このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

着メロは どうやって 手に入れ、どうやって 作ったの?

着メロはどうやって手に入れ、どうやって作ったのか ── 数字キーの作曲から着うたまで

着メロの入手と自作の変遷 ── 1996年の内蔵曲・作曲機能、配信サイト、和音数の増加、着うた(2002)・着うたフル(2004)

分野:技術

むかしの けいたい電話では、よびだし音を 自分で 作曲する ことが できた きしゅが あった、と いわれて います。1996年の ことです。

どうして そんな ことが できたのでしょうか。曲は どこから 来て、どうやって 音が ふえて いったのでしょうか。「着メロ」の 手に入れ方と 作り方が 分かります。

1996年、電話の呼び出し音を自分で作曲できる機能をもつ携帯電話が発売された、とされています[1]。曲を選ぶだけでなく、作るところから始まっていたわけです。

では、その「着メロ」は、その後どうやって手に入れ、どうやって自作されていたのでしょうか。同時に鳴らせる音の数が3から64へ増えていった流れと、音そのものを使う着うたが出てきた理由が分かります。

携帯電話の着信音は、いつ「選ぶもの」から「作るもの」になったのか。着信メロディ(着メロ)は、1996年に内蔵曲から始まり、同年には自作の機能まで現れたとされる。そこから、2000年には月100〜300円のダウンロードサイトが並び、同時発音数は1999年の3和音から2001年の64和音まで増えた[1][2]。

なぜ着メロはこの経路で広がったのか。そして音符の指示で鳴らす着メロと、音声そのものを使う2002年の着うたは、何が違うのか。入手・自作・和音数・着うたの4点が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 電話が 曲を 鳴らしはじめた

1. 電話が「曲」を鳴らしはじめた ── 内蔵曲と作曲機能

1. 電話が「曲」を鳴らしはじめた ── 1996年の内蔵曲(5月)と作曲機能(9月)

1996年の 5月、NTTドコモの 「N103HYPER」という きしゅが 出ました。着メロの きのうを つけた、せかいで はじめての けいたい電話と いわれます[1]。

ただし、えらべる 曲は、はじめから 入って いた ものだけでした。

その 9月に、べつの 会社(のちの au)が、もっと おどろく きのうを つけた と されて います。自分で 作曲した メロディを、よびだし音に できる きのうです[1]。

1996年5月、NTTドコモのデジタル・ムーバN103HYPER(NEC製)が、着信メロディ機能を携帯電話として世界で初めて載せたと紹介されています。選べるのは、あらかじめ入っていた曲でした[1]。

同じ年の9月には、日本移動通信(IDO、のちのau)が「メロディ着信音作曲機能」を載せました。自分で作ったメロディを着信音にできる機能として、携帯電話では初めてとされています[1]。

この年表は資料[1]の記述にもとづいています。「世界初」「初めて」は「とされる」と受け取ってください。

着メロは、最初から自分で作れる道具だったのか。それとも、選ぶだけの機能から始まったのか。資料の年表では、選ぶ機能が先に現れる。1996年5月、NTTドコモのデジタル・ムーバN103HYPER(NEC)が、携帯電話として世界で初めて着信メロディ機能を搭載し、内蔵曲から選択する方式だったと記される[1]。ところが同年9月には、日本移動通信(にほんいどうつうしん、IDO。のちのau)が、自作のメロディを着信音にできる「メロディ着信音作曲機能」を、携帯電話として初めて搭載したとされる[1]。

この2件はいずれもWikipediaの年表(出典不十分の表示がある)に依拠する。「世界初」「初」は資料の記述として扱い、断定しない。

2. 曲は、どこから 手に入れたの?

2. 曲は、どこから手に入れたのか ── 取り込み式から月額サイトへ

2. 曲は、どこから手に入れたのか ── サーバー取り込み(1997)とiモードの配信サイト(2000)

1997年の 6月に、アステル東京が「着メロを よびだす サービス」を はじめました。ネットワークから 曲を とりこむ やり方の はじまりと いわれます[1]。

2000年の 4月には、iモードの 着メロサイトが 10か所 ありました。お金は 月に 100円から 300円ほどで、ダウンロードの 前に 聞く ことは できませんでした[2]。

