1. ちじょうの レーダーが、うちゅうの ごみを 見はって いる
1. 地上のレーダーが、宇宙ごみを見張っている
1. 地上の監視網が、宇宙ごみの軌道を追い続けている
ISSは、ちきゅうから 高さ 400キロメートルくらいの ところを まわって いる。その まわりには、10センチより 大きい ものだけでも、2万5千こ いじょうが うちゅうに うかんで いて、ちじょうの レーダーで 見はられて いる[1]。
ISSは、地球から高さ400kmくらいのところを回っている。そのまわりには、直径10cmより大きい物だけでも2万5千個以上が宇宙にうかんでいて、地上のレーダーや望遠鏡のネットワークで見張られている[1]。
おもにアメリカの軍が持つ仕組みが、これらの物の軌道を毎日計算して、ISSに近づきそうな物をしぼりこんでいる。
高度400km前後を周回するISSの周囲には、直径10cm以上の物体だけでも2万5千個以上が、地上の監視網によって追跡・カタログ化されている[1]。
おもにアメリカ宇宙軍が運用するレーダーや光学望遠鏡のネットワークが、これらの物体の軌道を日々計算し、ISSに接近する可能性のあるものを絞り込んでいる。
2. ぶつかりそうに なると、コースを かえる
2. ぶつかりそうになると、コースを変える
2. 「ピザボックス」に入りそうなとき、軌道を変えるデブリ回避マニューバ
とんで くる ものが、ISSの まわりの きまった はんいに 入りそうで、ぶつかりそうだと わかると、ISSに くっついて いる ふねの エンジンを ふかして、すこし コースを かえる。ISSが うちゅうに あがって から 2024年までに、39かい この「さける うごき」を おこなって いる[2]。
地上から見張っている物が、ISSを中心とした箱のような安全な範囲(進む方向に長さ・はば約50km、高さ約4km。「ピザボックス」と呼ばれる)を通りそうだと分かると、管制官が追跡の精度やぶつかる確率を見て、必要と判断すれば、ISSにドッキングしている宇宙船のエンジンをふかして軌道を少し変える[2]。
この「デブリ回避マニューバ」は、ISSの最初のモジュールが打ち上げられた1998年から2024年末までに39回行われている。
追跡している物体が、ISSを中心とする直方体の安全領域(進行方向に長さ・幅約50km、高さ約4km。形から「ピザボックス」と呼ばれる)を通過すると予測され、追跡精度をふまえた衝突確率が一定の基準を超えると判断された場合、ISSはドッキングした宇宙船のスラスターを噴射して軌道を上げ下げする[2]。
この「デブリ回避マニューバ」は、ISSの最初のモジュールが打ち上げられた1998年から2024年末までに39回実施されている。
3. まにあわない ときは、ふねに にげる
3. 間に合わないときは、宇宙船に避難する
3. コースを変える時間がないとき、乗組員は宇宙船へ退避する
しらせが おそくて、コースを かえる じかんが ない ときは、のって いる 人たちが ドッキングして いる ふねに いったん にげて、とびらを しめて まつ ことも ある。2012年には、じっさいに この やりかたで にげた ことが あった[3]。
接近の通知が遅く、コースを変える時間がないときは、乗組員がドッキングしている宇宙船(ソユーズなど)にいったん避難して、モジュールの間のとびらを閉じて備えることがある。
2012年3月には、昔のソ連の衛星コスモス2251の破片がISSに約23kmまで接近すると予測されたとき、通知が遅くコースを変える時間が取れなかったため、乗組員がソユーズへ避難した[3]。
接近の通知が遅く、デブリ回避マニューバを行う時間的余裕がない場合には、乗組員がドッキングしている宇宙船(ソユーズなど)に一時的に退避し、モジュール間のハッチを閉じて備える対応が取られることがある。
2012年3月、旧ソ連の衛星コスモス2251の破片がISSに約23km地点まで接近すると予測された際には、通知が遅くマニューバを計画する時間が取れなかったため、乗組員がソユーズへ退避する対応が取られた[3]。
4. 2021年、ミサイルの じっけんで うちゅうせんに にげた
4. 2021年、ミサイルの実験で宇宙船に避難した
4. 2021年11月、ロシアのミサイル実験で乗組員が緊急退避した
2021年11月、ロシアが、じぶんの くにの やくめを おえた えいせいを、ミサイルで こわす じっけんを した。この じっけんで、たくさんの はへんが あたらしく できて、ISSに ぶつかる きけんが 出て きた。ISSに いた 7人は、ドッキングして いた ふねに いそいで うつり、やく2じかん、ふねの 中で まった[4]。
2021年11月15日、ロシアが地上から撃ったミサイルで、自分の国の役目を終えた衛星コスモス1408を壊す実験を行った。この実験で1500個以上の追跡できる破片が新たに生まれ、ISSにぶつかる危険が出てきた[4]。
ISSにいた7人の乗組員は、モジュールの間のとびらを閉じたあと、ドッキングしていたソユーズとクルードラゴンに移り、破片の雲の近くを通る2回目・3回目の通過にそなえて、午前2時から4時ごろまでの約2時間、宇宙船の中で待機した。当時のNASA長官は、この実験を「無謀で危険」だと非難する声明を出している。
