万年筆は どうして 字が 書けるの?

万年筆はなぜ書けるのか

万年筆はなぜ書けるのか ── 毛細管現象と、空気の入れかえ

分野:技術

えんぴつは、しんが 紙で けずれて、その こなが つくから 字に なります。 ボールペンは、先の 小さな 玉が 回って、インクを ぬりつけます。

では、万年筆は どうでしょう。

万年筆は、紙に そっと つけるだけで 字が 書けます。 ぐっと 力を 入れなくても いいのです。

それなのに、かばんに 入れて もち歩いても、 インクは ふつう ぽたぽた 落ちて きません。

出て ほしい ときだけ 出て、 出て ほしくない ときは 出ない。 どうやって いるのでしょう。

えんぴつは、しんが紙にけずられて、その粉が残ることで字になります。 ボールペンは、ペン先の小さな玉が転がって、ねばりのあるインクを紙になすりつけます。 どちらも「押しつける力」が必要です。

ところが万年筆は、紙にそっと触れさせるだけで線が引けます。 力を入れる必要がありません。

それなのに、キャップを閉めてかばんに入れて持ち歩いても、 ふつうはインクがぽたぽた落ちてきません。

出てほしいときだけ出て、出てほしくないときは出ない。 これはよく考えると、なかなか難しい注文です。 万年筆は、それをどうやって実現しているのでしょうか。

鉛筆は黒鉛と粘土の芯が紙に削り取られて字になり、 ボールペンは先端のボールが回転して粘度の高いインクを転写します。 どちらも、筆記には一定の筆圧が要ります。

万年筆はそこが違います。紙に触れさせるだけで線が引ける。 ほとんど筆圧を必要としません。

にもかかわらず、キャップを閉じて持ち歩くくらいでは、 ふつうインクが流れ出すことはない。

必要なときだけ出て、不要なときは止まる。 しかも動力もスイッチもなく、部品はほとんど動きません。 この記事は、その静かな仕掛けを分解してみたメモです。

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1. えんぴつ、ボールペン、万年筆

1. 3つの筆記具は、まったく別のことをしている

1. 削る・転がす・流す ── 筆記具の3つの原理

字を 書く どうぐを、3つ ならべて みましょう。

  • えんぴつ……しんが 紙で けずれて、こなが のこる。
  • ボールペン……先の 玉が 回って、インクを ぬる。
  • 万年筆……インクが 紙に すいこまれる

さいごの 万年筆だけ、ちょっと ちがいます。

えんぴつも ボールペンも、 ぐっと 力を 入れないと 書けません。

でも 万年筆は、そっと つけるだけです。

紙が インクを すって くれるからです。

ティッシュの はしを 水に つけると、 水が すーっと 上がって いきますね。 あれと 同じ ことが、紙の 上で 起きて います。

つまり 万年筆は、 紙に 手つだって もらって 書いて いるのです。

まず、3つの筆記具をならべてみます。同じ「字を書く道具」でも、やっていることは別々です。

3つの筆記具のちがい
道具どうやって字になるか必要な力
えんぴつしんが紙にけずられ、粉が繊維に引っかかるけずるための力がいる
ボールペン先端の玉が転がり、ねばいインクをなすりつける玉を回すための力がいる
万年筆紙がインクを吸い取るほとんどいらない

紙が引っぱっている

万年筆だけ、書き手が「押しこむ」のではありません。 紙のほうがインクを引っぱり出しているのです。

ティッシュの端を水につけると、水がすーっと上がっていきます。 紙は細い繊維の集まりで、そのすきまが水を吸い上げる。 あれとまったく同じことが、ペン先と紙のあいだで起きています。

だから万年筆は、力を入れると逆に書きにくくなります。 ペン先が開いてしまい、線が太くなったり、紙を引っかいたりする。

力を抜くほどうまくいく道具というのは、なかなか珍しい。 万年筆が「疲れにくい」と言われるのは、この性質のためです。

では、力を使わないなら、何がインクを運んでいるのでしょう。

筆記具は、字を残す原理でおおまかに3つに分けられます。

筆記原理の比較
種類原理筆圧インクの性質
鉛筆黒鉛の芯が紙に削られ、粒子が繊維に付着する(削る)必要―(固体)
ボールペン先端のボールが回転し、粘度の高いインクを転写する(転がす)必要粘度が高い
万年筆紙の繊維の毛細管現象がインクを引き出す(流す)[3]ほぼ不要粘度が低い

「押す」ではなく「引かれる」

決定的な違いは、インクを動かしている主体です。

鉛筆とボールペンでは、書き手の力が直接インク(または芯)を紙に移します。 万年筆では、書き手はペン先を紙に接触させるだけで、 実際にインクを引き出しているのは紙のほうです。

紙はセルロース繊維が絡み合った多孔質の材料で、 その微細なすきまが液体を吸い上げます。 ペン先が紙に触れた瞬間、この吸い上げがインクの供給を要求し、 ペンの内部からインクが引き出されます[3]

