1. 夜に なると、なぜ ひくく なるの?
1. 1日の中で、身長は伸び縮みしている
1. 日内変動 ── 椎間板から水分が出ることによる、1日単位の変化
せぼねは、小さな 骨が 何こも つながって できて います。骨と 骨の あいだには、ついかんばんと いう やわらかい ざぶとんが はさまって います。
ざぶとんには、水が ふくまれて います。おきて たって いる 間は、体の おもみで、水が すこしずつ おされて 出て いきます[1]。だから 夜は、ざぶとんが すこし うすく なって、身長が ひくく なる ことが 多いです。
ねて いる 間は、おもみが かからないので、水が もどります。朝には、夜より 身長が もどって いる ことが 多いです。
水を すった スポンジを、手で ぎゅっと おす ところを 思いうかべて ください。ただし 本当の ついかんばんは、スポンジのように 水が ぜんぶ 出る わけでは ありません。
大人 90人で はかった 研究では、朝と 夕方の ちがいは 平均で 1.61センチでした[1]。1円玉の 大きさ(2センチ)より、すこし 小さい ぐらいです。
背骨の間のクッション
背骨は、椎骨という小さな骨が積み重なってできています。その骨と骨の間にあるのが椎間板で、中心にある髄核は水分を多くふくんでいます。歩いたり跳ねたりするときの衝撃をやわらげる、クッションのようなものです。
立っている時間だけ、縮む
立っていると、重力のせいで髄核から水分が外へ出ていき、身長が下がります。寝ている間は体重がかからず、水分がまた取りこまれて元に戻ります[1]。
ガーナで30歳以上の成人90人が協力した測定では、朝と夕方の差は平均1.61cmでした[1]。ほぼ1円玉の直径(2cm)ほどの伸び縮みです。人によって差はありますが、この縮みは平均としては、寝ている間に戻る傾向があります。
2. 年を とると、どのくらい ちぢむ?
2. 「戻りにくい縮み」は、どのくらい積み重なるのか
2. 加齢に伴う身長低下の大きさ ── 平均値の読み方
朝に なっても もどりにくい ちぢみが、ながい 年月で すこしずつ たまって いく ことが あります。
ある 研究では、平均すると、60さいを すぎてから ちぢみかたが 早く なり、女の人の ほうが、どの 年だいでも 早い ようでした[2]。
ただ、これは たくさんの 人の 平均です。ちぢみかたは 人に よって ちがいます。ちぢまない 人も いますし、ちぢむ ことが わるい ことでも ありません。
3. ざぶとんが、かたく うすく なる
3. 理由1 ── クッションが、水を保てなくなる
3. 椎間板の水分低下 ── 髄核の含水率の変化
ひとつめの わけは、ついかんばんの 中の 水が へる ことです。
わかい ころの ついかんばんは、水を たっぷり ふくんで います。としを とると、水が へって、かたく うすく なって いきます[4]。
ふくらんだ ざぶとんが、ながい 年月の うちに ぺったんこに なる ところを 思いうかべて みて ください。ただし、ついかんばんは ぺったんこに なるのでは なく、うすく かたく なる ほうが ちかい です。
すると、朝に ねて おきても、水が もとどおりには もどらず、その 分だけ 身長が ひくく なります。
水分が減ると、うすくなる
髄核の水分は、若いころは約80〜85%、中年期に約70〜75%、60代以降は70%未満に下がる、と説明されています[4]。ただし資料によって幅があり、正確な数字はそれぞれの研究で少しずつ違います。
水分が減ると、クッションとしての力が落ち、椎間板は薄く硬くなっていきます。1枚1枚はわずかな薄さでも、背骨には椎間板がいくつも並んでいるので、全部を合わせると身長の差として表れる、と考えられます。
1日の伸び縮みも、小さくなる?