この 10か所は、この ときの 記事の 中の 数です。ぜんぶの 数では ありません。

1997年6月、アステルグループのアステル東京が「着信メロディ呼び出しサービス」を始めました。サーバーから曲を取り込む方式の始まりとされます[1]。

2000年4月の雑誌記事では、iモードの着メロダウンロードサイトは10あり、月額は100〜300円でした。試聴はできず、ダウンロードすれば有料でした[2]。曲名だけを頼りに買うので、想像していた曲と違うこともあったでしょう。ただ、これは私の推測で、資料には書かれていません。

「10サイト」は、この記事が数えた時点の数です。当時のサイトの総数ではありません。

曲を作る道のほかに、曲を手に入れる道もあった。その入手の経路は、どう変わったのか。まず、1997年6月にアステル東京が「着信メロディ呼び出しサービス」を開始し、サーバーから曲を取り込む方式の始まりとされる[1]。では、2000年の姿はどうか。2000年4月時点で、iモードの着メロダウンロードサイトは記事中で10サイト挙げられ、月額100〜300円、試聴機能なし、ダウンロードすれば有料だった[2]。

10サイトは同記事が紹介した数で、全体数ではない。当時の市場規模(売上・曲別の販売数)は、今回の資料からは示せない。

3. 自分でも、作れたの?

3. 自分で作るには ── 五線譜ソフトと、機種ごとの決まり

3. 自分で作るには ── 作成ソフト(1999)と、機種ごとの決まり

けいたい電話の 数字キーで、音を 1つずつ 打ちこむ やり方が ありました。それとは べつに、パソコンで 作る ソフトも ありました。

1999年の ソフトでは、画面の 五線の 上に、マウスで おんぷを ならべます。きしゅを えらぶと、その きしゅに 入れられる 音の 数や 高さの はばを 見る ことが できました[3]。

ほかの ソフトでは、着メロの 本や ホームページの ふめんを 入れると、自分の きしゅ用に なおして くれました。けいたいに 打ちこむ 前に、パソコンで 音を 聞く ことも できました[4]。

きしゅごとに 入る 音の 数が ちがったので、こういう 助けが いったようです。

作る方法は、大きく2つありました。携帯の数字キーで音を1つずつ入力する方法と、パソコンの作成ソフトを使う方法です。

1999年3月の紹介記事にある着メロ作成ソフトは、五線譜にマウスで音符や休符を置く形でした。機種を選ぶと、入力できる音の数、音階の幅、テンポなどの上限が確認できました[3]。1999年1月の別のソフトは、着メロ本やホームページの楽譜を入力して自分の機種用に変換し、携帯に打ち込む前にMIDIで音を確かめられました。機種区分は16種類でした[4]。

機種ごとに入力できる音数などが違ったので、こうした変換や確認の機能が要ったのだと考えられます。この因果は、資料が直接述べたものではなく、私の読み取りです。

では、曲を自分で作りたい人は、どうやって音を入力したのか。手段は、携帯の数字キー入力と、パソコンの作成ソフトに大別できる(数字キー入力の具体的な操作法は今回の資料には無く、詳細は述べない)。パソコンの側を見ると、1999年3月の着メロメーカーは、五線譜上に9種類の音符と5種類の休符をマウスで配置する形式だった。機種を選ぶと、入力可能な音数・音階の幅・テンポを確認できた[3]。一方、1999年1月の別ソフトは、着メロ本やホームページの楽譜を入力して自機種向けに変換し、MIDIで試聴できた(16種類の機種区分)[4]。

では、なぜ機種を選ばせる必要があったのか。機種ごとに音数・音域・最小音符が異なったことが、機種選択機能の背景と推測されるが、資料は因果を直接述べていない。文字で曲を書くMML(音楽マクロ言語)という方式もあるが、ここでは扱わない。

4. 和音が ふえると、どうなるの?

4. 「和音数」が増えていく ── 3から16、そして64へ

4. 同時に鳴らせる音は、どこまで増えたのか ── 3(1999)→16(2000)→64(2001)→128(2005)

けいたい電話で いう 「和音数」は、同時に 鳴らせる 音の 数の ことです。1人で ふえを ふくのと、なん人かで いっしょに ふくのとの ちがいに にて います。ただし 本当は 人では なく、音の 数の 話です。

2000年の 4月、ドコモの N502iは、ヤマハの 4和音の 音を 出す 部品を つんだ きしゅと して しょうかいされました[2]。

そのあと、1999年の 8月に 3和音、2000年の 10月に 16和音、2001年の 6月に 64和音が 鳴る きしゅが 出たと まとめられて います[1]。64和音は 4和音の 16倍です。年は、それぞれ はじめの きしゅが 出た 年です。

