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たまごかけごはんは、なぜ 日本で あたりまえなの?

卵かけご飯は、なぜ日本で当たり前なのか

卵かけご飯は、なぜ日本で当たり前なのか

分野:生きもの

あつあつの ごはんに、生たまごを かける「たまごかけごはん」。日本では、あさごはんの ていばんだ。

でも、生たまごを あんしんして 食べられる 国は、せかいでも めずらしい。日本では なぜ、生たまごを 食べても だいじょうぶなのだろう。

あつあつのご飯に、生卵をかける「卵かけご飯」。日本では、朝ご飯の定番だ。

でも、生卵を安心して食べられる国は、世界でも珍しい。日本ではなぜ、生卵を食べても大丈夫なのだろう。

炊きたてのご飯に生卵をかける「卵かけご飯」は、日本ではありふれた朝食の一つだ。だが、生卵を安心して食べられる国は、世界的には珍しい。

卵かけご飯の歴史をたどると、江戸時代の書物や、明治の実業家・岸田吟香にたどり着く。さらに、卵を毎日のように産む鶏の姿は、実はその祖先とはまったく違うものだった。

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1. 日本の たまごは、生でも あんぜんに 食べられる

1. 日本の卵は、生でも安全に食べられる

1. 徹底した衛生管理が、生卵を安全にしている

生たまごには、サルモネラきんと いう、おなかを こわす きんが つく ことが ある。だから せかいの 多くの 国では、たまごは かならず やいたり にたり して 食べる[1]

でも 日本では、ようけいじょうから おみせに とどくまで、きびしい けんさや せいけつな かんりが されて いる。だから きめられた きげんの 中で、れいぞうこで きちんと ほかんして いれば、生の まま 食べても あんぜんな ことが 多いのだ[1]

生卵には、サルモネラ菌という、おなかをこわす菌がつくことがある。だから世界の多くの国では、卵はかならず焼いたり煮たりして食べる[1]

でも日本では、養鶏場からお店にとどくまで、きびしい検査や清潔な管理がされている。だから賞味期限のなかで、冷蔵庫できちんと保管していれば、生のまま食べても安全なことが多いのだ[1]

卵の生食は、世界的に見ると珍しい食文化である。海外では卵の殻や中身がサルモネラ菌に汚染されているおそれがあるため、加熱調理が前提とされていることが多い[1]

日本では、鶏舎の衛生環境の管理、洗卵・紫外線殺菌・破損確認・サルモネラ菌検査を行うGPセンターでの工程など、生産から流通にいたる複数の段階で対策が取られている。農林水産省の令和2年度調査では、20個を混合した検体1,870点のうち1点からサルモネラ菌が検出され、その1点の中に汚染卵が1個だったと仮定すると、市販鶏卵の汚染割合はおよそ0.0027%程度と試算される。ただし、これは低い水準を示す試算であって、汚染の可能性がまったくないことを意味するわけではなく、生食を前提とした短い賞味期限や、購入後の冷蔵保存が呼びかけられている[1]

2. たまごかけごはんは、えどじだいから あった

2. 卵かけご飯は、江戸時代からあった

2. 江戸時代の記録に残り、明治の岸田吟香が広めた

たまごかけごはんに にた りょうりは、えどじだいの 本にも のって いる。でも、当時 たまごは とても たかい もので、だれもが 食べられる ものでは なかった[2]

めいじじだいに なると、きしだ ぎんこうと いう ジャーナリストが、生たまごを ごはんに かけて 食べる ことを まわりに すすめた。これが、たまごかけごはんを 日本に 広めた 1つの きっかけだと いわれて いる[2]

卵かけご飯に似た料理は、江戸時代の本にも載っている。でも、当時卵はとても高いもので、だれもが食べられるものではなかった[2]

明治時代になると、岸田吟香(きしだぎんこう)というジャーナリストが、生卵をご飯にかけて食べることをまわりにすすめた。これが、卵かけご飯を日本に広めた1つのきっかけだといわれている[2]

1805年(文化2年)に浅野高造が著した『素人包丁』には卵かけご飯に似た料理が記されており、1838年(天保9年)の鍋島藩の記録にも「生玉子」を用いた料理が見られる。ただし当時の卵は高価で、日常的に食べられるものではなかった[2]

明治時代、のちに新聞記者・実業家として活躍する岸田吟香が卵かけご飯を食べ、周囲にも勧めたと伝えられている。1927年発行の雑誌の記述によれば、吟香は焼き塩と唐辛子で味付けをしていたという。卵の生産・流通が広まるにつれ、卵かけご飯は庶民の食卓にも定着していった[2]

