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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

たけは、どうして あんなに はやく のびるの?

1日に1m以上も伸びた竹は、どこから力を出しているのか

竹はなぜ急成長するのか ── 成長点と地下茎の養分、伸びる期間

分野:自然

たけの くきが、1日で 1年生の せの高さくらい のびた ことが あると いわれます。1日ですよ。ひとばん ねている あいだに、たけは ぐんと 高く なるのです。

そんなに はやく のびる わけを、いくつかの 本を くらべながら、いっしょに たどって みましょう。

竹が1日で、小学1年生の背の高さくらい伸びたという記録があります。ひと晩で、竹の先が見上げる高さにまで動いた計算です。

木ならば何年もかかる伸びを、竹はなぜ数か月ほどでやり遂げるのか。伸びる場所、伸びる材料、伸びる期間の3つを、いくつかの資料を見比べながら追います。

竹には、1日(24時間)にマダケで121cm、モウソウチクで119cm伸びたという記録がある[1]。ただし、これは最大級の記録であり、毎日1m伸びるわけではない。

このメモでは、この速さを支える仕組みを、伸びる場所(すべての節にある成長点)[2][3]、伸びる材料(地下茎にためた養分)[3][4]、伸びる期間(数か月で止まること)[1][5]の3点から、複数の資料を突き合わせてたどる。

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1. 本当に 1日で 1mも のびるの?

1. 1日で1m以上伸びた、という記録

1. 記録された伸び ── 1日で119〜121cm

りんやちょうの ほんには、1日で マダケが 121センチ、モウソウチクが 119センチ のびた ことが かいて あります[1]。

1日は 24時間です。121センチを 24で わると、1時間に 5センチほど。1日で 1年生の せの高さぐらいと 考えると、ずっと 見ていれば のびるのが わかるかも しれません。

ただし、これは いちばん 大きく のびた ときの 数字です。いつも 毎日 1メートル のびる わけでは ありません。

119cmと121cm

林野庁の資料には、1日(24時間)でマダケが121cm、モウソウチクが119cm伸びたという記録が載っています[1]。121cmを24時間で割ると、1時間に約5cmです。

これは最大級の記録

この数字は、そう何度も出るものではない最大級の記録として紹介されています。毎日1mずつ伸び続けるわけではありません。それでも、成長した竹の高さを見ると納得できます。モウソウチクは日本のタケの仲間で最大で、高さ25mに達することがあります[4]。

林野庁の資料には、1日(24時間)でマダケが121cm、モウソウチクが119cm伸びたという記録がある[1]。121cmを24時間で割ると1時間に約5cmで、数時間見続ければ動きに気づける速さといえる。ただし、これは記録として残っている最大級の値であり、常にこの速さで伸びるわけではない。

モウソウチクは日本のタケ類のなかで最大で、時に高さ25mに達する[4]。この高さまで伸びる速い成長を、資料は数週間で小規模な森を覆う高さになると表現している[4]。

2. どこが のびて いるの?

2. 伸びているのは先端だけではない

2. 全節に成長点がある ── 樹木との違い

たけの くきには、ふしが たくさん あります。そのふしごとに、「せいちょうてん」と いう、のびる もとに なる ところが あります[2]。ふしの 数だけ、のびる ところが あるのです。

木は、さきの ほうで のびる ことが おおい と いわれます。たけは、たくさんの ふしの あいだが のびて、くきが 高く なります。ちぢんだ アコーディオンを ひろげるように、ふしの あいだが 広がる、と たとえた 本も あります[3]。

ふしの 数は、タケノコの ときに もう ぜんぶ そろって います[3]。のびる あいだに ふえるのでは なく、もう ある ふしの あいだが、のびるのです。

ゴムひもに 同じ 間かくで 点を つけて ひっぱると、どの 点の あいだも 同時に 広がります。たけの のびかたも、これに にて います。ただし 本当の たけは、ゴムのように ひっぱられるのでは なく、せいちょうてんで 小さな つぶが ふえて のびる、と いわれて います。

節ごとの成長点

竹の節には、細胞が分裂して成長する「成長点」があり、それはすべての節にあります[2]。農林水産省の資料には、1つの節が1日に1cm伸びるとすると、節が40ある稈(かん)は1日で40cm伸びる、という計算が載っています。これは例え話の計算で、実際の竹の節の数や伸びを測った値ではありません。

