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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

火星まで ずっと ねむって 行けたら?

眠って火星へ行けるか ── 宇宙船のための「人工冬眠」研究のいま

宇宙飛行のための人工冬眠 ── NASA・ESAの構想と、動物実験の現在地

分野:技術

火星に 行く 旅は、行きだけで 半年ほど かかると 考えられて います。その あいだ ずっと 起きて いなければ ならないのでしょうか。

もし、旅の あいだ 冬眠とうみんのように ねむれたら、宇宙うちゅう船は どう かわるのでしょう。今 どこまで 分かって いて、まだ 分からない ことは なにか、たどって みます。

火星への旅は、片道だけで半年ほどかかる計画があります。その間、乗組員はずっと起きて、食べて、動いて、狭い宇宙船で暮らすのでしょうか。

もし冬眠に似た状態で眠って行けたら、宇宙船の大きさや運び方が変わるかもしれません。NASAとESAの構想、動物での実験、そして人ではまだできていないことを、資料に沿って見ていきます。

火星への有人飛行は、往路だけで約180日という計画が検討されている。この長い旅の間、乗組員を冬眠に似た低体温・低代謝の状態(トルポア)にできれば、宇宙船を小さくできるのではないか。NASAとESAは、そうした構想を研究してきた[1][3]。

ただし、これは人でまだ実現していない研究段階の技術である。構想の中身、動物実験で分かっていること、人での課題を、確かさに差のある資料を区別しながら整理する。

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1. 火星までは、どれくらい かかるの?

1. 火星への旅は、それだけで半年をこえる

1. 往復5年・往路約180日という前提

火星に 人が 行く 旅は、とても 長い ものです。ヨーロッパの ESAが 調べた ときの もとの 計画では、6人が 行って もどる 旅に 5年 かかります[3]。そのうち 行きは、やく 180日、半年ほどです。

ESAの 研究者たちが 2021年に 書いた 論文ろんぶんには、火星への 長い 旅は、体にも 心にも とても 大きな ふたんに なる、と あります[4]。

この ふたんを へらす 手だての 1つとして、旅の あいだ、乗組員を 冬眠とうみんに にた ようすに する 考えが 話し合われて います。人工冬眠とうみんと よぶ ことも あります。ただし、人で できた ことは、まだ ありません。

ESAは、6人が5年かけて火星を往復するという既存の計画を基準にして、人を眠らせて運ぶ場合にどう変わるかを検討しました。その想定では、往路の約180日を眠って過ごし、目覚めてからの回復に21日を見こんでいます[3]。

ESAの研究者らが2021年に出した論文は、火星への長期ミッションが乗組員の体と心にきわめて大きな負担をかけるとして、その負担を軽くする手段に冬眠(トルポア)を使う戦略を論じています[4]。

この記事で言う「人工冬眠」は、クマやリスのような冬眠ではありません。冬眠しない動物や人に、体温や代謝を下げた眠りに近い状態を、人の手で起こそうとする研究の話です。人で宇宙旅行の長さでできた例は、確認した資料の範囲では見つかりませんでした。

ESAは並行設計施設(CDF、Concurrent Design Facility)で、6人が5年で火星を往復する既存の計画を基準に、薬で誘導したトルポアの効果を検討した。想定は、往路の約180日を眠り、回復に21日を見込むというものである[3]。

ESAの研究者らは2021年、Neuroscience & Biobehavioral Reviews に総説を出し、火星長期ミッションが乗組員に身体的・心理的に極端な負荷を課すとして、その軽減策に冬眠(トルポア)戦略を論じている。ただし、ここで確認できたのは要旨の段階である[4]。

発想自体は新しくない。1960年に R. J. Hock が宇宙飛行への冬眠の利用を提案した、と2016年の総説の引用情報として紹介されているが、原論文は未確認である[8]。なお、人で宇宙旅行の長さのトルポア誘導が行われた実績は、確認した資料の範囲では見つからない。

2. ねむると、宇宙うちゅう船は どう かわる?

