1. むらさきキャベツの しるが、いろんな いろに なる
1. 紫キャベツの汁が、三つの色になる
1. 紫キャベツの汁の、酸性・中性・アルカリ性での色の違い
むらさきキャベツを 水に つけると、むらさき色の しるが できます。この しるに すを 入れると、赤っぽい ピンク色に なります。
しるに めんを 入れると、青みどり色に なる、と しょうかいされて います[2]。おなじ しるが、赤にも むらさきにも 青みどりにも なるのです。
2. 色を つくって いる ものの なまえ
2. 汁の色をつくる色素、アントシアニン
2. アントシアニンとは何か
この 色を つくって いるのは、アントシアニンと いう 色素です。赤、むらさき、青と、その あいだの きれいな 色を つくる、しぜんの 色素だと いわれます[1]。
シソ、ぶどう、なす、そして 赤キャベツにも 入って います。
この色の正体が、アントシアニンという天然の色素です。津久井の解説では、赤、紫、青と、その中間の色をもつ色素で、シソ、ぶどう、りんご、いちご、なす、赤キャベツなどに含まれるとされています[1]。
秋の紅葉にも関わる色素ですが、ここでは「汁の色がなぜ変わるのか」に話をしぼります。
3. かたちが かわると、ひかりの すいかたが かわる
3. 分子の形が変わると、吸う光が変わる
3. pHによる構造変化と吸収波長
アントシアニンの ぶんしは、まわりの しるが すっぱい がわか、アルカリの がわかで、かたちが かわります。かたちが かわると、ひかりの すいかたも かわり、ちがう 色に 見えます[3]。
おりがみを おると、おなじ かみでも 見えかたが かわりますよね。ただし ほんとうは、かみを おるのでは なく、まわりの しるに あわせて ぶんしが かたちを かえて います。
4. 色が なくなる ことも ある
4. 色は、ときに消えてしまう
4. 水和による退色と、色調の目安
アントシアニンの ぶんしには、水と くっついて、色が なくなる かたちに なる ものも あります[1]。おなじ しるでも、おいて おくと 色が うすく なることが あるのは、こういう ことも かんけい するかもしれません。
アントシアニンの色は、いつまでも同じではありません。津久井の解説によると、紫色の型は不安定で、水と結びついて無色の型になりやすいそうです[1]。この水との結びつきを防ぐと、色素は安定するとされます。
汁をつくって時間がたつと色がうすくなるのは、こうした変化も関係するのかもしれません。ただ、汁の色が時間とともにどう変わるかは、ここでは扱いません。
5. 赤キャベツの 色素は、じょうぶ?
5. 赤キャベツの色素は、比較的じょうぶ
5. アシル化と安定性
アントシアニンは、こわれやすい ものも 多いです。でも 赤キャベツの 色素は、アントシアニンの 中では じょうぶな ほうだと いわれます[4]。アントシアニンの なかまは、食べものの 色つけにも 使われて います[1]。
6. アサガオや アジサイの 色も、おなじ しくみ?
6. 花の色とのつながり ── アサガオとアジサイ
6. 花の色とpH、そしてpHだけでは足りない例
アサガオは、つぼみのとき 赤むらさき色で、ひらくと 青く なります[5]。花びらの さいぼうの 中の しるの すっぱさが、少しずつ かわるからだと いわれて います。
でも、アジサイの 青と 赤は、土の すっぱさだけで きまるわけでは ありません[5]。ほかにも かかわる ものが あるようです。
農研機構の解説によると、ソライロアサガオの花びらの細胞の中の液は、つぼみのころは約6.6(弱い酸性)ですが、花が開くにつれて上がり、完全に開くと7.7(弱いアルカリ性)になります。それとともに、色は赤紫から青へ変わります[5]。
ただし、花の青はpHだけでは決まりません。農研機構は、ヤグルマギクの青が鉄・マグネシウム・カルシウムなど金属イオンとの複合体によること、アジサイの青花と赤花の違いにアルミニウムの量や共存する物質が関わることを説明しています[5]。土のpHが直接色を決めるわけではありません。
ソライロアサガオでは、花弁細胞の液胞のpHがつぼみで約6.6(弱酸性)、完全に開花した状態で7.7(アルカリ性)へ上がり、赤紫から青へ色が変わる[5]。6.6は弱酸性、7.7は弱アルカリ性で、強い酸や強いアルカリではない。
一方、花の青色はpHだけでは説明できない。金属イオンやコピグメント(共存色素)との複合体でも青は生まれる。ヤグルマギクは鉄・マグネシウム・カルシウムの3種の金属イオンを含む複合体で青くなり、アジサイの青花と赤花の違いはアルミニウムの量や共存物質の組成の違いとされる[5]。酸性土壌ではアルミニウムが吸収されやすい形で存在するため、青色が強くなる。土のpHが直接色を決めるわけではない。
7. じぶんでも しらべて みよう
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
おうちの 人と いっしょに、むらさきキャベツの しるを つくって みましょう。こまかく きった はっぱに、おうちの 人に あつい おゆを そそいで もらいます。さめたら、しるだけ とりだします。
しるを ちいさな コップに わけて、酢、レモンの しる、水などを 少しずつ 入れて、いろの ちがいを 見ましょう。きれいな コップと スプーンで やって、しるは のまないでくださいね。
アサガオを そだてて いるなら、朝と おひるで 花の 色が ちがって 見えるか、見くらべて みましょう。
台所にあるものを液に入れて、色を比べてみましょう。紫キャベツの葉を細かく切り、大人にお湯を注いでもらって、冷めたら汁だけを取ります。汁を小さなコップに分けて、酢、レモン汁、水、重曹を溶かした水などを少しずつ加えます。
加える量で色は変わるので、順番と量をノートに書いておくと、後から比べやすくなります。実験に使った液は飲まないでください。洗剤などは、目や口に入らないよう気をつけましょう。
アサガオを育てているなら、朝と昼で花の色を見比べてみましょう。もとになった資料は、ページの下の「参考にした情報源」にあります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:津久井は学会誌の解説、イミダスは科学解説記事、近畿化学協会は化学Q&A、鹿光生物科学研究所は色素メーカーの資料、農研機構は公的機関の解説です。
- 津久井亜紀夫「食品中のアントシアニン色素について」日本食生活学会誌 9(1), 1998。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh1994/9/1/9_1_9/_pdf (アントシアニンの構造とpH、水和、需要量)
- イミダス「なぜムラサキキャベツは変色するのか?」。 https://imidas.jp/science/?article_id=k-051-009-10-11-g385 (酸性・中性・アルカリ性での汁の色の例)
- 近畿化学協会 化学Q&A Q63。 http://kinki.chemistry.or.jp/pre/a-63.html (構造の変化と色)
- 鹿光生物科学研究所「アカキャベツ色素」。 https://www.rokkou-co.jp/wp/naturalfoodcolor/red-cabbage/ (赤キャベツ色素の種類数、安定性、pHごとの色調)
- 農研機構 野菜花き研究部門「青色」。 https://www.naro.go.jp/laboratory/nivfs/kiso/color_mechanism/contents/blue.html (アサガオの液胞のpH、金属錯体の青、アジサイ)
なおした ところ
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