1. ちかくを 見る とき、めの なかでは なにが おきて いるの?
1. 近くを見るとき、目の中では何が起きているのか
1. 毛様体筋と水晶体 ── ピントを合わせる仕組み
めの なかには、ひかりを まげて、おくの 網膜に ものの すがたを うつす レンズが あります。水晶体です。水晶体の まわりには、毛様体という 筋肉が あって、水晶体の あつさを かえて、ピントを あわせます。[3]
ふしぎな ことに、とおくを 見る ときは、水晶体は まわりから ひっぱられて、うすく なって います。ちかくを 見ると、筋肉が ちぢんで、ひっぱる ちからが ゆるみ、水晶体は ふくらんで あつく なります。[1]
ゴムの ふくろに みずを いれて、ふちを ひっぱると たいらに なり、ひっぱる てを ゆるめると ふくらみます。それと にて います。ただし ほんとうは、水晶体は ゴムでは なく、めの なかに ある とうめいな くみたてです。この しくみの こまかい ところは、いまも けんきゅうが つづいて います。[1]
では、ちかくを 見る ことを ずっと つづけると、どうなるのでしょうか。
目の中には、光を曲げて奥の網膜に像を結ぶレンズが2つあります。前にある角膜と、その奥にある水晶体です。水晶体の周りには毛様体という筋肉があり、水晶体の厚みを変えて、ピントを合わせます。日本眼科学会は、この働きを「調節力」と呼んでいます[3]。
不思議なのは、筋肉の使い方です。遠くを見るとき、毛様体の筋肉はゆるんでいます。すると、水晶体は周りから引っぱられて、平らになります。近くを見るときは、筋肉が縮みます。すると、引っぱる力がゆるんで、水晶体は自分の弾力で、厚く丸くなります[1]。筋肉が縮んで、引っぱる力が弱くなるのです。
ゴムの袋に水を入れて、ふちを引っぱると平らになり、手をゆるめるとふくらみます。それに似ています。ただし本当は、水晶体はゴムではなく、目の中にある透明な組織です。
この仕組みは、1855年にヘルムホルツが考えた説明が土台になっています。ただ、細かい部分は今も研究が続いていて、国際近視研究所(IMI)の報告書も、正確な仕組みについては、まだはっきり決まっていないと書いています[1]。
では、この筋肉を使いつづけると、どうなるのでしょうか。
目は、角膜と水晶体で光を屈折させ、網膜に焦点を結ぶ。水晶体の周りの筋肉(毛様体筋)は、水晶体の屈折力を状況に応じて変え、近くを見るときには水晶体の厚みが増す。この働きが調節で、その幅を調節力という[3]。
IMIの報告書が紹介する、ヘルムホルツ型(1855年)のモデルでは、こう説明される[1]。毛様体筋は環状の平滑筋で、無限遠を見ているときはゆるんでいる。このとき、水晶体を吊っているチン小帯は張った状態にあり、水晶体の袋を外向きに引いて、水晶体を平らにする。近くを見ると、毛様体筋が前方の内側へ寄るように縮み、チン小帯の張りがゆるむ。水晶体の袋と中身は、もともと弾力を持つので、引く力から解放されると、前後に厚く、丸く、直径の小さい形になる。屈折力の変化は、主に水晶体の前の面の曲率が増えることによる。ただし、この仕組みの細かい部分は、今も意見が分かれている。
この筋肉の使い方は、直感に反する。ふつうは、筋肉が縮めば引く力は強くなる。ところが目では、筋肉が縮むことで、水晶体を引く力が弱まり、ピントが近づく。
仕組みが分かるまでには、時間がかかった。de Jong の医学史の論文によると、1600年代のはじめ、ケプラーは、遠くも近くもはっきり見える目は、形か網膜の位置を変えているはずだと考えた。ケプラー自身は近視だったが、近視の目にも同じ調節があることは見落とした、と書かれている[2]。IMIの報告書は、正確な仕組みについては、文献の上でまだはっきりしないが、ヘルムホルツ型のモデルがおおむね受け入れられている、と書く[1]。
では、この調節は、使いつづけるとどうなるのか。
2. ずっと ちかくを 見た あと、とおくが ぼやけるのは どうして?
