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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

よる おそくまで スマホを 見ると、どうして ねむりの じゃまに なるの?

夜おそくまでスマホを見ると、なぜ眠りのじゃまになるのか ── ブルーライトと、親子で決めるルール

寝る前のスマホと眠り ── ブルーライト研究の到達点と、家庭のルールの決め方

分野:からだ

よる、ねる まえに スマホを 見て いると、おうちの 人に「もう ねなさい」と いわれる ことが ありますよね。「ブルーライトが よくないんだよ」と きいた ことも あるかも しれません。

ほんとうに ブルーライトの せいなのでしょうか。そして、おうちで どんな ルールに すると いいのでしょう。このメモでは、研究けんきゅうを よんで、かんがえて みました。

アメリカの病院の研究室に、12人の大人が2週間泊まりこみました。毎晩、寝る前の4時間は本を読みます。ある期間は紙の本を、別の期間は光るタブレットの画面で。ちがうのは、本が光るかどうかだけでした。

光る画面で読んだ夜は、寝つくまでに時間がかかり、翌朝も眠かったのです。では、その原因はブルーライトなのでしょうか。専門家16人の会議は、この点で「合意に届かなかった」と書きました。このメモでは、光の研究、日本の学会と厚生労働省の見解、子どもたちの調査、家庭のルールの調査を読み比べて、夜のスマホと、親子で決めるルールについて考えます。

アメリカの病院の睡眠研究チームは、12人の健康な大人に14日間、施設に泊まりこんでもらった[1]。夜、寝る前の4時間は本を読む。ある期間は紙の本、別の期間は光るタブレットの画面で。参加者が自分で選んだ、楽しみのための文章を読み、ちがうのは、本が光るかどうかだけだった。

光る画面で読んだ夜は、寝つくまでの時間が長くなり、翌朝は眠かった。「寝る前のスマホは眠りのじゃまになる」という話で、よく取り上げられる実験だ。ただし、その原因が青い光なのかどうかは、別の問題として残る。専門家16人のパネルは、2024年に「光の影響については合意に届かなかった」と書いた[9]。このメモでは、光の研究、日本の学会と厚生労働省の見解、子どもたちの調査、家庭のルールの調査を読み比べて、夜のスマホと、親子で決めるルールについて考える。

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1. かみの ほんと ひかる がめんで、ねつきは ちがった?

1. 紙の本と光る画面で、4時間ずつ読み比べた

1. 光る画面と紙の本を、寝る前の4時間ずつ読み比べた実験(2015年)

アメリカの けんきゅうする 人たちが、12人の おとなに きょうりょく してもらいました。14日かん、けんきゅうじょに とまり、よるの 4じかん、ほんを よみます。ある ひは かみの ほん。べつの ひは、ひかる がめんの タブレット。[1]

ひかる がめんで よんだ よるは、ねつくまでに、10ぷんほど よけいに かかりました。ねむくさせる、からだの なかの もの(メラトニンと いう ホルモン)も へりました。つぎの あさも、ねむかったのです。[1]

ただし、この じっけんは 12人の おとなで、タブレットを いちばん あかるく して 4じかんも 見ました。こどもに そのまま あてはまるとは かぎらない、と けんきゅうした 人たちは 書いて います。[1]

アメリカのブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード大学医学部の睡眠研究チームは、12人の健康な大人(平均およそ25歳)に協力してもらい、14日間、施設に泊まってもらいました。夕方6時から夜10時までの4時間、本を読みます。5日続けて紙の本、別の5日は光るタブレット(iPad)を最大の明るさにして。読むのは、参加者が自分で選んだ、楽しみのための文章でした。夜10時から朝6時までが眠る時間でした[1]。

紙の本のときは、部屋はほとんど暗く、本を読む目の位置でおよそ3ルクスでした。タブレットのときは、目の位置で30〜50ルクスでした[1]。

光る画面で読んだあとは、寝つくまでの時間が平均25.7分かかりました(紙の本のときは15.8分)。夜のメラトニンの量は55%ほど少なくなりました。メラトニンは、眠りにかかわるホルモンで[2]、暗くなると体の中で出はじめます。5日続けたあとは、メラトニンが出はじめる時刻が1.5時間以上おそくなり、翌朝は眠く、ふだんの目覚めの状態に戻るのもおそかったのです[1]。

この実験でわかることには限りがあります。参加者は12人の大人で、タブレットは最大の明るさ、しかも4時間でした。論文の著者も、子どもや10代には当てはまらないかもしれないと書いています[1]。それに、光る画面と紙の本を比べた実験で、青い光だけを取り出して比べたわけではありません。

ハーバード大学医学部の関連病院(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院)の睡眠研究チームは、12人の健康な大人(平均24.9歳)に、14日間の入院型の実験に協力してもらった[1]。夕方6時から夜10時まで(途中に15分の休みがある)、およそ4時間、本を読む。これを、紙の本で5日連続、光る画面(iPad)で5日連続の、2つの条件で行った。読むのは参加者が自分で選んだ、楽しみのための文章(絵や写真のないもの)で、夜10時から朝6時までが眠る時間だった。

紙の本のときの部屋は、読む目の位置でおよそ3ルクスの、ごく薄暗い光だった。タブレットは最大の明るさにして、目の位置で30〜50ルクスだった[1]。

光る画面で読んだあとは、寝つくまでの時間が平均25.65分で、紙の本のとき(15.75分)より約10分長かった。夜のメラトニン(眠りを促すホルモン[2])は、55.12%抑えられた。5日続けたあとには、メラトニンが出はじめる時刻が1.5時間以上おそくなり、レム睡眠は約109分と、紙の本のとき(約121分)より短く、翌朝は眠く、ふだんの目覚めの状態に達するのもおそかった[1]。

できることと、できないことがある。参加者は12人で、タブレットは最大の明るさに固定され、実際の使い方とはちがう。論文は、比べる相手に、より長い波長の光を出す機器を入れていないと書き、子どもや10代に当てはまるかどうかは別の研究が必要だとも書く[1]。光る画面と紙の本の比較であって、青い光だけを取り出した比較ではない。

2. めの なかに、「見る」ため じゃ ない センサーが ある?

