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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

木は どうして はっぱを おとすの? めを まもる ひみつと、おちばの あたたかさ

木はなぜ葉を落とすのか ── 芽を守るしくみと、落ち葉の下のあたたかさ

木はなぜ葉を落とすのか ── 離層のしくみ、冬芽の凍結防止、発酵熱

分野:自然

あきに こうえんを あるくと、はっぱが たくさん おちて います。なつの あいだ、木は その はっぱを つかって、たいようの ひかりで ごはんを つくって いました。それを どうして、木は じぶんから すてて しまうのでしょうか。

この メモでは、木が はっぱを おとす りゆうから、はっぱの ない ふゆを どう すごすのか、おちた はっぱの 下で なにが おきて いるのかまでを、じゅんばんに みて いきます。

秋になると、公園の木の下に葉っぱが積もります。夏のあいだ、その葉は日光を受けて、木が生きるための養分を作る工場でした。せっかく作った工場を、木はなぜ手放してしまうのでしょうか。

このメモでは、木が葉を落とす理由から、葉のない冬をどう乗りこえるのか、そして落ちた葉の下で何が起きているのかまでを、順番にたどっていきます。

毎年、同じことが起きる。夏のあいだ緑色だった葉が、数週間で色を変え、地面に落ちる。葉は、太陽の光から養分を作る、木にとって唯一の「工場」だ。その工場を、木は毎年みずから手放している。もったいなくないのだろうか。

このメモでは、木が葉を落とすしくみと、葉をすべて失った冬を木がどう乗りこえるのか、そして落ちた葉の下で何が起きているのかを、事典の記述をたどりながら見ていく。

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1. 木は どうして はっぱを おとすの?

1. 木はなぜ、わざわざ葉を手放すのか

1. 葉を切り離すしくみ ── 離層とホルモン

はっぱは、たいようの ひかりを つかって、木の ごはんを つくる だいじな どうぐです。でも はっぱは うすくて、中に 水を たくさん もって います。ふゆに なって さむく なると、その 水が こおって、はっぱは こわれて しまいます。土の 中の 水も こおって しまうので、根から あたらしい 水を すいあげにくく なります。

だから 木は、さむく なる まえに、じぶんで はっぱを きりはなして しまうのです。えだと はっぱの あいだに、はがれやすい ところが できて、そこから ぽろりと おちます。おちる まえに、はっぱの 中に あった だいじな ものは、えだや みきに もどされます。いろが かわって いく はなしは、べつの メモ「はっぱの いろが かわる わけ」で みて みてください。

でも、木ぜんぶが この やりかたを えらぶ わけでは ありません。おなじ こうえんに、ふゆでも みどりの ままの 木が たって いる ことが あります。

葉は、日光と空気中の二酸化炭素と水から、木が生きるための養分を作る、たった一つの工場です。ところが葉はうすくて水分が多く、表面には気体の出入り口である気孔きこうもあいています。冬に気温が下がって凍ってしまったり、地面の水が凍って根から水を吸えなくなったりすると、葉はもちません[1]。

そこで木は、寒さが本格的になる前に、葉を自分から手放します。葉のつけねには、離層りそうという特別な細胞の層ができます。葉から出るホルモンの量が変わると、この層の細胞をつなぐ壁がゆるみ、葉はそこでちぎれるように落ちます[2]。落ちる前に、葉の中にあった養分の多くは枝や幹に運び戻され、来年のためにたくわえられます[3]。色が変わっていくくわしいしくみは、姉妹記事「紅葉のしくみ」で見ました。

ただし、すべての木がこの方法を選ぶわけではありません。同じ公園に、冬でも緑のままの木が立っていることがあります。

葉は、太陽の光と二酸化炭素と水から養分を作る、木にとって唯一の器官だ。ところが葉は薄く、水を多く含み、気体の出入り口である気孔もあいている。低温になれば凍りやすく、地面の水が凍って根から吸い上げられなくなる季節には、乾燥にも弱い[1]。

そこで木は、冬が来る前に、葉を自分から切り離す。葉の付け根には、離層りそうと呼ばれる特別な細胞の層ができる。葉から出るオーキシンというホルモンが減ると、離層の細胞をつなぐ壁が酵素の働きでゆるみ、葉はそこでちぎれるように落ちる[2]。落ちる前には、葉の中にあった養分の多くが枝や幹へ運び返され、来年のために蓄えられる[3]。色が変わっていく途中のくわしい話は、姉妹記事「紅葉のしくみ」で見た。

ただし、すべての木がこの方法を選ぶわけではない。同じ公園に、冬でも緑のままの木が立っていることがある。

2. ふゆも みどりの 木が あるのは どうして?