2. ずっと近くを見たあと、遠くがぼやけるのはなぜか
2. 近業のあとの一過性近視 ── ピントの戻りの遅れ
ずっと ちかくを 見た あとに、とおくを 見ると、すこし ぼやける ことが あります。筋肉が ちぢんだ ままで、すぐには ゆるまないからかも しれません。
インドの けんきゅうで、かおから 20センチの ところの もじを、5ふん 見て もらいました。そのあと とおくの ピントを はかると、近視の 人では、ちいさな ずれが 見つかりました。近視で ない 人では、ほとんど ありませんでした。ずれは、すぐに ちいさく なって いきました。[4]
ふだんに かんじる「ぼやけ」が、この じっけんの ずれと おなじ ものか どうかは、この けんきゅうだけでは わかりません。ぼやけが ながく つづく ときは、眼科で 見て もらいましょう。
スマートフォンや本を長い時間見たあと、遠くを見るとぼやけることがあります。近くを見つづけたあと、一時的に遠くのピントがずれる現象は、「近業誘発一過性近視」と呼ばれ、研究されています。
インドの研究では、顔から20センチの文字を5分間見てもらい、そのあとで遠くを見るときのピントを、機械で測りました。近視の人24人では、平均で0.21ディオプター(D)、近視のずれが出ました。近視でない人24人では、ほとんど出ず、むしろ0.07Dだけ逆向きにずれました。ずれが小さくなっていく速さの目安は、約6秒でした。数十秒のうちに、ほぼ消える計算になります。60分見つづけても、近視の人のずれは0.31Dで、目安は約8秒でした[4]。
なぜ起きるのかは、決まっていません。筋肉がゆるむのに時間がかかるという説明が出されていますが、研究者の間で議論があります[5]。ふだんに感じる「ぼやけ」が、この実験のずれと同じものかどうかは、この実験だけでは分かりません。ぼやけが長く続くときや、頭痛をともなうときは、眼科で見てもらいましょう。
近くを見つづけたあと、遠方の焦点が一時的に近視側へずれる現象を、近業誘発一過性近視(NITM)という。Sivaraman らのインドの研究では、近視の24人と近視でない24人に、顔から20cmの文字を5分間見せた。そのあとの遠見の屈折状態を、開放型オートレフラクトメーターで測ると、近視群の平均は0.21D近視側にずれた。近視でない群では、0.07D遠視側に、わずかにずれた。ずれが小さくなっていく速さの時定数は、近視群で約6秒だった。別の各24人を60分見つづけさせた実験では、近視群のずれは0.31D、時定数は約8秒だった[4]。
原因は決着していない。毛様体筋の緊張が残るためという説(筋原性の要因)が出されているが、科学者の間で議論がある[5]。また、この実験のずれは0.2〜0.3D程度で、時定数が6〜8秒というのは、数十秒でほぼ消える速さだ。日常で「ぼやけた」と感じる現象が、これと同じものかどうかは、この実験だけでは分からない。ぼやけが長く続く、頭痛や強い疲れをともなう、といったときは、眼科で調べてもらうとよい。
この調節の力は、年齢とともにどう変わっていくのか。
3. ピントを かえる ちからは、いつから ちいさく なるの?
3. ピントを変える力は、10代のころから少しずつ小さくなる
3. 調節力の年齢変化 ── 老視は「40代に突然」ではない
ピントを かえる ちからは、こどもの ころが いちばん つよい です。ちかくで ピントが あう いちばん ちかい ところは、10だいで 7センチくらい、20だいで 9センチくらい、40だいで 18センチくらい、という けんきゅうの けっかが あります(けいさんで だした めやす)。[6]
ちからは、こどもの ころの おわりごろから、すこしずつ ちいさく なって います[7]。ほんを 見る 40センチくらいの ところで ぼやけて くると、「ちかくが 見えにくい」と かんじる ように なります。それが 40だい ごろから です[3]。
これは 「ろうがん」が、40さいの たんじょう日に とつぜん はじまる のでは ない、と いう ことです。ものさしで 7センチと 18センチを くらべて みると、ちがいが 分かります。
ピントを合わせられる範囲の広さを、「調節力」と呼びます。レンズの強さを表す単位、ディオプター(D)で表します。調節力から計算した「1÷D」が、ピントが合う一番近い距離のめやすになります(実際の近点とは、測り方によって差が出ます)。
154人を測った研究では、平均の調節力は、10代で14.67D、20代で11.13D、40代で5.53Dでした[6]。1÷Dの計算では、ピントが合う一番近い距離が、10代で約7センチ、20代で約9センチ、40代で約18センチになります。
この調節力は、10代のころから、少しずつ小さくなっています。調節の速さや正確さは、40歳ごろまではあまり変わりません。ところが40歳ごろになると、近くで作業するのに必要な幅を、調節力が下回りはじめます[7]。日本眼科学会も、40代ごろから近くを見る作業で疲れなどを感じはじめる、と書いています[3]。
つまり老眼は、40歳ごろに突然始まるのではありません。長い時間をかけて小さくなってきた力が、必要な距離に届かなくなったときに、気づく変化です。
調節力の年齢変化を、Park らが押し上げ法(近づけた視標がぼやけるまでの距離を測る)で、154人について測った。平均の調節力は、10代で14.67D、20代で11.13D、40代で5.53Dだった[6]。調節力の逆数(1÷D)から、ピントが合う最も近い距離のめやすを計算すると、次の表のとおりだ(測り方による近点そのものとは、値が変わりうる)。
| 年代 | 平均の調節力 | 1÷D(最も近い距離のめやす) |
|---|---|---|
| 10代 | 14.67D | 約7cm |
| 20代 | 11.13D | 約9cm |
| 40代 | 5.53D | 約18cm |
測り方で、数字は変わる。León らは、5〜60歳の1298人を、別の方法(ダイナミック・レチノスコピー)で測った。この方法では、5〜19歳の平均が8.3D、45〜60歳の平均が0.6Dだった。被験者の答えに頼る従来の方法の標準値は、実際の調節の反応を大きめに見積もっている、と論文は書いている。差の一因は、目の焦点深度だという[8]。測り方で値は大きく変わるが、若いほど大きく、45歳以上では小さいという向きは同じだ。
Charman の総説は、調節力は、子どものころの後半から着実に下がり、調節の速さや正確さは、40歳ごろまでは、ほとんど衰えない、と整理する。40歳ごろになると、調節力が近くの作業に必要な幅を下回る[7]。日本眼科学会も、40代ごろから近くを見る作業で不快感を感じはじめる、とする[3]。近くを見るのに必要な調節力は、文字を読む距離が40cmなら2.5D、30cmなら約3.3Dだ。ただ、どの年齢で困りはじめるかは、作業する距離や個人の要求によっても変わる。
老視は、40代に突然始まるのではない。長い時間をかけて小さくなった調節力が、必要な距離に届かなくなったとき、気づく変化だ。では、目のどこが変わっているのか。
4. ろうがんの とき、めの どこが かわって いるの?