アコーディオンのように

近畿大学の解説は、木が先端付近で細胞分裂して伸びるのに対し、竹はすべての節がアコーディオンのように一斉に広がっていくような感じで伸びる、と説明しています[3]。伸びる場所の数がちがうことが、速さのちがいの一つの理由になります。

節は増えない

節の数は、タケノコの段階で全部そろっているそうです[3]。伸びる間に節が増えるのではなく、すでにあるたくさんの節の間が、それぞれ伸びます。タケノコのひだひだが、のちの節になります。

樹木は先端付近など、限られた場所の細胞分裂で伸びる。近畿大学の解説では、これに対して竹はすべての節に分裂する組織があり、節の全体がアコーディオンのように一斉に広がっていくような感じで伸びるという(比喩的な表現である)[3]。農林水産省の資料にも、竹には節ごとに細胞が分裂して成長する「成長点」があるとある[2]。

同資料は、各節が1日に1cm伸びれば節が40ある稈(かん)は1日に40cm伸びる、という計算を示している[2]。これは資料上の例え計算であり、実際の節数や節ごとの伸びの実測値ではない。伸びる場所が多いほど、全体としての伸びが大きくなる、という理屈を示すものと読める。

近畿大学の解説では、節の数はタケノコの段階で全部そろっている(タケノコのひだが節にあたる)[3]。伸びる間に節が増えるのではなく、すでにある節の間(節間)がそれぞれ伸びるとされる。なお、樹木の伸長を「先端だけ」とするのは資料の説明に合わせた単純化で、実際には枝先など複数の場所で伸びる。

3. のびる ちからは どこから くるの?

3. 伸びる材料は、前の年までにためてあった

3. 地下茎の貯蔵養分 ── 竹林全体でつくる成長

たけは、はっぱで つくった 食べものの もとを、つちの 中の 「ちかけい」に おくって ためて おきます[3]。タケノコは、その ためた ものを つかって そだって いきます[3]。

つまり、のびて いる さいちゅうに はっぱが つくった 分だけで のびるのでは ない、と いうことです。おこづかいを ためて おいて、ほしい ものが できた ときに まとめて つかう ようすに にて います。

たけばやし ぜんたいは、ちかけいで つながった 大きな ひとつの いきものだと いわれます[4]。

葉でつくって、地下にためる

近畿大学の解説では、竹は葉でつくった養分を地下茎に送って蓄え、タケノコはその養分を使って成長するとされています[3]。地上の竹が作った養分は、その年の背丈を伸ばすためにすぐ使うのではなく、いったん地下茎にたまり、新しいタケノコの誕生と成長に使われる、という説明です。ためておいた貯金を、必要なときにまとめて使うようなものです。

竹林は、ひとつながりの生きもの

森林総合研究所の解説では、竹林は林全体が地下茎でつながった大きな一体の生きもので、地上の一本一本はその一部にすぎません[4]。地下茎自体もよく伸びて、林野庁の資料には1年に5m伸びた記録が、農林水産省の資料には最大で年5〜8mという記録が載っています[1][2]。

近畿大学の解説によれば、竹は葉でつくった養分を地下茎に送って蓄え、タケノコはその養分を使って成長する[3]。地上の竹の光合成産物は、地下茎に蓄えられ、新しいタケノコの発生と稈の成長に使われるとされる。「その年の光合成だけで伸びる」わけではない点が、速さを考えるうえで大切になる。

森林総合研究所の解説では、竹林は全体が地下茎でつながった大きな一体の生きもので、地上の一本一本はその一部にすぎない[4]。また、地上の竹を伐り尽くしても地下茎が生きていれば、竹林は復活するとされる。地下茎自体もよく伸び、1年に5m伸びた記録が林野庁の資料にある[1]。農林水産省の資料では、最大で年5〜8mの記録とされている[2]。

4. ずっと のびつづけるの?

4. 伸びるのは、はじめの数か月だけ

4. 伸長期間の短さと、太くならない稈

たけは、ちかけいの 芽めから 出て、わずか 数か月で りっぱな たけに なります[1]。その たけの くきは、それから あとは、もう 高くは なりません。

ふとさも、ほとんど かわりません。たけの くきには、木のように 年ごとに ふとる しくみが ないと いわれて います[5]。タケノコの ふとさの まま のびて いくようです。

たけざいに いいのは、3年から 5年 たった たけと いわれます[1]。

数か月で立派な竹に

竹は、地下茎の節にある芽から新しい竹を出し、わずか数か月で立派な竹に成長します[1]。成長が止まるのは晩秋から初冬ごろで、この時期が竹を切るのに向くとされます。1日に1m級という速さは、この短い伸びる期間のなかでの話です。

