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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はっぱを かじられると、とおくの はっぱまで しらせが とどくの?

芋虫にかじられた葉で起きる、数分のカルシウムの波と、虫のだ液で変わる香り

食害を受けた植物の防御応答 ── カルシウム波とジャスモン酸、虫由来の物質に応じた香り、防御のコスト

分野:生きもの

いもむしに はっぱを かじられた ところから、すうふんで とおくの はっぱまで、あかりが ひろがるように しらせが とどく。そんな じっけんが あります。

うごけない 植物は、かじられたとき、どうやって 身を まもるのでしょう。しらせの とどきかたと、はっぱが つくる どくや かおり、そして むしの てきを よぶ ふしぎな 話が わかります。

シロイヌナズナという草の葉を芋虫がかじると、傷口から出た合図が、数分のうちに遠くの葉まで広がる。その様子が、光る映像として撮られています。

動けない植物は、虫に食べられたとき、ただ食べられるだけなのでしょうか。合図を受け取った葉が何を増やすのか、虫のだ液がつくと香りが変わること、その香りが虫の天敵を呼ぶことまでが分かります。

芋虫が食べたシロイヌナズナの葉では、傷から漏れ出したグルタミン酸をきっかけに細胞内のカルシウム濃度の波が全身へ広がり、数分のうちに遠くの葉の防御ホルモンが増える[2]。動けない植物は、この早い全身応答と、虫の種類に応じて変わる揮発性物質によって、被害の拡大を抑えている。

このメモでは、警報にあたる合図の伝わり方、それが誘導する防御物質、食害された植物が出す香りと寄生バチの関係、そして防御に伴うコストまでが分かる。

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1. かじられた はっぱの しらせは、どれくらい はやく とどくの?

1. かじられた葉の合図は、どれくらい速く遠くの葉に届くのか

1. 傷口から全身へ ── グルタミン酸とカルシウムの波

いもむしが はっぱを かじると、かじられた ところから、しるが にじみ出ます。その中に ある「グルタミンさん」という 物を、はっぱが 感じとる と、はっぱの 中で カルシウムの 波が おきる ことが、シロイヌナズナで 見つかりました[2]。

この 波は ひかる ようすで 見る ことが できて、すうふんの うちに、とおくの はっぱまで ひろがりました[2]。ドミノたおしで、ひとつ たおれると つぎつぎ たおれて いくのに にています。ただし ほんとうは、ドミノの ように 物が ぶつかるのでは なく、はっぱの 中の 小さな つぶが ふえたり へったり する 波です。

波が とどくと、とおくの はっぱでも、身を まもる ための ホルモンが ふえます[2]。この すうふんは、シロイヌナズナで 見た 数字です。ほかの 植物も おなじとは かぎりません。

では、しらせを うけとった はっぱは、なにを つくるのでしょう。

芋虫が葉をかじると、傷口から細胞の中身が漏れ出します。ウィスコンシン大学マディソン校などの研究チームは、この漏れ出たグルタミン酸を、葉にある受容体(GLR)が感じ取ることをきっかけに、細胞内のカルシウムの波が全身に広がることを2018年に報告しました[2]。

カルシウムが増えた場所が光る仕組みを使って観察すると、光は数分のうちに、かじられた葉から遠くの葉まで届きました[2]。ドミノ倒しのように次々と伝わる様子に似ていますが、実際に動いているのは物ではなく、細胞の中の化学的な変化の連鎖です。

この波のあと、遠くの葉でも防御に関わるホルモンの量が増え、将来の食害に備えて、有害な物質をふやす方向に切り替わります[2]。植物が「考えて」備えているのではなく、化学反応がつながって起きる現象です。また、「数分」という値は、シロイヌナズナの実験条件でのもので、すべての植物に当てはまるとは限りません。

では、この合図を受け取った葉は、具体的にどんな物質を増やすのでしょうか。

虫による食害の直後、植物の全身にどうやって情報が伝わるのかは、長く問われてきた。2018年にToyotaらは、シロイヌナズナの葉を芋虫がかじると、傷から漏れ出したグルタミン酸を葉のグルタミン酸受容体様タンパク質(GLR)が感知し、細胞内のカルシウムイオンの波が全身に広がることを報告した[2]。

カルシウムの蛍光を可視化した観察では、光は数分のうちに、かじられた葉から遠くの葉まで到達した[2]。ところが、これは伝播の速さを示す一例にすぎない。数分という値はシロイヌナズナの実験条件のものであり、他の植物へ一般化はできない。

その後、遠くの葉でも防御に関わるホルモン(ジャスモン酸など)が増え、有害な化学物質をふやして将来の食害に備える[2]。これは意思による準備ではなく、化学反応の連鎖である。では、この合図の下流で、実際にどんな物質が作られるのか。

2. しらせを うけた はっぱは、どんな どくや じゃまを つくるの?