2. 居住区が小さくなる ── 構想の中の数字

2. 居住区の質量と容積 ── SpaceWorks案とESA案の試算

ふつうの 旅行では、ホテルに とまるように、起きて くらす ための へやが いります。でも 夜行バスの ように ねて 行くなら、いすが あれば すみます。宇宙うちゅう船でも、同じように 考えた 人たちが います。

NASAの てつだいで、宇宙うちゅうの 会社 SpaceWorksが 考えた かんがえは、4人から 6人が ねむる 小さな 部屋です[1]。乗組員の くらす ところの 重さは、今の 20〜50トンから 5〜7トンに、広さは 200立方メートルほどから やく 20立方メートルに なる、という 見こみです。20立方メートルは、6じょうの 部屋 くらいの 大きさです。

ESAが しらべた ときは、くらす ところを なくすと、宇宙うちゅう船の 重さが 3分の1ほど へる 見こみでした[3]。

ただし 本当は、どちらも 頭の 中の 計算で、作って たしかめた ものでは ありません。それに、ねて いる 人の 体を 見守る そうちも べつに いります。

NASAのNIAC(革新的先進概念)という支援制度のもとで、宇宙関連企業のSpaceWorks社が、火星行きの宇宙船で乗組員をトルポアにする構想を研究しました。想定は4〜6人の乗組員で、とても小さな与圧モジュール(空気を入れた部屋)に収めるというものです[1]。

同社の見込みでは、乗組員の居住区の質量は、今の20〜50トンから5〜7トンに減らせます。容積も、200立方メートル級から約20立方メートルへ。20立方メートルは、6畳ほどの部屋の空気の量に近い大きさです[1]。

ESAの検討でも、居住区画を省くことで宇宙船の質量を約3分の1減らせる見こみとされています[3]。

夜行バスは、ホテルの部屋の代わりに座席で済みます。それに似た考え方ですが、宇宙船では眠る人の体を守る装置が別に要ります。数字はどちらも設計上の試算で、実現したものではありません。

NASAのNIAC(Innovative Advanced Concepts)の支援で、SpaceWorks社は、火星行きの宇宙船で乗組員を4〜6人規模でトルポアにする「Torpor Inducing Transfer Habitat」を研究した[1]。同社の見込みでは、乗組員の居住区の質量は現在の20〜50トンから5〜7トンに、容積は200立方メートル級から約20立方メートルに減る。質量は概算で数分の1から10分の1程度(7÷20=0.35、5÷50=0.1)、容積は約10分の1である[1]。

ESAのCDF検討では、居住区画を省くことで宇宙船の質量を約3分の1減らせる見込みとされた。この値は居住区画を省く試算という条件つきである。乗組員が動けないため、AIを活用した自律運用と監視が必要になる[3]。

いずれも設計上の試算で、実測ではない。両者は基準にした宇宙船も前提も違うので、数字を並べて優劣をつけるものではない。

3. どうやって ねむらせるの?

3. 病院の低体温療法を「長く」する発想

3. 治療的低体温療法の延長 ── 実績は24〜72時間

SpaceWorksが 考えたのは、病院で 使われて いる やりかたの 先に あります。けがや 病気で 体が 弱った 人の 体温を、少しだけ 下げる 治療ちりょうです[2]。

下げるのは、3〜6度ほどです。こおらせるのでは ありません。体温が 下がると、体が 使う 力の りょうが へって、気を うしなった ねむりに 近い ようすに なります。

でも 病院で 行われて きたのは、1日から 3日ほどです。宇宙うちゅう旅行のような 長い 時間は、まだ ためされて いません。

SpaceWorksの方式は、病院で行われている治療的低体温療法をのばす考え方です。患者の体温を華氏で5〜10度(およそ3〜6°C)下げると、代謝が大きく下がり、意識のない状態になります[2]。凍らせるのではなく、数度下げるだけです。

けがなどの治療では効果が確かめられていますが、病院の実績は24〜72時間の冷却です。宇宙旅行のような、重症ではない場面には使われてきませんでした[2]。

つまり、この方式が数か月続けられるかどうかは、まだ実証されていません。

SpaceWorksの方式は、治療的低体温療法(TH)の延長にある。THは体温を5〜10°F(約3〜6°C)下げ、代謝率を大きく下げて意識のない状態にする医療である。この温度は華氏で書かれた値で、換算した数字を併記した[2]。

同報告書は、THは外傷などの治療では実証済みだが、重症でない場面(宇宙旅行のような)には適用されてこなかったと述べる。臨床での冷却は24〜72時間で、宇宙旅行の長さでの使用は未実証である[2]。

なお、ESAのCDF検討は、薬で誘導するトルポアを想定しており、SpaceWorks案(低体温療法の延長)とは誘導の考え方が違う[3]。

4. ねむって いる あいだ、だれが 見るの?