2. 目の中に、「見る」ためではない光のセンサーがあった

2. 網膜の光受容:見えない人の目にも届く光と、青に敏感なピーク(1995〜2002年)

ひかりで ねむけの ホルモンが へるのは、どうしてでしょう。ヒントは、めが 見えない 人の けんきゅうに ありました。

1995ねん、アメリカの けんきゅうで、ひかりを 見た きもちが まったく ない 11人が きょうりょく しました。あかるい ひかりの もとで しらべると、3人は、ねむけの ホルモンが へりました。そのうち 2人が めを おおうと、へりませんでした。[3]

「見えた」と かんじなくても、めの なかで ひかりを うけとって、からだの とけいに しらせて いたらしいのです。たとえば、めから「いまは ひる だよ」「いまは よる だよ」と しらせが とどく ような もの。ただし ほんとうは、からだの とけいは、ひかりの しらせだけで うごいて いる わけでは ありません。

この センサーは、青い ひかりの ときに いちばん つよく はたらく、と わかって きました。この あおい ひかりが「ブルーライト」です。[5][6]

なぜ光でメラトニンが減るのでしょうか。手がかりは、目が見えない人たちの研究にありました。1995年、アメリカのチームは、光を見た感覚がまったくない11人と、目の見える6人が実験に協力し、明るい光のもとで血液中のメラトニンを測りました。見える人ではメラトニンが平均66%減りました。目の不自由な11人のうち3人でも、平均69%減りました。そのうち2人の目を覆うと、メラトニンは減りませんでした。3人は眠りに困っておらず、体内時計も24時間に合っていました。ほかの人たちには不眠の経験がありました[3]。光は、本人が「見えた」と感じなくても、目から入って体内時計に届いていたのです。

2002年には、その正体に近づく発見がありました。哺乳類の網膜にある、体内時計の中枢につながる神経節細胞の一部は、ものを見るための細胞(桿体・錐体)からの入力をふさいでも、光そのものに反応しました[4]。厚生労働省のガイドは、この細胞がメラノプシンという光の色素をもち、460〜480ナノメートルあたりの短い波長の光、つまり青い光にもっとも敏感だと説明しています[2]。

人の実験もあります。72人が協力し、夜中の2時から3時半に、さまざまな色(420〜600ナノメートル)の光でメラトニンの減り方を測ったところ、いちばん強く効いたのは446〜477ナノメートルの光でした。ものを見る細胞とは別の光の色素が関わっているらしい、と論文は書いています[5]。

ブルーライトとは、可視光線のうち、波長が380〜495ナノメートルほどの青い成分をさします。太陽光にも電球の光にも含まれています[6]。

なぜ光でメラトニンが減るのか。手がかりは、目の不自由な人たちの研究にあった。1995年、アメリカのチームは、光を意識して感じることがまったくない11人と、目の見える6人が実験に協力し、明るい光のもとで血漿中のメラトニンを測った。見える6人ではメラトニンが平均66±15%減った。目の不自由な11人のうち3人でも、平均69±21%減った。そのうち2人の目を覆って同じ光を当てると、減らなかった。残る8人(メラトニンが測れなかった1人を含む)では減らなかった。減った3人は眠りに困っておらず、24時間の周期に体内時計が合っていた。減らなかった8人には不眠の経験があり、4人は体温のリズムが24時間に合っていなかった[3]。光は、本人が「見えた」と感じなくても、目から入って体内時計に届く。

2002年には、その受け手の候補が見つかった。哺乳類の網膜で、体内時計の中枢(視交叉上核)へ信号を送る神経節細胞の一部は、桿体・錐体からの入力をすべてふさいでも、光そのものに反応した。光に対する感度や反応の遅さは、光による体内時計の調節と一致していた[4]。厚生労働省の睡眠ガイドは、この細胞が光の色素メラノプシンをもち、460〜480ナノメートル付近の短波長光に感度のピークがあると説明する[2]。

ヒトでも、72人(平均24.5歳)が協力し、夜中の2時から3時半に、瞳孔を広げた状態で420〜600ナノメートルの単色光を浴び、延べ627回のメラトニン抑制を測った実験がある。もっとも強く効いたのは446〜477ナノメートルの波長で、ものを見る細胞とは別の光の色素が関わることを示唆する、と論文は書く[5]。

「ブルーライト」は、日本眼科学会などの文書で、可視光線のうち波長380〜495ナノメートル前後の青色成分で、太陽光や電球の光にも含まれると説明されている[6]。

3. ひかるのは スマホだけ? ひるの ひかりは?

