ティッシュと トイレットペーパー、なにが ちがうの?

ティッシュとトイレットペーパー ── 同じ紙なのに、なぜ溶けかたが違うのか

ティッシュとトイレットペーパー ── 同じ紙なのに、なぜ溶けかたが違うのか

分野:技術

トイレットペーパーは、水に つけると すぐに ほぐれて なくなります。でも ティッシュペーパーは、ぬれても なかなか やぶれません。

どちらも おなじ「かみ」なのに、なぜでしょうか。

この きじでは、その りゆうを 見て いきます。

トイレットペーパーは、水につけるとすぐにほぐれてなくなります。でもティッシュペーパーは、ぬれてもなかなか破れません。

どちらも同じ「紙」なのに、なぜでしょうか。

この記事では、その理由を見ていきます。

1924年に発売されたティッシュペーパーは、水に濡れても破れにくいのに、トイレットペーパーは水に入れるとすぐにほぐれてなくなる。同じ「紙」なのに、なぜこんなに違うのか。

使う木の繊維、加えられている薬品、そしてトイレに流せるかどうかを決めるJIS規格まで、その理由をたどる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ小学校高学年むけ中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. ティッシュは、けしょうを おとす かみだった

1. ティッシュは、化粧を落とす紙だった

1. 1924年、「使い捨てハンカチ」として発売されたティッシュ

ティッシュペーパーは、1924年に アメリカで うまれました。 さいしょは、けしょうを おとす ときに つかう、ぬのの かわりだったのです[1]

でも、いつのまにか、はなを かむ「つかいすての ハンカチ」として つかう 人が ふえて いきました。 にほんでは 1964年に、はじめての はこいり ティッシュが はつばいされました[1]

ティッシュペーパーは、1924年にアメリカの会社が発売した「クリネックスティシュー」から始まりました[1]。発売当初の目的は、化粧を落とすときに使う、布やタオルの代わりでした。

いつのまにか「使い捨てハンカチ」に

それまで、化粧を落とすには布やタオルを使い、洗って何度も使うのがふつうでした。ところが、使い捨てにできるこの紙は便利で、いつのまにか、鼻をかむための「使い捨てハンカチ」として使う人が増えていきました[1]。日本では1964年、東京オリンピックが開かれた年に、初めての箱入りティッシュが発売されました[1]

ティッシュペーパーは、1924年にアメリカのキンバリー・クラーク社が発売した「クリネックスティシュー」から始まった[1]。発売当初の目的は、化粧を落とすときに使う、布やタオルの代わりだった。

いつのまにか「使い捨てハンカチ」に

それまで、化粧を落とすには布やタオルを使い、洗って何度も使うのがふつうだった。ところが、使い捨てにできるこの紙は便利で、いつのまにか、鼻をかむための「使い捨てハンカチ」として使う人が増えていった[1]。日本では1964年、東京オリンピックが開かれた年に、初めての箱入りティッシュ「スコッティ」と「クリネックス」が発売された[1]

2. ながい せんいと みじかい せんい

2. 長い繊維と短い繊維

2. 針葉樹と広葉樹 ── 使う木のちがい

紙は、木から とりだした「パルプ」と いう せんいから できて います。

ティッシュペーパーには、ながい せんいの 木の パルプが おおく つかわれます。ながい せんいは、からみあって、 じょうぶな 紙に なるのです[2]

トイレットペーパーには、みじかい せんいの 木の パルプが おおく つかわれます。みじかい せんいは、水に 入ると ほぐれやすいのです[2]

紙は、木材から取り出した「パルプ」という繊維からできています。ティッシュペーパーとトイレットペーパーの大きな違いの1つは、使う木の種類です。

丈夫さを分けるのは繊維の長さ

ティッシュペーパーは、丈夫さを補うために、スギやマツのような針葉樹のパルプを多く使う傾向があります。針葉樹の繊維は広葉樹の繊維より長く、からみ合って丈夫な紙になります。一方、トイレットペーパーには、ブナやユーカリのような広葉樹のパルプが多く使われます。広葉樹の繊維は針葉樹の繊維より短く、水に入るとほぐれやすいのです[2]。ただし、実際の配合比は製品によって違います。

