1. 星を つなぐのは、だれが はじめたの?
1. 星のならびに名前をつける ── 文明ごとにちがった星座
1. 星座の始まりと文明ごとの多様性 ── 見立ての発想
むかしの 人は、夜空の 星の ならびを 見て、「あれは 動物に 見える」「あれは 道具に 見える」と 考えました。そうして 星の かたまりに 名前を つけました[2]。
この 見立てを した 人たちは、ひとつの 国に かぎりません。国や 時代が ちがえば、つくられた 星座も ちがいました[1]。
雲を 見て「ソフトクリームみたい」と 言う ことが あります。ほかの 人には ちがう ものに 見えるかも しれません。星座の 見立ても 同じです。ただし 雲は すぐ 消えるのに、星の ならびは 何千年も ほとんど かわりません。
2. いちばん 古い しょうこは どこに ある?
2. 粘土板に残った星 ── 紀元前3000年ごろから紀元前1000年ごろ
2. メソポタミアの最古級の証拠とバビロニアの星表 ── 紀元前3000年ごろ〜紀元前1000年ごろ
星座を 見つけた 人が いたと はっきり 言える いちばん 古い しょうこは、紀元前3000年ごろの メソポタミアに あると いわれます[6]。石や 粘土板に ほられた ものです。今から 5000年ほど 前に なります。
その あと、およそ 3000年 前ごろには、星の 名前を 表に した 粘土板が まとめられました[7]。いくつもの 星と 星座が のって いました。
むかしの ほらあなの 絵が 星座だ という 考えも ありますが、科学者に 広く 受け入れられては いません[6]。
星座を見立てていたことを、はっきり示せる最古級の証拠は、紀元前3000年ごろのメソポタミアで、石や粘土板に刻まれたものだとされます[6]。今から5000年ほど前です。旧石器時代の洞窟の絵が星座だという説もありますが、科学者に広く受け入れられているとは言えません[6]。
バビロニアの星の一覧
紀元前12世紀ごろから、バビロニアでは「三つの星ずつ」と呼ばれる文書に、星を三つずつ並べた一覧が作られました。紀元前1000年ごろ、それが MUL.APIN という文書にまとめ直されました。いくつもの星と星座が載っています[7]。
星を眺めるだけでなく、粘土に刻んで、次の世代に渡そうとした人がいたことになります。
3. 星座は、どうやって ギリシャに とどいた?
3. バビロニアからギリシャへ ── 12星座と神話
3. バビロニアの星表のギリシャ伝来と12宮 ── 紀元前5世紀〜紀元前4世紀
紀元前5世紀ごろ、バビロニアでは、太陽や月、惑星の ばしょを、空を 12に わけて 言い表す ように なりました。その 12の くぎりは、のちに、太陽の 通り道に ある 星座と むすびつきました[7]。
そのあと 紀元前4世紀ごろに、バビロニアの 星の 表が ギリシャに 入ります[7]。さそり、しし、おうし。今の 名前の もとは、バビロニアの「さそり」「ライオン」「天の おす牛」だと いわれます[7]。
ギリシャでは、詩人たちが 星座に 神話や むかしばなしを くっつけて いきました[5]。ただし、どの 話を だれが 作ったのかまでは、ここでは 分かりません。
紀元前5世紀ごろ、バビロニアの天文の文書には、太陽・月・惑星の位置を、空を12等分した「宮」で表すやり方が現れます。それぞれの宮に黄道付近の星座が結びつけられ、のちに12に絞られて、エジプトやギリシャに取り入れられました[7]。
紀元前4世紀ごろには、バビロニアの星の一覧がエウドクソスらを通じてギリシャの天文学に入ったとされます。さそり座、しし座、おうし座は、バビロニアの「さそり」「ライオン」「天の雄牛」に由来します[7]。
神話が加わる
メソポタミアの星座は古代ギリシャに伝わり、詩人たちによって神話や伝説と結びつけられていきました[5]。私たちが星座の名前と一緒に思い出す物語の多くは、この段階で加わったものです。
4. 星座は、いくつ あったの?
4. プトレマイオスの48星座と、あとから増えた南の星座
4. プトレマイオスの48星座と『アルマゲスト』、南天星座の追加 ── 2世紀〜1752年
2世紀ごろ、ギリシャの プトレマイオスと いう 人が、それまでの 星座を 48に まとめました[5]。今の 星座と ほとんど 同じ ものです。この まとめ方は、およそ 1500年も つかわれました[5]。
けれども 南の 空の 星座は、ギリシャの 人には ほとんど 見えません。南の 星座は、16世紀ごろからの 大きな 船の 旅の 時代に、あとから 作られました[1]。1752年には、ラカイユと いう 人が 南の 空に 14の 星座を くわえました[6]。
5. 星座は、いつ「88」に 決まったの?
