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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

きゅうこんや くさばなは、ふゆを どう すごすの? はなが できる ひみつ

球根・一年草・多年草の冬ごし ── 花はいつ、土の中でできるのか

球根・一年草・多年草の冬ごし ── 花芽はいつ、土の中でつくられるのか

分野:生きもの

あきに にわの プランターを かたづけていると、みための まったく ちがう「ふゆの すごしかた」が、おなじ 土の中に ならんでいる ことが あります。

チューリップの きゅうこんは、たまねぎみたいな すがたの まま 土に うまります。あさがおは、くきも はっぱも すっかり 茶色く かれて しまいます。きくの なかまは、上だけ かれて、下は みどりの ままだったり します。おなじ にわなのに、はるに なると、ぜんぶ ちがう やりかたで また げんきに なります。この 3つの ちがいを、じゅんばんに みて いきましょう。

秋に庭のプランターを片づけていると、見た目のまったくちがう「冬の過ごし方」が、同じ土の中に並んでいることがあります。

チューリップの球根は、たまねぎのような姿のまま土にうまります。アサガオは、茎も葉もすっかり茶色くかれてしまいます。キクの仲間は、上だけかれて、下は緑のまま残ったりします。同じ庭なのに、春になると、3つともちがうやり方でまた芽を出すのです。球根・一年草・多年草、それぞれの冬の過ごし方と、花がいつ作られるのかをたどってみます。

秋、庭のプランターを片づけていると、見た目のまったくちがう「冬の過ごし方」が、同じ土の中に同居していることがある。

チューリップの球根は、タマネギに似た姿のまま土にうめられる。アサガオは、茎も葉もすっかり枯れて種だけを残す。キクの仲間は、地上部の先だけ枯れて、根もとは緑のまま残ることがある。同じ庭なのに、春になれば3つとも別々のしくみで芽を出す。球根・一年草・多年草がそれぞれ何を土の中に残し、いつ花のもとが作られ、何が「春が来た」のスイッチになるのかを、日本植物生理学会(JSPP)の植物Q&Aとウィキペディアの記述からたどる。

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1. きゅうこんの なかは、どうなっているの?

1. 球根の中身 ── 太らせる場所は、葉・茎・根の3通り

1. 球根とは何か ── 葉・茎・根が形を変えた貯蔵器官

きゅうこんは、くさばなが 土の中に つくった、じぶんの ための ちょきん箱です。花を さかせたり、はっぱを のばしたりする ための えいようを、まえの 年の うちに ためて おきます[1]。

ためる ばしょは、しょくぶつに よって ちがいます。チューリップは、はっぱが かさなって できています。たまねぎを たてに 半分に きった ことが あれば、その しろい かさなりが 何まいも あるのを おぼえて いるかも しれません。あれと おなじ つくりです。いっぽう、じゃがいもは くきが ふくらんだ もの、さつまいもは ねが ふくらんだ ものです[2]。

ただし ほんとうは、どれも たんなる「ふくろ」では ありません。生きて いて、ねむって いるだけの じょうたいです。ふゆの さむさや、なつの かわいた 空気から みを まもる ための やすみで、この やすみが おわると、また めや ねを のばしはじめます[3]。

球根は、多年草が土の中に作った、自分専用の貯金箱です。花を咲かせたり葉をのばしたりするための栄養を、前の年のうちにためておきます[1]。

栄養をためる場所は、植物によってちがいます。チューリップやヒヤシンスは、葉が幾重にも重なって太った鱗茎りんけいです。タマネギを縦半分に切ったときの、白い層の重なりと同じつくりです。ジャガイモは茎が太った塊茎かいけい、サツマイモやダリアは根が太った塊根かいこんです[2]。同じ「太った地下の器官」でも、もとの部分がちがいます。

ただ、どれも空っぽの入れ物ではありません。休眠という、成長を止めて生きている状態です。冬の凍えや、夏の乾いた空気から身を守るための休みで、休みが終わると芽や根をまた伸ばしはじめます[3]。では、休みを終わらせる合図は何なのでしょうか。

