1. 皮は、どうして くさるの?
1. 生の皮は、そのままでは使えない
1. 原皮 ── 食肉の副産物と、腐敗という問題
革の もとに なる 皮は、にくを とるときに、いっしょに でて くる ものです[1]。おにくを つくる ときに でて くる 皮を、むだに しません。
この 皮を そのまま おくと、くさったり、かたく なったり します[2]。くつには つかえません。
そこで、くさらない ように かえる しごとが あります。それが「なめし」です。
2. こうじょうに とどいた 皮は?
2. 塩漬けで届き、まず水に戻す
2. 準備工程 ── 塩蔵、水漬け、裏打ち
皮は、くさらない ように しおに つけられた まま、こうじょうに とどく ことが おおいと いいます[6]。
こうじょうでは、まず 水に つけて、ちや よごれを おとします。かわいた 皮は、なまの ときの すがたに もどります[3]。
つぎに、きかいで、皮に ついた にくや あぶらを けずりとります。
3. 毛は、どうやって とるの?
3. 毛を刃で剃らず、薬で溶かす
3. 石灰漬け・脱毛、脱灰・酵解、浸酸
けを とるのに、かみそりは つかいません。せっかいを まぜた 水に、皮を つけます[5]。
すると 皮が ふくらんで、け や あぶらが とけて、とれて いきます。おなじ ときに、皮の 中の せんいも ほぐれます。
そのあと せっかいを ぬきます。つぎに、たんぱくしつを こわす 小さな はたらきを もつ ものを つかい、いらない ぶぶんを とります[6]。おもての めんが、つるつるに なります。
4. 「なめし」で、なにが かわるの?
4. 繊維どうしを結びとめる
4. 鞣しの仕組み ── コラーゲン繊維の架橋と充填
皮の 中には、こまかい せんいが たくさん あります。なめしでは、その せんいどうしを むすぶ あたらしい つながりが できます[2]。
あみの ほつれやすい ところに、むすびめを つくる ような ものです。せんいの すきまも うまって、くさりにくく なります。
ただし 本当は、ぬるだけの くさりどめでは ありません。せんいの つくりが かわるのです。
皮の主成分に、新しい結びつきを作る
皮の主成分は、コラーゲンという繊維状のたんぱく質です。なめしでは、その繊維どうしをつなぎとめる「新たな結合」がつくられます(架橋)。繊維のすき間も埋められ(充填)、分解や腐敗が防がれます[2]。
ほつれやすい網の結び目を、ところどころ固く結び直すようなものです。ただ、防腐剤を表面に塗るのとは違い、繊維の中身の構造が変わります。
5. 木の えきと、きんぞくの えき
5. 植物のタンニンと、クロム ── かかる時間の違い
5. タンニン鞣しとクロム鞣し ── 所要時間と性質
なめしの しかたは、おもに ふたつです。ひとつは、木や くさに ある「タンニン」を つかう やりかたです。むかしから ある ほうほうと いわれます[4]。
もうひとつは、クロムという きんぞくの しおを つかう やりかたです。1858ねんに ドイツで うまれ、みじかい じかんで おわります[4]。
タンニンは、なんかげつも かかる ことが あります。ある こうじょうでは、うすい えきから こい えきへ、百六十ほどの おけに じゅんばんに つけると いいます[7]。
いま つくられる 革の、やく 八十五パーセントは クロムだと いう しりょうも あります[4]。
ふたつの代表的な方法
なめしの代表は、植物のタンニンを使う「タンニンなめし」と、クロム塩を使う「クロムなめし」です。タンニンなめしは古代エジプトのころから行われてきた最古の方法とされ、ヌメ革や靴底の革に使われます[4]。
数か月と、短時間
タンニンなめしは、数か月かかることもあり、手間と時間がかかります。一方、クロムなめしは1858年にドイツで開発され、短時間で終わります[4]。革製品全体では、約85%がクロムを使った製法だと説明する資料もあります[4]。
ピットに漬ける一例
栃木レザーは、約160のピット槽を使い、薄いタンニン液の槽から濃い槽へ順に皮を移して漬け込むと説明しています[7]。これは一社の例で、業界すべてがそうというわけではありません。
感触も少し違います。クロムなめしはやわらかく伸びやすく、タンニンなめしはしっかり固く、使うほど色やつやが変わっていきます[2]。靴では甲に前者、底に後者が使われる傾向はありますが、決まりではなく、両方を合わせる方法もあります。
鞣しの代表は、植物タンニンを用いるタンニン鞣しと、クロム塩を用いるクロム鞣しである。前者は古代エジプト時代から行われている最古の方法とされ(同資料の記述)、ヌメ革や底革に用いられる[4]。
所要時間は、タンニン鞣しは数か月を要することもあるのに対し、1858年にドイツで開発されたクロム鞣しは短時間で完了する。ただしクロムの具体的な所要時間は、この資料に数値がない[4]。革製品の約85%はクロムベースとの記述もある[4]。
タンニン鞣しの現場の一例として、栃木レザーは約160のピット槽を用い、薄いタンニン槽から濃い槽へ順に皮を漬け込む[7]。一社の例であり、業界全体の数字ではない。
性質は、タンニン鞣しは充填効果が強く堅牢、クロム鞣しは架橋効果が強くやわらかく伸びる(要旨)[2]。靴の甲革と底革で使い分けられる傾向はあるが、どの靴がどちらとは決まらず、混合鞣しもある。
6. なめした あとは?