5. ちいさすぎて 見えない かけらは、かべで ふせぐ
5. 小さすぎて見えないかけらは、かべで防ぐ
5. 追跡できない小片は、多層構造のウィペルシールドで防ぐ
もっと ちいさい はへんは、レーダーでも 見つけられない。だから ISSの かべじたいに、じゅうそうに なった まもりを つけて いる。まず うすい いたに はへんを ぶつけて こなごなに くだき、力を ひろげてから、うしろの ほんたいの かべで うけとめる しくみだ。100しゅるい いじょう、この まもりが つかわれて いる[5]。
それでも防ぎきれない、追いかける仕組みでは見つけられないほど小さな破片(数ミリから1cmくらい)に対しては、ISSの外側のかべそのものに備えがしてある。
「ウィペルシールド」と呼ばれるしくみで、外がわのうすい金属の板(バンパー)で破片をまず粉々にくだき、広がった破片の力を、うしろにある本体のかべで受け止める。ISSには、こうしたシールドが100種類以上取りつけられている[5]。
それでも防ぎきれない、追跡網では捉えられないほど小さな破片(数ミリメートルから1cm程度)に対しては、ISSの外壁そのものに備えが施されている。
「ウィペルシールド」と呼ばれる基本構造では、外側の薄い金属の板(バンパー)で破片をまず粉々に砕き、広がった破片雲の力を後方の本体の壁が受け止める。ISSには、こうしたシールドが100種類を超えて取り付けられている[5]。
6. じっけんの あと、せかいで やくそくが ひろがった
6. 実験のあと、世界で約束が広がった
6. 実験後に広がった、対衛星ミサイル実験をやめる国際的な約束
この じっけんは、せかいじゅうから はんぱつを うけた。アメリカは 2022年、「もう こういう じっけんは しない」と やくそくした。にほんも ふくめて、いくつもの くにが これに つづいた。おなじ 年、こくれんそうかいでも、おおくの くにが おなじ やくそくを もとめる きめごとに さんせいした[6]。
コスモス1408を壊す実験は、世界から大きな反発を受けた。アメリカは2022年4月、自分から衛星を壊すミサイル実験をしないという約束(モラトリアム)を発表し、日本やオーストラリア、カナダ、ドイツなど、いくつもの国がこれに続いた[6]。
同じ年の12月7日には、国連総会が、各国にこうしたミサイル実験を行わないよう求める決議を、賛成155・反対9・棄権9で採択している。
コスモス1408の破壊実験は、国際社会に大きな反発を招いた。アメリカは2022年4月、自ら破壊的な対衛星ミサイル実験を行わないという一方的なモラトリアムを表明し、日本・オーストラリア・カナダ・ドイツ・ニュージーランド・韓国・スイス・イギリスなどが追随した[6]。
2022年12月7日、国連総会は、各国に破壊的な直接上昇型ASATミサイル実験を行わないよう求める決議77/41を、賛成155・反対9・棄権9で採択した。
じぶんでも しらべて みる
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
インターネットで「ISS うちゅうごみ」と けんさくすると、さいきん いつ ISSが コースを かえたのかを しらべる ことが できる。
NASAのブログやニュースサイトで「デブリ回避マニューバ」ということばを検索すると、ISSが最近いつ、どんな理由で軌道を変えたかを知ることができる。
NASAのブログやニュースサイトで「debris avoidance maneuver」を検索すると、直近にISSがいつ、どんな理由で軌道を変えたかを知ることができる。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
- NASA軌道デブリ計画室(ODPO)「Frequently Asked Questions」。 https://orbitaldebris.jsc.nasa.gov/faq/ (ISSが高度400km前後を周回していることは一般的な事実として広く知られている。直径10cm以上の物体が2万5千個以上、地上の宇宙監視ネットワークによって追跡・カタログ化されていること、地上レーダーでは3mm程度まで検出できることはNASA軌道デブリ計画室のFAQによる)
- Space.com「How often does the International Space Station have to dodge space debris?」、Live Science「ISS dodges its 39th piece of potentially hazardous space junk」、ScienceABC「How Do The ISS And Other Satellites Protect Against Space Debris?」。 