4. 交代で起きる「見張り番」とAI

4. 交代方式(sentinel)とAIによる自律運用

みんなが 同じ 時間に ねむって しまったら、宇宙うちゅう船は だれが 見るのでしょう。

SpaceWorksの かんがえでは、4人の うち 3人が やく 14日 ねむり、1人が 起きて 見守ります。起きた 人は 2〜3日 はたらいて、また ねむります[2]。いつも だれか 1人は 起きて いるので、きかいの 世話や 地球との れんらくが できます。

ESAが しらべた ときは、乗組員が 動けない ぶん、AIを 使って 宇宙うちゅう船を 自動で 動かし、見守る ことが ひつように なると されて います[3]。

全員が同時に眠ってしまうと、機器の保守も通信もできません。SpaceWorksの報告書は、4人の乗組員なら3人が約14日間トルポアに入り、残る1人が起きて見守る交代方式を提案しています。起きた人は2〜3日活動してから、再び眠ります[2]。

この方式なら、常に1人が完全に起きていて、活動できる状態にあります。眠る人数が多いほど宇宙船は小さくできますが、起きている人が1人でも要る、ということです。

ESAの検討では、乗組員が動けないため、AIを活用した自律運用と監視が必要になるとされています[3]。

SpaceWorksの報告書は、4人乗りなら3人が約14日間トルポアに入り、1人が起きて見守る交代方式(sentinel)を提案する。起きた人は2〜3日活動してから再び眠り、乗組員の1人が常に完全に覚醒して活動できる状態を保てる[2]。

一方、ESAのCDF検討は、乗組員が動けないことから、AIを活用した自律運用と監視の必要を挙げる[3]。前者は人が起きて見張る案、後者は自動化で補う案で、強調点が異なる。

5. 冬眠とうみんしない どうぶつを ねむらせた?

5. 冬眠しない動物を、冬眠のような状態にする実験

5. 非冬眠動物でのトルポア誘導 ── Q神経・縫線核・超音波

おどろく 話が あります。ふつう 冬眠とうみんを しない どうぶつでも、冬眠とうみんに にた ようすに できた、という 実験じっけんです。

2020年、日本の 研究チームが、マウスの のうの 中の 「Q神経しんけい」と いう 神経しんけいを はたらかせる 実験じっけんを しました。すると、冬眠とうみんを しない マウスの 体温と 体が 使う 力が、長い あいだ 下がりました。もとに もどった あとも、はっきりした きずや おかしな ようすは 見られなかった、と つたえられて います[5]。

ラットの のうの 一部の 神経しんけいを おさえて、同じような ようすを 作った れいや[6]、ちょうおんぱを 使う 2023年の 研究も あります[9]。

ただし、ネズミの なかまで できても、人で できるかは べつの 話です。

冬眠する動物でなくても、冬眠に似た状態をつくれることが、動物実験で示されてきました。

2020年、日本の研究グループは、マウスの脳の視床下部にあるQ神経を興奮させると、冬眠をしないマウスでも低体温と低代謝が長く続くと報告しました。回復後に、明らかな組織・臓器の損傷や行動の異常は見られなかったとされています[5]。

ラットでは、脳幹の縫線核の神経を抑えることで、冬眠しない動物でもトルポアに似た状態(合成トルポア)を作れるという報告があります[6]。2023年には、薬や遺伝子操作なしで、超音波でマウスやラットに低体温・低代謝を起こす研究が、Nature Metabolismに出ました[9]。

ここまではすべて、ネズミの仲間での結果です。人で同じことが起きるかどうかは、まだ分かっていません。

2020年、砂川玄志郎・櫻井武らの日本の研究グループは、Nature に、マウスの視床下部のQ神経を興奮させると、冬眠をしないマウスでも低体温・低代謝が長く続くと報告した。回復後に明らかな組織・臓器の損傷や行動異常は見られなかったという。ただし、確認できたのは要旨と検索抜粋の範囲で、本文は開けていない[5]。

Cerriらは、ラットの脳幹の縫線核(Raphe Pallidus)の神経を抑えると、冬眠しない動物でもトルポアに似た状態を作れると報告した(2013年とされるが、原論文は未確認で、総説の引用で確認した)[6]。2023年には、超音波でマウス・ラットにトルポア様の低体温・低代謝を起こす研究が Nature Metabolism に出た。薬や遺伝子操作なしで誘導する方向の研究だが、対象は齧歯類で、ヒトへの適用は確認できていない[9]。

6. ねむると、放射線ほうしゃせんから 守れるかも?

