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こおりは、なぜ 水に うくの

なぜ氷は水に浮くのか

なぜ氷は水に浮くのか

分野:自然

ろうそくの ろうも、てっぽうの たまも、こおらせると しずむ。ほとんどの ものは、こおらせて かたまると、おもく なって しずんで しまう。

でも 水だけは、こおらせると、ぎゃくに かるく なって うく。

ろうそくのろうも、とかした金属も、冷やしてかたまらせると、もとの液体より重くなってしずむ。ほとんどの物は、固体になると重くなって、しずんでしまう。

でも水だけは、こおらせると、逆に軽くなってうく。

ほとんどの物質は、固体になると分子どうしがぎっしり詰まり、液体のときより密度が高くなって沈む。

しかし水は例外で、氷になると密度が下がり、液体の水よりも軽くなって浮く。この例外的なふるまいが、地球の湖や海の姿を大きく左右している。

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1. たいていの ものは、こおらせると しずんで しまう

1. たいていの物は、こおらせるとしずんでしまう

1. 固体になると沈むのが、物質としては「ふつう」

水を あたためて じょうきに すると、つぶと つぶの あいだが 大きく ひろがって、かるく なる。ぎゃくに ひやして かたい ものに かえると、つぶと つぶが ぎゅっと よりあつまって、おもく なる。これが たいていの ものの きまりだ。

物をあたためて気体にすると、つぶとつぶの間が大きく広がって、軽くなる。逆に冷やして固体に変えると、つぶとつぶがぎゅっと寄り集まって、重くなる。これがたいていの物質のきまりだ。

物質を加熱して気体にすると、分子どうしの間隔が広がって密度が下がる。逆に冷却して固体にすると、分子はより規則正しく密に並び、密度が上がる。多くの物質では、この「固体・液体・気体の順に密度が高くなる」という関係が成り立つ[1]

2. 水の つぶは、すきまだらけに くっつく

2. 水のつぶは、すきまだらけにくっつく

2. 水素結合が、すきまの多い氷の結晶構造を作る

水の つぶ(水ぶんし)は、こおる とき、たがいに ひっぱりあいながら、きまった かたちで ならぶ。手を つないで 大きな わに なって 立つと、ぎゅっと あつまって すわるより、人と 人の あいだに すきまが できるのに にて いる(ただし ほんとうは、水の つぶは 手を つなぐのでは なく、目に 見えない ちからで ひっぱりあって いる)。だから 氷は、水よりも すきまが 多く なって、かるく なる[2]

水のつぶ(水分子)は、こおるとき、たがいに引っぱりあいながら、決まった形でならぶ。この「水素結合」というつながりかたが、ぎゅうぎゅうに詰まらず、すきまの多い形になる。だから氷は、水よりも軽くなる[2]

水分子どうしは「水素結合」と呼ばれる、方向性を持った結びつきでつながっている。凍って氷になるとき、水分子はこの水素結合を保ちながら、1つの分子のまわりに4つの分子が向き合う正四面体構造をくり返す形で規則正しく並ぶ[2]

この構造は、分子どうしがすきまなく詰まった配置ではなく、内部に空間の多い、比較的すかすかな結晶になる。その結果、同じ量の水分子を比べたとき、氷は液体の水よりも体積が大きく、つまり密度が低くなる[2]

3. いちばん おもい 水は、0どでは なく 4ど

3. いちばん重い水は、0度ではなく4度

3. 水の密度は0℃ではなく4℃で最大になる

ふつうの ものは、ひえれば ひえるほど、おもく なって いく。でも 水は ちがう。水は「4ど」の ときが いちばん おもくて、そこから もっと ひやすと、こおる 手前で ぎゃくに かるく なって いく[3]

ふつうの物は、冷えれば冷えるほど、重くなっていく。でも水はちがう。水は「4度」のときがいちばん重くて、そこからもっと冷やすと、こおる手前で逆に軽くなっていく[3]