紙は、木材から取り出した「パルプ」という繊維からできている。ティッシュペーパーとトイレットペーパーの大きな違いの1つは、使う木の種類だ。

丈夫さを分けるのは繊維の長さ

ティッシュペーパーは、丈夫さを補うために、スギやマツのような針葉樹のパルプを多く使う傾向がある。針葉樹の繊維は広葉樹の繊維より数倍長く、からみ合って丈夫な紙になる。一方、トイレットペーパーには、ブナやユーカリのような広葉樹のパルプが多く使われる。広葉樹の繊維は針葉樹の繊維より短く、水に入るとほぐれやすい[2]。ただし、実際の配合比や再生パルプの使用は製品によって異なる。正確な繊維の長さは、樹種・パルプ化工程・測定方法によって幅があるが、針葉樹の繊維の方が明らかに長いという点は共通している。

3. くっつける くすりと、ほぐす くすり

3. くっつける薬と、ほぐす薬

3. 湿潤紙力増強剤とでんぷん ── 薬品によるちがい

ティッシュペーパーには、水に ぬれても せんいが バラバラに ならない ように する「しつじゅんしりょくぞうきょうざい」と いう くすりが 入って います [2][4]

トイレットペーパーには、この くすりは 入って いません。だから 水に 入ると、せんいが バラバラに ほぐれやすいのです[4]

いわば、ティッシュペーパーの くすりは つよい のりの ような もの。トイレットペーパーには、その のりを ぬって いない、と かんがえると わかりやすいです。ただし、ほんものの のりとは ちがいます。

繊維の長さだけでなく、加える薬品の違いも大きいです。ティッシュペーパーには「湿潤紙力増強剤」という薬品が加えられています。これは、水に濡れても繊維どうしがバラバラになりにくくする薬品で、鼻をかんでも破れにくい紙にするために使われます[2][4]。パルプを溶かしてから乾かすまでの作りかたは、トイレットペーパーとほぼ同じです[4]

あえて薬品を入れない

一方、トイレットペーパーには、この湿潤紙力増強剤は使われません。この薬品が入っていないぶん、水に入ると繊維がほぐれやすいままになります[4]

繊維の長さだけでなく、加える薬品の違いも大きい。ティッシュペーパーには「湿潤紙力増強剤」という薬品が加えられている。これは、水に濡れても繊維どうしがバラバラになりにくくする薬品で、鼻をかんでも破れにくい紙にするために使われる[2][4]。パルプを溶かしてから乾かすまでの製造工程は、トイレットペーパーとほぼ同じである[4]

あえて薬品を入れない

一方、トイレットペーパーには、この湿潤紙力増強剤は使われない。この薬品が入っていないぶん、トイレットペーパーは水に入ると繊維がほぐれやすいままになる[4]

4. トイレに ながして よい きまり

4. トイレに流してよい決まり

4. JIS規格が定める「ほぐれやすさ」の基準

にほんの トイレットペーパーには、JIS(にほんの きかく) と いう ものさしが あります。おおくの メーカーが、 水の中で 100びょう いないに ほぐれる ことを めやすに つくって います[3]

でも、ふつうの ティッシュペーパーには、そう いう きまりが ありません(水に ながせると 書いて ある とくべつな ティッシュを のぞく)。 ふつうの ティッシュペーパーを トイレに ながすと、 ほぐれずに かたまりに なって、はいすいかんを つまらせて しまうことが あるのです。

日本のトイレットペーパー(巻取りタイプ)には、JIS(日本産業規格)P 4501という規格があり、「ほぐれやすさ」の試験基準が定められています[3]。JISは国が定める規格ですが、法律で必ず守らなければならないものではなく、多くのメーカーが自主的に目安にしています。

100秒以内にほぐれるか

試験では、水300ミリリットルにトイレットペーパーの切れはしを入れ、機械でかき混ぜて、規格で決められた回転数まで回復する時間を測ります。この時間が100秒以内であることが基準です[3]

一方、ふつうのティッシュペーパーには、こうした「水にほぐれる」ための規格はありません。トイレに流すことを想定していないからです。もしティッシュペーパーをトイレに流すと、繊維がほぐれずに固まりとなり、排水管をつまらせる原因になります(水に流せると表示された、特別なティッシュを除く)。