3. 光るのはスマホだけではない。部屋の明かりと昼の光

3. 部屋の明かりと昼の光:光の作用は「いつ、どれだけ」で変わる

ひかるのは、スマホだけでは ありません。ふつうの へやの あかりでも、ねる まえの 8じかんを すごした 人たちは、くらい ひかりで すごした 人たちより、ねむけの ホルモンが でるのが おそかったのです。[7]

ぎゃくに、ひるまの あかるい ひかりは、よるの ねむりを たすける と いわれます。ひるの そとの ひかりは、タブレットの がめんより、ずっと あかるいのです。[2]

ひかりは、「いつ」「どのくらい」 あびるかで、はたらきが かわります。あさは、からだの とけいを あわせる ための だいじな ひかりです。

2011年の研究は、ふつうの部屋の明かりでも同じことが起きるかを調べました。18〜30歳の健康な116人が研究施設で5日以上暮らした2つの実験の記録を、あとから比べたものです。寝る前の8時間を、200ルクス未満の部屋の明かりですごした人は、3ルクス未満の薄暗い光ですごした人より、メラトニンの出はじめが遅く、メラトニンが出ている時間はおよそ90分短かったのです[7]。

光の明るさを数字で並べると、こうなります。測り方は研究ごとにちがうので、およその比べ方です。

研究や資料に出てきた光の明るさ(ルクス)
場面明るさ出典
紙の本の実験で、読むときの部屋およそ3ルクス[1]
最大の明るさのタブレット(目の位置)30〜50ルクス[1]
2011年の研究での「部屋の明かり」200ルクス未満[7]
日中に浴びると、夜の眠りによいとされる光1,000ルクス以上[2]

厚生労働省の睡眠ガイドは、メラトニンの分泌が始まる就寝の約2時間前からあとに、照明やスマートフォンの強い光を浴びると、分泌が抑えられて眠りにくくなると報告されている、と説明しています。一方で、日中に1,000ルクス以上の光を浴びると夜のメラトニンが増えて眠りやすくなり、日中に光を多く浴びると、夜の照明の悪い影響も減ると報告されています[2]。

だから、青い光そのものが悪者というより、「いつ、どのくらい浴びるか」がものを言います。朝から昼の光は、体内時計を合わせる大事な合図でもあります。

2011年の研究は、ふつうの部屋の明かりでも同じことが起きるかを調べた[7]。18〜30歳の健康な116人が、研究施設で5日以上暮らした2つの実験の記録を、あとから比べた分析だ。就寝前の8時間を、200ルクス未満の部屋の明かりですごした場合と、3ルクス未満の薄暗い光ですごした場合を比べると、部屋の明かりのもとでは、99.0%の人でメラトニンの出はじめが遅れ、メラトニンが分泌される時間は約90分短くなった。

光の明るさを数字で並べると、次のようになる。測り方や条件は研究ごとにちがうので、およその比較にとどまる。

研究や資料に出てきた光の明るさ(ルクス)
場面明るさ出典
紙の本の実験で、読むときの部屋(目の位置)約3ルクス[1]
最大の明るさのiPad(目の位置)30〜50ルクス[1]
2011年の研究での「部屋の明かり」の条件200ルクス未満[7]
日中に浴びると、夜のメラトニン分泌と入眠にプラスとされる光1,000ルクス以上[2]

厚生労働省の睡眠ガイドは、就寝の約2時間前からメラトニンの分泌が始まり、それ以降に照明やスマートフォンの強い光を浴びると分泌が抑制され、睡眠・覚醒リズムが遅れて入眠が妨げられることが報告されている、と説明する。同じガイドは、日中に1,000ルクス以上の光を浴びると夜のメラトニン分泌量が増えて体内時計が整うこと、日中に光を多く浴びると夜間照明の悪影響が減ることも報告されているとし、LED照明は暖色に調光しても短波長光(ブルーライト)が多く含まれるので、夜は明るすぎないよう調節することを勧めている[2]。

青い光そのものが夜の敵、というより、「いつ、どれだけ」が意味を決める。朝から昼の光は、体内時計を合わせる合図でもある。

4. ブルーライトは、めに わるいの?

4. 「目に悪い」と「眠りに関わる」は、別の話

4. 網膜への影響と睡眠への影響を分ける:日本の学会の見解とブルーライトカット眼鏡

「ブルーライトは めに わるい」とも よく ききます。これは、ねむりの はなしとは、わけて かんがえましょう。

2021ねん、にほんの めの いしゃの がっかいなど 6つの だんたいは、こう 書きました。がめんの あおい ひかりは、くもりの ひの そらや、まどごしの ひかりよりも すくなく、めを こわす ほどでは ない、と ほうこくされて います。[6]

めが つかれるのは、がめんを じっと 見て、まばたきが へるからです。やすむ ことが いちばん、と 書いて あります。ブルーライトを カットする めがねは、こどもには すすめない、とも いいます。おひさまの ひかりを あびる ことは、こどもの めに だいじだからです。[6]

ただし おなじ 文書には、よる おそくまで つよい ひかりを あびると、ねむりの じゃまに なる おそれが ある、とも 書いて あります。「めに わるいか」と「ねむりに かかわるか」は、べつの しつもんなのです。[6]

「ブルーライトは目に悪い」ともよく聞きます。これは、眠りの話とは分けて考える必要があります。

2021年4月、日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会など6団体は、「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」を出しました。液晶画面のブルーライトは、曇りの日の空や窓ごしの自然光よりも少なく、網膜に障害を起こすレベルではないと報告されています。子どもにとって太陽光は発育によく、十分に浴びないと近視が進むリスクが高まります。ブルーライトカット眼鏡は、ブルーライトそのものより有害である可能性も否定できない、と書かれています。ランダム化比較試験では、眼鏡に目の疲れを減らす効果は認められなかったと報告されています。だから、小児に勧める根拠はない、と結論しています[6]。

同じ文書に載っている米国眼科学会の説明(2021年3月)では、目の疲れは画面の光ではなく使い方によるもので、画面を見つめるとまばたきが減ることが関係します。いちばんの対策は、こまめに休むことです[6]。

眠りについては、同じ文書がこうも書いています。夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると睡眠障害のおそれが指摘され、夕方以降にブルーライトをカットすることには、一定の効果が見込まれる可能性があります。一方、日中にカットする意味は根拠に欠けます[6]。

