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ポテトチップスは、いつから 食べられて いるの?

ポテトチップスはいつから売っているのか ── 歴史と作り方

ポテトチップスはいつから売っているのか ── 歴史と作り方

分野:歴史・文化

ポテトチップスは、うるさい お客さんに こまった コックが、いやがらせで うすく 切った ことから 生まれた。そんな 話を 聞いた ことは ないだろうか。

じつは、この 話は 作り話だったと 分かって いる。

ポテトチップスは、うるさい客に困ったコックが、いやがらせで薄く切ったことから生まれた。そんな話を聞いたことはないだろうか。

実は、この話は作り話だったと分かっている。

ポテトチップスの誕生をめぐっては、1853年にアメリカで生まれたという有名な逸話がある。しかし、この逸話は歴史家の検証によって、事実と矛盾する作り話だと明らかになっている。

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1. 「いやがらせ」で 生まれた、という 有名な 話

1. 「いやがらせ」で生まれた、という有名な話

1. 1853年、サラトガ・スプリングスの逸話

1853年、アメリカの ホテルの りょうりにんジョージ・クラムに、あるお客が「フライドポテトが あつすぎる」と 何ども 作りなおさせた[1]。おこった クラムは、フォークで させない くらい うすく 切った いもを あげて 出した。ところが お客は、これを たいへん 気に入った、と いう 話が つたわって いる[1]

1853年、アメリカのホテルの料理人ジョージ・クラムに、あるお客が「フライドポテトが厚すぎる」と何度も作りなおさせた[1]。怒ったクラムは、フォークで刺せないくらい薄く切ったいもを揚げて出した。ところがお客は、これをたいへん気に入った、という話が伝わっている[1]

広く知られた逸話によれば、1853年8月24日、ニューヨーク州サラトガ・スプリングスのムーンズ・レイク・ハウスで、料理人ジョージ・クラムが客(実業家コーネリアス・ヴァンダービルトとされる)から「フライドポテトが厚すぎる」と何度も突き返された。腹を立てたクラムがフォークで刺せないほど薄く切ったじゃがいもを揚げて出すと、客はこれを気に入り、ポテトチップスが誕生した、とされる[1]

2. この 話には、つじつまの 合わない ところが ある

2. この話には、つじつまの合わないところがある

2. 逸話の矛盾 ── 歴史家が指摘する3つの問題

しらべた 学者たちに よると、この 話は 「作り話」だと いう[2]。れいの お客と される 人は、その ときヨーロッパに いて、アメリカに いなかった[2]。それに、その ホテルを けいえいして いた 人たちが、この ホテルを 買ったのは 1854年で、話の 年より あとの ことだった[2]

調べた学者たちによると、この話は「作り話」だという[2]。例のお客とされる人は、そのときヨーロッパにいて、アメリカにいなかった[2]。それに、そのホテルを経営していた人たちが、このホテルを買ったのは1854年で、話の年よりあとのことだった[2]

歴史家や研究者の検証により、この逸話は今日では作り話(myth)であることが分かっている[2]。指摘されている矛盾点として、①逸話に登場するヴァンダービルトは、事件が起きたとされる当時ヨーロッパに滞在しており現場にいられなかったこと、②ムーン家がムーンズ・レイク・ハウスを買い取ったのは1854年であり、1853年の時点ではまだこのホテルを所有していなかったこと、③そもそも1853年当時のサラトガでは、薄切りの揚げじゃがいも自体はすでに知られており珍しいものではなかったこと、の3点が挙げられている[2]

3. ほんとうに 古い 記ろくは、36年も 前に あった

3. 本当に古い記録は、36年も前にあった

3. 1817年、最古の記録レシピ

いま 分かって いる、いちばん 古い ポテトチップスの 作り方の 記ろくは、1817年、イギリスの りょうりの 本に のって いる[3]。れいの 「いやがらせ」の 話よりも、36年も 前の ことだ。

今分かっている、いちばん古いポテトチップスの作り方の記録は、1817年、イギリスの料理の本にのっている[3]。例の「いやがらせ」の話よりも、36年も前のことだ。

現在確認されている最古のポテトチップスのレシピは、イギリスの料理人ウィリアム・キッチナーが1817年にロンドンで出版した料理書『The Cook's Oracle』に掲載されている[3]。1822年版には「薄切りにして揚げたじゃがいも」という記述があり、その後も1824年のメアリー・ランドルフ『The Virginia House-Wife』、1832年のN・K・M・リー『The Cook's Own Book』など、19世紀前半の複数の料理書に同様のレシピが記されている[3]。1853年の逸話より36年も前から、薄切りの揚げじゃがいもは文書に記録されていたことになる。

4. どうやって、お店で 売られる ように なったのか

4. どうやって、お店で売られるようになったのか

4. 商品化への道のり ── 工場生産と袋の発明

1905年、アメリカで、ポテトチップスを 作る 工場が できた[4]。それでも はじめの ころは、あぶらで しめって しまい、長く 持ちはこべなかった[4]。1920年代に なって、ろうを ぬった かみの ふくろが 使われる ように なった[4]。しめりから まもる、レインコートの ような ふくろだ。ただし ほんとうは、服では なく 紙で できて いる。これで、遠くまで はこんで 売れるように なった[4]