2. 葉を落とす木と、落とさない木のちがい

2. 落葉樹と常緑樹 ── 葉を替える速さのちがい

はっぱを ぜんぶ おとす 木を「らくようじゅ」、いちねんじゅう みどりの 木を「じょうりょくじゅ」と いいます。じょうりょくじゅも、はっぱが かわらないわけでは ありません。1まい 1まいの はっぱは 1ねんから 数ねんで いれかわって いますが、いつも つぎの はっぱが できて いるので、めだたないだけです。

まつのように ほそくて かたい はっぱは、水分が にげにくく、さむさにも つよいのです。だから むりに おとさなくても へいきです。

では、はっぱを ぜんぶ おとした 木は、どうやって ふゆを いきのびるのでしょうか。

冬に葉を全部落とす木を落葉樹、一年じゅう緑の葉がある木を常緑樹といいます。常緑樹も、葉を落とさないわけではありません。1枚1枚の葉は1〜数年で入れかわりますが、次々に新しい葉ができるので、落葉が目立たないだけです[4]。

針葉樹のように葉を細く小さくしたり、表面を厚い層でおおったりすると、水分が逃げにくく、寒さにも強くなります。葉を守れるなら、無理に落とさなくてもすむのです[5]。暖かい日があればすぐ光合成を再開でき、春もいちはやく活動を始められる、という得もあります[4]。

一方、広くうすい葉を広げる木の多くは、そのぶん寒さや乾燥に弱くなっています。冬を越すには、葉を作りかえるほうが安く済む、という考え方です。

では、葉をすべて失った木は、養分をつくる「収入」をゼロにして、どうやって冬を生きのびるのでしょうか。

冬に葉をすべて落とす木を落葉樹、一年じゅう緑の葉をつけている木を常緑樹と呼ぶ。常緑樹も葉を落とさないわけではなく、1枚1枚の葉は1年から数年で入れ替わる。新しい葉が次々にできるので、落葉が目立たないだけだ[4]。

針葉樹のように葉を細く小さくしたり、表面を厚いクチクラ層で覆ったりすれば、水分が逃げにくく、寒さにも強くなる。条件が悪くない、または悪い時期があっても葉を捨てなくても済む程度なら、常緑になる[5]。さらに、暖かい時期には気温が上がればいつでも光合成を再開でき、春が来てもすぐに活動を始められるという利点もある[4]。

一方、広い葉を広げて一気に光を受け止める広葉樹の多くは、葉を薄く大きく作る代わりに、寒さや乾燥への耐久力を犠牲にしている。冬をやり過ごすには、葉を作り替えるほうが安上がりだ、という考え方になる。

では、葉をすべて失った落葉樹は、光合成という「収入」をゼロにして、どうやって冬を生き延びるのだろうか。

3. はっぱが なくても、木が しなないのは なぜ?

3. 葉が1枚もなくても、木が枯れない理由

3. 光合成ゼロで冬を越す ── 蓄えと低代謝

はっぱを おとす まえに、木は はっぱの 中に あった だいじな ものを、えだや みきに もどして おきます。ふゆの あいだ、木は あたらしい はっぱも はなも つくらず、じっとして います。たくわえた ぶんだけで たりるからです。

この、じっとする すがたを「休眠きゅうみん」と いいます。でも、なにも して いないのとは ちがいます。木は いきた まま、しずかに ふゆを まって いるのです。

では、なにも して いないように みえる 木は、ほんとうに ただ とまって いるだけなのでしょうか。

葉を落とす前に、木は葉の中にあった養分を、枝や幹、根へ回収します[3]。冬のあいだ、木は新しい葉も花も作らず、成長もほとんど止めます。使うエネルギーが少なくなるので、秋までにたくわえた養分だけで足りるのです。

この、活動を大きく落とした状態を休眠きゅうみんといいます。休眠は、活動がゼロになることではありません。ある百科事典の説明では、休眠中も「代謝活動はきわめて低く保たれ」ていて、木は生きたまま、静かに冬を待っています[6]。

見た目には何もしていないこの時期、木は本当にただ止まっているだけなのでしょうか。

葉を落とす前に、木は葉の中にあった窒素やリンなどの養分を、枝や幹、根へ回収している[3]。冬のあいだ、木は新しい葉も花も作らず、成長もほぼ止める。エネルギーの支出が小さくなるので、秋までに蓄えた養分だけで足りる。

この、活動を大きく落とした状態を休眠きゅうみんという。休眠は、活動をゼロにすることではない。日本大百科全書の解説によれば、休眠状態では「代謝活動はきわめて低く保たれ」ており、木は生きたまま、静かに冬を待っている[6]。

では、見た目には何もしていないように見えるこの時期、木は本当にただ止まっているだけなのだろうか。

4. ふゆの 木は、ほんとうに ねむって いるだけ?