筆圧をかけると悪くなる

この原理から、実用上の性質が導かれます。

  • 強い筆圧は要らない。供給の主役は紙の吸い上げなので、押しても大きくは増えない
  • むしろ悪くなる。強く押すとペン先が開き、線幅が乱れ、先端の摩耗も進む
  • 紙の質が線を左右する。吸い上げが強すぎる紙ではにじみ、弱い紙では乾きにくい

道具の側が仕事の大半を引き受けている、という点で、 万年筆は受け身の設計です。 では、その受け身のペンの内部で、インクは何に運ばれているのか。

2. 細い すきまを、水は のぼる

2. 細ければ細いほど、液体はのぼっていく

2. 毛細管現象 ── 細いほど強い、という不思議

コップの 水は、じっと して います。 ひとりでに 上に 行ったり しません。

でも、水に ティッシュを つけると、上がって いきます。

すごく 細い ストローを 立てても、 中の 水は 少し 上がります。

これは、ほそい すきまほど、 水を 強く すいあげるからです。

ふしぎですね。 細い ほうが 弱そうなのに、ぎゃくなのです。

万年筆は、この しくみを つかって います。

ペンの 中には、目に 見えない くらい 細い みぞが あります。 その みぞが、インクを ペン先まで はこんで くれます。

くみあげる きかいも、 おす バネも いりません。 まずは 細い みぞが ある。それが 大じな ところです。

(ただし、ずっと 書きつづける ためには、 空気の 通り道も いります。つぎの 章で 出て きます。)

コップに入れた水は、自分から上には行きません。重さで下に落ちるだけです。

ところが、細いすきまでは話が変わります。

  • ティッシュの端を水につけると、水が上がっていく
  • タオルの端が洗面器に落ちていると、いつのまにか全体がぬれている
  • ろうそくの糸は、下のとけたろうを上まで運んでいる

これを もうさいかんげんしょう(毛細管現象)といいます。 液体が、細いすきまの中を自分でのぼっていく現象です。

細いほど強い

面白いのは、すきまが細いほど、のぼる高さが高くなることです。 太い管では少ししか上がらず、髪の毛ほどの管では驚くほど上がります。

「細い=弱い」と思いがちですが、ここでは逆になります。

万年筆の中にあるもの

万年筆は、この現象をそのまま使っています。

ペンの中には、目に見えないほど細い があります。 インクはその溝を通って、タンクからペン先まで運ばれます[1]

動くものはありません。ポンプもバネもモーターもない。 細い溝を彫っただけで、インクは勝手に先端まで来ます。 (もっとも、書き続けるには空気の道も必要です。次の章で出てきます。)

しかも溝は、たいへん細く作られています[2]。 細いほど引く力が強いので、インクは先端へ引かれ続けるわけです。

静止した水は自らのぼりません。にもかかわらず、 細い管やすきまの中では、液体が重力に逆らって上昇します。 これが 毛細管現象 です。

なぜ起きるのか

関わっているのは2つの力です。

  • 付着力:液体が固体の壁に引きつけられる力
  • 凝集力:液体の分子どうしが引きあう力(表面張力のもと)

壁に引かれた液体が壁を這い上がると、表面張力によって、 残りの液体もそれに引っぱり上げられます。 管が細いほど、持ち上げる液体の量に対して 壁と接する面積の割合が大きくなるため、細い管ほど高く上がります

設計に使うということ

万年筆は、この現象を装置として利用しています。

ペン芯には インク溝 と呼ばれる細い溝があり、 インクタンクからペン先の先端までインクを導きます[1]。 この溝は毛細管現象がはたらく細さに作られています[2]

注目したいのは、この機構に可動部がないことです。

  • ポンプもバネもモーターもない
  • 電源もいらない
  • こすれて減る動きがない(紙に当たるペンポイントは、少しずつ摩耗します)

形を与えるだけで、物理法則に仕事をさせている水道の記事で見た「高い場所に水をためて重力で送る」のと、 発想は同じです。動かすものを増やさず、はたらく力のほうを利用する。