高齢になると椎間板が硬くなるので、1日の伸び縮みも小さくなる、といわれます。ただし、この点はまだ確かな資料で確かめられていないので、ここでは「といわれる」までにとどめます。
髄核の含水率は、若年期に約80〜85%、中年期に約70〜75%、高年期に70%未満とされる[4]。資料により80〜90%など幅がある。含水率が下がるほど、クッションとしての機能は落ちる。
水分保持に関わる物質としてプロテオグリカンが挙げられ、加齢で減ると椎間板が硬く薄くなるとの説明もある。ただし、これは検索結果の要約のみで確認しており、本稿では確かな事実としては扱わない。
高齢者は椎間板の柔軟性が落ちるため、身長の日内変動が子どもより小さいともいわれるが、一次資料では未確認であり、確かな事実としては扱わない。
4. 骨が つぶれて しまう ことも
4. 理由2 ── 背骨の骨そのものがつぶれる
4. 椎体の圧迫骨折 ── 骨粗鬆症と胸椎の前弯
ふたつめの わけは、せぼねの 骨が つぶれる ことです。
骨が もろく なる びょうきが あります。すると、せぼねの 骨が、上から おされて 少し つぶれて しまう ことが あります。せなかが まるく なって、せが ひくく なります[5][6]。
いたみが かるくて、気づかない うちに おきる こと(いつのまにか こっせつ)も あるそうです[5]。
ただし、せが ひくく なったから かならず こっせつ、と いう わけでは ありません。気に なるときは、大人に そうだん して、おいしゃさんに みて もらいましょう。
5. せなかが まるく なる わけ
5. 理由3 ── 姿勢と筋力の変化
5. 円背の進行 ── 骨格筋の減少と姿勢
みっつめの わけは、せなかを ささえる 力が よわく なる ことです。
せなかと おなかの 筋肉が おとろえると、せなかが まるく なりやすく なります[3]。まるく なると、その 分 せが ひくく なります。
せなかを ささえる 力は、体を うごかす ことで、よく なる ことが ある そうです[5]。
6. みっつが かさなって いる
6. 3つが重なって、1つの数字になる
6. 複合要因としての身長低下
年を とって せが ひくく なる のは、ざぶとんが うすく なる こと、骨が つぶれる こと、せなかが まるく なる こと、が かさなって おきる ことが ある、と いわれて います[2]。
朝と 夜の ちぢみは、ねている あいだに もどる ことが 多いです。としを とった ときの ちぢみは、もどりにくい 分が ふえて いく のです。
やってみよう。おうちの 人と いっしょに、朝 おきた とき と 夜 ねる まえに、おなじ 場所で 身長を はかって みましょう。かべに かかとと せなかを つけて、かたい 本を あたまの 上に のせて、かべに しるしを つけます。
はかりかたで 1センチぐらい ずれる ことも あります。ちがいが 小さいときは、はかりまちがいかも しれません。
年を重ねた人の身長低下は、椎間板の水分が減って薄くなること、椎体がつぶれること、姿勢が変わることの3つが複合して起きうる、と説明されています[2]。原因が椎間板だけ、というわけではありません。
朝夕の変化は寝ている間に戻る傾向がありますが、この3つによる低下には、寝ても戻りにくい変化が含まれます。
やってみよう ── 朝と夜の身長を測る
家の人に協力してもらい、朝起きてすぐと、夜寝る前に、同じ場所で身長を測ってみます。壁に背中とかかとをつけ、固い本などを頭の上に水平にのせて、壁に印をつけます。
測り方によって1cm前後は簡単にずれるので、小さい差が出ても出なくても、それだけで何かが決まるわけではありません。何回か測って、そろえたやり方でくらべてみましょう。
加齢に伴う身長低下は、椎間板の狭小化、椎体の圧迫骨折、姿勢の変化(円背)などが複合して生じるとされる[2]。原因を椎間板だけとする見方は不十分で、3つの要素のどれが大きいかは個人によって異なる。
日内変動(1日単位、平均としては回復する)と、加齢による低下(年単位、戻りにくい変化を含む)は、椎間板の水分が関わる点では共通するが、性質が異なる。
家で試すなら、朝と夜に同じ場所で身長を測ってみるとよい。壁に背中とかかとをつけ、水平な板や本を頭にのせて印をつける。1cm程度の誤差は測り方で出るため、条件をそろえ、何回か測る必要がある。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
「せぼねの ついかんばん」や「こつそしょうしょう」を キーワードに、日本語の ホームページで しらべて みましょう。
体の ことで こまったら、大人に そうだんして、おいしゃさんに 話して ください。
今日できること:家族に協力してもらい、朝と夜に同じ方法で身長を測ってみます。もし差が出なくても、測り方をそろえる大切さが分かります。
公式情報:日本臨床整形外科学会の脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折の解説は、日本語で読めます[6]。このメモは医療の助言ではありません。身長が縮んだと感じたら、医師に相談してください。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:研究論文、日本臨床整形外科学会、医療機関の解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- Diurnal Height Changes among Adults aged 30+ in Ghana(ARC Journals)。https://arcjournals.org/journal-of-diabetes-and-endocrinology/volume-3-issue-1/4 (朝夕の身長差の平均1.61cmと、椎間板から水分が出る仕組みについて)
- Age trend and risk factors of height loss in Chinese over 40(PMC)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12450710/ (身長低下の複合的な原因と、年代別の平均値について)
- 同友会メディカルニュース「身長が縮んだ!と感じた方へ」。https://www.do-yukai.com/medical/190.html (米国の研究の紹介と、筋力低下と円背について)
- 足立慶友整形外科「椎間板の変性による症状と機能障害」。https://clinic.adachikeiyu.com/8379 (髄核の水分の割合の目安について)
- 中内整形外科クリニック「年を取ると背が縮む?」。https://www.nakauchi-seikei.jp/blog/column/n234/ (圧迫骨折、筋力低下、受診の目安について)
- 日本臨床整形外科学会「脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折」。https://jcoa.gr.jp/脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折/ (胸椎が前に曲がり身長が縮むという説明について)
なおした ところ
更新履歴
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