4. 老眼のとき、目のどこが変わっているのか
4. 水晶体の変化 ── 引っぱっても形が変わらなくなる
こたえを さがす ために、けんきゅうしゃたちは、人の めから とりだした 水晶体27こを しらべました。10さいから 87さいまでの 人の めの ものです。まわりから ひっぱって、かたちが かわるかを 見ました。
わかい 水晶体は、ひっぱると ピントの ちからが かわりました。60さいを こえた 水晶体は、ひっぱっても かわりませんでした。[9]
そこで、老眼の おおきな げんいんは、水晶体が かたちを かえにくく なる ことだ、と かんがえる けんきゅうが おおく あります[7]。ただし、ぜんぶが わかった わけでは ありません。
老眼のとき、目の中では何が変わっているのでしょうか。カナダの研究者グラッサーらは、10歳から87歳までの人の目から取り出した水晶体27個を使って調べました。水晶体の周りを、毛様体とチン小帯を通して引っぱる力をかけて、焦点距離が変わるかを測ったのです。
若い水晶体は、引っぱると焦点距離が大きく変わりました。60歳を超えた水晶体は、引っぱっても変わりませんでした[9]。つまり、水晶体のほうが、形を変えにくくなっている、ということです。
Charman の総説も、水晶体の形と弾力の変化が、調節力が小さくなることに大きな役割をもつ、と整理しています。ただし他の要素も関係している可能性があり、全体像はまだ十分には分かっていない、と書いています[7]。
老眼を、病気と呼ぶか、自然な変化と呼ぶかは、資料によって言い方がちがいます。日本老視学会は、何らかの介入が必要な疾患としています[15]。Wolffsohn らの論文は、生理的に正常な、年齢による調節の幅の縮小が、近くの見え方が個人の必要を満たさないところまで来たときに老視と呼ぶ、と定義し直すことを提案しています[10]。どちらも、誰にでも起こりうる変化で、見えにくさを眼鏡などで補える、という点は同じです。先進国では、いまの人口の多くが、人生の半分くらいを老視の状態で過ごす、という見積もりもあります[11]。
Glasser と Campbell は、10〜87歳の人の目から取り出した水晶体27個を使い、毛様体とチン小帯を通して引っぱる力をかけながら、レーザーで焦点距離と球面収差を測った。引っぱらない状態の焦点距離は、年齢に比例して大きくなった。若い水晶体は、引っぱると焦点距離が大きく変わったが、60歳を超えた水晶体は、引っぱっても変わらなかった。この結果を、著者らは、老視は主に水晶体の変化によるという説のさらなる証拠だと述べる[9]。
Charman の総説は、水晶体の形と粘弾性の変化が、調節力の低下に大きく関わることを確認しつつ、ほかの要因も未定量のまま関わりうるとして、老視の完全な理解には至っていない、と書く[7]。日本老視学会も、水晶体の硬化が老視のメカニズムとして知られるが、硬化の詳しい仕組みはあまり明らかでない、と説明する[15]。
Wolffsohn と Davies(2019年)は、老視の定義が一定でないとして、生理的に正常な、加齢による調節の幅の減少が、遠見を最適に矯正した状態で、近くの明瞭さが個人の要求を満たさなくなる点に達したとき、と再定義することを提案した[10]。定義に「個人の要求」が入っているので、老視は、年齢だけでは決まらない。一方、日本老視学会は、老視を何らかの介入が必要な疾患としている[15]。病気と呼ぶか、生理的な変化と呼ぶかは、資料によって言い方がちがう。Charman の別の総説は、先進国では、現在の人口の大半が、人生のおよそ半分を老視として過ごすと書く[11]。
老視は、水晶体が形を変えにくくなる、という調節の変化だ。では、近視・遠視・乱視は、これとは、どうちがうのか。
5. 近視・遠視・乱視・老眼は、なにが ちがうの?
5. 近視・遠視・乱視・老眼は、何がちがうのか ── 近視の人は老眼にならない?