ただし、毛細管現象だけでは万年筆は成り立ちません。 ここに、もうひとつ厄介な問題があります。

3. インクが 出ると、空気が 入る

3. インクが出た分だけ、空気を入れなければならない

3. ペン芯 ── 気液交換という発明

ここで、じっけんを 思いだして ください。

水を 入れた ペットボトルを さかさに すると、 水は すーっとは 出ません。 「ごぽっ、ごぽっ」と、つまりながら 出て きます。

なぜでしょう。

水が 出た ぶんだけ、 中に 空気が 入らないと いけないからです。

出口が ひとつしか ないので、 水と 空気が 同じ ところで じゅんばんこに なる。 それで ごぽごぽ するのです。

万年筆でも 同じ ことが 起きます。

そこで 万年筆には、 インクの みちと、 空気の みちを、 べつべつに 作って あります。

インクは 下へ、空気は 上へ。 ぶつからずに すれちがえるので、 ごぽごぽ しないで、すーっと 出つづけます。

この みちが ならんだ ぶひんを ペンしんと いいます。

万年筆で いちばん かしこい ところは、 じつは ここです。

毛細管現象があれば、インクはペン先まで行きます。 でも、それだけでは書き続けられません。理由を、身近な実験で確かめられます。

ペットボトルを逆さにすると

水を入れたペットボトルを逆さにすると、水は「ごぽっ、ごぽっ」とつまりながら出てきます。 すーっとは出ません。

水が出ていくと、ボトルの中がすきまだらけになろうとします。 けれど、まわりの空気がそれを許しません。 出た分だけ、空気が入らないといけないのです。

ところが出口はひとつ。水と空気が同じ穴を取りあうので、 交互になって、ごぽごぽします。

万年筆はどうしたか

万年筆でもまったく同じ問題が起きます。 インクタンクからインクが出れば、その分の空気を入れなければならない。

そこで万年筆は、道を分けました

ペン芯にある3つの溝
溝の名前役目
インク溝インクをタンクからペン先へ運ぶ[1]
空気溝外の空気をタンクへ送りこむ[1]
クシ溝あふれそうなインクを一時的にためておく[1]

この3つの溝が並んだ部品を ペン芯 といいます。 ペン先を外すと見える、細かい筋の入った黒い部品です。

インクは下へ、空気は上へ。 道が別なので、ぶつからずにすれちがえます。 だから、ごぽごぽせずに、なめらかに出つづけるのです。

ここがいちばん賢い

万年筆というと、みんなペン先の話をします。金かどうか、太さはどうか。

けれど、書き味を左右しているのは、ペン先だけではありません。 インクが多すぎればにじみ、少なすぎればかすれる。 そのちょうどよさを保っているのが、この地味な黒い部品です。

毛細管現象だけでは、万年筆は連続して書けません。 そこに気圧の問題があるからです。

閉じた容器から液体は出ない

インクタンクからインクが出ると、内部の圧力が下がります。 外の大気圧が高いままなので、その差が液体の流出を押し止めます。

つまり、出た体積と同じだけの空気を、タンクに入れてやらなければならない。 ペットボトルを逆さにしたときの「ごぽごぽ」は、 ひとつの開口部を液体と空気が奪いあっている状態です[1]

ペン芯の解決

万年筆はこれを、経路を分離することで解いています。 その部品が ペン芯 です。

ペン芯の構造と機能
構造機能効果
インク溝タンクからペンポイントへインクを導く[1]毛細管現象がはたらく細さで、先端へ引き続ける[2]
空気溝流出した体積分の空気をタンクへ導入する[1]圧力差を解消し、流れを連続させる
クシ溝(フィン)余剰インクを一時的に保持する[1][3]温度・気圧の変化による膨張を吸収する

インクは下向き、空気は上向き。経路が別なので同時に通行でき、 流れが途切れません。この液体と気体の入れかえを 気液交換 と呼びます。

ペン芯は「調整器」である

ペン芯の本質は、インクの通り道であること以上に、 流量を一定に保つ調整器である点にあります。

  • 多すぎれば、にじみ、裏抜けし、線が乱れる
  • 少なすぎれば、かすれ、書き出しで出ない
  • 温度が上がればインクは膨張し、気圧が下がっても押し出される

この変動を吸収するのがクシ溝です。 細かいひだの一枚一枚が小さな貯留室になっていて、 あふれる分をいったん受け止め、必要になれば戻す。

水道の配水池が 「作る量と使う量の差を貯留で吸収していた」のと、役割が同じです。 流れを安定させたければ、途中に緩衝をつくる。 分野が違っても、たどりつく解は似ています。

ちなみに現在のペン芯の多くは樹脂の射出成形で作られており、 細かい溝の形をそろえて量産できるようになっています[3]。 この精度が、書き味の安定を支えています。

4. ペン先には ひみつが ある

4. ペン先には、切れ目と穴と、かたい玉がある

4. ペン先 ── 切り割り、通気孔、ペンポイント

こんどは ペン先を 見て みましょう。

まん中に、たてに 切れ目が 入って います。 その 切れ目の おくには、小さな あなが あいて います。

切れ目は、インクの 通り道です。 ここを 通って、インクは 先まで 行きます。

そして、この 切れ目は 少しだけ 開きます。

そっと 書けば、ほそい 線。 少し 力を 入れると、開いて ふとい 線。 おなじ ペンで、線の ふとさが かわるのです。

もうひとつ、先の さきっぽを 見て ください。

小さな が くっついて います。

じつは これ、金では ありません。 もっと ずっと かたい ものを、 わざわざ くっつけて あるのです。

なぜだと 思いますか。

金は やわらかいので、 紙で こすれて すぐ すりへって しまうからです。

しなる ところは やわらかく、 あたる ところは かたく。 そう 作り分けて あるのですね。

今度はペン先を、近くで見てみましょう。3つの工夫が見つかります。

① まん中の切れ目

ペン先には、まん中に縦の切れ目が入っています。切り割りといいます。 これがインクの最後の通り道です。

そして、この切れ目はわずかに開きます。

  • そっと書く → 開かない → 細い線
  • 力を入れる → すきまが広がる → インクが増えて太い線

同じペンで線の太さが変わる。 とくにやわらかいペン先で出やすい特徴で、 万年筆で書いた字に表情が出るのは、これが理由です。

② 切れ目の根元の穴

切れ目をたどっていくと、丸い穴が開いています。 ハート形のものもあるのでハート穴と呼ばれます。

この穴には役目があります。切れ目の先端だけに力が集中すると、 そこから裂けてしまう。穴で終わらせておけば、力が一点に集まりません。 インクや空気の流れにも関わると説明されることがありますが、 メーカーの解説では、弾力や力の逃がし方から説明されるのがふつうです。

