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テッポウウオの 水でっぽうは、なぜ ねらいを はずさないの?

テッポウウオの水鉄砲は、なぜ狙いを外さないのか

テッポウウオの水鉄砲は、なぜ狙いを外さないのか

分野:生きもの

水の 中から、水面の 上に いる 虫めがけて、水を うちだす 魚が いる。

テッポウウオだ。その ねらいは、めったに はずれない。

水の中から、水面の上にいる虫めがけて、水を打ち出す魚がいる。

テッポウウオだ。その狙いは、めったに外れない。

テッポウウオは、口から水の弾を発射して、水面上の獲物を撃ち落とす魚である。水中から水面の外を狙うという行為には、見た目以上に複雑な物理的課題が隠れている。

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1. 口の中の みぞと、した、エラぶたで 水を うちだす

1. 口の中の溝と、舌、エラぶたで水を打ち出す

1. 上顎の溝と舌とエラ蓋の連動により水を噴射する

テッポウウオの 上あごには、ほそい みぞが ある[1]。その みぞに したを あてると、ストローのような つつが できる。ただし、ほんとうの ストローのように まわりを ぐるりと かこまれて いるのでは なく、あごの みぞに したを あてて つつの 形を 作って いるだけだ。そこへ エラぶたを ぎゅっと とじる ちからで 水を おしこむと、つつを とおって、水が いきおいよく とびだすのだ[1]

この 魚は、マングローブの ある、海と 川の 水が まざる ばしょに すんで いる[1]

テッポウウオの上あごには、細い溝がある[1]。その溝に舌をあてると、ストローのような筒ができる。ただし、本物のストローのように周りをぐるりと囲まれているのではなく、あごの溝に舌をあてて筒の形を作っているだけだ。そこへエラぶたをぎゅっと閉じる力で水を押しこむと、筒を通って、水が勢いよく飛びだすのだ[1]

この魚は、マングローブのある、海と川の水が混ざる場所にすんでいる[1]

テッポウウオは、上顎にある細い溝に舌を押し当てることで筒状の水路を形成し、エラ蓋を勢いよく閉じることで生じる圧力でその水路に水を通し、水の弾を噴射する[1]

この魚は、マングローブが発達する汽水域(海水と淡水が混ざる水域)に生息している[1]

2. 水の 中から、水面の 上を 見ると、ものの いちが ずれて 見える

2. 水の中から、水面の上を見ると、ものの位置がずれて見える

2. 水中からの照準は光の屈折による誤差を伴う

水の 中から、水面の 上に ある ものを 見ると、光が まがる せいで、じっさいの いちとは すこし ずれて 見える[2]。2024年の 研究で、水そうの 上から 風を おくって 水めんを ゆらす じっけんを した ところ、テッポウウオは なんども うつ うちに、風で 水すじが まがる ぶんを 見こんで、先に ねらいを 調せいするように なった[2]。この 学ぶ 力が、光の ずれを 直す ときにも 役だって いるのでは ないかと、考えられて いる[2]

水の中から、水面の上にあるものを見ると、光が曲がるせいで、実際の位置とは少しずれて見える[2]。2024年の研究では、水そうの上から風を送って水面をゆらす実験を行ったところ、テッポウウオは何度も撃つうちに、風で水すじが曲がる分を見こんで、先にねらいを調整するようになった[2]。この学習する力が、光のずれを補うときにも役立っているのではないかと考えられている[2]

水と空気の境界では光が屈折するため、水中にいるテッポウウオの視点からは、水面上の獲物の見かけの位置と実際の位置とのあいだにずれが生じる[2]。2024年に発表された研究では、水槽の上から人工的な風を送って水面をゆらす実験を行い、テッポウウオが繰り返し撃つうちに、風による水流の偏向を見こして射撃の運動指令を調整する「運動適応」の能力を持つことを示した[2]。この実験自体は光の屈折を直接検証したものではないが、著者らは、屈折という魚が常に向き合う物理的要因についても、同様の運動適応のしくみが働いている可能性を指摘している[2]

3. とどける きょりに あわせて、水の かたまりを 作りかえる

3. 届ける距離に合わせて、水のかたまりを作りかえる

3. 口の開閉を制御し標的距離に応じた水塊を形成する

テッポウウオは、水を うちだす とちゅうで、口の あきかたを かえて いる[3]。そうする ことで、とんで いく 水が、ねらった きょりの ちょうど 手まえで、いちばん 大きな 水の かたまりに なるように、調せつして いるのだ[3]。とおくの まとを ねらう ときと、ちかくの まとを ねらう ときとで、この 作りかたを かえて いる[3]

テッポウウオは、水を打ち出す途中で、口の開きかたを変えている[3]。そうすることで、飛んでいく水が、狙った距離のちょうど手前で、いちばん大きな水のかたまりになるように、調節しているのだ[3]。遠くの的を狙うときと、近くの的を狙うときとで、この作りかたを変えている[3]