2023年のコクラン・レビュー(成人を対象にした17件のランダム化比較試験の検討)でも、ブルーライトをカットする眼鏡で目の疲れが減るかどうかは、短い期間ではちがいがないかもしれないという結果でした。睡眠の質は「分からない」で、6件の試験のうち3件は改善、3件は差なしと割れました[8]。

「ブルーライトは目に悪い」という話は、眠りの話とは分けて考える必要がある。

2021年4月14日、日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会の6団体は、「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」を公表した[6]。論点は4つある。

  • デジタル端末の液晶画面のブルーライトは、曇天や窓ごしの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じないレベルだと報告されている。
  • 小児にとって太陽光は心身の発育によく、十分に浴びないと近視進行のリスクが高まる。眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露そのものより有害である可能性が否定できない。
  • ランダム化比較試験で、ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労を減らす効果は認められなかったと報告されている。
  • 体内時計の面では、夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると睡眠障害のおそれが指摘され、夕方以降にカットすることには一定の効果が見込まれる可能性がある。ただし日中にカットする有用性は根拠に欠ける。

結論は、小児に眼鏡の装用を勧める根拠はない、というものだ。同じ文書には、米国眼科学会の一般向けQ&A(2021年3月)の訳も添えられ、眼精疲労は画面の光ではなく使い方(見つめるとまばたきが減る)によるもので、頻繁な休憩がいちばんの対策だと述べられている[6]。

2023年のコクラン・レビューは、成人を対象にした17件のランダム化比較試験を検討した。ブルーライトをカットする眼鏡で目の疲れが変わるかどうかは、1週間未満の短い期間では差がないかもしれない(確実性は低い)。睡眠の質については、6件の試験(148人)のうち3件が改善、3件が差なしで、確実性は非常に低く「分からない」とされた。子どもを対象にした試験ではない[8]。

目への影響と眠りへの影響を分けると、目のほうは、画面の光そのものより、使い方や屋外の光の不足が問われる。眠りのほうは、夜の光が関わりうるとされる。ただし、その光がどれほど主役なのかは、まだ揺れている。

5. せんもんかたちは、なにを「そうだね」と いえた?

5. 専門家16人が合意したこと、しなかったこと

5. 国立睡眠財団の合意声明(2024年)と、子どもたちの調査が示すこと

アメリカの ねむりの だんたい(ナショナル・スリープ・ファウンデーション)が、16人の せんもんかを あつめて、たくさんの けんきゅうを よみました。みんなで「そうだね」と いえた ことは、3つです。[9]

  • こどもと 10だいでは、がめんを つかう ことは、ぜんたいと して ねむりを じゃま します。
  • こどもと 10だいでは、ねる まえに 見る ないようも、ねむりを じゃま します。
  • ルールなどで つかいかたを かえると、わるい えいきょうが やわらぐ ことが あります(これは としに かかわらず)。

でも、「ひかり」が ねむりを じゃま するかは、こどもでも 10だいでも おとなでも、「そうだね」と いえませんでした。こどもに ついては、ねる まえの がめんの ひかりが ねむりを かえた と いう しょうこが、ほとんど なかったからです。[9]

これは「ひかりは かんけい ない」と いう いみでは ありません。まだ、けっちゃくが ついて いない、と いう ことです。

ほかにも、12まん5せん人ぶんの しらべを まとめた ものが あります。ねる まえに スマホなどを つかう 子は、ねむる じかんが たりない 子が おおかったのです。ただし「つかったから ねむれない」のか、「ねむれないから つかう」のかは、この しらべでは わかりません。[10]

2026ねんには、おなじ 人の「まいにちの ちがい」を くらべた まとめも 出ました。がめんを 見る じかんが ながい 日は、ねる じかんが すこし おそいのです。でも、ねむる じかんの ながさとは、はっきりした つながりは 見えませんでした。[16]

10だいは、からだの とけいが おそく なりやすい ときでも あります。よふかしは、いしの つよさだけの もんだいでは ありません。[2]

2024年、アメリカの国立睡眠財団は、さまざまな分野の専門家16人のパネルを作り、「画面の使用は眠りを損なうか」を検討しました。2023年に5回の会議を開き、2,209本の論文から絞りこんだ、実験や介入の研究35本などを読んで、10の文について投票しました。合意に届いたのは5つでした[9]。

合意したのは、次の3点です(年齢別の文を数えると5つ)。子どもと10代では、画面の使用は全般として睡眠を損なうこと。寝る前に見る中身(コンテンツ)も、その後の睡眠を損なうこと。そして、年齢を問わず、行動を変える工夫は、その悪い影響をやわらげうること。大人については、画面全般と寝る前の中身の文は、合意に届きませんでした[9]。

合意に届かなかったのは、「寝る前の画面の光が睡眠を損なうか」という文です。子ども、10代、大人のどれでも合意できませんでした。理由として、ブルーライトを通しにくくする介入は、睡眠の改善がごくわずかにとどまったこと、大人では光の影響を報告した有名な研究がある一方で結果が一致しない研究もあること、子どもでは、寝る前の画面の光が睡眠に影響したという発表済みの証拠が、ごくわずかだったことがあげられています[9]。

これは「光は関係ない」という意味ではなく、決着がついていないということです。4歳ごろの子ども10人が協力した実験では、就寝前の1時間、1,000ルクスほどの明るい光のもとで過ごすと、メラトニンが平均88%ほど抑えられました[11]。タブレットの画面(30〜50ルクス)よりずっと明るい光です。厚生労働省のガイドも、10代のレンズは白内障でない70代の約5倍光を通すと報告され、光の影響は若い人で大きいと考えられていると説明しています[2]。ただ、それが寝る前のスマホの光にどれだけ当てはまるかは、別の問いです。