5. 屈折異常と調節の異常 ── 近視の人も老視になる
近視・遠視・乱視は、ピントを あわせる まえの、めの かたちの はなしです。老眼は、ピントを かえる ちからの はなしです。
- 近視:ピントが 網膜の てまえで あいます。とおくが ぼやけます。ちかくは 見えます。[12]
- 遠視:ピントが 網膜の うしろで あいます。こどもは ピントを かえる ちからで おぎなえる ことが あります。[12]
- 乱視:ピントが 1つの てんに あつまりません。にじんだり、二じゅうに 見えたり します。[12]
- 老眼:ちかくに ピントを かえる ちからが ちいさく なります。[3]
だから「近視の 人は 老眼に ならない」と いうのは、ちがいます。1864ねんに、オランダの ドンデルスが、2500人いじょうの 人を 見て、近視の めでも 老眼に なると かきました。[2]
ただ、近視の 人は、もともと ちかくに ピントが あいやすいので、老眼に きづきにくい のです。とおくを 見る めがねを かけた まま だと、ちかくが ぼやける ように なります。[3]
近視・遠視・乱視は、ピントを合わせる前の目の状態です。日本眼科学会の説明では、調節力を使っていない状態で、遠くから来た光が網膜にぴったり焦点を結ぶ目を、正視といいます。焦点が網膜の前や後ろにずれた目を、近視・遠視といいます[12]。老視は、ピントを変える力の話で、これとは別の軸にあります。
| 名前 | 何が起きているか | 見え方 |
|---|---|---|
| 近視 | 光が網膜の前で焦点を結ぶ | 遠くがぼやける。近くは見える |
| 遠視 | 光が網膜の後ろで焦点を結ぶ | 遠くも近くも見えにくい。子どもは調節力で補える |
| 乱視 | 角膜や水晶体のゆがみで、焦点が1点に集まらない | ぼやける。二重、三重に見える |
| 老視 | 近くにピントを変える力が小さくなる | 近くが見えにくい |
近くのものは見えるのに、遠くだけ見えにくいのは、近視のときです。焦点が網膜の前にずれるので、遠くを見るとぼやけます。近くを見るときは、光が広がった向きで目に入るので、焦点が網膜に近づきます[12]。近視の中身は、近視のしくみのメモで詳しく書きました。
遠視の子どもは、調節力が強いので、ピントを全力で合わせて、見えていることがあります[12]。見えていても、目が頑張っているのかもしれません。
「近視の人は老眼にならない」は、間違いです。1864年、オランダの眼科医ドンデルスは、2500人を超える人を診たうえで、近視の目も老視になりうると、はじめてはっきり書いたと、医学史の論文は伝えています[2]。ドンデルスは、1864年ごろ、「調節」と「屈折」を分けて考える見方を、はっきり示した人です。日本眼科学会も、この俗説を誤りとしています[3]。
ただ、近視の人は近くに焦点が合いやすいので、老視に気づきにくいのは事実です。遠くを見るための眼鏡をかけたままだと、近くがぼやけるようになります[3]。逆に、遠視の人は、老視の症状を早く感じやすいようです[3]。
正視眼は、調節力を働かせない状態で、遠方から来た光(平行光線)が網膜にぴったり焦点を結ぶ目だ。焦点が網膜の前や後ろにずれた目を近視眼・遠視眼といい、正視眼以外の状態を屈折異常眼という。近視・遠視・乱視は、この屈折異常だ。老視は、屈折異常ではなく、調節力の低下だ[12]。両者は、別の軸にある。
| 名前 | 何が起きているか | 見え方 | 眼鏡 |
|---|---|---|---|
| 近視 | 調節しない状態で、光が網膜の前に焦点を結ぶ | 遠くがぼやける。近くは調節で見える | 凹レンズ |
| 遠視 | 調節しない状態で、光が網膜の後ろに焦点を結ぶ | 遠くも近くも見えにくい。調節力が強い小児期には視力が出ることも多い | 凸レンズ |
| 乱視 | 角膜や水晶体のゆがみで、焦点が1点に集まらない | ぼやける。単眼でも二重・三重に見える | 円柱レンズ |
| 老視 | 近くにピントを変える調節力が小さくなる | 近くが見えにくい | 凸レンズ(老眼鏡など) |
表の内容は、日本眼科学会の2つの解説による[12][3]。近視の見え方(近くは見え、遠くがぼやける)の理由は、近視では調節しない状態の焦点が網膜の前にあり、近くを見るときは光が広がる向きで入るので、焦点が網膜に近づくためだ[12]。眼軸長との関係など、近視そのものについては、近視のしくみのメモにまとめた。
「近視の人は老視にならない」という言い方は、誤りだ。日本眼科学会は、近視の人はもともと近くに焦点が合いやすく老視を自覚しにくいが、遠くを見るための眼鏡をかけたままだと、近くがぼやけるという症状が出る、と明記している[3]。逆に、遠視の人は、遠方に焦点が合いやすい代わりに、老視の症状をより早く自覚することが多い[3]。
これは、1864年にドンデルスが「調節」と「屈折」を分けたことの、直接の帰結でもある。de Jong の医学史の論文によると、ドンデルスは、正視・遠視・老視・屈折異常の概念を、調節と屈折を区別したうえで導入した。また、2500人を超える患者を診て、近視の目も老視になりうることを、はじめてはっきりと述べたという[2]。
遠視の小児には、別の注意点がある。強い遠視や左右差の大きい屈折異常は、視力の発達を妨げて弱視の原因になることがあり、強い遠視では斜視が起こることもある。そのため、3歳児健診など地域で行われる視覚のスクリーニングを受けることが勧められている、と日本眼科学会は書く[12]。遠視の子どもは、視力に問題がなさそうでも、調節を全力で使って見ている場合がある、ということだ。
6. 乱視だと、どうして にじんだり 二じゅうに 見えたり するの?