16和音では、30曲いじょうの クラシックを ならべて、アレンジの こりぐあいを うりに した サイトも ありました[5]。

携帯電話の仕様でいう「和音数」は、同時に鳴らせる音の数のことです(音楽用語の和音とは少し違う使い方です)。ピアノで1本の指だけ弾くか、和音を弾くかの違いに近いといえます。ただ実際は、鍵盤ではなく音源が同時に出せる音の数が上限です。

2000年4月、NTTドコモのN502iは、ヤマハの4和音FM音源を載せた端末として紹介されました[2]。対応する和音数は、1999年8月に3和音、2000年10月に16和音、2001年6月に64和音、2005年8月に128和音再生対応の機種が出た、と整理されています[1]。各年は最初の対応機種が出た時期で、全機種が同時に変わったわけではありません。

64和音は4和音の16倍です。2001年4月には、J-フォン向けに4和音と16和音のクラシック着メロを出すサイトがあり、16和音は30曲以上あって、凝ったアレンジが売りでした[5]。

ヤマハが定めたSMAF形式は、16和音のメロディ再生に対応した規格で、J-スカイ端末やEZweb端末に採用されました[6]。和音が増えると音楽らしく聞こえる理由は、資料には書かれていません。ここまでは、音の数が増えて表現の幅が広がった、という私の説明です。

着メロの音は、増えた和音数の分だけ豊かになったのか。携帯電話の仕様でいう和音数は同時発音数を指す(音楽用語の和音とは別の表記)。その実例として、2000年4月、NTTドコモN502iはヤマハの4和音FM音源搭載機として紹介された[2]。一方、対応和音数を年表に整理した資料では、1999年8月に3和音、2000年10月に16和音、2001年6月に64和音、2005年8月に128和音再生対応の機種が出たとされる[1]。各年は最初の対応機種の時期であり、全端末が同時に移行したわけではない。

64和音は4和音の64÷4=16倍にあたる。では、増えた音は何に使われたのか。2001年4月時点でJ-フォン向けに4和音・16和音のクラシック着メロを出すサイトがあり、16和音は30曲以上でアレンジの凝り方が特徴とされた[5]。

ヤマハが定めたSMAF形式は16和音のメロディ再生に対応した規格で、J-スカイ端末・EZweb端末で採用され、ヤマハは作成ツールも無償配布した[6]。和音が増えると音楽らしく聞こえる理由は、資料が述べていないため断定しない。

5. 着うたは、なにが ちがうの?

5. 着うたへ ── 音符の指示から、音そのものへ

5. 着うたは、着メロと何が違うのか ── 2002年の着うた、2004年の着うたフル

2002年の 11月、KDDIが「着うた」を はじめました。MP3と いう 音の データで、15びょうから 30びょうほどの 歌入りの 曲を 送る サービスです。1曲 80円から 100円ほどでした[7]。

2004年の 11月には「着うたフル」が はじまり、1曲 まるごとを ダウンロードできるように なりました。48日間で 100万回を こえたと つたえられて います[8]。100万回を 48日で 分けると、1日に 2万回 ちょっとです。

着メロは 音の しじを 書いた メモに 近く、着うたは 歌った 声を そのまま とった ものに 近いです。ただ、これは この 記事の まとめで、しりょうに はっきり 書かれた ことでは ありません。

2002年11月18日、KDDIが「着うた」を始めました。MP3を使った15〜30秒程度のボーカル曲を配信し、価格は1曲80〜100円程度でした[7]。

2004年11月19日には「着うたフル」が始まり、1曲まるごとをダウンロードできるようになりました。48日間で100万ダウンロードを超えています[8]。100万を48で割ると1日平均2万余りで、これは平均です。

着メロは、音符のように「どの音を、どの長さで」を書いたデータを、端末の音源が鳴らします。着うたは、録音された音(MP3)そのものです。この違いの説明は私の整理で、資料が直接述べたものではありません。なぜ音声そのものへ移ったのかも資料は語りませんが、和音数が増えても、歌声は録音の形でないと難しかったのかもしれない、というのが私の見立てです。