6. 宇宙放射線への備えになるのか

6. 放射線防護の仮説とラットの結果

宇宙うちゅうには、放射線ほうしゃせんが とんで います。体の 中の 細胞さいぼうを きずつける ことが あります。

2016年の 論文ろんぶんは、冬眠とうみんが 乗組員を 宇宙うちゅうの 放射線ほうしゃせんから 守るかも しれない、と 考えました[8]。「かも しれない」と いう、まだ 考えの だんかいです。

2019年の 論文ろんぶんでは、ラットに ねむりに にた ようすを おこして 放射線ほうしゃせんを あてると、守りに なる ような けっかが 出た、と つたえられて います[7]。でも、ラットの 話で、人が 宇宙うちゅうで 受ける 放射線ほうしゃせんに きくかは、たしかめられて いません。

宇宙では、地球の上より強い放射線を受けます。冬眠が乗組員を宇宙放射線の損傷から守るかもしれない、という考えが、2016年の総説で論じられました。ただし「かもしれない」という仮説の段階で、しくみまではっきり分かったわけではありません[8]。

2019年の論文は、ラットに合成トルポアを起こして放射線を当てると、遺伝子発現の結果から、トルポアが放射線防護になりうると報告しました。冬眠しない動物でも防護になる可能性が示されたことになります[7]。

ただし、これはラットの結果で、人が宇宙で受ける放射線への効果は、確認できていません。

2016年の総説(Life Sciences in Space Research)は、冬眠が宇宙放射線の損傷から乗組員を守る可能性を論じた。ただし「かもしれない」という仮説の段階で、防護のしくみを確認した報告ではない[8]。

2019年の論文(Int J Mol Sci)は、ラットに合成トルポアを起こして放射線を当てると、遺伝子発現に、トルポアが放射線防護になりうる結果が出たと報告した。冬眠しない動物でも防護になる、という主張である。これはラットの結果で、ヒトの宇宙放射線での効果は確認されていない。ここでも本文の全体ではなく、要旨の範囲にとどまる[7]。

7. まだ できて いない ことは なに?

7. 人での課題は、まだたくさん残っている

7. 未解決の課題 ── 医学的問題と研究の順序

いちばん 大きな ことは、人を 旅の 長さだけ ねむらせた れいが、見つからない ことです。いつ できるように なるかは、言えません。

ほかにも、こまる ことが あります。宇宙うちゅうでは 重さを 感じにくいので、骨ほねや 筋肉きんにくが よわく なります。ねむって いる あいだの 栄養えいようを どう とるか、ずっと ねた ままの 体に きずが できないように するかも、考えなければ なりません[2]。

ESAは、冬眠とうみんを はじめる ときに はたらく のうの 道すじを、まず どうぶつで、そのあと 人で しらべる ことに して います[3]。人での 調べは、どうぶつの つぎの だんかいです。

SpaceWorksの報告書は、宇宙では微小重力のために骨量が減り、筋肉が萎縮することを挙げています。トルポア中は、栄養をどう与えるか(点滴などの静脈栄養など)や、床ずれの予防も課題になります[2]。

ESAは今後の研究として、冬眠の開始で働く・止まる脳の経路を、まず動物で、その後に人で調べる方針を示しました。この方針では、人での調べは動物の次の段階に置かれています[3]。

実現の時期は、確認した資料からは言えません。

SpaceWorksの報告書は、宇宙では微小重力で骨量減少や筋萎縮が進むこと、トルポア中の栄養管理(静脈栄養など)と褥瘡(床ずれ)の予防が課題になることを挙げる[2]。

ESAは、冬眠開始で働く・止まる脳の経路を、まず動物で、その後ヒトで調べる方針を示した。この方針では、ヒトでの調べは動物の次の段階に置かれている[3]。

整理すると、居住区の縮小(NASA・ESAの試算)、低体温療法の延長(病院で24〜72時間の実績)、動物での誘導(マウス・ラット)はそれぞれ別の確かさの段階にあり、宇宙旅行の長さでヒトに誘導した実績は見つからない。実現時期は、資料からは言えない。

