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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

アーモンドと カシューナッツは、木の どこに みのるの?

ナッツは木のどこに実る? ── 桃の仲間のアーモンドと、「リンゴ」の先のカシュー

アーモンドは核果の仁、カシューは偽果の先の核果 ── ナッツの実のつくりを農学・植物学の資料から読む

分野:自然

おかしの 売り場で 見る アーモンドと カシューナッツ。あの 形で 木に なって いるわけでは ありません。

木の 上では、どんな すがたを して いるのでしょう。まず アーモンドから 見て いきます。

袋に入ったアーモンドやカシューナッツは、どちらもつるりとした茶色や白っぽい粒です。けれども、木に実っているときは、その粒はもっと大きなものに包まれていたり、意外なものの先にぶら下がっていたりします。

2つのナッツが木のどこにどう実るのかを、農学や植物学の資料でたどります。

アーモンドの食用部分は核果の内部にある仁(種子)であり[1][3]、カシューナッツは、偽果(カシューアップル)の先端につく本来の果実(核果)の中の種子である[4][8]。

ともに「ナッツ」と呼ばれるが、実のつくりと位置は異なる。資料が一致する範囲と、表現が割れる点を分けながら、木の上での姿を整理する。

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1. お店で 見て いるのは、木の どの ぶぶん?

1. 店で見ているのは、実のどの部分か

1. 「ナッツ」として売られる部分は、植物学的には何か

売り場の アーモンドは、かたい から が とれた あとの、なかみです。かたい からの 中に、たねの なかみが 入って います[1]。

カシューナッツも、からを とった あとの ものが 売られて います[8]。

では、その からや なかみは、木に なって いる ときは、なにに つつまれて いたのでしょう。

売られているアーモンドは、殻をとったあとの中身です。アーモンドの実はいくつかの層でできていて、いちばん内側の、かたい殻の中の仁を私たちは食べています[1]。日本の薬用植物園の説明でも、利用されるのは種子とされています[3]。

カシューナッツも、殻をむいたあとで売られる種子です[8]。

では、その殻や種子は、木の上ではどんなものに包まれ、どこについているのでしょうか。

アーモンドの果実は核果で、外側の果肉部分(hull)、かたい殻(shell)、その内側の仁(kernel)からなり、食べるのは仁である[1]。東邦大学薬学部付属薬用植物園も、利用部位は種子としている[3]。

カシューナッツは、殻をむき、焙煎または蒸したのちに食用にされる種子である[8]。両者の「実る位置」の違いは、この果実のどの部分が種子を包むかに現れる。

2. アーモンドは、ももや さくらんぼの なかま

2. アーモンドは桃やさくらんぼの仲間

2. 核果類としてのアーモンド ── 中身の位置と苦扁桃

アーモンドは、ももや さくらんぼと おなじ、中に かたい たねが ある 実の なかまの 木です[2]。

ももは、あまい ところを 食べます。まん中には、かたい たねが あります。アーモンドの 実も、外がわ、かたい から、なかみの じゅんに できて います[1]。

ただし、アーモンドの 外がわは、ももの ように あまくて ジューシーな ものでは ありません。緑色で、かわの ような かたさだと いわれます[2]。

ももで いえば、まん中の かたい たねの、その 中の ぶぶんを 食べる ような ものです。

アーモンドは、桃やさくらんぼと同じ核果類の木です[2]。核果は、外側の皮、その内側の果肉、いちばん内側のかたい殻、その中の種子、という並びでできています。

桃は、果肉を食べる果物です。アーモンドも実のつくりは同じ並びで、外側は緑色で革のような手ざわりのかたい部分です[2]。私たちが食べるのは、その奥のかたい殻に守られた種子(仁)のほうです[1]。

つまりアーモンドは、実の外側と殻を取り除いて、種子だけを取り出したものです。

なお、苦扁桃(にがいアーモンド)は、青酸配糖体という成分を含み、生で食べると中毒を起こすので注意が必要だと薬用植物園は説明しています[3]。この説明は、「見た目が似ていても、食べられるとは限らない」ことを教えてくれます。

アーモンド(Prunus dulcis)は、モモやサクランボと同じ核果類(stone fruit)の一種である[2]。核果は、外果皮・中果皮・内果皮(かたい殻=核)と種子からなるが、アーモンドでは外果皮と中果皮が繊維質のhullとなり、内果皮が茶色い殻(shell)となる[1]。

モモが甘い果肉を食べるのに対し、アーモンドはhullを食べず、核の内部の仁を食べる。利用部位は種子である[3]。

なお、苦扁桃は青酸配糖体を含み、生食で中毒を起こすと薬用植物園は注意している[3]。見た目だけで食べられるかどうかを判断しない、という注意の背景として触れておく。

