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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ちずの 山には、どうして せんが あるの?

地図の等高線はなぜ山の形を教えてくれるのか ── 「同じ高さ」をつなぐ線と、その間隔

等高線の仕組みと読み方 ── 標高の等しい点を結ぶ線、間隔・尾根と谷の形・縮尺別の間隔・成立史

分野:自然

ほんものの 山に、せんは ひいて ありません。でも 地図の 山には、うずまきのような せんが たくさん あります。

この せんを 見るだけで、山が けわしいか なだらかか わかると いわれます。どうして でしょうか。しらべると、さいしょの せんは 山では なく、川の そこの ふかさを あらわす せんだった ようです。

本物の山に線は引かれていません。ところが地図の山には、渦を巻くような線が何本も描かれています。この線は、山の急なところとなだらかなところを、見分けるための手がかりになります。

線は何をつないでいるのか。間が狭いと、なぜ急だとわかるのか。そして、この線の初期の使い方の一つは、実は山ではなく川だったといわれます。仕組み、読み方、縮尺による違い、生まれた経緯を順に見ていきます。

地形図の等高線は、標高の等しい地点を結んだ曲線である[2]。国土地理院によれば、2.5万分1地形図では主曲線が10mごとに引かれる[1]。地面に線があるわけではなく、10mの高さごとに輪切りにした断面を、上から見た形を描いている。

では、線の間隔から何が読めるのか。尾根と谷ではどう曲がるのか。縮尺で間隔はどう変わるのか。そして、等高線と同じ考え方を使った初期の例は、陸地ではなく川底の深さだったとされる。読み方と歴史を、複数の資料を突き合わせて整理する。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. せんは、なにを つないで いるの?

1. 線がつないでいるのは「同じ高さ」の場所

1. 定義 ── 標高の等しい地点を結ぶ曲線

この せんの ことを、等高線と いいます。とうこうせん、と よみます[2]。

1本の せんの 上は、どこも おなじ 高さです。たとえば「海から 100メートル」の せんなら、地図の 上では、その せんは どこも 100メートルの 場所を あらわして います。

そして 高さが すこし ちがう ところに、つぎの せんを ひきます。こうして 山を おなじ 高さごとに きって、上から 見た 形を せんで あらわします。

ただし 本当の 山に せんは ありません。地図の 中だけの きまりです。

等高線とは、地図の上で、標高の等しい地点を結んだ曲線のことです[2]。ほかの百科事典でも、同じ高さの点の集まりでできる線が、一定の間隔で並んだもの、と説明されています[3]。

つまり、地図の上では、1本の線は同じ高さの場所を表します。「海抜100mの線」なら、その上はどこも100mです。

山を、決まった高さごとに水平に切った断面を、真上から見て重ねた形が、地図の等高線です。ただし山に線が引かれているわけではなく、地図をつくるときの約束ごとです。

等高線は、地図上で標高の等しい地点を結んだ曲線で、陸地の高低・起伏を表すために使われる[2]。別の百科でも「同じ高さの点の集まりでできる線が、一定の間隔でつらなったもの」と定義されており、表現は違っても内容は一致する[3]。

地図の上では、1本の線は同じ標高の場所を表す。山を一定の標高差ごとに水平に切った断面を、真上から見て重ねた図と考えるとよい。線は地図の上の表現であり、現地に線が引かれているわけではない。

2. せんが ちかいと、どう なるの?

2. 線の間が狭いところは急な坂

2. 間隔と傾斜 ── 密なところほど急、疎なところほどゆるやか

せんと せんの あいだが せまい ところは、坂が きゅうです。あいだが ひろい ところは、なだらかです[2]。

かいだんで かんがえて みましょう。1だんの 高さは おなじです。でも 1だんの ふみ板が ひろい かいだんは らくで、せまい かいだんは きゅうに なります。

せんは、この 1だんぶんの 高さごとに ひいて あります。ちずの 上で せんが ぎゅっと あつまって いれば、その 山は きゅうな のぼりです。

ただし 本当は、せんと せんの 高さの ちがいは いつも おなじです。かわるのは、ちずの 上の きょりだけです。

等高線どうしが接近しているところは傾斜が急で、間隔が広いところはゆるやかです[2]。英語版の百科事典にも、同じ趣旨の説明があります[4]。

階段にたとえると、1段の高さは同じでも、踏み板が広い階段はゆるやかで、狭い階段は急です。等高線は、この「1段の高さ」ごとに引かれた線にあたります。

注意したいのは、変わるのが地図上の距離であって、線と線の高さの差ではないことです。高さの差は、その地図の中では一定です。

試しに計算してみます。2.5万分1地形図は、地図上の1mmが実際の25mにあたります。等高線の間隔が2mmなら、水平に50m進むあいだに10m上るので、およそ20%の勾配です。間隔が1mmなら25mで10m上るので、およそ40%になります。