3. たまごには、ほとんどの えいようが つまって いる

3. 卵には、ほとんどの栄養がつまっている

3. 卵は「完全栄養食品」でも、足りない栄養素がある

たまごは、「かんぜんえいようしょくひん」と よばれる ほど、たくさんの えいようが つまって いる。たんぱくしつ、しぼうしつ、いろいろな ビタミンや ミネラルが ふくまれて いる[3]

でも、たまごだけでは たりない えいようも ある。ビタミンCと しょくもつせんいは、たまごには ほとんど ふくまれて いない。だから やさいや くだものと いっしょに 食べる ことが たいせつだ[3]

卵は、「完全栄養食品」と呼ばれるほど、たくさんの栄養がつまっている。たんぱく質、脂質、いろいろなビタミンやミネラルが含まれている[3]

でも、卵だけでは足りない栄養もある。ビタミンCと食物繊維は、卵にはほとんど含まれていない。だから野菜や果物といっしょに食べることが大切だ[3]

卵はたんぱく質・脂質のほか、リン・カルシウム・亜鉛・鉄などのミネラル、ビタミンA・B1・B2・D・Eなど、人体に必要な栄養素の大半を含むことから「完全栄養食品」と呼ばれることがある[3]

ただし、卵にはビタミンCと食物繊維がほとんど含まれていない。この2つを補うためには、野菜や果物などをあわせて摂取する必要があり、卵かけご飯のような一品だけで栄養が完結するわけではない[3]

4. にわとりの ご先ぞは、はるだけ たまごを うんで いた

4. ニワトリの祖先は、春だけ卵を産んでいた

4. 野生の祖先、セキショクヤケイは繁殖期にしか産まない

今 かって いる にわとりの ご先ぞは、「セキショクヤケイ」と いう、アジアの もりに すむ 野生の とりだ。この セキショクヤケイは、はるの あいだだけ、4こから 6こほどの たまごを うむ[4]

野生の とりは、はるの あいだだけ、たまごを うんで、たまごを あたためる。1年じゅう たまごを うみつづける わけでは なかったのだ[4]

今飼っているニワトリの祖先は、「セキショクヤケイ」という、アジアの森にすむ野生の鳥だ。このセキショクヤケイは、春のあいだだけ、4個から6個ほどの卵を産む[4]

野生の鳥は、春のあいだだけ、卵を産んで、卵をあたためる。1年じゅう卵を産みつづけるわけではなかったのだ[4]

家禽化されたニワトリの野生原種は、東南アジアの森林にすむキジ科の鳥、セキショクヤケイ(赤色野鶏)だとされている。セキショクヤケイは繁殖期である春に4〜6個ほどの卵を産んで抱卵し、これを数回繰り返すにとどまる[4]

野生の状態では、産卵は繁殖期に限られた季節的な行動だった。現在の採卵用の鶏が年間を通じて連続的に産卵するのとは、大きく異なる生態だった[4]

5. 今の にわとりは、まいにち たまごを うむ

5. 今のニワトリは、毎日卵を産む

5. 卵を取り続けることが、毎日の産卵につながる

にわとりの からだの 中では、1こ 分の たまごが できるのに、やく 25じかん かかる。だから にわとりは、1日に 1こより 多く たまごを うむ ことは できない[5]

じつは 野生の とりには、たまごを へびや ねずみに 食べられて へっても、へった 分だけ また うみたす せいしつが ある。へった 分だけ ほじゅうされる、じはんきの ような ものだ(ただし ほんとうは きかいでは なく、とりの からだの しくみだ)。たまごを うむたびに とりのぞくと、この せいしつが はたらいて、また 新しい たまごが うまれる。ようけい(にわとりを そだてる しごと)では、この せいしつを いかしながら、たくさん たまごを うめる にわとりを、大切に そだてて きたのだ[5]

ニワトリの体の中では、1個分の卵ができるのに、約25時間かかる。だからニワトリは、1日に1個より多く卵を産むことはできない[5]

実は野生の鳥には、卵をヘビやネズミに食べられて減っても、減った分だけまた産み足す性質がある。卵を産むたびに取りのぞくと、この性質がはたらいて、また新しい卵が生まれる。養鶏(ニワトリを育てる仕事)では、この性質を活かしながら、たくさん卵を産めるニワトリを、大切に育ててきたのだ[5]

鶏の卵は、卵管内を通過する過程で卵白・卵殻膜・卵殻が形成され、排卵から産卵まで約24〜25時間を要する。この周期が日周期に近いため1日1個のペースで産卵が続くが、周期が少しずつずれることで、数日ごとに産卵を休む日が入ることもある[5]