2. 合図を受けた葉は、どんな物質を増やすのか

2. ジャスモン酸の下流 ── 消化を妨げる物質と毒の誘導

いもむしに かじられたら、その はっぱを たべた むしが、しょうかが できなく なれば、たすかります。じつは 1972ねんに、コロラドハムシが たべた ジャガイモや トマトの はっぱで、むしの しょうかを じゃまする ものが ふえると わかり、これが みを まもる しくみかもしれないと、ていあんされました[3]。

この ときの 合図の ひとつは、きずの ホルモン、ジャスモンさんです[1]。ジャスモンさんが ふえると、どくや じゃまな ものを つくる いろいろな しくみが、いっしょに うごきだします[1]。

タバコの なかまでは、根で つくる どくの ニコチンが、かじられた あとに ふえます。ジャスモンさんを すこし あたえても、きずつけたときと おなじように ふえたと いわれます[5]。

ところで、むしが かじった きずと、ただの きずは、おなじなのでしょうか。

1972年、GreenとRyanは、コロラドハムシの成虫や幼虫が食べたジャガイモやトマトの葉で、消化酵素(プロテアーゼ)のはたらきを止めるタンパク質が、ふえることを報告しました[3]。ただし、論文の題名にもあるとおり、これは「防御の仕組みである可能性がある」という提案でした。

その後の研究で、この合図の中心にあるのがジャスモン酸というホルモンだと考えられるようになりました。虫の食害や傷を受けると、傷の場所でジャスモン酸の仲間がすばやく作られ、防御に関わる物質の合成が始まります。傷を受けていない別の葉でも同じ応答が見られるので、傷の合図が体内を移動していると考えられています[1]。

ジャスモン酸の合図が入ると、テルペン類、グルコシノレート、フェノール類、アルカロイドなど、多様な物質を作る酵素の遺伝子がまとめて働き出します[1]。たとえばタバコの仲間(Nicotiana attenuata)では、食害のあと、根で作られる毒のニコチンがふえます。ジャスモン酸を少量与えても、傷つけたときと同じようにふえました[5]。

トマトの防御は、一つの強い毒に頼るのではなく、トマチンやフェノール類、酸化酵素、消化酵素の阻害物質などの組み合わせで、虫の栄養の取り込みを邪魔しつつ、毒としても働く、と論じられています[4]。

ところで、虫にかじられた傷と、ただ傷つけただけの傷は、植物にとって同じなのでしょうか。

食害の合図が全身に伝わったあと、実際に何が作られるのか。1972年のGreenとRyanの報告は、その最初期の手がかりの一つである。コロラドハムシが食べたジャガイモやトマトの葉で、消化酵素のプロテアーゼを阻害するタンパク質が増えることが報告された[3]。題名のとおり、これは防御機構である「可能性」の提案にとどまっていた。

この応答の中心にあるのがジャスモン酸類である。食害や傷を受けた場所で急速に合成され、傷を受けていない葉でも同じ応答が見られることから、合図が体内を移動していると考えられている。ジャスモン酸の受容と情報伝達は、成長と防御のバランスを全身で変える[1]。

その結果、テルペン類、グルコシノレート、フェノール類、アルカロイドなど、多様な特殊代謝産物を作る酵素群の遺伝子発現が一斉に組み替えられる[1]。たとえばNicotiana attenuataでは、食害後に根で合成されるニコチンが増えるが、これはジャスモン酸に内部から活性化されており、ジャスモン酸を外から与えても傷つけた場合と同様にニコチンが増える[5]。

トマトでは、防御は単独の毒ではない。トマチン、フェノール類、酸化酵素、プロテイナーゼ阻害物質、リポキシゲナーゼなどが組み合わさり、栄養の取り込みを妨げながら毒としても働くと論じられている[4]。では、単なる傷と、実際に虫がかじった傷を、植物は区別しているのか。

3. むしの だえきが つくと、かおりが かわるの?