等高線が接近しているほど傾斜が急であり、間隔が広いほどゆるやかである[2]。英語版の百科事典にも、close contours は急斜面、distant contours は緩斜面という趣旨の説明がある[4]。ここでいう間隔は、地図上の水平距離であり、線どうしの標高差ではない。標高差は縮尺ごとに一定である。

2.5万分1地形図(主曲線10m)での概算を示す。地図上1mmは実距離25mにあたる。線間隔2mmなら水平に50m進むあいだに10m上るため勾配は10/50=20%(約11度)、1mmなら水平25mで10m上るため10/25=40%(約22度)になる。これは縮尺の定義から著者が計算した値で、資料に書かれた数値ではない。

3. 山の でっぱりと たには、どんな 形?

3. 尾根と谷では、線の曲がり方が逆になる

3. 尾根・谷筋・閉じた輪 ── 等高線の曲がる向きを読む

山には、でっぱった ところと、へこんだ ところが あります。でっぱった 高い すじを おね、水が ながれる へこんだ すじを たにと いいます。

たにでは、せんが 高い ほうへ ぐっと はいりこみます。おねでは ぎゃくに、ひくい ほうへ つきでます[2]。

たにの せんは、アルファベットの Vの 字に にて います。Vの とがった さきは、水が ながれてくる 上の ほうを むきます[4]。

いくつも まるく とじた せんが 中に かさなって いたら、ふつうは 中ほど 高い山です。ただし くぼ地の ときは 中が ひくく、ちずに とくべつな しるしが つきます[4]。

谷筋では、等高線が高いほう、つまり川の上流側へ食い込みます。反対に尾根では、低いほうへ突き出した形になります[2]。

谷にあたる部分の線は、V字のようになります。Vの先は上流を向き、谷の水が流れる線はその先を通ります[4]。尾根はその逆で、先が低いほうを向きます。

丸く閉じた等高線は、ふつうは内側が高く、外側が低い山や丘を表します[4]。「ふつうは」と断るのは、くぼ地のように内側が低い場合もあるからで、その場合は地図に特別な記号がつけられます。

この読み方を覚えると、地図を見て、水がどちらへ流れそうかや、どこが見晴らしのよい尾根かを、およそ想像できます。

谷筋では等高線が上流側(高いほう)に食い込み、尾根では逆に外側(低いほう)へ突き出す[2]。英語版では、谷にあたるV字の鋭い先は谷を指し、谷の水が流れる線がその先を通り、Vの先は上流を向くと説明される[4]。尾根では向きが逆になる。

閉じた輪の等高線は、内側が高く外側が低いのが普通である[4]。「普通」と限定されるのは、くぼ地のように内側が低い例外があるためで、その場合は特別な記号で区別される。

この見方を使うと、等高線だけから水の流れる向きや尾根筋のつながりを推定できる。上の説明は百科事典の記述による。

4. ちずの 大きさで、せんの 間は かわるの?

4. 縮尺で、線を引く高さの間隔は変わる

4. 縮尺別の間隔 ── 主曲線・計曲線・補助曲線

かわります。国土地理院が しめして いる 数を 見て みましょう[1]。

  • よく つかう 2万5千分の1の 地図は、10メートルごと
  • 5万分の1の 地図は、20メートルごと
  • 20万分の1の 地図は、100メートルごと

ひろい はんいを 小さな 紙に かくと、せんを 10メートルごとに ひいたら まっ黒に なって しまいます。だから 大きな 地図ほど こまかく、小さな 地図ほど あらく ひきます。

そのうえ、5本ごとに 太い せんが あります。10メートルごとの 地図なら、太い せんは 50メートルごとです。5×10で たしかめられます。

国土地理院によると、標準の線(主曲線)の間隔は縮尺ごとに決まっています[1]。

  • 2.5千分1国土基本図は2m
  • 5千分1は5m
  • 1万分1地形図は4m(平坦地は2m)
  • 2.5万分1地形図は10m
  • 5万分1地形図は20m
  • 20万分1地勢図は100m
  • 50万分1地方図は200m

等高線の間隔は、縮尺ごとに定められています。土地の起伏と傾斜も考えて決められるといわれます[2]。

市街地のような平らなところでは、補助曲線が使われます。2.5万分1では、5mまたは2.5mごとです[1]。また、主曲線5本ごとに太い計曲線を引いて読みやすくします。2.5万分1なら10m×5=50mごとの太い線です[3]。

国土地理院のFAQによると、主曲線の間隔は縮尺で異なる。2.5千分1国土基本図2m、5千分1同5m、1万分1地形図4m(平坦地2m)、2.5万分1地形図10m、5万分1地形図20m、20万分1地勢図100m、50万分1地方図200mである[1]。間隔は縮尺と土地の起伏・傾斜から定められる[2]。

平坦な市街地などでは補助曲線を用い、2.5万分1地形図では5mまたは2.5mごとに引く[1]。等高線は主曲線・計曲線・第一次補助曲線・第二次補助曲線の4種類があり、主曲線5本ごとに太い計曲線を引く。2.5万分1では主曲線10m・計曲線50mで、10m×5=50mと整合する[3]。計曲線の詳細は百科事典の記述による。

5. さいしょに せんを ひいた 人は?