③ 先端の、かたい玉

いちばん先を見ると、小さな玉がくっついています。ペンポイントです。

これは金ではありません。 イリジウムやオスミウムという、とても硬い金属の粉を混ぜ、 瞬間的に高い熱を加えて、溶けたときの表面張力で丸めた玉です[3]

なぜわざわざ別の金属をつけるのか。 金はやわらかく、摩耗に弱いからです[3]。 紙は見た目よりざらざらしていて、金のままではすぐにすり減ってしまいます。

つまりペン先は、 しなるところはやわらかく、紙に当たるところは硬く、 役割で材料を分けて作られています。

ちなみに、金が使われるのは高級だからではありません。 インクの酸で錆びにくく、ほどよい弾力が出るからです[3]

ペン先(ニブ)は、小さな金属板に見えて、機能が3つ仕込まれています。

切り割り ── 可変の流路

中央の縦のスリットを 切り割り といいます。 ペン芯から来たインクは、最終的にここを毛細管現象で流れて紙に達します。

重要なのは、この幅が固定ではないことです。 筆圧をかけるとペン先の二又がわずかに開き、流路が広がってインク量が増えます。

  • 軽い筆圧 → 細い線
  • 強い筆圧 → 線幅が増す

入力の強さが出力に反映されるという点で、 万年筆は、書き手の力の入れ方が線に出やすい筆記具だと言えます。 止め・はね・はらいで線に濃淡が出るのはこのためで、 筆に近いところのある金属ペンだ、という見方もできます。

通気孔(ハート穴)── 応力の逃がし

多くのペン先では、切り割りの根元に丸い穴があります。ハート形のものが多く、 ハート穴とも呼ばれます。役割は2つ。

  • 応力集中の回避:切り欠きの先端には力が集中しやすい。 穴で終端させることで、繰り返しのたわみによる亀裂を防ぐ
  • 流れに関わるという説明もある:ただしメーカーの解説では、 弾力や応力の面から説明されることが多い

切れ目の先を丸い穴で終わらせるという処理は、 機械や構造物の設計でも広く使われる考え方です。

ペンポイント ── 硬さを別部品で持たせる

先端の小さな球体が ペンポイント です。 イリジウムやオスミウムを含む白金族系の合金粉末に瞬間的に高熱を加え、 溶融時の表面張力で球状に丸めたものを、ペン先に接合しています[3]

なぜ本体と別材料なのか。要求される性質が正反対だからです。

ペン先の材料の使い分け
部位求められる性質材料
ペン先本体弾力があり、インクの酸に対する耐食性がある金合金(14金・18金など)[3]
ペンポイント紙との摩擦に耐える硬さ白金族系の硬質合金[3]

金が使われる主な機能的理由は、 インクの酸に強く、筆記に適した弾力が得られることです[3]。 純金は柔らかすぎるので、銀や銅を加えた合金にして硬さを調整します。 14金は金の割合がおよそ58%、18金はおよそ75%で、 一般に金の割合が高いほど柔らかくなりやすいとされますが、 書き味はペン先の形状や合金の設計にも左右されます。

ひとつの部品に矛盾する性質を求めず、部位ごとに材料を分ける。 ペン先は、その考え方が数センチのなかに凝縮された部品です。

5. インクは どうやって 入れるの?

5. インクの入れ方は、3とおりある

5. インクの補給方式 ── カートリッジ・コンバーター・吸入式

万年筆の インクは、なくなったら 入れます。 すてません。

入れ方は、だいたい 3つ あります。

  • 入れものを さしこむ……インクの 入った 小さな つつを、 ペンの おしりに さすだけ。かんたんです。
  • すいこむ どうぐを つける……つつの かわりに、 すいこむ ぶひんを つけます。 すると、びんの インクを 使えます。
  • ペンごと すいこむ……ペンの おしりを 回すと、 中の ものが 動いて、インクを すいあげます。

びんの インクを 使うと、いい ことが あります。

色を えらべるのです。

青、青むらさき、みどり、こげ茶。 なん十しゅるいも あります。

日本の 会社は、 きせつの 色や、まちの 色を つけた インクを 作って います。

えんぴつでは できない あそび方ですね。

万年筆は、インクがなくなっても捨てません。入れて、また使います。 長く使える筆記具、という意味あいでそう呼ばれています。

入れ方は、大きく3つあります。

インクの入れ方
やり方どうするいいところ/気をつけること
カートリッジインク入りの小さな筒を差しこむ手が汚れない/色は売っているものだけ
コンバーター吸入用の部品を差し、瓶から吸う好きな色が使える/少し手間
吸入式ペンのおしりを回して、本体に直接吸いこむたくさん入る/洗うのが大変

