違いと未解決の点

火山の 数は、どこでも 同じでは ありません。ある 資料しりょうでは、火山の 多さは、もぐる 板の 年れいや、もぐる 向きと かんけいが あるとされて います[10]。

地図を 見ながら、火山が 多い 場所と、すくない 場所を さがして みると、おもしろいです。

火山の密度は場所によって違います。JAEAの解説では、火山の分布密度は、沈み込むプレートの年代と沈み込みの方向に関係しているとされます[10]。

地図に活火山の点を打つと、多い場所と少ない場所があることが見えてきます。その違いがプレートの年代や向きとどう結びつくのか、地図と資料を見比べてみると面白いはずです。

火山の分布密度は、沈み込むプレートの年代と沈み込みの方向に関係するとされる[10]。日本の火山は東日本火山帯と西日本火山帯に分布するという整理もある。

密度の差がプレートの年代や向きとどう結びつくのかは、地図に点を打って資料と見比べると、自分で考える手がかりになる。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できること

地図帳を 開いて、有珠山うすざん・富士山ふじさん・桜島さくらじまの 場所を さがして、えんぴつで 点を うって みましょう。3つの 点を つなぐと、どんな 形に なるでしょうか。

くわしく 知りたい とき

気象庁きしょうちょうや 地震本部じしんほんぶの ホームページに、火山フロントの せつめいが あります。おうちの 人と 見て みてください。

今日できること

地図帳を開いて、有珠山・富士山・桜島の位置に鉛筆で点を打ってみましょう。3つの点をつなぐと、どんな形になるかを見てみます。

もっと調べるなら

気象庁の「活火山とは」のページや、地震本部の用語集「火山フロント」で、公式の説明を読むことができます。

今日できること

地図帳で有珠山・富士山・桜島の位置に点を打ち、線でつないでみる。3つを結ぶとどんな形になるかを見る。海溝との位置関係まで見たいときは、海溝が描かれた地図を使う。

資料を読むなら

地震本部の用語集「火山フロント」とコラムNO3、気象庁「活火山とは」、産総研GSJ「日本の火山とマグマ」が、本稿の中心的な資料になる。数値は各ページで確認できる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

この記事で使った資料です。本文の番号と対応しています。

  1. 地震本部 コラム NO3 火山フロントと沈み込み帯 https://www.jishin.go.jp/resource/column/2010_1007_05/ (火山フロントの位置、水とマグマ)
  2. 地震本部 用語集 火山フロント https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_volcanic_front/ (プレートの深さ100〜150km、帯の幅)
  3. 気象庁 地震・津波・火山を知る 第1章 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/svd/text/chapter_1.html (火山フロントの説明)
  4. 地震本部 プレートテクトニクスとは https://www.jishin.go.jp/main/yogo/e.htm (プレートの動く速さ)
  5. 産総研 地質調査総合センター 日本の火山とマグマ https://www.gsj.jp/geology/geology-japan/geology-volcano/index.html (水が岩石の溶ける温度を下げる)
  6. 大鹿村中央構造線博物館 マグマのでき方2 https://mtl-muse.com/study/kashio-spring/magma2/ (融点の下がり幅の一例)
  7. 東京大学 マントルに沈み込んだ水 https://www.igcl.c.u-tokyo.ac.jp/research/subduction.html (プレートからの脱水)
  8. 気象庁 火山とは https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kazan/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html (火山の定義と数)
  9. 内閣府 防災情報 世界の火山 https://www.bousai.go.jp/kazan/taisaku/k101.htm (世界の火山の数)
  10. JAEA 東濃地科学センター FAQ https://www.jaea.go.jp/04/tono/antei/faq/kazan_010.html (火山の密度と第四紀火山)

なおした ところ

更新履歴

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