5. 初期の例は、川底の深さを表す等深線だった

5. 成立史 ── 等深線から陸地の等高線へ

等高線を つかって ちけいを あらわす 考えは、300年ほど まえの 1700年代に ひろまったと いわれます[4]。

むかしの れいの ひとつとして よく あげられるのが、オランダの クルキウスです。1720年代の おわりから 1730年ごろに、メルウェデ川の そこの ふかさを、せんで あらわした 地図を つくったと いわれます[5]。年は 本に よって 少し ちがいます。

山ではなく 川の そこの ふかさを あらわす せんも、はじめのころの れいの ひとつです。それから 1791年には、フランスで 20メートルごとの せんを つかった 地図が できたと いわれます[4]。

等高線で地形を表す考えは、18世紀に広まったといわれます[4]。

初期の例の一つとされるのが、オランダのクルキウスが作った、メルウェデ川の川底の深さを表す地図です。同じ深さの場所を結んだ線、つまり等深線で描かれました。作られた年は資料によって1727年、1729年、1730年ごろと分かれるため、1720年代後半から1730年ごろと幅をもたせて書きます[5]。

陸地の起伏を等高線で表す案は、フランスのデュ・カルラが1771年に科学アカデミーへ出したとされ、1791年にデュパン=トリエルが20m間隔の等高線でフランスの地図を作りました。ただし1771年は提出時期とされる説で、断定はされていません[4]。

水面の高さを考える発想が、そのまま陸の高さにも使われたわけです。

等高線で地形を表す考え方は18世紀に広まった[4]。オランダのクルキウス(Nicolaas Kruik)が、メルウェデ川の川底の深さを等深線で表した地図が、等深線を使った初期の例の一つとされる[5]。制作年は1727年・1729年・1730年ごろと資料で割れ、ここでは1720年代後半〜1730年ごろと幅で示す。

陸地の起伏への応用は、デュ・カルラが1771年に科学アカデミーへ案を出したとされ(提出時期には異説がある)、1791年にデュパン=トリエル(J. L. Dupain-Triel)が20m間隔の等高線でフランス全図を作った[4]。これらは英語版百科事典の記述が中心で、一次の歴史文献は未確認である。

日本の等高線入り全国地形図の歴史は、ここでは扱わない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

家の 近くの 地図を ひらいて、せんが あつまって いる ところを さがして みましょう。そこが きゅうな 坂です。じっさいの 道と くらべて、にて いるか たしかめて みましょう。

公式の じょうほう

国土地理院の ホームページに、等高線の 間の ひろさに ついての せつめいが あります[1]。

今日できること

家にある地形図や地図帳で、家の近くの等高線が混んでいる場所と、間隔が広い場所を探してみてください。実際に歩いたり自転車で走ったりしたことのある坂と比べると、線の混み具合と坂の感じが合っているか確かめられます。

公式情報

国土地理院のよくある質問(FAQ)に、縮尺ごとの等高線間隔の一覧があります[1]。

今日できること

住んでいる地域の2.5万分1地形図で、等高線の混み具合の違う2か所を選び、実際の坂の感覚と比べてみる。可能なら、間隔をmmで測って、上の概算式で勾配を出し、勾配標識があればそれや、実感と照らすとよい。

資料を読むなら

国土地理院のFAQ「地図の等高線間隔」が、縮尺別の間隔の一次資料である[1]。歴史は英語版の Contour line と Nicolaas Kruik の項に手がかりがあるが、一次文献に当たる場合は、その参考文献欄から探す。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った事実の確認先です。地図の間隔の数字は国土地理院の一次資料、そのほかは百科事典の記述にもとづきます。

  1. 国土地理院「よくある質問 Q3.3 地図の等高線間隔」 https://www.gsi.go.jp/kohokocho/FAQ3.html (縮尺別の主曲線間隔、補助曲線)
  2. デジタル大辞泉・日本大百科全書「等高線」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/等高線 (定義、間隔と傾斜、尾根と谷の形)
  3. Wikipedia「等高線」 https://ja.wikipedia.org/wiki/等高線 (定義の別表現、計曲線)
  4. Wikipedia "Contour line" https://en.wikipedia.org/wiki/Contour_line (V字と閉じた輪、歴史)
  5. Wikipedia "Nicolaas Kruik" https://en.wikipedia.org/wiki/Nicolaas_Kruik (川底の深さの地図)

なおした ところ

更新履歴

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