色を選べる、という自由

瓶のインクを使うと、色を自分で選べます。 青、青むらさき、緑、こげ茶、灰色。何十種類もあります。

日本のメーカーは、季節や土地の名前をつけたインクをいくつも作っています。 同じ文章でも、インクの色が変わるとまったく別の顔になる。 道具の色を自分で決められる筆記具は、そう多くありません。

使い捨てないという設計

カートリッジ式の万年筆は、日本のメーカーが早くから手がけてきました。 セーラー万年筆は、昭和29年(1954年)にカートリッジ万年筆を開発し、 特許を取っています[5]

ただし、カートリッジになっても本体は捨てません。 減るのはインクだけで、ペンは何十年も使われます。 修理して使い続けられる筆記具は、いまではめずらしい部類です。

万年筆は消耗品ではなく、インクを補給して使い続ける前提の道具です。 補給方式は主に3種類あります。

補給方式の比較
方式しくみ利点制約
カートリッジインクを封入した交換式の筒を装着する手が汚れない。携行しやすい使える色が製品ラインナップに限られる
コンバーター吸入機構を持つ部品を装着し、瓶から吸い上げる瓶のインクを自由に選べる容量が小さい。手入れが要る
吸入式ピストンなどで本体に直接吸入する容量が大きい分解しにくく、洗浄に手間がかかる

日本のメーカーとカートリッジ

瓶からインクを吸う作業は、こぼす、手が汚れる、外出先で補給しにくい、という弱点がありました。 カートリッジ式はそれを解決した方式です。 この方式そのものは海外でも早くから試みられており、 日本だけの発明ではありません。

セーラー万年筆は、1954年(昭和29年)にカートリッジ万年筆を開発し、 特許を取得したとしています[5]。 日本のメーカーがこの分野で早くから動いていたことが分かります。

インクの色という文化

瓶インクを使えることは、単なる補給手段の違いを超えた意味を持ちます。 色を自分で選べるからです。

日本のメーカーや専門店は、季節や地名にちなんだ色を多数展開しており、 色を集めること自体が趣味として成立しています。

ただし注意も要ります。

  • 顔料インクや古典インクは、放置すると詰まりや腐食の原因になりうる
  • メーカーは自社インクの使用を前提に設計している
  • 長く使わないときは、洗って乾かしておくほうが安全

自由度が高い道具は、そのぶん手入れを前提にしている、ということでもあります。

6. 万年筆は どうやって できたの?

6. 「もれない」までが、いちばん長かった

6. 1884年 ── 実用に耐える万年筆が生まれるまで

むかしの 人は、インクの びんに ペンを つけて、 字を 書いて いました。

少し 書いては、また つける。 その くりかえしです。

「ペンの 中に インクを 入れて おけば いいのに」。

そう 思った 人は、ずっと 前から 大ぜい いました。

でも、なかなか うまく いきません。

もれて しまうからです。

手が まっ黒に なる。かばんが よごれる。 それでは 使えません。

1884年、アメリカの ウォーターマンと いう 人が、 もれにくい しくみで 特許とっきょを とりました[4]

思いつくのは かんたん。 でも、ちゃんと 動く ものに するのが 大へんだったのですね。

昔の人は、インクの瓶にペン先をひたして書いていました。 少し書いては、また浸す。つけペンといいます。

「軸の中にインクを入れておけばいい」という発想自体は、ずっと前からありました。 古くから、そうした試作が繰り返されてきたと言われます。

ところが、これがなかなかうまくいきませんでした。

敵は「もれ」だった

問題は、インクがもれることでした。

ここまで読んできた人なら、理由が分かるはずです。 インクを出すには空気を入れなければならない。 けれど空気の通り道を作れば、そこからインクも出てしまう。

出したいときに出て、出したくないときは止まる。 この両立が、どうしてもできなかったのです。

1884年の特許

この問題に答えを出したのが、アメリカのルイス・エドソン・ウォーターマンでした。 1883年に出願し、1884年2月に特許を取得しています[4]。 毛細管現象を利用して、インクと空気の流れを整理した設計でした。

ここで、ひとつ注意しておきたい話があります。

ウォーターマンについては、 「商談中に万年筆がインクをもらして契約を逃し、それで発明を思い立った」 という話がよく紹介されます。

ただし、この逸話が事実かどうかは確かめられていません。 出典がはっきりしない、とする指摘もあります。 この記事では「よく語られている話」として紹介するにとどめ、 事実として書くことはしません。

発明の物語には、あとから作られた「きっかけの話」がつきものです。 そのほうが覚えやすく、語りやすいからです。 面白い話ほど、いったん立ち止まって確かめるほうがいい。