3. 傷だけでは出ない香りが、虫のだ液で出てくる

3. 口腔分泌物が引き金になる ── 揮発性物質の誘導

トウモロコシの なえを、いもむしが たべると、たくさんの かおりを 出します[6]。ところが、ひとが きずつけただけでは、この かおりは あまり 出ません。いもむしの 口から出る しるが きずに つくと、出るのです[6]。

1997ねんには、シロイチモジヨトウという むしの だえきから、トウモロコシに かおりを 出させる ものが 見つかりました。その せいぶんを きずに ぬると、きずだけの ときには 出ない、ハチを ひきよせる かおりが 出たと つたえられて います[7]。

つまり トウモロコシは、ただの きずと、むしが かじった きずで、ちがう かおりを 出しているようです。では、その かおりは だれに とどくのでしょうか。

1990年、Turlings、Tumlinson、Lewisは、トウモロコシの苗が、芋虫に食べられると大量のテルペノイドの香りを出すことを報告しました[6]。ただ人工的に傷つけただけでは出ず、芋虫の口から出る液(口腔分泌物)が傷につくと出ます。

1997年には、Albornらが、シロイチモジヨトウという蛾の幼虫の口の液から、トウモロコシに香りを出させる物質を見つけました。傷にこの物質を塗ると、寄生バチを引き寄せる香りが出る一方で、傷だけでは同じ香りの混合は出ません[7]。

植物が虫を「見分けている」と言うと擬人化になりますが、少なくとも、傷だけの場合と虫の口の液がついた場合で、出る香りが変わることは確かめられています。それでは、この香りは誰にとって意味があるのでしょうか。

食害と単なる機械的傷害では、応答が同じではない。Turlingsらは1990年、トウモロコシの苗が芋虫に食べられると大量のテルペノイド性の揮発性物質を放出し、人工的に傷つけただけではそれが出ないことを示した。芋虫の口腔分泌物が傷に付着したときに出る[6]。

この分泌物の中身は1997年にAlbornらが同定を進めた。シロイチモジヨトウ(beet armyworm)の口の液から、トウモロコシに香りを出させる物質(N-(17-hydroxylinolenoyl)-L-グルタミン、volicitin)が見つかり、傷にこれを塗ると寄生バチを引き寄せる香りが出る。傷だけでは同じ香りの混合は出ない[7]。この点は米国農務省(USDA)の発表資料にもとづく。

では、この香りは誰に対して働くのか。

4. かおりを たよりに、ハチは いもむしを さがすの?

4. 香りをたよりに、寄生バチは芋虫を探す

4. 香りの受け手 ── 寄生バチによる利用と害虫防除への応用

この かおりを、きせいばちが おぼえて、いもむしを さがす てがかりに すると ほうこくされて います[6]。きせいばちは、いもむしの からだに たまごを うむ ハチです。

むしに よって、かおりの まじりかたが かわり、その むしを ねらう てきが よばれます[9]。京都大学の たかばやしじゅんじ きょうじゅ たちは、コナガという むしに かじられた 植物の かおりを 人工てきに つくり、ハウスに おきました。すると、そこに いる ハチ(コナガサムライコマユバチ)が よばれて、コナガの はっせいが 半分より へりました[9]。これは ハウスの 中での じっけんの けっかです。

ただ、かおりは ほんとうに「てきを よぶため」に できたのか、まだ わかって いません[6]。かおりは、はっぱの 守りの ついでに 出ている かのうせいも あるからです。

では、この かおりは、ハチだけに とどくのでしょうか。

Turlingsらは、この香りをカリヤコマユバチの仲間(Cotesia marginiventris)が学習し、宿主となる芋虫を探す手がかりに使うことを示しました[6]。寄生バチは、芋虫の体に卵を産む昆虫です。

食害された植物が出す香りは、食べている虫の種類によって混合が変わり、その虫をねらう天敵を引き寄せます。京都大学の高林純示教授らは、コナガの食害の香りを人工的に再現した誘引剤をハウスに置き、土着の天敵であるコナガサムライコマユバチを呼んで、コナガの発生を半分以下に抑えました(2020年)[9]。この「半分以下」はハウス内の実験結果で、畑全般の効果とは言えません。