6. 乱視だと、なぜにじんだり二重に見えたりするのか
6. 乱視 ── 角膜のゆがみと、単眼性複視
乱視の めは、まんまるでは ありません。たての ほうこうと よこの ほうこうで、ひかりの まがりかたが ちがいます[12]。ラグビーボールの よこがわを さわると、ながい ほうこうと みじかい ほうこうで、まがりかたが ちがいます。それに にて います。
ひかりが 1つの てんに あつまらないので、ぼやけたり、かたほうの めだけで 見ても、二じゅう、三じゅうに 見えたり します[12]。ただし ほんとうは、ラグビーボールほど、めが ゆがんで いる 人は めったに いません。
すこしの ゆがみなら、ふつうの ことです。ほとんどの めに、すこしは 乱視が あります[13]。なぜ おきるのかは、アメリカの こくりつがんびょうけんきゅうじょ(NEI)が、いしゃにも げんいんは わからない、と かいて います[14]。
乱視の主な原因は、角膜や水晶体のゆがみです。もし目が理想的なレンズをもっていれば、理論上、乱視は生じません。ところが実際には、大なり小なりゆがみがあるのが普通で、焦点が1か所に集まらなくなり、像がぼやけて見えます。片目で見ても、ものが二重、三重に見えることもあり、これを単眼性複視といいます[12]。
ラグビーボールの側面を思い浮かべてください。縦方向と横方向で、曲がり方がちがいます。乱視の目の角膜も、方向によって曲がり方がちがう、と考えると分かりやすくなります。ただし本当は、ほとんどの乱視は、ラグビーボールほど大きなゆがみではありません。
角膜の乱視は、ほとんどの人の目に、少しはあります。ある review では、角膜の表面は縦方向より横方向のほうが平らなことが多い、と書かれています[13]。少しのゆがみは、ふつうのことです。
乱視の原因について、アメリカの国立眼病研究所(NEI)は、「医師にも原因は分からず、予防する方法もない」と書いています。生まれつきの人もいれば、子どもや若いころになる人もいて、けがや手術のあとになる人もいるそうです。軽い乱視は、症状に気づかないこともあり、とくに子どもは、見え方が普通でないことに気づきにくいので、眼科で調べることが大切だとしています[14]。
乱視の主な原因は、角膜や水晶体のゆがみだ。理想的なレンズなら、理論上、乱視は生じない。しかし実際には、大なり小なりゆがみがあるのが普通で、焦点が1か所に集まらず、像がぼやける。片目でも物が二重、三重に見える現象を、単眼性複視という[12]。
Mohammadi らの review は、ほとんどの人の目に、少なくとも小さな角膜乱視があり、角膜の前面も後面も、縦より横のほうが平らなことが多いと整理する。角膜の後面の乱視が、前面の乱視の約10%を打ち消す働きをするという[13]。
NEI は、乱視の原因を「医師にも分かっておらず、予防する方法もない」と書く。生まれつきの人も、子どもや若いころに現れる人も、けがや手術のあとに生じる人もいる。軽い乱視は症状に気づかないことがあり、子どもは、見え方が普通でないことに気づきにくいので、眼科で調べることが大切だとする[14]。日本眼科学会は、大部分の乱視は円柱レンズで矯正できるが、角膜の病気などで起きる不正乱視は、完全な矯正が難しいと書く[12]。
乱視は、方向によって曲がり方がちがう目だ。では、眼鏡のレンズは、これらをどう補っているのか。
7. 近視の めがねと、老眼の めがねは、どう ちがうの?