3. アーモンドの 実は、うれると われて ひらく

3. 熟すと割れて、殻が見えてくる

3. アーモンドの外側は熟すと割れる ── 重さの割合は目安

アーモンドの 外がわは、うれると われて ひらきます。すると、中から からが 見えて きます[1]。

外がわは、実ぜんたいの 重さの およそ 半分(52%)で、からは およそ 3分の1(33%)と いう 数字が あります[1]。

ただし、この 数字は 品種ひんしゅや 育つ ところで かわる、目安です。

お店で 見る 小さな なかみは、実の ぜんぶの ほんの 一部だと 分かります。

アーモンドの外側の部分は、熟すと自然に割れて開き、中の殻が見えるようになります[1]。

ある資料では、外側の部分は実全体の重さの約52%、殻は約33%とされています[1]。合わせて8割を超えます。ただしこれは平均的な目安で、品種や条件で変わりうる数字です。

お店で見るあの小さな粒は、木になっているときの実のうち、重さでいえばほんの一部だと想像できます。

hullは成熟すると裂開し、内部の殻が現れる[1][2]。Feedipediaは、hullを生重量の約52%、殻を約33%と示す[1]。

この比率は品種や栽培条件で変動しうる目安値であり、固定値ではない。二次資料に依拠するため、精密な値が必要な場合は原著の測定を参照すべきである。

仁が残りの何割にあたるかは、この資料からは分からない。

4. カシューは、「リンゴ」の 先に ぶらさがる

4. カシューの実は「リンゴ」の先にぶら下がる

4. カシューアップルはどの部分がふくらんだものか

カシューの 木には、リンゴのように 大きく ふくらんだ ものが なります。「カシューアップル」と よばれますが、これは ほんとうの 実では ありません[4]。

ほんとうの 実は、その 先に、小さく ぶらさがって います[4]。かたちは そらまめのように 曲がって いて、この 中に カシューナッツの たねが 入って います[5]。

花や 実を ささえる ぶぶんが ふくらんで、大きな 「リンゴ」に なった、と せつめいされます[6]。この 「リンゴ」の 中には、たねは 入って いません。

ふうせんの 先に、小さな 豆が くっついて いる ような ものです。ただし ほんとうは、ふうせんの ほうが 木の えだに つながって いる ぶぶんです。

豆のように 見える ものは、小さな からで、その からの 中に、カシューナッツの たねが 入って います。

カシューの木には、リンゴのような形をした、大きく膨らんだものがなります。これはカシューアップルと呼ばれますが、本当の果実ではなく「偽果」です[4]。

本当の果実は、その先端に1つ付く、腎臓(そらまめ)のような形の核果で、この中の種子が私たちの食べるカシューナッツです[5]。

「リンゴ」の部分は、花や実を支える部分がふくらんだものと説明されています。資料によって、どの部分(果柄・花柄・花托)が発達したものかの書き方が少しずつ異なるため、ここでは「支える部分」とまとめておきます[4][5][6]。日本語の資料では、この「リンゴ」自体は果肉だけで種子を含まないので偽果と呼ばれる、と説明されています[6]。

リンゴやイチゴのように、子房以外の部分が育って果実のように見えるものは、「副果」と呼ばれることもあります[5]。

カシューアップルは、果柄(peduncle)が肥大した偽果で、多肉多汁である。本来の果実(核果)は、その先端に発達する[4]。核果は腎臓形で、中の種子が商品としてのカシューナッツにあたる[5]。

偽果の由来部位は資料で表現が異なる。PMCの総説は果柄(peduncle)、英語版Wikipediaは花柄(pedicel)と花托(receptacle)から発達するとし[5]、日本語版Wikipediaは果托と表現する[6]。用語の使い分けが資料ごとに揺れている可能性があるため、本稿では「花や実を支える部分が発達したもの」と要約する。

子房以外の組織が発達して果実状になるものは、リンゴやイチゴを含め副果(accessory fruit)と呼ばれる[5]。

5. 「リンゴ」が 9わり、本ものの 実は 1わり

5. 重さでは「リンゴ」が約9割

5. 偽果88〜92%、ナッツ8〜12% ── 重量比が示すもの

カシューの 実ぜんたいの おもさを くらべると、大きな 「リンゴ」の ほうが 9わ ちかく、ほんものの 実は 1わ ほどです[4]。

「リンゴ」は、長さが 4から 12センチほど あります[4]。大きな 「リンゴ」の 先に、小さな 実が ちょこんと ある。思ったより ふしぎな すがたです。

売り場の カシューナッツは、その 1わ ほどの 実の、さらに なかみの ぶぶんです。

カシューの実全体の重さのうち、偽果は88〜92%、本当の果実(ナッツ)は8〜12%とされています[4]。ほぼ9割が「リンゴ」で、ナッツにあたるのは1割前後です。偽果の長さは4〜12cmほどと書かれています[4]。

ナッツは殻の中の種子ですから、さらにその一部です。売り場で見るカシューナッツは、実り全体から見るとほんの一部です。

ふつうの日本の店では、「リンゴ」の部分を目にすることは多くないでしょう。

偽果は長さ約4〜12cmで、果実全体の重量の88〜92%を占め、ナッツは8〜12%とされる[4]。すなわち、重量の約9割は本来の果実ではない組織である。

商品としてのカシューナッツは、この8〜12%の中の、殻を除いた種子である。殻の重さは資料に示されていないため、可食部の割合はこの数字よりさらに小さい。

数字はPMC総説の記載を引いたものである。

6. どうして カシューは、からつきで 売られないの?