8. じぶんでも たしかめて みたく なったら

8. 自分でも調べてみたくなったら

8. 自分でも調べてみたくなったら

やってみよう。あなたが 1日に のむ 水の りょうを、コップで はかって みましょう。たとえば 1日 1リットル のむなら、180日ぶんは 180リットルです。水 1リットルは 1キログラムなので、180キログラムに なります。半年の 旅の 荷物は、どれくらいの 重さに なるでしょう。

そのあと、おうちの 人と、「ねむって 行けたら、荷物は どう かわるかな」と 話して みましょう。

次のようなことを、試したり調べたりできそうです。

  • 自分が1日に飲む水の量をコップではかり、180日ぶんにしてみましょう。水1リットルは1キログラムなので、旅の荷物の重さが実感できます。
  • この記事に出た数字(20〜50トンと5〜7トン、約3分の1)を、身近なもの(ゾウやバスの重さなど)と比べてみましょう。どちらも試算だという点も、いっしょにメモします。
  • 居住区が20〜50トンから5〜7トンになるとは、何キログラムぶん軽くなるのかを、計算してみましょう(1トンは1000キログラム)。それを、家にある米袋(5キログラムなど)の数に直すと、どれくらいでしょう。

この記事の数字を使って、手元で確かめられることがある。

  1. 居住区の質量が「20〜50トンから5〜7トン」になる場合、減る量の幅は何トンから何トンか。0.35と0.1の比(本文2章)と合わせ、なぜ幅が大きいのかを考える。本文に出た数字を「元の質量」「眠る案の質量」「減る量」の3列の表にまとめ、どの数字が試算かも書き添える。
  2. 1日1リットルの水を飲む人が180日で使う水は180キログラム。6人ぶんでは何キログラムか。眠って行く案で、この量はどう変わりそうか。自分の考えを式で書いてみる。
  3. SpaceWorks案では、居住区の質量が20〜50トンから5〜7トンに、容積が200立方メートル級から約20立方メートルになる(本文2章)。質量の減り方(5〜7÷20〜50)と容積の減り方(20÷200)を、それぞれ割り算して求め、どちらがより大きく減っているかを比べる。ESAの「約3分の1」は宇宙船全体の質量の減り方なので、比べる対象(宇宙船全体か、居住区の質量か、居住区の容積か)が違う点に注意しながら、3つの数字を表にしてみる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

NASAとESAの公式ページ、NASAの最終報告書、査読論文の要旨を使った。論文は本文が開けず、要旨や検索抜粋の範囲のものがある。

  1. NASA「Torpor Inducing Transfer Habitat for Human Stasis to Mars」。https://www.nasa.gov/general/torpor-inducing-transfer-habitat-for-human-stasis-to-mars/ (構想の概要、居住区の質量・容積の試算について)
  2. SpaceWorks「NIAC Phase II Final Report」(2018年)。https://ntrs.nasa.gov/api/citations/20180007195/downloads/20180007195.pdf (低体温療法との関係、交代方式、医学的課題について)
  3. ESA「Hibernating astronauts would need smaller spacecraft」。https://www.esa.int/Enabling_Support/Space_Engineering_Technology/Hibernating_astronauts_would_need_smaller_spacecraft (火星往復の想定、宇宙船の質量、今後の研究方針について)
  4. Neuroscience & Biobehavioral Reviews(2021年)、ESAの研究者らによる総説。https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0149763421004425 (火星長期ミッションの負担と冬眠戦略について)
  5. Takahashi et al., Nature(2020年)。https://www.nature.com/articles/s41586-020-2163-6 (Q神経とマウスの冬眠様状態について)
  6. 「Be cool to be far」、Cerriらの研究を引用する総説。https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0149763421002645 (ラットの合成トルポアについて)
  7. 「Hibernation and Radioprotection」、Int J Mol Sci(2019年)。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6359347/ (ラットの放射線防護の結果について)
  8. 「Hibernation for space travel: Impact on radioprotection」、Life Sciences in Space Research(2016年)。https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2214552416300542 (放射線防護の仮説、1960年の提案の紹介について)
  9. Nature Metabolism(2023年)、超音波でトルポア様状態を起こす研究。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10229429/ (超音波による誘導について)

なおした ところ

更新履歴

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