子どもたちの調査

2016年のメタ分析は、6〜19歳の子ども12万5,198人にわたる20件の調査をまとめました。寝る前に携帯型の画面機器を使う子には、睡眠時間が足りない子が、使わない子より多い傾向が出ました。睡眠の質が悪い子や、昼間ひどく眠い子にも、同じ傾向がありました(関連の強さを表すオッズ比という数字は、それぞれ2.17、1.46、2.72。1なら関連がなく、1より大きいほど、関連が強いことを表します)。機器を使っていなくても、夜、手の届くところにある子は、睡眠時間が足りない傾向がやや強く出ました(オッズ比1.79)[10]。

ただし、これらはすべて、ある時点の答えを集めた調査(横断研究)です。使ったから眠れないのか、眠れないから使うのかは、この調査だけでは分かりません。

2026年には、同じ人の「日ごとのちがい」を比べたまとめが出ました。3〜25歳の4,562人にわたる25件の研究で、画面を使う時間が長い日は、眠りにつく時刻がわずかに遅かったのです。一方、睡眠時間、寝つくまでの時間、睡眠の効率、夜中に起きた時間、睡眠の質とは、ちがいが見られませんでした。著者は、画面時間は寝る時刻を遅らせるかもしれないが、睡眠のほかの面を必ず損なうとはいえない、と書いています[16]。上の調査のように「人と人を比べる」場合と、「同じ人の短期の日ごとの変化を見る」場合で、見えるものがちがいます。

光のほかに考えられる候補を、厚生労働省のガイドがあげています。寝る時刻を、ゲームやSNSなどで決めた時刻より遅らせる「就寝時刻の先延ばし」は、睡眠時間を短くし、寝つきを悪くします。それに、思春期に入るころから、メラトニンが出はじめる時刻が遅れ、夜ふかしになりやすい傾向があります[2]。夜ふかしは、意志の強さだけの問題ではありません。

2024年、アメリカ国立睡眠財団は、多分野の専門家16人のパネルを組み、画面の使用が睡眠の健康を損なうかを、修正デルファイ法(RAND/UCLA適切性評価法)で検討した。2023年に5回の会議を開き、2,209本の論文から出発して、因果を調べた実験・介入研究35本と最近の系統的レビュー5本を読み、10の文(年齢層ごとの分割を含む)に投票した。合意に達したのは5つだった[9]。

合意した内容は、次の3点だ(年齢別の文を数えると5つ)。子どもと10代では、画面の使用は全般として睡眠の健康を損なうこと。就寝前に見る中身(コンテンツ)は、その後の睡眠の健康を損なうこと。そして、年齢を問わず、行動面の工夫や介入は、画面の悪い影響を弱めうること。大人については、画面全般と就寝前の中身の文は、合意に届かなかった[9]。

合意に達しなかったのは、「寝る前の画面の光が睡眠の健康を損なう」という文で、子ども、10代、大人のどの年齢層でも同じだった。討論では、短波長光(ブルーライト)の透過を減らす介入は、睡眠をわずかにしか改善しなかったこと、大人では光の影響を示した代表的な研究がある一方で、結果が一致しない研究や証拠不足の報告があること、子どもでは、就寝前の画面の光が睡眠に影響したという発表済みの証拠が、ごくわずかだったことがあげられた[9]。

合意に届かなかったことは、光に影響がないことを意味しない。平均4.3歳の子ども10人が協力した実験では、就寝前の1時間、約1,000ルクスの明るい光のもとで過ごすと、メラトニンが平均87.6±10.0%抑えられ、光を消した50分後も、10人中7人で暗い条件の半分まで戻らなかった[11]。ただしこの明るさは、iPadの最大輝度(30〜50ルクス)よりずっと明るい。厚生労働省のガイドは、10代の水晶体の光透過性が、白内障でない70代の約5倍高いと報告され、光の影響は若年者で大きいと考えられていると説明している[2]。寝る前のスマホの光に、これらがどれだけ当てはまるかは、別の問いとして残る。

子どもたちの調査

2016年の系統的レビューとメタ分析は、6〜19歳(平均14.5歳)の子ども125,198人にわたる20件の横断研究をまとめた。就寝時に携帯型の画面機器を使うことと、睡眠時間が足りないことの関連は、オッズ比2.17だった。睡眠の質が悪いことは1.46、日中の眠気が強いことは2.72だった。機器を使っていなくても、夜に手の届くところに置いてあることは、睡眠時間が足りないことと1.79、質が悪いことと1.53、日中の眠気が強いことと2.27の関連があった[10]。

これらはすべて横断研究で、使うから眠れないのか、眠れないから使うのか、順序は分からない。手元に置いてあるだけで関連が出た理由も、この分析からは分からない。

2026年の系統的レビューとメタ分析(JAMA Pediatrics)は、同じ人の日ごとの変化を見た25件の研究(3〜25歳、4,562人)をまとめた。画面時間が多い日は、睡眠の開始時刻がわずかに遅い(相関r=0.079。著者は「寝る時刻が遅い日」と解釈)が、総睡眠時間、入眠潜時、睡眠効率、中途覚醒、主観的な睡眠の質とは有意な関連がなかった。ただし、就床後の画面時間を測った場合は、日単位や夕方に測った場合(r=−0.026、−0.005)より、主観的な睡眠の質との負の相関が強かった(r=−0.092)。著者は、日ごとの短期的な変動では、画面時間は寝る時刻を遅らせうるが、睡眠のほかの面を必ず損なうわけではなく、人と人を比べる研究で見えた強い関連とは対照的だと書く[16]。

光以外の候補を、厚生労働省のガイドがあげている。ガイドは、本来の就寝時刻をこえて、テレビ、ゲーム、SNSなどを続ける「就寝時刻の先延ばし」を取り上げ、睡眠時間が短くなるだけでなく、寝つきの悪さも生じるとする。また、思春期に入るころから睡眠・覚醒リズムが後退し、メラトニンの分泌開始時刻が遅れて、夜ふかしになりやすくなる、とも説明する[2]。夜ふかしは、意志の強さだけで説明できない。

6. ルールは、どう きめると いい?