2014年に発表された研究により、テッポウウオは水を発射している最中に口の開口部の形を能動的に変化させ、噴射する水流の力学的な性質そのものを制御していることが明らかになった[3]。この調整によって、飛翔中の水は先端に大きな水塊を形成し、その水塊がちょうど標的の位置で最大の衝突力を持つよう最適化される。実験では20cm・40cm・60cmと異なる高さに置いた標的に対し、テッポウウオが標的の高さに応じて口の開閉の時間経過を変えていたことが確認されている[3]

4. えものが おちる まえに、おちる ばしょへ さきまわりする

4. 獲物が落ちる前に、落ちる場所へ先回りする

4. 落下する獲物の着水点を予測し先回りして捕食する

水を あてられて 落ちて くる 虫を、テッポウウオは ただ 見て いるのでは ない。虫が 水に おちはじめてから、わずか 0.1びょうほどで、その 虫が 水めんに おちる ばしょへ むかって、体の むきを すばやく かえるのだ[4]

水を当てられて落ちてくる虫を、テッポウウオはただ見ているのではない。虫が水に落ちはじめてから、わずか0.1秒ほどで、その虫が水面に落ちる場所へ向かって、体の向きをすばやく変えるのだ[4]

水鉄砲によって水面に叩き落とされた獲物に対し、テッポウウオはただちに追跡を始めるわけではない。獲物が水面に向かって落下を始めてからおよそ100ミリ秒(0.1秒)後に、その落下の初期の軌道から着水点を予測し、その時点での獲物の位置ではなく、将来の着水地点へ向かう急旋回を始める[4]。こうして、最短の軌跡と最適な速度で着水点に到達し、獲物を確実に捕らえることができる[4]

水でっぽうで、とおくの まとを ねらって みる

水鉄砲で、遠くの的を狙ってみる

水鉄砲や水を入れたペットボトルで、狙いの精度を試す

水でっぽうか、水を 入れた ペットボトルを つかって、いろいろな きょりの まとを ねらって みよう。とおくの まとに あてるには、水の 出しかたを どう かえれば いいか、じぶんで ためして みると おもしろい。おふろばや にわなど、ぬれても だいじょうぶな ばしょで ためそう。

水鉄砲か、水を入れたペットボトルを使って、いろいろな距離の的を狙ってみよう。遠くの的に当てるには、水の出しかたをどう変えればいいか、自分で試してみるとおもしろい。お風呂場や庭など、濡れても大丈夫な場所で試そう。

水鉄砲や、キャップに小さな穴を開けたペットボトルを使い、異なる距離の的に向けて水を発射してみよう。距離によって、握る力や角度をどう変えれば命中しやすいかを試すことで、テッポウウオが行っている距離調整の難しさを体感できる。お風呂場や庭など、水に濡れても問題ない場所で行うこと。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 名古屋港水族館「テッポウウオの秘密」。 https://nagoyaaqua.jp/study/column/24115/ (テッポウウオの上顎にある溝に舌をあて、エラ蓋を閉じることで水路に水を通し勢いよく水を飛ばす構造を持つこと、マングローブの発達する汽水域に生息することは同出典による)
  2. eLife「The archerfish uses motor adaptation in shooting to correct for changing physical conditions」。 https://elifesciences.org/articles/92909 (水中から水面上の獲物を狙う際、光の屈折により見かけの位置と実際の位置にずれが生じること、水槽の上から人工的な風を送って水面をゆらす実験で、テッポウウオが繰り返し撃つうちに水流の偏向を見こす運動適応の能力を示したことは同出典による。光の屈折そのものを直接検証した実験ではなく、同様のしくみが働く可能性を著者らが指摘している点も同出典による)
  3. Current Biology「Archerfish Actively Control the Hydrodynamics of Their Jets」。 https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(14)00922-1 (テッポウウオが水を発射する最中に口の開口部の形を能動的に変化させ噴射する水流の力学的性質を制御すること、これにより飛翔中の水が標的の位置で最大の衝突力を持つ水塊を形成すること、20cm・40cm・60cmの異なる高さに置いた標的で標的の高さに応じて口の開閉の時間経過を変えていたことが確認されたことは同出典による)
  4. Journal of Experimental Biology「Predicting three-dimensional target motion: how archer fish determine where to catch their dislodged prey」。 https://journals.biologists.com/jeb/article-abstract/205/21/3321/9128 (水面に落とされた獲物に対し、テッポウウオが落下開始からおよそ100ミリ秒後に着水点を予測し、その時点の獲物の位置ではなく将来の着水地点へ向かう急旋回を始めることは同出典による)

なおした ところ

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