日本のトイレットペーパー(巻取りタイプ)には、JIS(日本産業規格)P 4501という規格があり、「ほぐれやすさ」の試験基準が定められている[3]。JISは国が定める任意の規格であり、法令で個別に引用されない限り、すべての製品に法律上の強制力があるわけではない。

100秒以内にほぐれるか

試験では、20±5度の水300ミリリットルにトイレットペーパーの切れはしを入れ、かくはん機で1分間に600回転させる。紙が水中でほぐれ、回転数が540回転まで回復する時間を測り、これを5回試験して平均する。この時間が100秒以内であることが基準となっている[3]

一方、ふつうのティッシュペーパーには、こうした「水にほぐれる」ための規格はない。トイレに流すことを想定していないからだ。もしティッシュペーパーをトイレに流すと、繊維がほぐれずに固まりとなり、排水管をつまらせる原因になる(水に流せると表示された、特別なティッシュを除く)。

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

じぶんでも、かみの ちがいを たしかめて みましょう。

あんぜんな ばしょで できる こと

  • コップの 水に、ティッシュペーパーと トイレットペーパーを それぞれ 入れて、かきまぜて みる。 トイレには ながさず、コップの中で ようすを くらべて みましょう。
  • しんぶんしや コピーようしなど、ほかの 紙でも おなじ じっけんを して みる。 どの 紙が いちばん はやく ほぐれるか、かぞくと くらべて みましょう。
メモの すすめ

きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「トイレットペーパーは、100びょう いないに ほぐれる きまりが ある」だけで じゅうぶんです。

自分でも、紙の違いを確かめてみましょう。

今日できること

  • コップの水に、ティッシュペーパーとトイレットペーパーをそれぞれ入れて、かき混ぜてみる。トイレには流さず、コップの中で様子を比べてみましょう。
  • 新聞紙やコピー用紙など、ほかの紙でも同じ実験をしてみる。どの紙がいちばん早くほぐれるか、家族と比べてみましょう。
メモのすすめ

気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「湿潤紙力増強剤って、ほかに何に使われているの?」だけでも十分です。

紙の繊維や薬品という視点を持つと、身の回りの紙製品がより興味深く見えてきます。

手を動かして確かめる

  • コップの水に、ティッシュペーパーとトイレットペーパーをそれぞれ入れて、かき混ぜてみる。トイレには流さず、コップの中で様子を比べてみましょう(実際にトイレに流す実験はしないこと)。
  • キッチンペーパーや紙タオルなど、ほかの紙製品でも同じ実験をしてみる。用途によって、繊維の長さや薬品の使いかたがどう違うか、調べてみましょう。

一次情報にあたる

JIS規格の詳しい試験方法は、JIS検索サイトでP 4501を調べると確認できる。

メモのすすめ

気になった数字や言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。「ティッシュペーパーは1924年に発売された」という一文でもかまいません。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

出典について:紙製品メーカーの公式サイト、業界の解説記事、JIS規格の検索サイトを使っています。

  1. クリネックスのヒミツ - 日本製紙クレシア。 https://kleenex.crecia.jp/himitsu/ (1924年のクリネックスティシュー発売、1964年の日本初の箱入りティッシュ発売についての解説)
  2. ティッシュペーパーとトイレットペーパーの違いについて調べてみた - 浜田紙業(紙問屋による補助的な業界解説記事)。 https://kaminotakuhaibin.com/archives/6517 (針葉樹・広葉樹のパルプ繊維の長さのおおまかな傾向についての解説。数値は資料により幅があるため、傾向の裏づけとして使用)
  3. JIS P 4501:2006 トイレットペーパー - JIS検索(きかくるい.com)。 https://kikakurui.com/p/P4501-2006-01.html (トイレットペーパーの「ほぐれやすさ」試験方法と、100秒以内という基準値についての解説)
  4. よくあるご質問 - 王子ネピア。 https://www.nepia.co.jp/faq/ (ティッシュペーパーとトイレットロールの製造上の違い、湿潤紙力増強剤の使用有無についての、製紙メーカー公式の解説)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。