簡単なモデルで説明すると、水の温度が0℃に近づくと、氷のようなすきまの多い並びを一時的に作る分子の集まり(クラスター)が、液体の中にわずかに残り始める。これは密度を下げる方向にはたらく。また、温度が上がるほど分子の運動が活発になり熱膨張が起きることも、密度を下げる方向にはたらく[3]

この2つの相反する効果がちょうどつり合う温度が(正確には約3.98℃だが)4℃で、水の密度はここで最大になる。0℃で凍って氷になる瞬間には、体積が急に増えて密度が大きく下がる[3]

4. 氷山の 9わりは、海の 中に かくれて いる

4. 氷山の9割は、海の中にかくれている

4. 氷山は体積の約9割が海面下に隠れている

氷は、水より すこしだけ かるいだけなので、氷山(大きな 氷の かたまり)は、ほとんどが 海の 中に しずんで いて、見えて いるのは ほんの 一ぶぶんだけだ。「氷山の 一かく(いちかく)」と いう ことばは、こういう 氷山の すがたに なぞらえた ものだ[4]

氷は、水よりすこしだけ軽いだけなので、氷山(大きな氷のかたまり)は、ほとんどが海の中にしずんでいて、見えているのはほんの一部分だけだ。「氷山の一角(いっかく)」という言葉は、こういう氷山の姿になぞらえたものだ[4]

氷の密度は約0.92g/cm³、海水の密度は約1.03g/cm³とされ、その差はわずかしかない。アルキメデスの原理により、氷山は自分の重さと同じ重さの海水を押しのけるだけ沈むため、密度の差が小さいと、大部分が水面下に隠れることになる。これらの密度を代表値として計算すると、氷山の体積のおよそ9割は海面下に沈み、水面上に見えているのは1割ほどにすぎない[4]

「全体のごく一部しか見えていない」という意味の慣用句「氷山の一角」は、こうした氷山の見た目になぞらえた表現とされる[4]

5. 湖が うわべから こおるから、魚は 冬を こせる

5. 湖が表面からこおるから、魚は冬をこせる

5. 湖が表面から凍り始めることで、水中の生きものは冬を越せる

さむい 冬、湖は うわべ(いちばん上)から こおって いく。こおった 氷は、水を あたたかく つつむ ふとんの ような やくめを して、氷の 下の 水は 0どより 下に ならない。だから 魚たちは、氷の 下で 冬を こす ことが できる[5]

寒い冬、湖は表面(いちばん上)からこおっていく。密度がいちばん高い4度の水は、こおらずに湖のいちばん下にたまる。表面にできた氷は、水をあたたかく包むふとんのような役目をして、氷の下の水温は0度より下がらない。だから魚たちは、氷の下で冬をこすことができる[5]

冬、湖の水温が下がっていくと、密度が最大になる4℃の水が最も重く、湖底に沈んでいく。表面の水はさらに冷え、0℃に達すると凍りはじめる。氷は液体の水より軽いため沈まずに表面にとどまり、多くの淡水湖は表面から凍り始める[5]

表面にできた氷の層は断熱材のようにはたらき、氷の下の水温を0℃付近、湖底付近を4℃前後に保つ。この安定した水温のおかげで、魚をはじめとする水中の生きものは、凍りついた湖の下でも冬を越すことができる[5]

6. もし 氷が しずむ ものだったら、どう なって いたか

6. もし氷がしずむ物だったら、どうなっていたか

6. もし氷が水より重い物質だったなら

もし 氷が 水より おもくて しずむ ものだったら、こおった ぶぶんは 湖の 下に たまって いき、なつに なっても とけにくい。ふゆの たびに これを くりかえせば、湖は 下から ぜんぶ こおって しまい、魚は すめなく なって いたかもしれない[6]

もし氷が水より重くてしずむ物だったら、こおった部分は湖の下にたまっていき、夏になってもとけにくい。冬のたびにこれをくりかえせば、湖は下からぜんぶこおってしまい、魚はすめなくなっていたかもしれない[6]