太くならない稈

木は形成層という部分の働きで、年々太くなります。竹の稈には形成層がなく、維管束が散らばっているため、木のように太らないという解説があります[5]。タケノコの太さのまま伸びる、ということです。竹材としては、3〜5年生の竹が最良とされます[1]。

林野庁の資料によれば、竹は地下茎の節にある芽から新しい竹を出し、わずか数か月で立派な竹に成長する[1]。伐採の適期は成長が止まる晩秋から初冬で、竹材に良いのは3〜5年生とされる。伸びる期間が数か月と短いからこそ、その間の伸びが大きく見える。

一方、竹の稈には、樹木にある形成層がなく、維管束が散在している[5]。そのため、木のように年々太らず、タケノコの太さのまま伸びる、という説明がある。この点は二次的な解説の記述であり、断定は避け、こうした説明があるという紹介にとどめる。

ここまでをまとめると、竹の急成長は、すべての節にある成長点(場所)[3]、地下茎にためた養分(材料)[3]、数か月という短い期間(時間)[1]の3つが重なった結果と読める。いずれも資料により説明の強さに差があるので、原典にあたって確かめたい。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できること

ゴムひもに、ペンで 同じ 間かくに 点を 5つ ほど かいて みましょう。ゆっくり ひっぱると、どの 点の あいだも 同じ ように 広がって、ぜんたいが ぐんと 長く なります。これが アコーディオンの ような のびかたの イメージです。ただし、本当の たけは ゴムのように のびる わけでは ありません。

出かけて できること

こうえんや しょくぶつえんで、たけを 見つけたら、ふしを 下から 上へ かぞえて みましょう。ふしと ふしの あいだの 長さが、ばしょに よって ちがうかも しれません。かぞえる ときは、たけを おらないで、見るだけに しましょう。

ゴムひもで「一斉に広がる」を確かめる

ゴムひもに、ペンで同じ間隔に点を5つほど描きます。ゆっくり引っぱると、どの点の間も同じように広がり、全体が一気に長くなります。これは、すべての節が同時に伸びる竹の伸び方のイメージです。ただし本物の竹は、ゴムのように引き伸ばされるのではなく、成長点で細胞が分裂して伸びるとされるので、あくまで例えにとどめましょう。

公園や植物園で節を数える

竹を見つけたら、根元から節を数え、節と節の間の長さを見比べてみます。節の数は成長中も変わらないので、根元と先のほうで間隔がどう違うか、考えるきっかけになります。竹を折ったり傷つけたりせず、見るだけにしましょう。

もっと知りたいとき

林野庁の「竹の性質」や、農林水産省の広報誌『aff』2021年3月号の竹の特集を読むと、今回出てきた数字の出どころを確かめられます[1][2]。

確かめる方法

資料により節数や伸びの実測値は示されていない。竹林や公園の竹で、節の数と節間の長さを、根元から先まで数えて比べれば、節間の長さが位置で違うかを自分の目で確かめられる。竹を折らないよう、観察と記録だけにとどめる。

資料を読むなら

  • 林野庁「竹の性質」(記録値、成長期間、地下茎の伸び)[1]
  • 農林水産省『aff』2021年3月号「身近で不思議なタケの生態に迫る!」(成長点の説明)[2]
  • 近畿大学農学部「農LABO」竹の研究(節の数、養分の貯蔵)[3]

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で実際に使った資料だけを載せています。用途は各項目の末尾に記しました。

  1. 林野庁「竹の性質」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take/seisitu.html (1日の伸びの記録、成長期間、伐採期、地下茎の伸び)
  2. 農林水産省『aff』2021年3月号「身近で不思議なタケの生態に迫る!」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2103/spe1_01.html (成長点、節数の例え計算、地下茎の伸び)
  3. 近畿大学農学部「農LABO」竹の研究 https://www.nara.kindai.ac.jp/labo/research/012.php (アコーディオンのような伸び、節数、養分の貯蔵)
  4. 森林総合研究所「自然探訪 モウソウチク」 https://www.ffpri.go.jp/snap/2011/2-mousouchiku.html (高さ、竹林が一体の生きものであること)
  5. 木と生きる.com「竹と木は何が違うの?」 https://kitoikiru.com/2021/08/21/take/ (形成層がなく太らないという説明)

なおした ところ

更新履歴

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