4. 冬の木は、本当にただ眠っているだけなのか

4. 木は眠っているのか ── すでに仕込まれた来年の葉

こたえは はんぶん あたりで、はんぶん ちがいます。木は なにも しないで まって いるのでは ありません。おおくの 木は、あきの うちに、らいねん ひろがる はっぱの もとを、えだの さきに ちいさく つくって おくのです。この ちいさい めを、「ふゆの め」と いいます。

ふゆの めの 中には、らいねんの はっぱが、たたまれた かたちで もう はいって います。でも、この め は、えだの いちばん さきに あって、かぜと さむさを まともに うけます。どうして こおって しまわないのでしょうか。

答えは半分正しく、半分ちがいます。活動は低いままですが、木は何も準備していないわけではありません。多くの木は、葉を落とす前の秋のうちに、もう来年の葉や花のもとを、枝の先に小さく仕込んでいます。これが冬芽とうがです[7]。

冬芽の中には、来年広がる葉が、折りたたまれた形ですでに入っています。多くの木では、葉を落とすころまでに、次の年の葉のもとを冬芽の中に用意しているのです。休眠は、何もない状態で春を待つことではなく、次の一手を用意したうえで、いったん止まることに近いといえます。

でも、この冬芽は、枝の先という、風と寒さがいちばん強く当たる場所にあります。凍りつくような空気に何か月もさらされて、なぜこわれてしまわないのでしょうか。

答えは半分正しく、半分ちがう。代謝はたしかに低いが、木は何も準備していないわけではない。多くの木は、葉を落とす前の夏から秋にかけて、すでに来年の葉や花のもとを、枝の先や葉の付け根に小さく仕込んでいる。これが冬芽とうがだ[7]。

冬芽の中には、来年広がる葉が、折りたたまれた状態ですでに入っている。多くの木は、葉を落とすころまでに、次の年の葉のもとを冬芽の中に用意し終えている。休眠とは、真っ白な状態で春を待つことではなく、次の一手を用意したうえで、活動を止めることに近い。

だが、この冬芽は、枝の先という、いちばん風と寒さにさらされる場所についている。氷点下の空気に何か月もさらされて、なぜ凍って死んでしまわないのだろうか。

5. ふゆの めが こおらないのは、どうして?

5. 植物の芽は、なぜ凍ってしまわないのか

5. 冬芽が凍らないしくみ ── 芽鱗・過冷却・不凍物質

ふゆの めの そとがわは、あつい かわのような ものに つつまれて います。木に よって、この かわは 1まいだけの ものも、20まい いじょう かさなって いる ものも あります。これが、さむさや かぜから 中の め を まもる、コートのような やくめを して います。

それだけでは ありません。め の 中の 水には、あまい せいぶんが とけて いて、水が こおる おんどを さげて います。だから、まわりの 空気が 0どより ひくく なっても、すぐには こおらないのです。アジサイの めには、こおるのを ふせぐ せいぶんが 見つかった れいも あります。

あつい コートと、水の ふしぎな せいしつ。この ふたつを つかって、ちいさな め は さむい ふゆを のりこえて いるのです。では、木から じめんに おちた はっぱは、どうなって いるのでしょうか。

冬芽の外側は、芽鱗がりんと呼ばれる、特別な葉のようなものでおおわれています。芽鱗は油分に富む膜や、樹脂、こまかい毛で補強されていることも多く、寒さや乾燥、虫や病気から中を守る、いわば防寒着です[8]。芽鱗の数は木の種類によってちがい、ヤナギ属では1枚だけ、ミズナラでは20枚以上重なる例もあります[7]。

防寒着だけでは、氷点下の日が何日も続く冬は乗り切れません。植物の細胞は、いくつかのしくみを組み合わせて使います。一つは過冷却かれいきゃくという現象です。液体は、こおるきっかけになる小さな核がなければ、凝固点より低い温度でも、こおらずに液体のままでいられることがあります[9]。もう一つは、細胞液に糖などが溶けていて、こおりはじめる温度そのものを下げるしくみです。さらに、細胞のすきまのほうで先に水をこおらせて、こわれやすい細胞の中身を守るしくみもあります[7]。