球根とは、多年草が根や地下茎などに養分をたくわえて肥大化させた器官のことだ。生育に適さない時期を休眠状態でしのぎ、環境が整うとそこから茎や葉、根を出す[1]。

太る場所は種類によって異なる。チューリップやヒヤシンスは葉が幾重にも重なって太った鱗茎りんけい、グラジオラスは茎の基部が球状に太った球茎きゅうけい、ジャガイモは茎が太った塊茎かいけい、ダリアやサツマイモは根が太った塊根かいこんだ。JSPPサイエンスアドバイザーの回答は、ジャガイモは茎、サツマイモは根、タマネギは葉、と器官の由来がそれぞれ異なると説明する[2]。

休眠中は、ジベレリンとサイトカイニンが休眠を解く方向に働き、アブシジン酸は休眠中に量が多く、休眠が解けると減っていく[2]。休眠そのものは、冬の低温による凍結や乾燥、夏の高温乾燥といった、生育に向かない時期をやり過ごす適応で、原産地の気候に合わせて進化してきたと考えられている[3]。では、この休みを終わらせる合図は何なのだろう。

2. チューリップの はなは、いつ できるの?

2. 花のかたちは、寒さの前からできている

2. 花芽はいつできるのか ── チューリップは「春化」の例といえるのか

チューリップは、ふゆの さむい 土の中を すごしてから、はるに 花を さかせます。だから「さむさが 花を つくる」と おもうかも しれません。

でも、日本植物生理学会という がっかいに よると、はなしは そう たんじゅんでは ありません。チューリップの 花の かたちは、さむさに あたる まえに、もう きゅうこんの 中で できて いる ことが おおいのです[4]。

では、ふゆの さむさは 何を して いるのでしょう。もう できている 花を、土の 上まで おしあげて さかせる ちからが、さむさを けいけんした あとで 出てくると かんがえられて います[5]。花を つくるのが さむさでは なく、できた 花を「ひらく スイッチ」が さむさ、という イメージです。

チューリップは、冬の冷たい土の中で過ごしてから、春に花を咲かせます。それなら「寒さが花を作る」と考えたくなります。

ところが、日本植物生理学会の植物Q&Aは、この考え方をそのままでは認めていません。園芸では、球根を低温にあてて開花を早める方法も「春化」の一例として紹介されることがありますが、チューリップは花のかたちが低温にあてる前からできあがっているため、教科書に出てくる春化の例とは少しちがう、と説明されています[4]。

花はもうできているのに、なぜ冬の寒さが必要なのでしょう。多くの植物では、低温を一定期間経験することで、常温にもどったときに花を咲かせたり芽を出したりする力が引き出されます。この現象を春化しゅんかといい、必要な温度はだいたい5〜10℃とされます[5]。チューリップの場合、花を作るのではなく、すでにできている花を押し上げて咲かせる力を引き出すのが、冬の寒さの役目だと考えられます。

チューリップは、冬の低温を経験してから春に花を咲かせる。この順番だけを見ると「寒さが花を作る」と考えたくなる。

だが、JSPPの植物Q&Aは、この扱いに留保をつけている。園芸では、球根類を低温処理して開花を早めることも春化しゅんか(バーナリゼーション)の例として紹介されるので、誤りとまでは言えない。ただし、チューリップは花芽が低温処理より前にできているため、教科書的な春化(秋まき小麦のように、低温を経てはじめて花成の力が引き出される現象)の定義とは厳密には異なる、と京都大学の研究者が指摘している[4]。

花のかたちがすでにできているなら、冬の低温は何のためにあるのか。春化とは、吸水させた種子や芽生えを人工的に長期間低温にさらすことで、常温にもどしたときに速やかな花成(花を咲かせること)を可能にする現象で、必要な温度はおよそ5〜10℃とされる[5]。ナズナやアブラナ属(キャベツなど)、トルコギキョウが、生徒にもなじみやすい春化の例として挙げられている[4]。チューリップでは、花芽をつくる過程と、低温を経て茎を伸ばし花を開かせる過程が、別の段階に分かれているらしい。