7. 近視の眼鏡、遠視の眼鏡、老眼鏡は、レンズがどうちがうのか
7. 凹レンズ・凸レンズ・円柱レンズ ── 何を補っているのか
めがねの レンズには、まんなかが うすい レンズ(おうレンズ)と、まんなかが ふくらんだ レンズ(とつレンズ)が あります。近視の めがねは おうレンズ、遠視の めがねは とつレンズです。[12]
老眼の めがねも、とつレンズです。遠視の めがねと おなじ かたちの レンズでも、やくわりは ちがいます。遠視の めがねは、めの ひかりを あつめる ちからの たりなさを おぎない、老眼の めがねは、ピントを かえる ちからの たりない ぶんを おぎないます。[12]
乱視の めがねには、ほうこうによって つよさが ちがう レンズを つかいます。[12]
とおくと ちかくを 見る ぶぶんが わかれた めがねも あります。かずは 人によって ちがうので、眼科や めがねの おみせで、じぶんの めに あった ものを えらびます。[15]
眼鏡のレンズには、真ん中が薄い凹レンズと、真ん中がふくらんだ凸レンズがあります。近視は凹レンズ、遠視は凸レンズで矯正します。乱視には、方向によって強さのちがう円柱レンズを使います[12]。
老眼鏡も凸レンズです。遠視の眼鏡と同じ種類のレンズでも、役割はちがいます。遠視の眼鏡は、目の光を集める力が足りない分を補います。老眼鏡は、近くを見るときにピントを変える力が足りない分を補います。
老視の矯正は、日本老視学会によると、眼鏡が「最も安全で安心できる第一選択肢」です。初期の老視から高齢の人まで、一人ひとりの目の屈折や調節の状態に合わせて、遠近両用や累進屈折力レンズなどを選ぶそうです。遠くを見る部分と近くを見る部分がある遠近両用や、度数が少しずつ変わる累進屈折力レンズがあります[15]。コンタクトレンズや手術で老視に対応する方法もあります。度数は人によってちがうので、眼科や眼鏡店で調べてもらいます。
近視用の凹レンズの歴史は、近視のしくみのメモに書きました。1554年に、マウロリコが、近視は凹レンズで、遠視は凸レンズで直せると、はじめて区別したといわれています[2]。
眼鏡のレンズの種類は、補うものによって決まる。近視は凹レンズ、遠視は凸レンズで矯正し、乱視は円柱レンズで矯正する[12]。円柱レンズは、方向によって屈折力がちがうので、角膜のゆがみに合わせられる。
老視の眼鏡も凸レンズだが、補うものはちがう。遠視の眼鏡は、屈折力の不足を補う。老眼鏡は、調節力が足りず、近くに焦点が合わせられない分を補う。近視で遠用の眼鏡を使っている人は、その眼鏡のままだと、近くがぼやけるようになる、と日本眼科学会は書く[3]。
日本老視学会は、老視の矯正のうち、眼鏡を「最も安全で安心できる第一選択肢の老視矯正法」とする。遠近両用や累進屈折力レンズなど、一人ひとりの屈折と調節の状態に合わせた選択肢がある。コンタクトレンズには、片眼を遠く、他眼を近くに合わせるモノビジョンなどがあり、手術には、モノビジョン法や多焦点眼内レンズがある。どれにも長所と短所があり、術前に主治医と相談することが大切だという[15]。
眼鏡の歴史では、de Jong の論文が、1554年にマウロリコが、近視は凹レンズで、遠くまで見える(遠視)は凸レンズで直せる、とはじめて区別したと書く[2]。近視用の凹レンズの歴史は、近視のしくみのメモにまとめた。
では、老視を矯正する眼鏡は、世界では、どれくらい行き届いているのか。
8. ろうがんの めがねは、せかいの 人に とどいて いるの?
8. 老眼鏡は、世界の人にどれくらい届いているのか
8. 未矯正の老視 ── インドの茶畑の無作為化試験(2017年)
インドの ちゃばたけで、40さいいじょうの ちゃつみの 人たち 751人が、けんきゅうに きょうりょく しました。ちかくが 見えにくい のに、めがねを もって いない 人たちです。[16]
めがねを すぐ うけとる くみと、あとで うけとる くみに わかれました。どちらの くみも、1日に とる ちゃばの りょうは ふえましたが、すぐ うけとった くみの ほうが、ふえかたが 1日 5キロほど 大きく なりました。[16]
2015ねんの すいけいでは、老眼の 人は せかいで 18おくにんほど います。そのうち 8おく3000まんにんほどは、めがねが ない、または あって いなくて、ちかくが 見えにくい ようです。[17]
インドのアッサム地方の茶畑で、2017年に、こんな研究がありました。40歳以上の茶つみの人たち751人が協力しました。近くが見えにくいのに、眼鏡を持っていない人たちです。眼鏡は、一組にはすぐに、もう一組にはあとで、無料で配られました[16]。
すぐ受け取った組の、1日にとる茶葉の量は、平均で25.0kgから34.8kgに増えました。あとで受け取る組でも、26.0kgから30.6kgに増えています。そこで、増え方の差で比べると、すぐ受け取った組のほうが、1日に平均5.25kg多く増えました。約21.7%にあたります。作業者の収入は、とった量と結びついていました。眼鏡代は、配達費も入れて、1人あたり10.20米ドルでした[16]。
2015年の推計では、老視の人は世界に18億人ほどで、そのうち8億2600万人ほどは、眼鏡がないか、合っていなくて、近くが見えにくい状態でした。とくに、収入の低い国の農村で多かったといいます[17]。
老視は、誰にでも起きる変化です。ただ、眼鏡が届くかどうかは、暮らす場所によって、大きくちがいます。
Reddy らの無作為化試験(PROSPER)は、インド・アッサム州の茶園で行われた。40歳以上の茶つみ労働者2699人のうち、視力の条件を満たし、研究に同意した751人が協力した。遠方視力はよく、近方視力だけが低下していて、近用眼鏡で矯正でき、眼の病気はなく、眼鏡を持っていない人たちだ。376人には眼鏡がすぐ、375人にはあとで、無料で配られた[16]。
主な評価項目は、1日にとる茶葉の重さの、基準期間(4週間)から評価期間(11週間)への変化だった。眼鏡をすぐ受け取った群は、25.0kg/日から34.8kg/日に、あとで受け取る群は、26.0kg/日から30.6kg/日に増えた。群間の差は5.25kg/日(95%信頼区間 4.50〜5.99)で、相対的に21.7%の増加にあたる。労働者の収入は、生産性と結びついていた。眼鏡は、配達費込みで1人あたり10.20米ドルだった[16]。
この結果を、世界に広げるとどうなるか。Fricke らは、系統的レビューとモデル計算から、2015年に老視の人は世界で18億人(有病率25%)、そのうち8億2600万人は、矯正がないか不十分なため近見視力障害があると推計した。老視の矯正が必要なのに矯正が足りない割合は45%で、負担は、資源の少ない国の農村で最も大きい[17]。