アジサイの冬芽には、凍結を防ぐはたらきを持つ物質が入っている例も知られています[7]。防寒着と、水のふしぎな性質をあわせ使って、小さな芽は寒さをやり過ごしています。

凍らない工夫をした芽が枝の上で春を待つ一方、すでに地面に落ちた葉は、どうなっているのでしょうか。

冬芽の外側は、芽鱗がりんと呼ばれる、特殊化した葉やうろこ状の組織でおおわれている。芽鱗はクチクラという油分に富む層を持ち、さらに樹脂や密生した毛で補強されることも多い。これが、寒さと乾燥、そして病気や虫から中の組織を守る、いわば防寒着になる[8]。芽鱗の枚数は種類によって差が大きく、ヤナギ属では1枚しかない例がある一方、ミズナラでは20枚以上重なる例もある[7]。

防寒着だけでは、氷点下が何日も続く冬は乗り切れない。植物の細胞は、いくつかのしくみを組み合わせて使う。一つは過冷却かれいきゃくと呼ばれる状態だ。液体は、凝固点より低い温度でも、こおるきっかけとなる小さな核がなければ、こおらずに液体のままでいられる[9]。もう一つは、細胞液に糖などが溶けていて、凝固点そのものを下げるしくみで、これは過冷却とは別の作用だ。さらに、外側の細胞のすきまで先に水を凍らせることで、こわれやすい細胞の内部を守るしくみもある[7]。

中には、化学的な防御を持つ植物もある。アジサイの冬芽には、凍結を防ぐはたらきを持つ物質が含まれている例が報告されている[7]。防寒着と、水の性質を利用した工夫を組み合わせて、小さな芽は寒さをやり過ごしている。

凍らない工夫をした芽が枝の上で春を待つ一方、すでに地面に落ちた葉は、どうなっているのだろうか。

6. おちばの 山の 中は、どうして あたたかいの?

6. 落ち葉の山の中は、なぜ少しあたたかいのか

6. 落ち葉の山はなぜ暖かいのか ── 断熱と発酵熱

つもった おちばの 下は、そとの 空気より すこし あたたかい ことが あります。りゆうは ふたつ あります。ひとつは、はっぱと はっぱの あいだの 空気が、ふとんのように あたたかさを にがさない ことです。もうひとつは、はっぱを たべる ちいさな いきものたちが はたらいて、ねつを だすからです。よく てを かけた たいひの 山では、この ねつで 40どから 60どぐらいまで あつく なり、さむい あさに ゆげが たつ ことも あります。こうえんの おちばの 山は、そこまで あつく なりませんが、しくみは おなじです。

この あたたかさを つかう いきものも います。カブトムシの ようちゅうは、くちた 木や たいひの 中に もぐりこんで、その 中で ふゆを こします。おちばの 山は、ちいさな いきものたちの、ふゆの おうちでも あるのです。

積もった落ち葉の下は、外の空気より少しあたたかいことがあります。理由は大きく二つです。一つは、葉と葉のすきまに閉じこめられた空気が、ふとんのように断熱してくれることです。森林では、地面が落ち葉でおおわれることで、土の水分や温度の変化が比較的おだやかになるといわれています[10]。

もう一つは、小さな生きものの働きによる発熱です。落ち葉が積み重なると、カビのなかまや細菌が少しずつ分解を進め、この過程では熱が出ます[11]。よく手入れされた堆肥たいひの山では、この発熱がさかんな時期に40〜60℃に達することが知られていて、大きな山なら、冷えこんだ朝に湯気が立つこともあります[12]。公園の落ち葉の山がそこまで熱くなるわけではありませんが、しくみは同じです。

この暖かさを利用して冬を過ごす生きものもいます。カブトムシの幼虫は、朽ち木や畑の堆肥の中などにもぐりこんで育ち、そのまま冬を越します[13]。落ち葉の山は、小さな生きもののための、目立たない冬の家でもあるのです。

積もった落ち葉の下は、外の空気より少しあたたかいことがある。理由は大きく二つある。一つは、葉と葉のすきまに閉じ込められた空気が、断熱材の役目をすること。森林では、地表が落ち葉でおおわれることで、土壌の水分や温度の変動が比較的安定するとされている[10]。