1905年、アメリカで、ポテトチップスを作る工場ができた[4]。それでもはじめのころは、油でしめってしまい、長く持ちはこべなかった[4]。1920年代になって、ろうを塗った紙の袋が使われるようになり、遠くまで運んで売れるようになった[4]

1905年、アメリカのニューハンプシャー州にグラナイト・ステート・ポテトチップ・ファクトリーが設立された(2007年まで操業)[4]。当初のポテトチップスは、油分による湿気で品質が劣化しやすく、遠方への輸送や長期保存が難しい商品だった。1920年代、ローラ・スカダーがワックスペーパー(ろう引き紙)を使った袋詰めの方法を考案し、これによって大量生産・広域流通が現実的になったとされる[4]

味付けの面でも変化があった。1954年、アイルランドのテイトー社が世界初とされる本格的な味付きポテトチップス「チーズ&オニオン」味を開発し、イギリスのウォーカーズ社も同じ年に同じ味を製造した[4]

5. 日本では、「のりしお」から 広まった

5. 日本では、「のり塩」から広まった

5. 日本での展開 ── のり塩とうすしお味

日本では、1962年に「湖池屋」と いう 会社が、日本人の 口に あう 味を さがして、「のりしお」味を 作った[5]。1967年には、たくさんの 人に とどけたいと、大りょうに 作る しくみを ととのえた[5]。そして 1975年、「カルビー」と いう 会社が、「うすしお味」を 出した[6]

日本では、1962年に「湖池屋」という会社が、日本人の口に合う味をさがして、「のり塩」味を作った[5]。1967年には、たくさんの人に届けたいと、大量に作るしくみを整えた[5]。そして1975年、「カルビー」という会社が、「うすしお味」を出した[6]

日本では、当初ポテトチップスは家庭での手作りが中心で、一般的なスナック菓子ではなかった[5]。1962年、湖池屋は塩味が主流だった当時の状況の中で、日本人になじみのある味を求めて研究を重ね、独自の「のり塩」味を開発・発売した[5]。1967年には北海道での馬鈴薯の契約栽培も始め、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功したとされる[5]。1975年には、カルビーが「ポテトチップス うすしお味」を発売した[6]

スーパーや コンビニで、ポテトチップスの パッケージを 見て みよう

スーパーやコンビニで、ポテトチップスのパッケージを見てみよう

身近なポテトチップスから、味の歴史をたどってみる

スーパーや コンビニの おかし売り場で、どんな 味の ポテトチップスが あるか、見て みよう。のりしおや うすしお味は、日本で 生まれた 味だと 分かった うえで 見ると、すこし ちがう 気もちに なるかも しれない。

スーパーやコンビニのお菓子売り場で、どんな味のポテトチップスがあるか、見てみよう。のりしおやうすしお味は、日本で生まれた味だと分かったうえで見ると、少しちがう気もちになるかもしれない。

スーパーやコンビニのお菓子売り場で、いろいろな味のポテトチップスを見比べてみよう。定番の「うすしお」「のり塩」から、地域限定の変わり種まで、それぞれの味がいつ・どこで生まれたのか調べてみると、身近なお菓子にも意外な歴史が積み重なっていることに気づくはずだ。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. English Wikipedia「Potato chip」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Potato_chip (1853年8月24日、ニューヨーク州サラトガ・スプリングスのムーンズ・レイク・ハウスで料理人ジョージ・クラムが客のクレームに応じて薄切りの揚げじゃがいもを出したという逸話の内容は同出典による)
  2. English Wikipedia「Potato chip」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Potato_chip (この逸話が今日では作り話であるとされていること、客とされるヴァンダービルトが当時ヨーロッパに滞在していたこと、ムーン家がホテルを買い取ったのは1854年で1853年当時は所有していなかったこと、1853年当時のサラトガで薄切りの揚げじゃがいもがすでに珍しくなかったことは同出典による)
  3. English Wikipedia「Potato chip」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Potato_chip (現存する最古のポテトチップスのレシピが1817年のウィリアム・キッチナー『The Cook's Oracle』に掲載されていること、1822年版・1824年のメアリー・ランドルフ『The Virginia House-Wife』・1832年のN・K・M・リー『The Cook's Own Book』にも同様のレシピが記されていることは同出典による)
  4. English Wikipedia「Potato chip」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Potato_chip (1905年にニューハンプシャー州でグラナイト・ステート・ポテトチップ・ファクトリーが設立され2007年まで操業したこと、1920年代にローラ・スカダーがワックスペーパーを使った袋詰めを考案し大量生産・広域流通を可能にしたこと、1954年にアイルランドのテイトー社が世界初とされるチーズ&オニオン味を開発し、イギリスのウォーカーズ社も同じ年に同じ味を製造したことは同出典による)
  5. 湖池屋「湖池屋ポテトチップスの歴史」。 https://potatochips.koikeya.co.jp/history.html (発売当初のポテトチップスが手作りが主流の珍しい菓子だったこと、1962年に湖池屋が日本人になじみのある味として「のり塩」を開発・発売したこと、1967年に量産化に成功し北海道での馬鈴薯の契約栽培を開始したことは同出典による)
  6. カルビー株式会社「『ポテトチップス』の誕生時期・はじまりについて」。 https://faq.calbee.co.jp/faq_detail.html?id=114 (カルビーが1975年に「ポテトチップス うすしお味」を発売したことは同出典による)

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