老視は、誰にでも起きる変化だ。ただ、眼鏡が届くかどうかは、暮らす場所によって、大きくちがう。
じぶんでも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
ちかくで ピントが あう いちばん ちかい ところを、はかって みよう。むりは しないで ください。
- ものさしと、ちいさな もじが かいて ある かみ(しんぶんなど)を つかいます。
- かたほうの めを てで かくして、かみを とおくから、ゆっくり ちかづけます。もじが ぼやけて きたら、そこで とめて、ものさしで かおから きょりを はかります。
- ちかづけすぎると めが つかれます。つかれたら すぐ やめます。
ある けんきゅうでは、10だいの 人の ピントを かえる ちからは、ごごより 朝の ほうが すこし よわい、という けっかでした。[6]
あさと ごご、もういちど はかると、ちがいが 見つかる かもしれません。ただし ちがいは 1センチくらいなので、ものさしでは、はっきり 見えない ことも あります。これは けんさでは ありません。見えにくい ことが つづく ときは、眼科で 見て もらいましょう。
近くでピントが合う一番近い距離を、測ってみましょう。無理はしないでください。
- ものさしと、小さな字が書いてある紙(新聞など)を使います。
- 片方の目を手で隠して、紙を遠くからゆっくり近づけます。字がぼやけてきたところで止めて、ものさしで、顔からの距離を測ります。
- 近づけすぎると目が疲れます。疲れたらすぐやめます。
Park らの研究では、10代の人の調節力は、朝の9〜10時ごろは平均13.35Dで、午後3〜4時ごろは平均16.15Dと、朝のほうが小さい結果でした[6]。朝と午後で測って比べると、差が見つかるかもしれません。ただ、1÷Dで計算すると、この差は距離にして1センチほどです。ものさしでは、はっきり分からないこともあります。これは検査ではありません。見えにくさが続くときは、眼科で見てもらいましょう。
読み比べてみたい資料もあります。日本眼科学会の「老視」と「近視・遠視・乱視」のページ[3][12]と、日本老視学会の「一般の皆様へ」のページ[15]。それぞれ、老視の何を大事にして書いているでしょうか。
自分の近点を、簡単に測ってみることができる。ものさしと、小さな字の書かれた紙を使い、片目を手で隠して、紙をゆっくり近づけ、字がぼやけはじめた位置で止めて、顔からの距離を測る。近づけすぎると疲れるので、疲れたらやめる。検査ではないので、値の良し悪しを気にしすぎない。見えにくさが続くときは、眼科で調べてもらう。
Park らは、10代の調節力が、朝9〜10時の13.35Dから、午後3〜4時の16.15Dまで、日内変動することを報告した。40代では、逆に夕方から夜のほうが小さかった[6]。1÷Dを距離に換算すると、10代の朝と午後の差は、約1cmだ。ものさしで測って、差が見えるだろうか。
資料を読み比べてみたい。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
出典について:日本眼科学会と日本老視学会の一般向けの解説、国際近視研究所(IMI)の報告書、医学史の論文、調節と老視の研究論文、乱視の総説、世界の老視の推計とインドの茶畑での無作為化試験の論文を使った。英語の資料には、何の資料かを日本語で添えた。
- Logan NS ほか「IMI Accommodation and Binocular Vision in Myopia Development and Progression」(Investigative Ophthalmology & Visual Science、2021年。国際近視研究所による、調節と近視についての報告書。DOI 10.1167/iovs.62.5.4)。 https://doi.org/10.1167/iovs.62.5.4 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8083074/ (ヘルムホルツ型の調節のモデル。毛様体筋とチン小帯の張りの変化、水晶体の形の変化、正確な仕組みには意見が分かれること)
- de Jong PTVM「Myopia: its historical contexts」(British Journal of Ophthalmology、2018年。近視についての医学史の論文。DOI 10.1136/bjophthalmol-2017-311625)。 https://doi.org/10.1136/bjophthalmol-2017-311625 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6059036/ (ケプラーの調節についての考え、1554年のマウロリコの区別、1864年のドンデルスによる調節と屈折の区別、近視の目も老視になること)
- 日本眼科学会「老視(老眼)」(日本眼科学会による病気の解説)。 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=36 (老視の定義、調節のしくみの概要、40代ごろからの自覚、近視の人も老視になること、遠視の人は早く自覚しやすいこと)
- Sivaraman V ほか「Near work-induced transient myopia in Indian subjects」(Clinical & Experimental Optometry、2015年。近業のあとの一過性近視についてのインドでの研究。DOI 10.1111/cxo.12306)。 https://doi.org/10.1111/cxo.12306 (20cm・5分と60分の近業のあとの、近視の人と近視でない人のずれの大きさと戻る速さ)
- Jiménez R ほか「Impact of dual-focus soft contact lens wear on near work-induced transient myopia」(Clinical & Experimental Optometry、2023年。DOI 10.1080/08164622.2022.2029684)。 https://doi.org/10.1080/08164622.2022.2029684 (一過性近視の原因として筋原性の要因が提案されているが、議論があること)