なお、この香りが「天敵を呼ぶため」に進化したのかは断定されていません。Turlingsらも、防御の副次的な働きの可能性に触れています[6]。

では、この香りは、ハチだけでなく、隣の葉にも何かを伝えているのでしょうか。

この香りを、寄生バチのCotesia marginiventrisが学習し、宿主の芋虫を探す手がかりにすることが示された[6]。ただし著者らは、この香りが第一に天敵を呼ぶために進化したとは断定せず、防御の副次的な働きの可能性に触れている。

食害された植物の香りは、食べた虫の種類で混合が変わり、その虫をねらう天敵を引き寄せる。この性質は害虫防除に応用が試されている。京都大学の高林純示教授らは、コナガの食害の香りを人工的に再現した誘引剤をハウスに置き、土着の天敵コナガサムライコマユバチを呼んで、コナガの発生を半分以下に抑えた(Royal Society Open Science, 2020)[9]。半分以下という結果はハウス内の実験値であり、屋外の圃場全般に当てはまるわけではない。

では、香りの受け手は、天敵だけなのか。

5. かおりは、ほかの はっぱにも しらせに なるの?

5. 香りは、食べられていない葉にも備えをさせるのか

5. 植物間の揮発性シグナル ── ハダニとリママメの実験

2000ねん、京都大学などの けんきゅうで、ハダニに たべられた リママメの はっぱの かおりに ふれた、たべられて いない はっぱが、身を まもる 5つの しくみを うごかす ことが しめされました[8]。ひとが きずつけた はっぱの かおりでは、おきません。

かかわる かおりは テルペノイドという なかまで、うごき方は、ジャスモンさんを あたえた ときに にていました[8]。これは おもに しつないでの じっけんです。

「くさが おしゃべりしている」わけでは ありません。かおりに ふれた はっぱが、はんのうしただけです。では、こうした そなえは、いつも とくなのでしょうか。

2000年、Arimuraら(京都大学の高林らを含む)は、ハダニに食べられたリママメの葉の香りにふれた、食べられていない葉が、5つの防御遺伝子を働かせることを示しました[8]。人工的に傷つけた葉の香りでは、これは起きません。

関わる香りの成分はテルペノイド類で、遺伝子の発現は、ジャスモン酸を与えたときのパターンとよく似ていました[8]。この実験は主に室内で行われています。

「草が会話している」というより、香りにふれた葉が反応する現象と捉えるのが安全です。では、こうした備えは、常に植物の得になるのでしょうか。

Arimuraらは2000年、ハダニ(Tetranychus urticae)が食害したリママメの葉の香りにさらされた、食害されていない葉で、5つの防御遺伝子が活性化することを示した。人工的に傷つけた葉の香りでは起きない[8]。

関わる香りはテルペノイド類で、遺伝子発現のパターンはジャスモン酸を与えた場合に似ていた[8]。前章までの香りと合わせると、食害を受けた植物が出す香りには、天敵への手がかりと、周りの葉の防御を高める合図という二つの側面があることになる。実験は主に室内条件で、植物が会話しているのではなく、葉が香りに反応した結果だと捉えるのが妥当だ。では、この備えは常に有利なのか。

6. まもりを つよく するのは、いつも とく?

6. 防御を強めるのは、いつも得なのか

6. 誘導防御のコスト ── 野外実験からの示唆

タバコの なかまの 野外の じっけんでは、ジャスモンさんで まもりを たかめた かぶは、むしに たべられる ことが ほどほどに ある ばしょでは、たべられる ぶぶんが すくなく、たねも おおく のこしました[5]。

けれども、むしに たべられなかった ときは、まもりを たかめた かぶの ほうが、たねが すくなかったのです[5]。まもりを つよくするのには、力が いるからです。だから、むしが きた ときに だけ つよくする しくみに、いみが あると 考えられます。

Nicotiana attenuataの野外実験では、ジャスモン酸で防御を高めた株は、虫に食べられる頻度が中程度の集団では食害が少なく、種子も多く残しました[5]。

一方、虫に食べられなかった場合は、防御を高めた株のほうが種子が少なくなりました[5]。防御には「コスト」があるので、必要なときだけ強める仕組みに意味がある、と考えられています。ただし「食害の頻度が中程度」という条件つきの結果で、どんな場面でも得になるわけではありません。