6. カシューが殻つきで売られない理由

6. カシューの殻の液は、ウルシのかぶれとどう関係するか

カシューの からには、はだに つくと あぶない しるが あります[7]。ウルシに ふれた ときの かぶれに ちかい ものだと、せつめいされて います[7]。

だから、からを むいて、あたためて から はじめて 食べられます[8]。

カシューの 木は、ウルシと おなじ「ウルシ科」の 植物だと いわれます[8]。

もし カシューの 木を 見つけても、実に は さわらないで ください。

カシューの殻の内側には、赤茶色でねばりけのある液(CNSL)が含まれます。この液に含まれるアナカルド酸は、ウルシのかぶれの原因であるウルシオールに近い物質で、皮膚炎の原因になると報告されています[7]。

そのため、カシューは殻をむき、焙煎するか蒸してから食べられるようになります。殻つきの生のカシューナッツは売られない、と説明されています[8]。カシューがウルシ科の植物であることは、この性質と関係が深いようです[8]。

木は高さ最大で約14m、小さくそだてた品種では約6mとされています[8]。

もしカシューの実を見つけても、殻には触れないでおきましょう。

カシューナッツの殻(pericarp)には、アナカルド酸やカルドールを含む赤褐色で粘性のある液(CNSL)がある。アナカルド酸はウルシの接触皮膚炎の原因であるウルシオールに近い物質で、皮膚炎の原因となる[7]。

カシューの殻にはアナカルド酸などを含む液があり、殻をむき、焙煎または蒸すことで食用になる。生の殻つき品は市販されない[8]。

カシューはウルシ科の植物で、高さ最大約14m(矮性品種は約6m)に育つ[8]。

7. 自分でも 見て みよう

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

おうちや お店で、できる ことが あります。

カシューナッツの ふくろを 見て みましょう。ひとつぶの 形を よく 見ると、そらまめのように 曲がって います。この 形が、「リンゴ」の 先に ぶらさがって いた 実の 中の たね だと 考えて みてください。

そして アーモンドの ふくろも 見ます。かたい からが ついて いない ことが 分かります。木に なって いる ときは、この まわりに 何が あったか、そうぞうして みましょう。

図書館で 図かんを ひらいて、カシューの 木や アーモンドの 木を さがしても いいですね。

今日できること:カシューナッツを1粒手のひらに乗せて、形をよく見てください。曲がった粒は、「リンゴ」の先につく核果の中にある種子です。アーモンドの袋があれば、殻がないこと、粒の形が均一でないことも見比べましょう。

出かけてできること:図書館で植物図鑑や農業の本を探すと、アーモンドとカシューの木の絵や写真が見つかります。植物園の温室で、カシューの木が見られる場合もあります。

資料を読むなら、まず「カシューの偽果」の総説[4]と、殻の液の中毒についての報告[7]が、この記事の核です。どちらも英語の医学・農学の論文なので、図表を見るだけでも雰囲気がつかめます。

今日できること:カシューナッツを1粒観察し、曲がった形を確かめる。この粒は、腎臓形の核果の中の種子にあたる[5]。アーモンドの粒とも見比べ、外側のhullや殻が取り除かれた形だと確認できる。

出かけてできること:図書館で本が見つかったら、植物図鑑・農業書で核果類とウルシ科の分類位置を調べる。

資料を読むなら、PMCの偽果総説[4]で偽果の由来部位の記述と重量比の測定を読み、続いてCNSL中毒の報告[7]で殻の成分の話を確かめるとよい。日本語で読むなら東邦大学の薬用植物園のページ[3]が入り口になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料は、出典欄の番号と対応しています。数字は資料の記載を引いたもので、品種や条件で変わることがあります。原典で確かめてください。

  1. 「Almond hulls and almond by-products」Feedipedia。https://www.feedipedia.org/node/27 (アーモンドの果実のつくり、hullと殻の重量比)
  2. 「California Almonds」California Grown。https://californiagrown.org/blog/california-almonds/ (核果類の仲間であること、熟すとhullが割れること)
  3. 「アーモンド」東邦大学薬学部付属薬用植物園。https://www.lab.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/a-monndo.html (利用部位が種子であること、苦扁桃の注意)
  4. 「The Cashew Pseudofruit (Anacardium occidentale)」PMC。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11311269/ (偽果と核果の位置、長さと重量比)
  5. 「Accessory fruit」Wikipedia。https://en.wikipedia.org/wiki/Accessory_fruit (核果の形と、副果の定義)
  6. 「カシューナッツ」Wikipedia。https://ja.wikipedia.org/wiki/カシューナッツ (日本語での偽果の説明)
  7. 「Cashew nut shell liquid poisoning」PMC。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4759998/ (殻の液の成分とウルシオールとの関係)
  8. 「Cashew」Wikipedia。https://en.wikipedia.org/wiki/Cashew (加工の必要性、ウルシ科、木の高さ)

なおした ところ

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