3. さむさが、なにかの スイッチに なる

3. なぜ寒さが必要なスイッチになるのか

3. 春化 ── 低温の記憶を、後で使うしくみ

チューリップだけでなく、たくさんの しょくぶつが、ふゆの さむさを「けいけん」として おぼえて います。さむさを けいけんしないと、はるに なっても うまく めが 出なかったり、花が さかなかったり する ことが あるのです[5]。

たとえるなら、さむい ロッカールームを とおって からじゃないと、体育かんの ドアが あかない、みたいな しくみです。ただし ほんとうは、ドアの かぎのような ぶひんが あるわけでは ありません。しょくぶつの 中の、めに 見えない しくみが、さむさを おぼえて いるのです。

だいじな ことは、しょくぶつは カレンダーを 見て「今日から 春だ」と きめて いるのでは ない、という ことです。どれくらい 長く、どれくらい さむい 日が つづいたか、その きろくを つかって、めを 出す じきを きめて いるようです。

チューリップだけでなく、多くの植物が、冬の寒さを「経験」として体に記録しています。寒さを経験しないと、春になっても芽がうまく出なかったり、花が咲かなかったりすることがあります[5]。

たとえるなら、寒い更衣室を通らないと、体育館のドアが開かない、そんなしくみに近いです。ただし本当は、ドアの鍵のような部品があるわけではありません。植物の中の、目に見えない働きが、寒さの記憶を保っているのです。

ここで大事なのは、植物がカレンダーを見て「今日から春」と決めているわけではない、という点です。どれくらいの長さ、どれくらいの寒さを経験したか、その記録をもとに、芽を出す時期を決めていると考えられます。

チューリップに限らず、多くの植物が、冬の低温経験をひとつの合図として利用している。低温を十分経験しないと、常温に戻っても花成や発芽がうまく進まないことがある[5]。

この現象の中心にあるのは、フロリゲンという花を咲かせる合図になるたんぱく質だ。低温経験によって、日長(昼の長さ)に対する反応をおさえていたブレーキが少しずつ外れ、フロリゲンが働きやすくなる、と理解されている。実験室では、ジベレリンという植物ホルモンの処理で、低温の代わりをさせられる場合もある[5]。

重要なのは、植物がカレンダーを持っているわけではない、という点だ。どれくらいの期間、どれくらいの低温にさらされたか、という「記録」をもとに、発芽や花成のタイミングを決めていると考えられている。次は、その記録の仕組みを持たずに冬を越す、一年草の場合を見る。

4. いちねんそうは、たねに なって ふゆを こす

4. 一年草は、タネになって冬を待つ

4. 一年草の越冬 ── 全滅を避ける「発芽のばらつき」

あさがおや ひまわりのような 一年草は、一年の うちに 花を さかせ、たねを のこして、かれて しまいます。きゅうこんのように、土の中に 生きた ぶぶんは のこりません[6]。

つまり、おやの からだは いちど ぜんぶ なくなります。それでも 春に また 出て くるのは、たねが 土の中で ねむって いるからです。たねは、みずと あたたかさが そろうまで、じっと まって います。

おもしろい ことに、おなじ 花から とれた たねでも、めを 出す じきが そろわない ことが あります。研究では、たねが 一どに ぜんぶ めを 出さないのは、天気が わるい 年に、かぞく ぜんいんが かれて しまう ことを ふせぐ ための くふうかも しれない、と かんがえられて います[7]。

アサガオやヒマワリのような一年草は、一年のうちに花を咲かせタネを残して、かれてしまいます。球根のように、土の中に生きた部分は残りません[6]。

つまり、親の体はいったんすべて消えます。それでも春にまた出てくるのは、タネが土の中で休んでいるからです。タネは、水とあたたかさがそろうまで、じっと待ちます。

おもしろいことに、同じ花からとれたタネでも、芽を出す時期がそろわないことがあります。JSPPの回答は、これを「ベットヘッジ(危険の分散)」という考え方で説明します。芽を出す時期がばらつけば、天気の悪い年に家族全員が一度にかれてしまう事態をさけられるかもしれない、というのです[7]。シロイヌナズナを使った研究では、タネがホルモンの変化にどれだけ敏感かによって、発芽のタイミングにばらつきが出ることが確かめられています[7]。

