1. くろい えんぴつと、なにが ちがうの?
1. 黒い鉛筆の芯は、黒鉛と粘土でできている
1. 黒鉛の鉛筆の芯 ── 黒鉛と粘土を約1000℃以上で焼く
くろい えんぴつの しんは、こくえんと ねんどで できて います。こくえんは、くろっぽい はいいろの いしの なかまです[1]。
こくえんは、うすい いたが たくさん かさなった ような つくりだと いわれます。いたと いたの あいだが すべりやすいので、かくと なめらかなのです[4]。
こくえんと ねんどを まぜて、たかい おんどで やいて かためます。まぜる わりあいで、Hや Bの かたさが きまります[2]。
でも、こくえんが だせる いろは、くろから はいいろの 1しゅるいだけ。あかや あおは、こくえんでは だせません。
2. いろえんぴつの しんは?
2. 色鉛筆の芯は、粘土を使わず顔料を固めたもの
2. 色鉛筆の芯の材料 ── 顔料・タルク・ロウ・糊、粘土は使わない
いろえんぴつの しんには、ねんどを つかいません。かわりに、いろを だす ための 顔料、かき あじを よくする タルクや ロウ、かためる ための のりなどを つかいます[1]。
がんりょうは、いろの もとに なる こな です。あかい いろえんぴつには あかい、あおい いろえんぴつには あおい いろの もとが はいって います。
たとえるなら、いろの ついた すなを、ロウと のりで かためた ような ものです。ただし ほんとうは、すなでは なく、がんりょうと いう いろの もとです。
色鉛筆の芯は、粘土を使いません。色を出すための顔料、書き味をよくするタルクやロウ、全体を固めるための糊などでできています[1]。日本鉛筆工業協同組合も、粘土を使わず、染料や顔料、タルク、ロウなどを混ぜ合わせると説明しています[2]。2つの団体の説明は、おおむね同じです。
つまり、黒鉛の鉛筆では黒鉛が「黒い色」と「書ける芯」の両方の役目をしているのに対し、色鉛筆では、色を出す材料と、書き味や固めるための材料が、別々に入っています。色を変えたいときは、色のもとを取りかえればよい、ということです。
配合の割合は、メーカーや色で変わります。ある資料には、タルクが半分ほどを占める例が載っていますが、これは一例です[11]。
三菱鉛筆は、色鉛筆の芯を「粘土は使わず、色を出すための顔料、書き味のためのタルクやロウ、固めるための糊などでできている」と説明する[1]。日本鉛筆工業協同組合も同様に、粘土を使わず染料や顔料、タルク、ロウなどを混ぜると述べている[2]。2つの鉛筆業界の資料で一致する。
黒鉛の鉛筆では黒鉛が「色」と「芯の骨格」を兼ねているが、色鉛筆では色材(顔料・染料)と体質材(タルク)、展色剤(ロウ)、糊剤が役割を分けて入っている。二次資料のWikipediaによると、糊剤にはカルボキシメチルセルロース(CMC)などが使われ、金色・銀色には銅やアルミニウムの金属粉が使われる[11]。
配合比は、同じ二次資料の紹介するメーカー説明の一例として、タルク約50%・ロウ約25%・顔料約20%・糊剤約5%とされる。ただし一次資料では確認できず、メーカーや色で変わるため、数字は目安にとどめる。また「すべて顔料」とは限らず、日本鉛筆工業協同組合は染料にも言及している[2]。
3. どうやって かためるの?
3. 焼かずに、50℃で約3日かけて乾かす
3. 製造工程 ── 水で練って押し出し、50℃・平均70時間乾燥
くろい えんぴつの しんは、たかい ひで やきます。いろえんぴつの しんは、やきません[2]。
みずを くわえて まぜて、ほそい しんの かたちに おしだします。20センチぐらいに きって、50ど ほどの かわかす きかいに いれます。
かわかす じかんは、へいきんで 70じかん ほどです[3]。3にち ちかくです。
やかない ので、いろえんぴつの しんは やわらかく なります。
4. いろは どこから くるの?
4. 色は、水に溶けない粒の顔料から
4. 顔料と染料 ── 溶けない着色剤と、発色・耐光性
いろの もとには、顔料と 染料が あります。みずなどに とける ものが せんりょう、とけない ものが がんりょうです[6]。
みつびし えんぴつは、いろえんぴつに がんりょうを つかって います。せんりょうより、いろが きれいに でて、ひかりにも つよいと せつめい して います[7]。
ただし、ぜんぶの いろが つよい わけでは ありません。いろに よっては、あえて ひかりに よわい がんりょうを つかう ことも あります。
5. かさねると、なぜ まざるの?
5. 色の粒を重ねると、目には混ざって見える
5. 混色 ── 色の層を重ねる塗り方と、筆圧・紙の凹凸
あかと きいろの いろえんぴつを かさねて ぬると、だいだいいろに みえます。
サクラクレパスは、「いろの そうを かさねる イメージ」と せつめい して います。かみの うえに ついた ちいさな いろの つぶが、ひとの めには まざった ように みえるのだそうです[9]。
かくとき ちからを よわく すれば うすく、つよく すれば こく なります。ただし つよすぎると、かみが へこんで、つぎの いろが のりにくく なります。
あかるい いろから ぬるのが きほんです。
6. どうして けしにくいの?