6. 夜のスマホのルールを、親子でどう決めるか

6. 家庭のルールの実態と、夜のスマホのルールを決めるときの材料

こども家庭庁かていちょうの しらべでは、「うちには インターネットの ルールが ある」と こたえた 子は、小学生が 84%、中学生が 75%、高校生が 44%でした。おうちの 人に きくと、小学生が 88%、中学生が 82%、高校生が 58%で、すこし おおいのです。おなじ ちょうさで、子どもと おうちの 人、それぞれに きいた けっかです。[12]

ルールが ある うちで、いちばん おおい ルールは「つかう じかん」でした。「つかう ばしょ」は すくなかったのです。[12]

スイスの 10だいの けんきゅうでは、2しゅうかん、「ごご 9じ いこうは がめんを つかわない」ように おねがい しました。がめんを へらせた 人ほど、はやく ねて、ねむる じかんが ながい ようすでした。[13]

スイスの 13〜15さいの しらべでは、「スマホを ねる へやに もちこませない」ルールが ある と こたえた 子は、ない 子より、へいじつの よるに 33ぷん ながく ねて いました。ただし これは、こたえを あつめた ちょうさです。ルールが ある うちは、ほかにも ちがいが あるかも しれません。[14]

厚生労働省こうせいろうどうしょうの ガイドは「スマホは ねる へやに もちこまず、べつの へやに おく」と すすめて います。アメリカの こどもの いしゃの だんたいは、おとなも じぶんの ルールを つくる ことを すすめて います。スマホを やめる じかんを つくると、たのしい じかんが へって しまうので、ひるの うちに あそぶ じかんを つくる くふうも、ガイドは すすめて います。[2][15]

どんな ルールが いいかは、おうちごとに ちがいます。おうちの 人と はなしあって きめましょう。

「ルールがある」と答える割合は、子どもと親でずれる

こども家庭庁の2025年度の調査(10〜17歳の青少年3,030人と、その保護者3,127人)で、インターネットの使い方について「家庭でルールを決めている」と答えた割合は、学校が上がるほど下がりました。子どもは、小学生83.8%、中学生74.5%、高校生44.3%。保護者は、88.4%、81.9%、58.3%でした。差は、高校生でもっとも大きく14.0ポイントあります[12]。同じ調査で、子どもと保護者にそれぞれ聞いた結果で、差の理由までは調べられていません。年齢が上がると、親が決めたルールから自分たちで決めるものへ、移っていく途中なのかもしれません。

ルールの中身は、子どもの答えでは「利用する時間」が73.5%でもっとも多く、「利用する場所」は28.2%でした[12]。これは夜のスマホだけでなく、インターネットの使い方全体のルールです。

研究が示していること

スイス・ジュネーブの学校の12〜19歳の生徒を対象にした2019年の研究は、40分の睡眠教育の講座のあと、2週間、平日の夜9時以降は画面機器を使わないよう生徒にお願いしました。画面の時間を減らせた人ほど、寝る時刻が早く、睡眠が長い傾向があり、日中の注意力も上がりました[13]。

スイス・ジュネーブの13〜15歳329人への質問紙調査では、何らかのルールがある子は、平日の睡眠が平均40分長かったのです。ルールの種類でみると、差が出たのは、寝室にスマホを持ちこまない(33分)、夜のあいだスマホを使わない(66分)の2つだけでした。時刻の区切りや時間制限、機内モードのルールには、有意な差がありませんでした。ただし「夜は使わない」ルールがあると答えたのは272人中17人で、自己申告の横断調査であることも、この結果の読み方に影響します[14]。

厚生労働省のガイドは、デジタル機器は寝室に持ちこまず、電源を切って別の部屋に置くこと、寝そべって使うと画面が近く、ブルーライトを浴びやすいことを、こども向けの項目に書いています。家庭での電子機器のルールづくりが有効な場合がある、とも書いています。ただし、寝る前の使用をやめると余暇が減り、ストレスにつながる可能性があるので、日中に余暇を補う工夫をすると良い、という指摘もあります[2]。米国小児科学会の家族メディアプランのページは、寝る前を「画面を使わない時間や場所」の例にあげ、決めたルールを子どもと話すこと、親自身もルールをもつことを勧めています[15]。

決めるときの材料

「親が決めたルール」と「子どもと一緒に決めたルール」を比べた研究は、今回たどった資料の中には見つかりませんでした。資料が共通してあげている材料は、次のとおりです。

  • スマホを、夜どこで「寝かせる」か(寝室に持ちこまない、別の部屋に置く)
  • 何時から使わないか。ただし、時刻の区切りだけの決まりでは、差が見えなかった調査がある
  • 昼のうちに、やめた時間の代わりになる楽しみをどこに置くか
  • 大人のスマホは、どうするか

決めたら、紙に書いて、子どもにも自分の言葉で言ってもらいましょう。これはこのメモの提案で、調査の結果ではありません。小学生以降は、寝床に入る時刻を自分で調整する子が増えるので、親が睡眠時間を確保できるよう援助することが望ましい、とガイドは書いています[2]。