アサガオやヒマワリのような一年草は、種子から発芽して一年以内に生長・開花・結実し、種子を残して枯死する[6]。球根のように、土の中に生きた組織を残さない。

親個体はいったん完全に消える。それでも翌春に発芽するのは、種子が休眠状態で土の中に残っているからだ。水・温度などの条件がそろうまで、種子は待つ。なお、秋に発芽して幼植物のまま冬を越し、翌年開花して枯れる一年草もあり、これは越年草えつねんそうと呼ばれる(アブラナやハハコグサなど)[6]。

興味深いのは、同じ母株から取れた種子でも、休眠の深さや発芽時期にばらつきがあることだ。JSPPサイエンスアドバイザーの回答は、これを「ベットヘッジ」(環境変動の予測がつかないほど、発芽時期を多様にしておく方が有利、という戦略)として説明する。シロイヌナズナの研究では、種子がアブシジン酸にどれだけ敏感かによって休眠・発芽のスイッチが「ノイズ(ゆらぎ)」の影響を受けやすくなり、発芽時期にばらつきが生じることが実証されている。ただし回答自身、この仕組みは花序内の種子の位置による作り分けなど複数の説明が組み合わさっている可能性があり、排他的ではないとことわっている[7]。発芽をそろえないことも、全滅を避ける手段のひとつらしい。

5. たねん草は、土の したで いきている

5. 多年草は、地下で生きたまま冬を越す

5. 多年草の越冬 ── 地上部を捨て、地下部だけを守る

きくの なかまのように、なん年も 生きつづける 草を「たねん草」と いいます。ふゆに なると、上の くきや はっぱが かれて しまう ものが おおいです。でも、土の 中の ねや くきは、かれずに のこって います[8]。

つまり、上だけ すてて、下だけ まもる、という やりかたです。きゅうこんの なかまと にて いますが、きゅうこんほど まるく ふくらんで いない ところが ちがいます。

土の中で ねむって いる あいだ、からだの 中には せいちょうを おさえる ものが できていて、かたちを かえずに じっと して います[9]。春に なると、この おさえが はずれて、また 上に むかって のびはじめます。

キクの仲間のように、何年も生き続ける草を多年草といいます。冬になると、地上の茎や葉がかれてしまうものが多いです。しかし、土の中の根や地下茎は、かれずに残っています[8]。

つまり、地上部を捨てて、地下部だけを守るやり方です。球根の仲間と似ていますが、球根ほど丸くふくらんでいない点がちがいます。園芸では、こうした多年草を宿根草しゅっこんそうと呼ぶことがあります[8]。

土の中で休んでいるあいだ、体の中には成長をおさえる物質ができていて、形を変えずにじっとしています[9]。春になると、このブレーキがゆるみ、また地上に向かって伸びはじめます。

キクの仲間のように、個体として複数年生存する植物を多年草という。冬になると地上部の茎や葉が枯れ落ちる一方、地下茎や根は休眠状態で生き残り、翌年そこから茎や葉を再び伸ばす[8]。園芸ではこの型を宿根草しゅっこんそうと呼び、一年中葉を保つ常緑多年草と区別する[8]。

地上部を切り捨て、地下部だけを守るという点では球根と似た戦略だが、多年草の地下茎や根は、球根ほど丸く肥大した貯蔵器官にはならない。

休眠中の球根や地下部では、成長抑制物質ができて、形態上の成長が止まったまま眠っている状態が続く、とJSPPサイエンスアドバイザーは説明する[9]。ウィキペディアの休眠の項でも、アブシジン酸が種子の成熟と休眠の形成を促し、ジベレリンが発芽を促進すると整理されている[10]。春に成長抑制がゆるむしくみは、球根も多年草の地下部も、根本は共通しているらしい。