単純化した思考実験として、もし氷が水より密度の高い物質で、できるそばから沈んでいくとしたら、湖は底から凍り始めることになる。太陽の光は水面近くで吸収されやすく、湖底まで届きにくいため、いったん湖底にたまった氷は夏になっても融けにくいと考えられる[6]

冬が来るたびにこれをくり返せば、湖や浅い海は少しずつ氷で埋まっていき、水中の生きものが暮らしにくくなる可能性がある[6]

じぶんでも しらべて みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

プラスチックの コップに、水を すこし入れて、水めんの たかさに ペンで しるしを つけよう。れいとうこで こおらせて、つぎの日、氷の たかさが しるしより 上に なって いるか たしかめて みよう。ガラスの コップは われる ことが あるので、ぜったいに つかわないでね。

プラスチックのコップに水を入れて、水面の高さにペンで印をつけよう。冷凍庫でこおらせて、次の日、氷の高さが印より上になっているかたしかめてみよう。体積がふえたことが、目で見てわかるはずだ。ガラスのコップは、氷がふくらむ力で割れることがあるので絶対に使わないこと。

プラスチック容器に水を入れ、水面の高さに印をつけてから冷凍庫で凍らせてみよう。翌日、氷の高さが元の印より上がっていれば、凍ることで体積が増えた証拠になる。ガラス容器は膨張の圧力で割れることがあるため使わないこと。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 化学のグルメ「氷と水の構造〜水素結合・密度の違いなど〜」。 https://kimika.net/r3koorimizu.html (多くの物質では固体になると分子がぎっしり詰まり、液体より密度が高くなることは同ページの解説による)
  2. 化学のグルメ「氷と水の構造〜水素結合・密度の違いなど〜」。 https://kimika.net/r3koorimizu.html (水分子が方向性を持つ水素結合によって正四面体構造をくり返す形で規則正しく並ぶこと、この構造がすきまの多い結晶になり、氷が液体の水より密度が低くなることは同ページの解説による)
  3. 中谷宇吉郎 雪の科学館「4℃のナゾ」。 https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/oshiete/4℃のナゾ/ (0℃に近い水の中にすきまの多い分子集団〈クラスター〉がわずかに残ること、温度上昇に伴うクラスターの減少と、熱運動による膨張という相反する2つの効果がつり合う温度が4℃であり、水の密度がここで最大になることは同科学館の解説による)
  4. みきとあそぼう「氷山が、体積の約11パーセントしか海面上に出ていない理由は?」。 https://5miki.jp/archives/362 (氷の密度が約0.92g/cm³、海水の密度が約1.03g/cm³であること、アルキメデスの原理により氷山の体積のおよそ9割が海面下に沈むこと、慣用句「氷山の一角」がこの性質に由来することは同ページの解説による)
  5. 北海道立総合研究機構「凍る湖と凍らない湖」、KOBE WATER LABO「こおった湖で魚が生きていられるのはなぜ?」。 https://www.hro.or.jp/hro/topics/rensai/magazine/21.html https://kobe-wb.jp/kids/archive/koottamizu/ (密度が最大になる4℃の水が湖底に沈み、湖がつねに表面からしか凍らないことは北海道立総合研究機構による。表面の氷が断熱材のようにはたらき、氷の下の水温を安定させ、水中の生きものが冬を越せることはKOBE WATER LABOによる)
  6. もしも地球ラボ「もしも氷が水に沈んだら」。 https://moshimo-lab.github.io/zukan/ice.html (氷が水に沈む性質だったと仮定した場合、湖が底から凍り、太陽光が届きにくい湖底の氷は夏でも融けにくく、冬をくり返すごとに湖や浅い海が生きものの住めない場所になっていく可能性があるという考え方は、同ページ〈文部科学省の資料を引用〉による。これは検証不能な仮定にもとづく思考実験であり、確定した予測ではない)

なおした ところ

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