万年筆以前の筆記は、つけペンが主流でした。 インク瓶にペン先を浸し、書いては浸す。携行性にも連続性にも欠けます。

「軸にインクを内蔵する」という着想自体は古く、 何世紀も前から試作の記録があります。 しかし長らく実用になりませんでした。理由は一貫しています。

本質的な難しさ

3章で見たとおり、インクを流出させるには同体積の空気を導入する必要があります。 ところが空気の経路を設ければ、そこはインクの漏出経路にもなります。

両立させなければならない条件
求められることそのために必要なこと副作用
書いているあいだは流れ続ける空気の導入路が要るそこからインクが漏れうる
持ち歩いても漏れない密閉に近づけるインクが出なくなる

相反する2条件を同時に満たすという設計問題であり、 思いつきでは越えられない壁でした。

1884年の特許

この問題に実用的な解を与えたのが、 アメリカのルイス・エドソン・ウォーターマンです。 1883年に出願、1884年2月に特許を取得しました[4]。 毛細管現象を用いてインクと空気の流れを分離・整理する構造で、 以後の万年筆の基本形になりました。

逸話の扱いについて

ウォーターマンには、 「商談中にペンがインクをもらし、契約を失った経験から発明を志した」 という有名な逸話があります。

この記事では、これを事実としては扱いません。 広く紹介されている一方で、確かな一次資料に基づく話なのかが確認できないためです。 後年の宣伝の中で整えられた物語である可能性も指摘されています。

確かなのは、特許の年月と、その構造が実用性の水準を越えたという結果のほうです。

技術史には、こうした「起源の物語」が数多くあります。 印象に残りやすく、語り継がれやすいからです。 広く知られていることと、確かめられていることは別である、 という例として覚えておくとよさそうです。

7. 日本の 万年筆は、みなと町から

7. いまの大手メーカーは、呉と日本橋から始まった

7. 日本の万年筆産業 ── 1911年の呉、1918年の日本橋

日本の 万年筆は、いつ 生まれたのでしょう。

はじまりは、 広島ひろしまけんの くれと いう みなと町でした。

そこに、阪田久五郎さかたきゅうごろうと いう 人が いました。

ある 日、友だちから 外国の 万年筆を もらいます。 そして、とても おどろきました。

「はじめて 万年筆を 見た ときの 心の ときめきは、 ことばに できないほどだった」

そう 言って います[5]

1911年、その 人は 万年筆を 作りはじめました[5]

会社の 名前は「セーラー」。 水へいと いう いみです。

えらい 人 ひとりより、 たくさんの 水へいの ほうが 大事だ。 そういう 気もちを 名前に 入れたそうです[5]

ものを 作る 話なのに、 どんな 気もちで 作るかまで 名前に して いるのが おもしろいですね。

日本の万年筆づくりは、どこから始まったのでしょう。

1911年、呉

始まりは、広島県呉市です。当時の呉は、海軍の基地がある港町でした。

そこに 阪田久五郎 という人がいました。 日露戦争のあと、友人からもらった万年筆に感動します。

「万年筆というものを生まれて初めて見た時の心のときめきは、 言葉で言い表せないほどだった」と、本人が語っています[5]

1911年(明治44年)、彼は呉に阪田製作所を創業します。 そして、日本で初めて純国産の14金ペン先を作りました[5]

「セーラー」という名前

会社の名前は セーラー。英語で「水兵」です。港町らしい名前ですが、 込められた意味が面白い。

いつか船で海外に輸出したいという願いと、 「ひとりの提督より、多くの水兵が大切だ」という考えを 名前にしたのだそうです[5]

道具を作る会社が、その姿勢まで名前にしている。 100年以上たっても社名が残っているのを見ると、 この選び方は当たりだったのだろうと思います。

1918年、日本橋

もうひとつの流れが、東京から始まります。

並木良輔 は、1916年に万年筆用の純国産14金ペンを完成させ、 1918年、和田正雄 の協力を得て並木製作所を作りました[6]。 この会社が、のちの パイロット です。

翌1919年(大正8年)には、中田俊一 がプラチナ万年筆を創業しています[7]

いまの日本の大手3社の源流は、 1911年から1919年までの、わずか9年のあいだに出そろったことになります。

「日本初」は、数え方で変わる

ここで気をつけたいことがあります。

セーラーは1911年に「日本で初めて純国産の14金ペン先を生産」したと書き[5]、 パイロットは1916年に「初の万年筆用純国産14金ペンを完成」させたと書いています[6]

どちらかが嘘をついている、という話ではありません。 「初」が何を指すかで答えが変わるのです。 作り始めたのか、完成させたのか。ペン先だけか、ペン全体か。

歴史の「日本初」「世界初」は、たいていこうなっています。 数え方をそろえないと、比べられない。

日本の万年筆産業は、明治末から大正初期にかけて立ち上がりました。 現在まで続く主要メーカーは、ごく短い期間に集中して生まれています。

日本の万年筆メーカーの創業
できごとのちの社名
1911年阪田久五郎が広島県呉市に阪田製作所を創業[5]セーラー万年筆
1916年並木良輔が万年筆用の純国産14金ペンを完成[6]
1918年並木良輔が和田正雄の協力を得て並木製作所を創立[6]パイロット
1919年中田俊一がプラチナ万年筆を創業[7]プラチナ万年筆