6. はっぱと 花が、いっしょに でない 花

6. 葉と花が同時に出ない花、ヒガンバナ

6. ヒガンバナの例 ── 秋に咲く花も、冬の寒さで作られる

ここまでは、春に さく 花の 話でした。さいごに、ちょっと かわった 花を しょうかいします。ひがんばなです。

ひがんばなは、秋に、はっぱが 一まいも 出ていない じょうたいで、いきなり 花だけが さきます。花が おわった あとに、はっぱが 出て きます。だから「はっぱも 花も、いっしょに 見た ことが ない」花と いわれます[11]。

おもしろいのは、この 花も、ふゆの さむさを つかって いる らしい ところです。しらべた 人に よると、ひがんばなの きゅうこんの 中で、次の 花の もとが できはじめるのは 4月の おわりごろで、その まえに ふゆの さむさを けいけんして いる ことが ひつようだと かんがえられて います[12]。春に さく 花も、秋に さく 花も、おなじように、ふゆの さむさを おぼえて、じぶんの じきを きめて いるようです。

ここまでは春に咲く花の話でした。最後に、少し変わった花を紹介します。ヒガンバナです。

ヒガンバナは、秋に、葉が1枚も出ていない状態で、いきなり花だけが咲きます。花が終わったあとに、葉が伸びてきます。そのため「葉も花も、同時に見たことがない」花と言われます[11]。

おもしろいのは、この花も冬の寒さを利用しているらしい点です。大阪府立大学の研究者の回答によると、ヒガンバナの球根(鱗茎)の中で次の花のもとができはじめるのは4月下旬ごろで、それより前に冬の低温を経験していることが必要だと考えられています[12]。春に咲く花も、秋に咲くヒガンバナも、同じように冬の寒さを記憶として使い、自分の季節を決めているようです。

ここまでは春に咲く花の話だったが、最後に少し違う例を見る。ヒガンバナだ。

ヒガンバナは、9月中旬ごろ、葉が出ていない状態でいきなり花茎が伸びて開花し、花が終わったあとに葉が展開する。葉と花が同時に生育しないことから「葉見ず花見ず」という別名がある[11]。葉は秋から翌春にかけて茂り、5月ごろには枯れる[11]。

大阪府立大学の森源治郎による回答(JSPP、2006年)は、球根内での次の花芽分化が4月下旬に始まること、加温した条件では花芽分化が起きなかったことから、低温経験が花芽分化に必要らしいこと、その低温は春化しゅんかとして作用しているようだと述べる。分化の初期は25〜30℃が適温だが、雌しべができる段階以降は適温が20℃付近まで下がり、この温度変化が9月中下旬の開花時期につながるという[12]。葉のない秋に、地温を手がかりに花芽の分化と発育を進めているらしい、というのがこの回答の要点だ。

春に球根から芽吹く花も、秋に葉なしで咲くヒガンバナも、暦を見ているわけではない。冬の低温という「記憶」を体内に残し、それをもとに自分の季節を計っている、という点では同じしくみを使っている。

7. じぶんでも たしかめて みよう

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

おうちに、めが出た じゃがいもや たまねぎが あったら、どこから めが 出ているか 見て みましょう。切ったり ほったり しなくても、見るだけで わかります[2]。

それから、近くの 公園や 庭を、あき・ふゆ・はると、おなじ ばしょで 見くらべて みましょう。おうちの 人と いっしょに、月に 1かい、しゃしんを とって おくと、いつ めが 出たかが、あとで よく わかります。

「これ、どうして?」と おもったら、日本植物生理学会の「みんなの ひろば」に しつもんできます[2]。

家に、芽が出たジャガイモやタマネギがあったら、どこから芽が出ているかを見てみましょう。切ったり掘ったりしなくても、見るだけで分かります[2]。

それから、近くの公園や庭を、秋・冬・春と、同じ場所で見比べてみましょう。月に1回、同じ場所の写真を撮っておくと、いつ芽が出たか、いつ花が咲いたかがあとで分かりやすくなります。球根の花を植えている場所があれば、名前を控えて、春化が必要な花かどうか調べてみるのもおもしろいです。