- Park SM ほか「Diurnal variations of amplitude of accommodation in different age groups」(PLoS One、2019年。年齢層ごとの調節力の、1日の中での変化。DOI 10.1371/journal.pone.0225754)。 https://doi.org/10.1371/journal.pone.0225754 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6879161/ (154人の押し上げ法での調節力。10代・20代・40代の平均値、時間帯による変動)
- Charman WN「The eye in focus: accommodation and presbyopia」(Clinical & Experimental Optometry、2008年。調節と老視についての総説。DOI 10.1111/j.1444-0938.2008.00256.x)。 https://doi.org/10.1111/j.1444-0938.2008.00256.x (調節力は子どもの後半から着実に下がること、40歳ごろに近くの作業に必要な幅を下回ること、水晶体の変化が大きな役割をもつこと、全体像はまだ分からないこと)
- León A、Estrada JM、Rosenfield M「Age and the amplitude of accommodation measured using dynamic retinoscopy」(Ophthalmic & Physiological Optics、2016年。DOI 10.1111/opo.12244)。 https://doi.org/10.1111/opo.12244 (5〜60歳、1298人の別の測り方での調節力。測り方で値が変わること)
- Glasser A、Campbell MC「Presbyopia and the optical changes in the human crystalline lens with age」(Vision Research、1998年。DOI 10.1016/s0042-6989(97)00102-8)。 https://doi.org/10.1016/s0042-6989(97)00102-8 (10〜87歳の水晶体27個を引っぱって焦点距離を測った実験。60歳を超えると引っぱっても変わらなかったこと)
- Wolffsohn JS、Davies LN「Presbyopia: Effectiveness of correction strategies」(Progress in Retinal and Eye Research、2019年。老視の矯正についての総説。DOI 10.1016/j.preteyeres.2018.09.004)。 https://doi.org/10.1016/j.preteyeres.2018.09.004 (老視の再定義の提案、老視が生理的に正常な加齢の変化であること)
- Charman WN「Developments in the correction of presbyopia I: spectacle and contact lenses」(Ophthalmic & Physiological Optics、2014年。DOI 10.1111/opo.12091)。 https://doi.org/10.1111/opo.12091 (先進国では、いまの人口の大半が人生のおよそ半分を老視として過ごすという見積もり)
- 日本眼科学会「近視・遠視・乱視」(日本眼科学会による病気の解説。監修:日本近視学会)。 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=28 (正視・近視・遠視・乱視の定義、眼鏡の種類、遠視の小児、乳幼児期の屈折異常と弱視・斜視、3歳児健診)
- Mohammadi SF ほか「Posterior corneal astigmatism: a review article」(Clinical Optometry、2019年。角膜の後ろの面の乱視についての総説。DOI 10.2147/opto.s210721)。 https://doi.org/10.2147/opto.s210721 (ほとんどの目に少しの角膜乱視があること、角膜の面は縦より横が平らなことが多いこと)
- アメリカ国立眼病研究所(NEI)「Astigmatism」。 https://www.nei.nih.gov/learn-about-eye-health/eye-conditions-and-diseases/astigmatism (乱視の症状、原因は分かっていないこと、子どもは気づきにくく眼科での検査が大切なこと)
- 日本老視学会「一般の皆様へ」。 https://www.rousi.jp/general (老視の矯正の方法:眼鏡・コンタクトレンズ・手術。水晶体の硬化がメカニズムとして知られていること)
- Reddy PA ほか「Effect of providing near glasses on productivity among rural Indian tea workers with presbyopia (PROSPER): a randomised trial」(The Lancet Global Health、2018年。DOI 10.1016/s2214-109x(18)30329-2)。 https://doi.org/10.1016/s2214-109x(18)30329-2 (茶つみ751人への近用眼鏡の配布。1日にとる茶葉の量の変化、費用)
- Fricke TR ほか「Global Prevalence of Presbyopia and Vision Impairment from Uncorrected Presbyopia」(Ophthalmology、2018年。世界の老視の人数の推計。DOI 10.1016/j.ophtha.2018.04.013)。 https://doi.org/10.1016/j.ophtha.2018.04.013 (2015年に18億人、うち8億2600万人が矯正なし・不十分で近見視力障害があるという推計)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。