夜にやめにくい理由(終わりのないスクロールなど)は、SNSの年齢制限のメモで取り上げています。

「ルールがある」と答える割合は、青少年と保護者でずれる

こども家庭庁の令和7年度(2025年度)の調査(10〜17歳の青少年3,030人、その保護者3,127人)で、インターネットの使い方について「家庭でルールを決めている」と答えた割合は、学校種が上がるほど下がった。青少年は小学生83.8%、中学生74.5%、高校生44.3%。保護者は、88.4%、81.9%、58.3%だった。保護者のほうが多く、差は小学生で4.6ポイント、中学生で7.4ポイント、高校生で14.0ポイントと広がる[12]。青少年と保護者にそれぞれ尋ねた結果で、差の理由までは調べられていない。年齢が上がると、親が決めたルールから自分たちで決めるものへ、移っていく途中なのかもしれない。

ルールの内容は、青少年の回答では「利用する時間」が73.5%でもっとも多く、「利用する場所」は28.2%だった[12]。この調査のルールは、夜のスマホに限らず、インターネットの使い方全般を指す。

研究が示していること

2019年のスイス・ジュネーブの研究は、学校の12〜19歳の生徒を対象に、2週間の基準期間のあと、40分の睡眠教育の講座を開き、続く2週間、平日の夜9時以降に画面機器を使わないようお願いした。実施期間中は、9時以降の画面時間を減らせた人ほど、寝る時刻が早く、睡眠時間が長い傾向があり、日中の注意力も上がった[13]。減らせた程度と睡眠を結びつけた分析で、講座を受けなかった比較のグループとの差を見たものではない。

2025年の研究は、スイス・ジュネーブの13〜15歳329人に質問紙で尋ねた。何らかのルールがある子は、平日の夜の睡眠が平均40分長かった。ルールごとに見ると、有意な差が出たのは、寝室にスマホを持ちこませない(+33分)と、夜のあいだスマホを使わせない(+66分)の2つだった。時刻の区切り、利用時間の制限、機内モードにする、といったルールには、有意な差がなかった。ただし「夜のあいだ使わない」ルールがあると答えたのは、質問に答えた272人中17人にとどまり、睡眠時間は自己申告、横断調査であるうえに、家庭の養育のしかたや経済状況などは調べられていない。青少年がルール作りに加わったかどうかも、分からない[14]。

厚生労働省の睡眠ガイド2023の「こども」の項は、デジタル機器を寝室に持ちこまず、電源を切って別の部屋に置くこと、寝そべって使うとディスプレイが近くブルーライトを浴びやすく寝つきが悪くなることをあげる。家庭での電子機器のルールづくりが有効な場合がある、とも書く[2]。同じ項は、就寝時刻の先延ばしをやめると余暇が減り、ストレスや抑うつにつながる可能性があるため、日中に余暇を補う工夫をするとよい、とも指摘する。米国小児科学会の家族メディアプランのページは、寝る前を「画面を使わない時間や場所」の例にあげ、決めたルールを子どもと話すこと、親自身もルールをもつことを勧めている[15]。

決めるときの材料

「親が決めたルール」と「子どもと一緒に決めたルール」を比べた研究は、今回たどった資料の中には見つからなかった。資料が共通してあげている材料は、次のとおり。

  • スマホを、夜どこで「寝かせる」か(寝室に持ちこまない、別の部屋に置く)
  • 何時から使わないか。ただし、時刻の区切りだけのルールには、差が見えなかった調査がある
  • 昼のうちに、やめた時間の代わりになる楽しみをどこに置くか
  • 大人のスマホは、どうするか

決めたら、紙に書いて、子どもにも自分の言葉で言ってもらう。これはこのメモの提案で、調査の結果ではない。ガイドは、小学生以降は寝床に入る時刻を自分で調整する子が増えるが、親が十分な睡眠時間を確保できるよう援助することが望ましい、とも書く[2]。

夜にやめにくい理由(終わりのないスクロールなど)は、SNSの年齢制限のメモで取り上げている。

7. じぶんでも しらべて みたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

  • よる、ねる まえの 30ぷん、おうちの なかで いちばん あかるい ばしょは どこでしょう。めで 見て さがして みましょう。あかりを じっと 見つめては いけません。
  • あさ、カーテンを あけた ときの あかるさと くらべて みましょう。おひさまを ちょくせつ 見ては いけません。

かんがえて みる もんだい。スマホは、よるの あいだ、どこで ねかせると いいでしょう。おうちの 人と、はなして みましょう。こたえは ひとつ では ありません。

このメモの「光」の書きぶりは、資料ごとに少しずつちがいます。読み比べると、そのちがいが見えてきます。

  • 日本眼科学会などの見解(1〜2ページ)[6]:目への害と、眠りへの影響を、どう書き分けているでしょうか。
  • 厚生労働省の睡眠ガイド2023の「こども」の項と、光の環境の項[2]:光の影響を、どんな言い方で書いているでしょうか。
  • 国立睡眠財団の合意声明[9]:「光」の文だけ、なぜ合意に届かなかったのでしょうか。

自分の家の夜の明かりも観察できます。寝る前の30分に、家の中でいちばん明るい場所を、目で見て探してみましょう。明かりを見つめてはいけません。次の日の朝と比べたら、光の強さの感じ方は、どうちがうでしょうか。

考えてみたい問い。スマホの夜の置き場所や、やめる時刻を決めるとき、大人のスマホはどうするか。家族で話すときは、誰かを責めず、決まりで何が守られ、何が守られないかを順に挙げてみるとよいでしょう。

このメモが読み比べた資料は、「光」の書きぶりが少しずつちがう。読み比べると、そのちがいがよく見える。

  • 日本眼科学会などの見解(1〜2ページ)[6]は、目への害と、眠りへの影響を、どう書き分けているか。
  • 厚生労働省の睡眠ガイド2023の「こども」の項と、光の環境の項[2]は、光の影響をどんな言い方で書いているか。
  • 国立睡眠財団の合意声明[9]は、「光」の文だけ、なぜ合意に届かなかったのか。討論の部分を読んで確かめる。