誘導型の防御は、常に高い防御を維持する構成型と違い、必要なときだけ発現させる。その意義を、Baldwinの野外実験が示唆する。Nicotiana attenuataで、ジャスモン酸により防御を高めた株は、食害頻度が中程度の集団で食害が少なく、種子も多く残した[5]。

ところが、食害が起きなかった場合は、防御を高めた株のほうが種子が少なかった。つまり防御にはコストがあり、この実験では利益は食害が中程度の条件で見られ、食害なしでは種子が少なかった[5]。ジャスモン酸が「成長と防御のバランス」を全身で変える[1]という総説の記述とも整合するが、結果は「食害の頻度が中程度」という条件つきである。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

きょう できること

にわや こうえんで、むしに かじられた あとの ある はっぱを さがして みましょう。むしに さわらないで、めで みるだけに します。

かじられた はっぱが ついて いる えだの ほかの はっぱは、どうでしょう。かじられた はっぱの 数を、えだごとに かぞえて みると、おもしろい ことが みつかるかも しれません。

もっと しりたく なったら

おうちの 人や がっこうの 先生に、むしと 植物の 本を さがして もらいましょう。

今日できること

庭や公園で、虫に食べられた跡のある葉を探し、どの葉がどのくらい食べられているかをノートに書いてみましょう。虫そのものには触らず、目で観察するだけにします。

同じ枝の上の葉と下の葉、日なたの木と日かげの木で、食べ跡の数を比べてみると、食害の偏りに気づけるかもしれません。そこから「なぜ偏るのか」を考えると、この記事の内容とつながります。

資料を読むなら

カルシウムの波はウィスコンシン大学マディソン校の発表(2018年)、寄生バチの話は京都大学の研究成果ニュース(2020年)が読みやすい資料です。

観察の入り口

庭や公園で、食痕のある葉を探し、同じ枝の中で食害葉が偏っているかを記録するとよい。食痕の形から、かじった虫の種類を推定する調べ方もある。虫に直接触れず、観察だけにとどめる。

原典を読む

Green & Ryan(1972, Science 175:776-777)、Turlings, Tumlinson & Lewis(1990, Science 250:1251-1253)、Arimura ら(2000, Nature 406:512-515)、Toyota ら(2018, Science 361:1112-1115)は、いずれも短い論文で、要旨から読みやすい。ジャスモン酸を中心にした総説は、Front. Plant Sci.(2020)の "Breaking Bad News" が扱う。日本語では、京都大学の研究成果ニュース(2020年12月2日)から入るとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号は、下のリストの番号に対応します。一部(1972年の論文、ニコチンの実験、1997年の発表)は要旨や発表資料に基づき、断定を避けています。

  1. Breaking Bad News: Dynamic Molecular Mechanisms of Wound Response in Plants(Front. Plant Sci. 2020, PMC7752953) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7752953/ (ジャスモン酸と傷の応答)
  2. ウィスコンシン大学マディソン校の発表(2018年9月13日)/Toyota et al. 2018, Science 361:1112-1115 https://news.wisc.edu/?p=52512 (カルシウムの波と防御ホルモン)
  3. Green & Ryan 1972, Science 175:776-777 https://cir.nii.ac.jp/crid/1361418521379146880 (傷で誘導される消化酵素阻害物質)
  4. Duffey & Stout 1996, Arch. Insect Biochem. Physiol. https://repository.lsu.edu/entomology_pubs/394 (トマトの複数成分による防御)
  5. Baldwin 1998, PNAS(PMC20938) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC20938 (ニコチンの誘導と防御のコスト)
  6. Turlings, Tumlinson & Lewis 1990, Science 250:1251-1253 https://pure.psu.edu/en/publications/exploitation-of-herbivore-induced-plant-odors-by-host-seeking-par/ (トウモロコシの香りと寄生バチ)
  7. 米国農務省(USDA ARS)1997年の発表/Alborn et al. 1997, Science 276:945-949 https://www.ars.usda.gov/is/pr/1997/970508.htm (だ液の成分と香り)
  8. Arimura et al. 2000, Nature 406:512-515 https://ideas.repec.org/a/nat/nature/v406y2000i6795d10.1038_35020072.html (香りにふれた葉の防御遺伝子)
  9. 京都大学 研究成果ニュース(2020年12月2日) https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2020-12-02-4 (害虫防除への応用)

なおした ところ

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