野鳥には、外敵に捕食されるなどして卵の数が減ると、減った分を産み足そうとする性質がある。採卵養鶏では、産んだ卵をその都度取り除くことで、この性質を活かして抱卵に入りにくい状態を保っている。これに加えて、長期にわたる品種改良や、飼育・栄養管理の改善が組み合わさり、現在の採卵鶏は年間約320個もの卵を産むようになったとされる[5]

たまごの パックに、ひみつが かくれて いる

卵のパックに、秘密がかくれている

卵パックの表示から、安全のしくみを読み解く

いえに ある たまごの パックを 見て みよう。「さんらんび」や「しょうみきげん」が 書いて ある。この しょうみきげんは、生で 食べられる きげんだ。すぎたら、火を 通して 食べよう。

家にある卵のパックを見てみよう。「産卵日」や「賞味期限」が書いてある。この賞味期限は、生で食べられる期限だ。過ぎたら、火を通して食べよう。パックの側面に、GPセンターの記号が書かれていることもある。

卵のパックの表示を確認してみよう。産卵日・選別包装日・賞味期限に加え、生産者や選別包装施設(GPセンター)を示す記号が記載されていることが多い。これらの表示は、卵が生食できる安全な状態で消費者に届くよう管理されてきた、流通のしくみの一部である。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 農畜産業振興機構「私たちが安全な生卵を食べられる理由」、農林水産省「市販鶏卵のサルモネラ汚染状況調査」、鳥幸商店「卵の『賞味期限』とは?」。 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_001475.html https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/kekka/keiran/keiran_sal_06.html https://torikou.co.jp/news/1258 (卵の生食が世界的に珍しい食文化であること、海外ではサルモネラ菌汚染への懸念から加熱調理が前提とされることが多いこと、日本では鶏舎の衛生管理・GPセンターでの選別包装などの工程があることは農畜産業振興機構による。市販鶏卵の卵内容のサルモネラ汚染割合がおよそ0.0027%と試算されたことは農林水産省の調査による。賞味期限が生食できる期限を示しパック後約2週間に設定されることが多いことは鳥幸商店による)
  2. Japaaan「卵かけご飯[TKG]を広めた!?明治時代の実業家・岸田吟香がスゴすぎた!」、フリー百科事典『ウィキペディア』「卵かけご飯」。 https://mag.japaaan.com/archives/171709 https://ja.wikipedia.org/wiki/卵かけご飯 (1805年の『素人包丁』に卵かけご飯に似た料理が記されていること、1838年の鍋島藩の記録に「生玉子」を用いた料理があること、当時の卵が高価だったこと、明治時代に岸田吟香が卵かけご飯を食べ周囲に勧めたと伝えられること、1927年発行の雑誌に吟香の味付けが焼き塩と唐辛子だったと記されていること)
  3. 株式会社明治「完全栄養食!卵の栄養と効果がすごい!」、MELOS「完全栄養食『卵』に足りない栄養素とは」。 https://www.meiji.co.jp/oligostyle/contents/0026/ https://melos.media/wellness/81925/ (卵がたんぱく質・脂質のほかリン・カルシウム・亜鉛・鉄などのミネラルやビタミンA・B1・B2・D・Eを含み完全栄養食品と呼ばれることがあること、ビタミンCと食物繊維がほとんど含まれないこと)
  4. ナショナルジオグラフィック日本版「ニワトリの原種とされるセキショクヤケイ」、tenki.jp「ニワトリの『起源』の解明が急がれている理由とは?」。 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120629/314316/ https://tenki.jp/suppl/kous4/2018/01/30/27836.html (家禽ニワトリの野生原種が東南アジアの森林にすむセキショクヤケイとされること、セキショクヤケイが繁殖期の春に4〜6個ほどの卵を産み抱卵するサイクルを数回繰り返すこと、野生状態での産卵が繁殖期に限られた季節的な行動だったこと)
  5. 山田鶏卵「鶏の産卵メカニズムについて学ぼう!」、Umekiki「1日に約1個の卵を産む鶏の、メカニズム」。 https://www.yamada-egg.com/blog/news/鶏の産卵メカニズムについて学ぼう/ https://www.umekiki.jp/food-study/column/639/ (排卵から産卵まで約24〜25時間を要し日周期に近いペースで産卵が続くが休産日が入ることもあること、野鳥に卵が捕食などで減ると産み足す性質があること、採卵養鶏で産んだ卵を取り除くことでこの性質を活かしていること、これに品種改良や飼育・栄養管理の改善が組み合わさり現在の採卵鶏が年間約320個の卵を産むようになったとされること)

なおした ところ

更新履歴

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