もう一つは、微生物の働きによる発熱だ。落ち葉が積み重なると、糸状菌や細菌が、易分解性の有機物からゆっくりと分解を始め、繊維質を分解する段階へ進む。この過程には発酵熱がともなう[11]。管理された堆肥たいひでは、この発熱をわざと大きくするために、米ぬかや窒素肥料を混ぜることもあるという[11]。よく管理された堆肥の山では、微生物が活発に働く時期に40〜60℃に達することが知られており、大きな山では、冷えこんだ朝に湯気が立つこともある[12]。公園の落ち葉だまりが同じ温度になるわけではないが、しくみそのものは同じだ。

この暖かさを利用して冬を過ごす生きものもいる。カブトムシの幼虫は、朽ち木や畑の堆肥の中などに潜り込んで育ち、その中で越冬する[13]。落ち葉の山は、人には気づかれにくい、小さな生きもののための冬の家でもある。

7. こうえんでは、どうして おちばを あつめるの?

7. 公園では、なぜ落ち葉を集めるのか

7. 公園はなぜ落ち葉を集めるのか ── 危険と、もう一つの使い道

いま こうえんで おちばを あつめる いちばんの りゆうは、あんぜんの ためです。ぬれた おちばは とても すべりやすく、みちや えきで ころんで しまう ことが あります。

でも、りゆうは それだけでは ありません。むかし、のうかの 人たちは ふゆに おちばを かき あつめて、たいひを つくりました。それを はたけの 土に まぜて、やさいを そだてたのです。いまでも、あつめた おちばを たいひに して つかう こうえんが あります。おちばは、「ごみ」だけでは ないのです。

今、公園や道路で落ち葉が集められる理由は、まず安全のためです。ぬれた落ち葉はとても滑りやすく、歩道や駅のホームで転ぶ原因になります。溝や排水口をふさいで、大雨のときに水があふれる原因にもなります。

でも、落ち葉を集める理由はそれだけではありません。日本の多くの地域で、化学肥料が広まる前は、落ち葉は堆肥の大事な材料でした[14]。武蔵野などでは、コナラやクヌギを中心にした雑木林ぞうきばやしが、人の暮らしのすぐそばに保たれてきました[15]。農家は冬に落ち葉をかき集め、積んで発酵させ、翌年の畑に入れる堆肥を作りました。木を切っては育て直す、薪や炭のための利用とならんで、落ち葉かきは雑木林を保つ仕事の一つだったのです[14]。

今でも、集めた落ち葉を腐葉土にして、花だんの土づくりに使う公園や自治体があります。落ち葉を「ごみ」として片づけるだけでなく、土にもどす発想は、昔からの雑木林の知恵と、根っこのところでつながっています。

今の公園や道路で落ち葉が集められる理由は、まず安全のためだ。ぬれた落ち葉は非常に滑りやすく、歩道や駅のホームでは転倒の原因になる。側溝や排水口をふさいで、大雨のときに水があふれる原因にもなる。

だが、落ち葉を集める理由はそれだけではない。日本の多くの地域で、化学肥料が広まる前、落ち葉は堆肥の材料として重要な資源だった[14]。武蔵野などでは、コナラやクヌギを中心にした雑木林ぞうきばやしが、人里近くの若い二次林として維持されてきた[15]。農家は冬に落ち葉をかき集め、積んで発酵させ、翌年の畑にすき込む堆肥を作った。木を切っては芽ばえから育て直す、薪や炭の材料としての利用と並んで、落ち葉かきは雑木林を維持する仕事の一つだった[14]。

今も一部の公園や自治体では、集めた落ち葉を腐葉土にして、花壇や植え込みの土づくりに利用している。落ち葉を「ごみ」として片づけるだけでなく、土に還す動きは、昔ながらの雑木林の知恵と、ねっこの部分ではつながっている。

8. じぶんでも しらべて みよう

8. 自分でも調べてみたくなったら

8. 自分でも調べてみたくなったら

こうえんで、できたばかりの おちばの やまと、まえから ある おちばの やまが あったら、てぶくろを して、とがった えだや むしに 気をつけながら、そっと 手を いれて、あたたかさを くらべて みましょう。ふみあらしたり、もえたり しないように、そっと さわるだけに します。いきものが かくれて いる ことも あるので、さわったら そっと もどして あげましょう。

まわりの 木を みて、ふゆに はっぱが なくなる 木と、いちねんじゅう みどりの 木を さがして みるのも たのしいです。

ふゆに なったら、えだの さきの ちいさい めを、そっと みて みましょう。とったり おったり しないで ください。はっぱの いろが かわる わけが きに なったら、「はっぱの いろが かわる わけ」の メモも よんで みてください。