5. 1922年から1930年 ── 88の区画が決まるまで
5. IAUによる88星座の制定と境界の確定 ── 1922年(ローマ)・1928年(ライデン)・1930年
星座は 国や 本に よって、数も 形も ばらばらでした。そこで 1922年、ローマで ひらかれた 国際天文学連合の 総会で、88の 星座の 名前が 決まりました[3]。
そのあと、ベルギーの デルポルトさんが、空を 88に わける 境目を つくりました。その 考えは 1928年に 決まり、1930年に 本に なりました[2][3]。空の 星は、かならず どれか 1つの 星座の 中に 入ります。
国と 国の 境目のように、空にも 境目が 引かれた のです。
6. 「オリオンざの 中」って、どういう 意味?
6. 「〜座の中にある」の本当の意味 ── 形ではなく区画
6. 星座は「星の形」でなく「空の区画」 ── 線の公式規定がない理由
天文学者が「この 星は オリオンざの 中に ある」と 言う ときは、星の 形の 一部だと いう 意味では ありません。決められた 境目の 中に ある、という 意味です[3]。
「山梨県に ある 町」と 言うのに にています。県の 形の 一部という 意味では なく、県の 境目の 内がわ、という 意味です。ただし 夜空には、県の さかいの ような 目じるしは 見えません。
星を どう つなぐか、どんな 絵に するかには 公式の 決まりが ありません[4]。だから 本ごとに 線が すこしずつ ちがう ことが あります。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日 できること
紙に 点を 6つ ほど、てきとうに 打って みましょう。点を 線で つないで、すきな 名前を つけます。人に 見せて、同じ 名前に なるか 聞いても おもしろいです。星座の 線に 公式の 決まりが ないのと 同じで、正しい つなぎ方は ありません。
もっと 知りたい とき
日本にも、日本の 星の 名前が あります。「すばる」は、統星と いう ことばが もとで、首かざりの 玉を 思い うかべて つけられた と いわれます。枕草子にも「星は、すばる」と 書かれて います[9]。国立天文台の 「貴重資料展示室」で 読めます。
夜に 外へ 出るときは、かならず 大人と いっしょに。足もとに 気を つけて ください。
今日できること
紙に点を6つほどでたらめに打ち、線で結んで名前をつけてみましょう。友だちに見せて、同じ形に見えるか聞くのも面白いです。公式な結び方がないのですから、正解はありません。
さらに調べるなら
日本には独自の星の名前があります。「すばる」は、首飾りの玉を連想した「統星(すまる)」という言葉が由来とされ、のち中国から入った二十八宿の「昴宿」から「昴」の字があてられました。枕草子にも「星は、すばる」とあります[9]。国立天文台暦計算室の貴重資料展示室で読めます。
夜に外へ出て星を見るときは、大人と一緒に行き、足もとに気をつけてください。
資料を読むなら
IAUの「The Constellations」(英語)は、88星座と境界の位置づけを短くまとめている[3]。日本語では、国立天文台の解説と天文学辞典が読みやすい[2][1]。MUL.APIN や星表の年代は要約資料に依ったので、気になれば、原典の資料を探してみるとよい。
日本の星の見立て
日本にも独自の星の呼び名(和名)がある。「すばる」は首飾りの玉を連想した「統星(すまる)」に由来するとされ、のち二十八宿の「昴宿」から「昴」の字があてられた。枕草子にも「星は、すばる」とある[9]。
手を動かすなら、紙に点を6つほど打って結び、名前をつけてみるとよい。公式な結び方がないことを、自分の図で確かめられる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の事実の確認に使った資料です。1922〜1930年の経緯は、IAUと国立天文台の記述を主にしました。
- 天文学辞典「星座」 https://astro-dic.jp/constellation/ (星座の起源、北天と南天)
- 国立天文台「88星座と国際天文学連合」 https://www.nao.ac.jp/news/blog/2022/20220809-constellation.html (見立ての始まり、境界の採択と出版)
- IAU "The Constellations" https://www.iau.org/IAU/IAU/Astronomy-FAQs/Constellations.aspx (1922年の合意、境界の意味)
- アストロアーツ 天文の基礎知識「星座」 https://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso05-j.shtml (線の公式な規定がないこと)
- 福岡県青少年科学館「星座の歴史」 http://www.science.pref.fukuoka.jp/tenmon/tenmon_jouhou/2006winter.html (ギリシャの神話、プトレマイオスの48星座)
- Wikipedia "Constellation" https://en.wikipedia.org/wiki/Constellation (最古級の証拠、ラカイユ)
- Wikipedia "Babylonian star catalogues" https://en.wikipedia.org/wiki/Babylonian_star_catalogues (バビロニアの星表、12宮、ギリシャへの伝来)
- Wikipedia "Almagest" https://en.wikipedia.org/wiki/Almagest (アルマゲストの星表)
- 国立天文台暦計算室 貴重資料展示室007「すばる」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/exhibition/007/ (すばるの名前の由来)
なおした ところ
更新履歴
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