和音数を増やしていく道の先に、音声そのものを鳴らす方式が現れた。2002年11月18日(要約上の日付)、KDDIが「着うた」を開始した。MP3による15〜30秒程度のボーカル曲を配信し、価格は1曲80〜100円程度[7]。そして、2004年11月19日にはEZ「着うたフル」が始まり、1曲全体をダウンロードでき、48日間で100万ダウンロードを超えた[8](100万÷48≒2.1万/日の平均)。

では、着メロと着うたは、何が違うのか。着メロが音高・長さなどの演奏指示を端末の音源で鳴らす方式であるのに対し、着うたは圧縮音声(MP3)を再生する方式という整理は、資料の個々の記述(SMAF=メロディ再生規格、着うた=MP3配信)を突き合わせた筆者の解釈で、資料が直接述べたものではない。

6. 数字で 曲を 書いて みよう

6. 数字だけで、曲を書いてみる

6. 数字だけで、曲を書いてみる ── 当時の記事にも当たる

ドレミファソラシドを、1から 8の 数字に します。ド=1、レ=2、ミ=3、ファ=4、ソ=5、ラ=6、シ=7、高い ド=8です。

「きらきら星」の はじまりは、ド ド ソ ソ ラ ラ ソ です。数字では 1 1 5 5 6 6 5 に なります。

「きらきら星だよ」と 教えてから、おなじ 数字を 家の 人に 見せて、声で 歌って もらいましょう。つぎは、自分の すきな 短い 曲を 数字に して みましょう。数字キーで 曲を 作った 人も、こんな 気持ちだったのかも しれません。

ドレミファソラシドを1〜8の数字にします(ド=1、レ=2、ミ=3、ファ=4、ソ=5、ラ=6、シ=7、高いド=8)。「きらきら星」の出だしは、1 1 5 5 6 6 5 です。

「きらきら星」だと伝えてから、この数字の並びを家族に見せ、声で歌ってもらいましょう。次に、自分の好きな短い曲を数字にしてみてください。何音目までなら思い出せるでしょうか。音の長さは数字だけでは書けないと気づいたら、それが着メロ作成ソフトが休符や音符の種類を選ぶ形になっていた理由の一つかもしれません。

当時の様子を読むなら、窓の杜の着メロ作成ソフト紹介(1999年)が読みやすい入口です[3]。

数字だけで旋律を書くとしたら、何が足りなくなるのか。ドレミファソラシドを1〜8に対応させ、「きらきら星」の出だしを1 1 5 5 6 6 5と書き、他人に読んでもらう。音の長さが書けないことに気づけば、作成ソフトが音符・休符の種類を選ばせた理由の一つが体感できる。

当時の紹介記事として、着メロ作成ソフトの1999年の記事[3]と、着うた開始を伝える2002年の記事[7]がある(いずれも報道・紹介記事で、一次資料ではない)。市場規模などは、日本レコード協会の統計など一次資料で確かめたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

Wikipediaの年表は二次資料。「初」や年月は一次資料での確認が今後の課題。記事の年月・金額の一部は、記事の要約段階の記述。

  1. Wikipedia「着信メロディ」(年表)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/着信メロディ (1996年の内蔵曲・作曲機能、1997年の取り込み式、和音数の推移)
  2. ケータイWatch 着メロ特集(2000年4月18日)。 https://k-tai.watch.impress.co.jp/static/review/2000/04/18/melo00.htm (iモードのサイト数・月額、N502iの4和音)
  3. 窓の杜「着メロメーカー」(1999年3月12日)。 https://forest.watch.impress.co.jp/article/1999/03/12/chakumeromaker.html (五線譜ソフトと機種別の制約)
  4. 窓の杜 着メロ作成ソフト(1999年1月19日)。 https://forest.watch.impress.co.jp/article/1999/01/19/chakumero.html (楽譜の変換とMIDIでの試聴)
  5. ケータイWatch サイトナビ(2001年4月)。 https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/sitenavi/3604.html (16和音のクラシック着メロの例)
  6. 窓の杜「SSCMA」記事(2001年2月9日)。 https://forest.watch.impress.co.jp/article/2001/02/09/sscma2.html (SMAFが16和音のメロディ再生規格であること)
  7. ITmedia Mobile(2002年12月10日)。 https://www.itmedia.co.jp/mobile/0212/10/n_uta.html (着うたの開始、MP3、価格)
  8. ケータイWatch(着うたフル100万ダウンロード)。 https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/22036.html (着うたフルの開始と100万ダウンロード)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。