近くの公園で、できたばかりの落ち葉のかたまりと、何週間か前からそのままの落ち葉の山を見つけたら、手袋をして、とがった小枝や虫に気をつけながら、そっと手を入れて、あたたかさのちがいを比べてみましょう。踏みあらしたり、燃やしたりはしません。生きものがかくれていることもあるので、さわったらそっと元にもどします。

まわりの木を見わたして、冬に葉が全部落ちる木(落葉樹)と、一年じゅう緑の木(常緑樹)を見分けてみるのもよいでしょう。葉の形(広いか、針のように細いか)や、木の下に葉が積もっているかどうかで見分けられます。

冬になったら、はだかの枝の先についている小さな冬芽を観察してみましょう。芽鱗が何枚重なっているか、木の種類でどう形がちがうかを見てみましょう。折ったり取ったりせず、目で見るだけにします。葉の色が変わるしくみが気になったら、姉妹記事「紅葉のしくみ」も読んでみてください。

近くの公園で、できて間もない落ち葉の吹きだまりと、何週間か前からそのままになっている落ち葉の山を見つけたら、軍手をつけ、とがった小枝や虫に注意しながら、そっと手を差し入れて、あたたかさのちがいを比べてみるとよい。踏み荒らしたり、燃やしたりはしない。生きものが隠れていることもあるので、そっと戻しておく。

街路樹や庭木を見わたして、冬に葉が全部落ちる木(落葉樹)と、一年じゅう緑の木(常緑樹)を見分けてみるのもいい。葉の形(広いか、針のように細いか)や、木の下に葉が積もっているかどうかで見分けられる。

冬になったら、裸の枝の先についている小さな冬芽を観察してみよう。芽鱗が何枚重なっているか、木の種類によって形がどうちがうか。折ったり取ったりせず、目で見るだけにする。葉の色が変わるしくみが気になったら、姉妹記事「紅葉のしくみ」も読んでみてほしい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:コトバンクは複数の百科事典(日本大百科全書・世界大百科事典・精選版日本国語大辞典など)をまとめた辞書サイト、日本語版・英語版ウィキペディアは百科事典です。

  1. ウィキペディア「落葉」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/落葉 (葉が低温・乾燥に弱いこと、落葉が休眠への適応であること)
  2. コトバンク「離層」。 https://kotobank.jp/word/離層 (離層の構造、酵素の働きによる細胞壁の分解)
  3. コトバンク「落葉」。 https://kotobank.jp/word/落葉 (落葉前に養分が枝や幹へ転流されること)
  4. コトバンク「常緑樹」。 https://kotobank.jp/word/常緑樹 (常緑樹の葉の寿命、冬でも光合成を続けられる利点)
  5. ウィキペディア「常緑植物」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/常緑植物 (葉を厚くしクチクラ層を強くする適応)
  6. コトバンク「休眠」。 https://kotobank.jp/word/休眠 (休眠中も代謝活動が低く保たれた状態で続くこと)
  7. ウィキペディア「冬芽」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/冬芽 (芽鱗の枚数の例、アジサイの冬芽に凍結を防ぐ物質がある例)
  8. コトバンク「冬芽」。 https://kotobank.jp/word/冬芽 (芽鱗の構造、クチクラ・樹脂・毛による保護)
  9. コトバンク「過冷却」。 https://kotobank.jp/word/過冷却 (過冷却の定義、凝固点以下でも液体のままでいられる現象)
  10. ウィキペディア「落ち葉」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/落ち葉 (落ち葉が土壌の水分・温度の変動をやわらげること)
  11. コトバンク「腐葉土」。 https://kotobank.jp/word/腐葉土 (微生物による発酵・分解の過程、発熱をうながす工夫)
  12. Wikipedia "Composting"(英語版ウィキペディア)。 https://en.wikipedia.org/wiki/Composting (管理された堆肥が、発酵の盛んな時期に40〜60℃に達すること)
  13. コトバンク「カブトムシ」。 https://kotobank.jp/word/カブトムシ (幼虫が朽ち木や堆肥の中で育ち、そこで冬を越すこと)
  14. ウィキペディア「雑木林」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/雑木林 (化学肥料が広まる前、落ち葉が堆肥の材料として重要だったこと)
  15. コトバンク「雑木林」。 https://kotobank.jp/word/雑木林 (雑木林が人里近くの二次林として保たれてきたこと)

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