疑問が残ったら、日本植物生理学会の「みんなのひろば」に質問できます[2]。宿題やレポートの答えを求める質問は受け付けていないので、自分の観察から出た疑問にしましょう。

家に発芽したジャガイモやタマネギがあれば、切ったり掘ったりせずに、芽がどの部分から出ているかを観察してみる。ジャガイモは茎、タマネギは葉という、器官のちがいが見た目にも表れているはずだ[2]。

もう少し長い期間なら、近所の公園や花だんの決まった一角を、秋・冬・春を通じて月1回程度、同じ角度で写真に記録してみる。地上部が枯れる時期、芽が出る時期を記録に残すと、この記事で見た「球根・一年草・多年草」のどの型に近いか、自分で見分けられるようになる。

疑問が残ったら、日本植物生理学会の「みんなのひろば」に質問できる[2]。過去のQ&Aは、この記事の出典にもなっている。宿題・レポートの代行や栽培技術の相談は対象外なので、自分の観察から生まれた疑問を書くとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:日本植物生理学会(JSPP)「みんなのひろば」植物Q&Aは学会のサイエンスアドバイザーによる回答、ウィキペディアは百科事典の記述です。植物Q&Aの日付は登録日または回答日を示します。

  1. ウィキペディア「球根」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/球根 (球根の定義、鱗茎・球茎・塊茎・塊根・根茎の5分類、休眠と環境改善による成長再開)
  2. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「じゃがいも、さつまいも、タマネギなどの発芽の仕組みについて」(勝見允行、2018年9月26日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4241 (ジャガイモ=茎、サツマイモ=根、タマネギ=葉という器官の違い、ジベレリン・サイトカイニンと休眠解除、アブシジン酸と休眠維持)
  3. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「冬の休眠と夏の休眠について」(勝見允行、2020年8月12日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4818 (休眠は環境ストレスへの適応。冬季休眠は低温障害からの保護、夏季休眠は乾燥への適応)
  4. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「春化処理」(荒木崇・京都大学、2006年9月9日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=988 (園芸では球根の低温処理も春化の例とされるが、チューリップは花芽が低温処理前にできているため教科書的な春化の定義とは異なるという指摘。春化の定義、ナズナ・アブラナ属・トルコギキョウの例)
  5. ウィキペディア「春化」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/春化 (春化=低温に一定期間さらされることで開花・発芽能力が誘導される現象。必要温度はおよそ5〜10℃、フロリゲン、ジベレリンによる代替)
  6. ウィキペディア「一年生植物」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/一年生植物 (一年草の定義、種子状態での越冬、秋発芽・越冬する越年草の区別)
  7. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「種子の休眠のばらつきについて」(長谷あきら、2025年10月19日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=6242 (発芽時期のばらつき=ベットヘッジ戦略の可能性、シロイヌナズナでのアブシジン酸感受性と発芽ノイズの実証研究)
  8. ウィキペディア「多年生植物」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/多年生植物 (多年草の定義、宿根草の地上部枯死と地下部での越冬、常緑多年草との区別)
  9. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「春出葉球根の冬季の間の生理について」(勝見允行、2017年8月30日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3886 (休眠中の球根では成長抑制物質ができ、形態上の成長が止まって眠っている状態が続く)
  10. ウィキペディア「休眠」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/休眠 (種子休眠の型、アブシジン酸による休眠形成とジベレリンによる発芽促進)
  11. ウィキペディア「ヒガンバナ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒガンバナ (9月中旬の開花、開花後に展開する葉、「葉見ず花見ず」という別名、鱗茎の中で5月ごろから花芽ができ始めること)
  12. 日本植物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A「彼岸花はどうやって季節を知るのですか?」(勝見允行、森源治郎・大阪府立大学、2006年11月22日回答)。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1082 (球根内での花芽分化は4月下旬に開始し、加温条件では分化が起きなかったことから低温経験が必要と考えられること、発育段階による適温の変化と9月開花への関係)

なおした ところ

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