6. 厚さをそろえ、もみほぐして仕上げる
6. 仕上げ工程と乾燥 ── 栃木レザーの20工程を例に
なめした あとの 革は、まだ 使えません。あつさを そろえたり、いろを つけたり、あぶらを しみこませたりします[5]。
かわかして、もみほぐすと、やわらかく なります。さいごに ぬる ざいりょうで おもての めんを ととのえます。
ある こうじょうでは、水あらいから しゅっかまで 二十の こうていが あるそうです。かわかす のに、うすい 革で 四日、あつい 革で 一しゅうかん かかります[7]。
7. 革が、くつに なるまで
7. 裁断から、つり込み、底付けまで
7. 製靴工程 ── 裁断・製甲・つり込み・底付け
できあがった 革は、こんどは くつの かたちに きりだされます。しわや きずが ある ところは、めだたない ぶぶんに つかう こうじょうも あります[8]。
きりだした 革を ぬいあわせ、木の かたに あわせて ぴんと ひっぱります。しわや ゆがみが でないように する「つりこみ」です[8]。
さいごに そこを つけ、けんさを して できあがりです。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
おうちの 革靴の、おもてと 中と そこを さわって くらべて みましょう。やわらかさは おなじでしょうか。ちがう ところを ことばに して みます。
本や ホームページで しらべるなら、日本革市の、つくりかたを せつめいした ページが、日本語で 読めます。
今日できること:家にある革靴は甲と底、内側と外側を、革の財布があれば表と内側を触り比べて、硬さや手触りの違いを言葉にしてみてください。革の種類やなめし方は、タグや説明書に書いてあることもあります。
公式情報:日本革市の解説や、各製革所・靴メーカーの製造工程のページは、日本語で読めます。工程は会社や製法で違うので、複数を読み比べると違いが見えてきます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
工程や数値は、各機関の説明を突き合わせています。工程の数や順序は、会社や製法で異なります。
- 日本畜産副産物協会「原皮の処理と生産量」 https://www.jlba.or.jp/con07_1.html (原皮が食肉の副産物であること)
- 山陽「なめし(鞣し)のしくみ」 https://sanyotan.co.jp/note/mechanism_of_tanning (なめしの目的と架橋・充填、性質の違い)
- 日本革市「皮から革、革から製品革になるまで」 https://www.kawa-ichi.jp/basic/04/index.html (準備工程・浸酸・仕上げの流れ)
- 日本革市「なめしの種類」 https://www.kawa-ichi.jp/basic/05/index.html (タンニンなめし・クロムなめしの違い)
- 和歌山県「製革工程」 https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/061000/leather/leather4.html (石灰漬け・仕上げ工程)
- ごとう製革所「革をなめす前の下準備とは?」 https://goto-leather.co.jp/leather-process1 (塩漬けの原皮、脱灰・酵解)
- 栃木レザー「20の製造工程」 https://www.tochigi-leather.co.jp/process/ (ピット槽・工程数・乾燥日数の一例)
- スコッチグレイン「靴の製造工程」 https://scotchgrain.co.jp/quality/flow/ (裁断からつり込み・底付けまで)
なおした ところ
更新履歴
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