なぜ呉だったのか

阪田久五郎は日露戦争後、友人から譲られた万年筆に強い衝撃を受けたと語っています[5]。 創業の地である呉は、当時の海軍の拠点であり、 海軍の拠点となっていた町です。

社名の「セーラー」(水兵)には、 将来的に船で海外へ輸出したいという意図と、 「ひとりの提督より多くの水兵が大切だ」という考え方が 込められているとされています[5]

ペン先の国産化という壁

初期の日本の万年筆づくりで、大きな課題になったのが ペン先 です。

  • 金合金の圧延と成形
  • 切り割りの加工精度
  • ペンポイントに使う硬質合金の入手と接合

軸や機構は既存の金属加工技術で対応できても、 ペン先は素材と精度の両方を要求します。 「純国産」という言い方が繰り返し使われるのは、 ここを自前で作れるかどうかが、大きな区切りとして意識されていたことがうかがえます。

「日本初」の読み方

両社の記述を並べると、次のようになります。

  • セーラー:1911年創業、日本で初めて純国産の14金ペン先を生産[5]
  • パイロット:1916年に初の万年筆用純国産14金ペンを完成、1918年から製造・販売[6]

矛盾しているように見えますが、 「初」の定義が同じではないと考えるほうが自然です。 生産の開始か、完成か。ペン先単体か、製品としての万年筆か。 対象と時点をそろえなければ、比較になりません。

この記事では、どちらが本当の日本初かを判定しません。 各社が自ら公表している内容を、そのまま並べて示すにとどめます。 インターネットの記事で 「日本がつながった日」を一日に決めなかったのと、同じ理由です。

8. ひこうきで インクが もれる わけ

8. 飛行機でインクがもれるのは、なぜか

8. 気圧と温度 ── ペン芯の限界が見えるとき

ここまで 読んだ 人に、 ちょっとした なぞなぞを 出します。

万年筆を もったまま ひこうきに 乗ると、 インクが もれる ことが あります。

どうしてでしょう。

ヒントは、空気の 力です。

高い ところへ 行くと、 まわりの 空気が おす 力が 弱く なります。

すると、ペンの 中に 入って いた 空気が ふくらもうと します

ふくらんだ 空気は、インクを おしだします。

だから もれるのです。

ふせぐ 方ほうは、こうです。

  • インクを いっぱいに して おく(中の 空気を 少なく する)
  • ペン先を 上に して しまう
  • あつい 車の 中に 出しっぱなしに しない

しくみが わかると、 こまった ときの 手も わかりますね。

ここまでのしくみが分かると、解ける問題があります。

万年筆を持って飛行機に乗ると、インクがもれることがある。なぜでしょう。

答え:中の空気がふくらむから

万年筆のタンクには、インクだけでなく空気も入っています。 3章で見たとおり、インクが出た分だけ空気が入るからです。

飛行機が高いところを飛ぶと、機内の気圧は地上より下がります。 まわりの押す力が弱くなると、閉じこめられた空気はふくらもうとします

ふくらんだ空気は、インクを押し出します。これがもれの正体です。

クシ溝がある程度は受け止めてくれますが[1]、 限界を超えるとあふれます。

暑い日も同じ

夏の車の中に置きっぱなしにしたときも、同じことが起きます。 温度が上がると、空気もインクもふくらむからです。

どうすればいいか

  • インクを満タンにしておく。中の空気が少なければ、ふくらむ量も少なくてすむ
  • ペン先を上に向けて持つ。押し出されてもインクが先端に向かわない
  • 暑いところに置きっぱなしにしない
  • 機内で書くなら、キャップはゆっくり開ける

しくみを知っていると、対処法が「覚えること」ではなく 「その場で考えて出せるもの」になります。 これは、万年筆にかぎった話ではありません。

ここまでの原理を理解すると、実用上の現象が説明できるようになります。 代表例が、機内でのインク漏れです。

何が起きているか

インクタンクの内部には、必ず空気が含まれています。 気液交換の結果として、流出した体積のぶん空気が入るからです[1]

航空機の客室は、地上より低い気圧に保たれます。 外部の圧力が下がると、タンク内の封入空気は膨張し、 その体積増加分がインクを押し出します。

押し出されたインクは、まずクシ溝(フィン)に受け止められます[1]。 クシ溝は温度・気圧変動に対する緩衝として設けられているためです。 しかし容量には限りがあり、変化量が大きければあふれます。

漏れが起きる条件と対処
条件起きること対処
気圧の低下(離陸、登山)封入空気が膨張し、インクを押し出す満タンにして空気量を減らす
温度の上昇(夏の車内)空気とインクが熱膨張する高温下に放置しない
振動・落下慣性でインクが先端側へ移動するペン先を上に向けて携行する