自分の家の夜の明かりも観察できる。寝る前の30分に、家の中でいちばん明るい場所を目で見て探し、次の日の朝の明るさと比べる。明かりや太陽を直接見つめてはいけない。

考えてみたい問い。夜のスマホの置き場所や、やめる時刻を決めるとき、大人のスマホはどうするか。家族で話すときは、誰かの使い方を「よい・悪い」で分けず、決まりで何が守られ、何が守られないかを順に挙げてみるとよい。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

出典について:学術論文(原論文の要旨と本文)、日本の学会の見解、厚生労働省の睡眠ガイド、こども家庭庁の調査報告書、米国小児科学会の一般向けページを使った。英語の資料には、何の資料かを日本語で添えた。

  1. Chang AM ほか「Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness」(米国科学アカデミー紀要 PNAS、2015年。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の睡眠研究チームの論文)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4313820/ (参加者、読む時刻、iPadの明るさ、寝つきの差、メラトニン、体内時計の遅れ、REM、限界)
  2. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月、健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会)。 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf (こども版のデジタル機器と寝室、就寝時刻の先延ばし、思春期の体内時計、光の環境づくりと1,000ルクス、光の波長の解説、水晶体の透過性)
  3. Czeisler CA ほか「Suppression of melatonin secretion in some blind patients by exposure to bright light」(ニューイングランド医学雑誌、1995年。光を感じない目の不自由な人でもメラトニンが減る人がいた研究)。 https://doi.org/10.1056/NEJM199501053320102 (11人と6人、減少率、目を覆った2人、睡眠との関係)
  4. Berson DM ほか「Phototransduction by retinal ganglion cells that set the circadian clock」(サイエンス、2002年。体内時計をつかさどる網膜神経節細胞の研究)。 https://doi.org/10.1126/science.1067262 (桿体・錐体の入力をふさいでも光に反応する神経節細胞)
  5. Brainard GC ほか「Action spectrum for melatonin regulation in humans: evidence for a novel circadian photoreceptor」(Journal of Neuroscience、2001年。人でメラトニンが減る光の波長を調べた研究)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6763155/ (72人、627回の測定、446〜477ナノメートル)
  6. 日本眼科学会・日本眼科医会・日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」(令和3年4月14日)。 https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf (ブルーライトの定義、画面と自然光の比較、眼鏡への慎重意見、体内時計についての記述、米国眼科学会Q&Aの訳)
  7. Gooley JJ ほか「Exposure to room light before bedtime suppresses melatonin onset and shortens melatonin duration in humans」(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、2011年。就寝前の部屋の明かりと、メラトニンの出方を調べた研究)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3047226/ (116人、200ルクス未満と3ルクス未満の比較、99.0%、約90分)
  8. Singh S ほか「Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, sleep, and macular health in adults」(コクラン・システマティック・レビュー、2023年。成人が対象)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10436683/ (17件の試験、目の疲れ、睡眠の質の結果)
  9. Hartstein LE ほか「The impact of screen use on sleep health across the lifespan: A National Sleep Foundation consensus statement」(Sleep Health、2024年。米国の国立睡眠財団の専門家パネルの合意声明。DOI 10.1016/j.sleh.2024.05.001)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13181348/ (16人のパネル、10の文のうち5つで合意、光の文は合意に届かず、その理由)
  10. Carter B ほか「Association Between Portable Screen-Based Media Device Access or Use and Sleep Outcomes: A Systematic Review and Meta-analysis」(JAMA Pediatrics、2016年。子どもと携帯型画面機器の使用と睡眠の関連を調べたメタ分析)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5380441/ (20件の横断研究、125,198人、オッズ比)
  11. Akacem LD ほか「Sensitivity of the circadian system to evening bright light in preschool-age children」(Physiological Reports、2018年。就学前の子どもの、夜の明るい光への反応を調べた研究)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5835497/ (10人、約1,000ルクス、メラトニンの抑制)
  12. こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書」(令和8年3月)。 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/07b451ac-8c17-4479-ace3-d4d551ee7420/9b1da7cd/20260402_policies_youth-kankyou_internet_research_results-etc_r07_12.pdf (家庭のルールの有無、青少年と保護者の比較、ルールの内容)
  13. Perrault AA ほか「Reducing the use of screen electronic devices in the evening is associated with improved sleep and daytime vigilance in adolescents」(Sleep、2019年。スイス・ジュネーブの10代を対象に、夜の画面時間を減らす2週間を試した研究)。 https://doi.org/10.1093/sleep/zsz125 (12〜19歳、40分の講座、午後9時以降、睡眠時間との関連)
  14. Mammeri ほか「Influence of parental rules about screen electronic device use in the evening on sleep in adolescents」(Discover Public Health、2025年。スイス・ジュネーブの10代を対象にした質問紙調査)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12414006/ (329人、40分、33分、66分、17人、限界)
  15. 米国小児科学会(AAP)の保護者向けサイト HealthyChildren.org「How to Make a Family Media Plan」(2026年1月更新)。 https://www.healthychildren.org/English/family-life/Media/Pages/How-to-Make-a-Family-Media-Use-Plan.aspx (画面を使わない時間や場所、子どもと話すこと、親自身のルール)
  16. Bourke M ほか「Within-Person Association Between Daily Screen Use and Sleep in Youth: A Systematic Review and Meta-Analysis」(JAMA Pediatrics、2026年。同じ人の日ごとの画面時間と睡眠の関係を調べたメタ分析)。 https://doi.org/10.1001/jamapediatrics.2025.6490 (25件の研究、4,562人、3〜25歳、就床時刻との小さな関連)

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