6. ロウが紙にしみこむと、消しゴムでは落ちにくい
6. 消しにくさの説明 ── 表面に乗る黒鉛と、しみこむロウ
はじめの なぞに もどります。いろえんぴつが けしにくい わけです。
みつびし えんぴつの ひとの はなしとして、こんな せつめいが しょうかい されて います。こくえんは かみの うえに のるだけ。いろえんぴつは、ロウが とけて かみの なかに しみこむので、けしゴムと なじみにくい、と[10]。
ロウは、いろえんぴつの しんに はいって いる ざいりょうでした。くろい えんぴつには はいって いません。
ちなみに、みずで にじませて えを かく いろえんぴつも あります。ふつうの いろえんぴつは、みずに とけません[11]。
はじめの疑問に戻ります。色鉛筆が消しゴムで消えにくいのはなぜでしょうか。
三菱鉛筆の担当者の話として、QuizKnockがこう紹介しています。黒鉛は紙の表面に乗っているだけなので、消しゴムで取れやすい。色鉛筆はロウが溶けて紙の内部にしみこむので、消しゴムとなじまず、消しにくくなる[10]。ロウは、黒鉛の鉛筆の芯には入っていない材料です。ロウがなぜ溶けるのかまでは、この資料には書かれていません。
つまり、色鉛筆の「消しにくさ」は、芯の材料の差から説明されています。ちなみに水彩色鉛筆は、乳化剤を加えるなどして水に溶けるようにしてあり、水を含ませた筆でにじませることができます。ふつうの色鉛筆は、油性で水に溶けません[11]。
7. ひなたに おくと どうなるの?
7. 色あせには、色や線の濃さで差がある
7. 退色 ── 色ごとの差と、JIS S 6006が定める耐光性の等級
いろえんぴつで かいた えを、ずっと ひなたに おくと、いろが かわる ことが あります。
みつびし えんぴつは、いろや せんの こさで、いろあせの ていどが ちがうと せつめい して います。ちょくせつ ひなたに あて つづけると、すう ねんで べつの いろづかいの えのように なる ことも ある、と かいて あります[7]。
だから えは、ひなたを さけて かざるのが よさそうです。
8. くらべて みよう
8. 2本の鉛筆を、消しゴムで消し比べてみる
8. 消し比べと重ね塗りで確かめる ── 資料の読み方
かみの はしに、くろい えんぴつと、あかい いろえんぴつで、おなじ ながさの せんを かいて みましょう。けしゴムで、おなじ ちからで こすって くらべます。
つぎに、あかと きいろを かさねて ぬって みます。あかるい きいろから ぬります。ちからを よわく、つよく かえて、こさの ちがいも みて みましょう。
いろえんぴつは とがって いるので、ひとに むけない ように します。かみは、かいても いい ものを つかいます。
紙の端に、黒い鉛筆と赤い色鉛筆で、同じ長さの線を書いてみましょう。同じ消しゴムを、同じくらいの力で当てて、消え方をくらべます。
次に、黄色を先に、赤を重ねて塗ってみます。筆圧を弱いものから強いものまで変えて、同じ場所でも濃さがどう変わるかを見てください。虫めがねがあれば、紙の目に色の粒が入っている様子が見えるかもしれません。
消し比べは、紙や消しゴムによっても結果が変わります。1回の結果だけで決めず、何回か試すのがよさそうです。色鉛筆の先は尖っているので、人に向けたり、振り回したりしないようにしましょう。
紙の端に、黒鉛の鉛筆と色鉛筆で同じ長さの線を引き、同じ消しゴムで同じ力で消し比べる。次に、黄色を先に塗り、その上に赤を重ねて、筆圧を段階的に変える。虫めがねで見ると、色の粒の並び方が見えるかもしれない。消え方は紙や消しゴムでも変わるので、1回で結論を出さず、何回か試す。色鉛筆の先は尖っているので、人に向けない。
資料を読むなら、三菱鉛筆のFAQ(芯の材料[1]、耐光性[7])と、製造工程のページ[3]が短くて読みやすい。混色と筆圧はサクラクレパスの記事[9]、耐光性の等級はJIS[8]にあたる。1908年にファーバーカステルが全60色のポリクロモスを発売したなど歴史の話は、Wikipedia[11]から追いかけられるが、二次資料なので原典で確かめてほしい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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- 三菱鉛筆「FAQ 鉛筆・色鉛筆の材料」。https://www.mpuni.co.jp/customer/pencil/qa_01.html (黒い芯と色鉛筆の芯の材料)
- 日本鉛筆工業協同組合「鉛筆のできるまで」。https://www.jwima.org/pencil/05dekirumade/05dekirumade.html (黒い芯・色鉛筆の芯の材料と、焼かないこと)
- 三菱鉛筆「色えんぴつができるまで」。https://www.mpuni.co.jp/special/tour/c_pencil.html (押し出し・乾燥の工程)
- トンボ鉛筆「鉛筆の芯に使う黒鉛」。https://www.tombow.com/mamechishiki/p12/ (黒鉛の層状構造と色)
- トンボ鉛筆「えんぴつ工場」。https://www.tombow.com/sp/kids/pencil/factory.html (黒い芯を1000℃以上で焼くこと)
- 三菱鉛筆「FAQ 油性と水性、染料と顔料の違い」。https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_33.html (染料と顔料のちがい)
- 三菱鉛筆「FAQ 色鉛筆の耐光性」。https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_179.html (顔料の使用、耐光性、色あせ)
- JIS S 6006:2020「色鉛筆芯」(転載サイト)。https://kikakurui.com/s/S6006-2020-01.html (標準色の数と耐光性の等級)
- サクラクレパス SAKURA PRESS「色鉛筆の塗り方」。https://www.craypas.co.jp/press/feature/009/sa_pre_0191.html (混色・筆圧・塗る順)
- QuizKnock「色鉛筆がきれいに消せないのはなぜ?」。https://web.quizknock.com/colored-pencil (消しにくさの説明。二次的な記事)
- Wikipedia「色鉛筆」。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E9%89%9B%E7%AD%86 (配合例・水彩色鉛筆・歴史。二次資料)
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