https://www.space.com/international-space-station-space-dodge-debris-how-often https://www.livescience.com/space/space-exploration/iss-dodges-its-39th-piece-of-potentially-hazardous-space-junk-experts-say-it-wont-be-the-last https://www.scienceabc.com/innovation/how-do-the-iss-and-other-satellites-protect-against-space-debris (ISSを中心とする「ピザボックス」と呼ばれる安全領域〈進行方向に長さ・幅約50km、高さ約4km〉を通過すると予測され、追跡精度をふまえた衝突確率が基準を超えるとデブリ回避マニューバが行われることはSpace.comによる。2024年末までに通算39回のデブリ回避マニューバが実施されたことはLive Scienceによる〈NASAの2022年12月時点の報告では1999年以来32回とされ、その後2024年末までに39回目が実施されたと報じられている〉。地上の追跡・監視の仕組みはScienceABCによる)
- 欧州宇宙機関(ESA)PromISSeミッションブログ「ISS crew shelter from space debris」。 https://blogs.esa.int/promisse/2012/03/24/iss-shelter-space-debris/ (2012年3月、コスモス2251の破片がISSに約23km地点まで接近すると予測されたこと、接近の通知が遅く軌道変更〈デブリ回避マニューバ〉を計画する時間が取れなかったため、乗組員が予定より早く起こされソユーズへ退避したことはESAの当時の運用ブログによる)
- NASA「NASA Administrator Statement on Russian ASAT Test」、同「Crew Operations Aboard Space Station Return to Normal」、Arms Control Association「UN First Committee Calls for ASAT Test Ban」。 https://www.nasa.gov/news-release/nasa-administrator-statement-on-russian-asat-test/ https://www.nasa.gov/blogs/spacestation/2021/11/17/crew-operations-aboard-space-station-return-to-normal/ https://www.armscontrol.org/act/2022-12/news/un-first-committee-calls-asat-test-ban (2021年11月15日にロシアが衛星破壊実験を行ったこと、NASA長官が実験を「無謀で危険」と非難したことはNASAの公式声明による。乗組員がハッチを閉じたのちソユーズとクルードラゴンに移り午前2時から4時ごろまで約2時間宇宙船内で待機したことはNASAの運用報告による。この待機が破片雲の近くを通る2回目・3回目の通過にそなえたものであることはNASA長官声明による。破壊された衛星がコスモス1408であること、1500個以上の追跡可能な破片が発生したことはArms Control Associationによる)
- NASA Johnson Space Center「HyperVelocity Impact Technology」、Science Buddies「Whipple Shields and Space Debris」。 https://hvit.jsc.nasa.gov/shield-development/ https://www.sciencebuddies.org/science-fair-projects/project-ideas/SpaceEx_p051/space-exploration/whipple-shield-space-debris (ウィペルシールドの基本構造が、犠牲となる薄い金属バンパーで破片を粉砕し、破片雲の力を後壁の広い範囲に分散させて受け止めるものであることはNASAジョンソン宇宙センターの解説による。ISSに100種類を超えるシールドが取り付けられていることはScience Buddiesによる)
- Arms Control Association「UN First Committee Calls for ASAT Test Ban」、国連デジタルライブラリ(決議77/41の記録)。 https://www.armscontrol.org/act/2022-12/news/un-first-committee-calls-asat-test-ban https://digitallibrary.un.org/record/3996915?ln=en (アメリカが2022年4月に破壊的な対衛星ミサイル実験を行わない一方的モラトリアムを表明したこと、日本・オーストラリア・カナダ・ドイツ・ニュージーランド・韓国・スイス・イギリスがこれに続いたことはArms Control Associationによる。2022年12月7日、国連総会が各国に同様のミサイル実験を行わないよう求める決議77/41を賛成155・反対9・棄権9で採択したことは国連デジタルライブラリの記録による)
なおした ところ
更新履歴
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