設計の限界という考え方

注意したいのは、これが不良ではないという点です。

ペン芯は、ある想定範囲の変動を吸収するように設計されています。 飛行機での気圧低下は、その範囲を超えることがある条件だと考えられます。

  • 緩衝の容量を増やせば、ペン芯は大きく重くなる
  • 完全に密閉すれば、そもそも書けなくなる
  • 想定を広げようとすれば、どこかに別の負担が出る

どの範囲まで面倒を見るかを決めるのが設計であり、 その外側では利用者が対処する。 万年筆にかぎらず、道具はたいていそういう約束のうえに成り立っています。

9. じぶんでも たしかめて みる

9. 自分でも調べてみたくなったら

9. 自分で確かめる ── 手元でできる観察と実験

万年筆が なくても、 しくみは たしかめられます。

  • ティッシュを 水に つける。 はしだけ 水に つけて、じっと 見ます。 どこまで 上がるでしょう。
  • ペットボトルを さかさに する。 ごぽごぽ しますね。 つぎに、ふたに 小さな あなを もう ひとつ あけて みましょう。 すーっと 出るように なります。
  • お店で ペン先を 見せて もらう。 まん中の 切れ目と、おくの あなと、先の 玉。 3つ さがして みてください。

万年筆が 家に ある 人は、 おとなの 人に 聞いて、 ペン先の ところを よく 見せて もらいましょう。

この記事の内容は、ほとんど家で確かめられます。

  • 毛細管現象を見る。ティッシュや紙の端を水につけ、どこまで上がるか見る。 厚い紙とうすい紙で比べてみるとちがいが出ます。
  • 気液交換を再現する。ペットボトルを逆さにして、ごぽごぽを確認する。 次に、ふた(または底のほう)にもうひとつ穴をあけると、 空気の道ができて、すーっと出るようになります。 これがペン芯のやっていることです。
  • ペン先を観察する。文房具店で見せてもらう。 切り割り、ハート穴、ペンポイント。3つとも小さいので、明るいところで。
  • 紙による違いを試す。同じペンで、ノート、コピー用紙、新聞紙に書いてみる。 にじみ方がまるで違います。紙が主役だという意味が分かります。

関連する記事

この分野は、手元で検証できることが多いのが利点です。

やってみる

  1. 毛細管上昇の比較:紙の種類を変えて、同じ時間でどこまで水が上がるかを測る。 繊維の密度と上昇高さの関係が見える
  2. 気液交換の再現:ペットボトルを逆さにして流出のしかたを観察し、 次に空気孔を追加して比較する。ペン芯の空気溝の役割がそのまま確認できる
  3. 筆圧と線幅:同じペンで、意識的に筆圧を変えて線を引き、拡大して観察する。 切り割りの開きが線幅に反映されていることが分かる
  4. 紙と定着:コピー用紙、ノート、和紙などで同じ字を書き、 にじみと乾燥時間を比べる

調べる入口

考えてみると面白いこと

  • 可動部を持たない機構で流量を制御する方法は、ほかにどんなものがあるか
  • 「初」を主張する記録が複数あるとき、何をそろえれば比較できるか
  • 手入れを前提とする道具と、使い捨ての道具。どちらがどんな場面に向くか

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。用語の定義など、短く引用した部分は、どこから引いたかを示しています。 製品の仕様や社史の記述は、各社が公表している内容にもとづきます。 リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

  1. PILOT「かく、がスキ」 万年筆のインキがスムーズに出てくるのはなぜ? (毛細管現象、インキ溝・クシ溝・空気溝、空気の交替作用)
  2. セーラー万年筆「万年筆の仕組み」 https://sailor.co.jp/topics/fountain-pen-structure/ (ペン芯のインク溝が毛細管現象でインクをペン先へ運ぶこと)
  3. プラチナ万年筆「万年筆の仕組み」 https://www.platinum-pen.co.jp/about-fountain-pen/6/ (紙の繊維の毛細管現象、クシ溝、射出成形、ペンポイントの製法と金を使う理由)
  4. 米国特許 US293545A「Fountain-pen」(Lewis E. Waterman) https://patents.google.com/patent/US293545A/en (1883年9月18日出願、1884年2月12日付与。溝によってインクの流れを調整する構造)
  5. セーラー万年筆「セーラー万年筆の歴史」 https://sailor.co.jp/topics/history/ (1911年の創業、阪田久五郎の言葉、純国産14金ペン先、社名の由来、1954年のカートリッジ万年筆)
  6. PILOT「100年の歴史」 https://www.pilot.co.jp/100th/history/ (1916年の純国産14金ペン完成、1918年の並木製作所創立、並木良輔と和田正雄)
  7. プラチナ万年筆「100th Anniversary」 https://www.platinum-pen.co.jp/100th_3/history.html (1919年、中田俊一による創業)

ウォーターマンの「商談中にインクがもれて契約を失った」という逸話については、 広く紹介されている一方で、確かな一次資料を確認できませんでした。 そのため本文では、事実としてではなく「よく語られている話」として扱っています。

なおした ところ

更新履歴

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