このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

流れ星は どうして 光りながら きえて しまうの?

流れ星はなぜ光って消えるのか ── 砂つぶほどのちりと、空気との出会い

流星の発光機構 ── 高度100km前後、秒速数十kmの微小なチリと大気の相互作用

分野:宇宙・天文

夜空を すっと ながれて、すぐに きえる 流れ星。光って いるのは、大きな 石では なく、砂すなの つぶほどの ものだと いわれます。

そんな 小さな ものが、どうして あんなに 光るのでしょう。「まさつで もえる」という 説明せつめいにも、じつは ひとつ 気に なる ところが あります。

流れ星は、夜空を横切って、ほんの1秒ほどで消えてしまいます。光の正体は大きな岩ではなく、砂つぶほどの宇宙のちりだと説明されています[1]。

そんな小さなものが、なぜあれほど光るのでしょうか。「空気との摩擦で燃える」という説明をよく聞きますが、資料によって言い方がちがいます。その差もふくめて、光るまでの道すじをたどります。

流星の元は、直径1mmから数cmほどの宇宙のチリだと国立天文台は説明する[1]。それが高度100km前後の希薄な大気に秒速数十kmで突入して光る。

ただし発光の説明は資料ごとに異なり、博物館は「摩擦」、天文研究室と流星観測団体は「摩擦ではなく衝突・圧縮」とする[2][4][3]。この違いを含め、出典をたどりながら整理する。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 光って いるのは、なに?

1. 光っているのは砂つぶほどのちり

1. 流星物質の大きさと質量

流れ星の 元は、宇宙うちゅうに ういて いる ちりの つぶです。大きさは、1ミリから 数センチくらいと 説明せつめいされて います[1]。

おもさは、1円玉より かるい ものが ほとんどです。1円玉は 1グラムです。明るい 流れ星でも、10グラム ほどと いわれます[3]。

手の ひらに 1円玉を のせて みて ください。あの かるさの、もっと 小さな つぶが、夜空で 光って います。

流れ星の元になるのは、宇宙空間にある直径1mmから数cmほどのちりの粒です[1]。重さは、1円玉(1g)より軽いものがほとんどで、明るい流れ星でも10g前後とされています[3]。

国立科学博物館は、数mgから数十g程度と説明しています[2]。資料で範囲が少しちがうので、ここでは「数mgから10g前後」と、ゆるくとらえておきます。

手のひらに1円玉をのせて、その軽さを思い出してみてください。夜空に見える一筋の光の元は、それよりずっと軽いことが多いのです。

流星の元になる流星物質は、直径1mmから数cm程度のチリの粒とされる[1]。質量については、流星観測団体IPRMOが「1円玉(1g)より軽いものがほとんどで、明るい流星で10g程度」とする[3]。

一方、国立科学博物館は「数mgから数十g程度」と説明する[2]。上限が出典で異なるため、本稿では「数mg〜10g前後」とぼかして扱う。

2. どのくらい 高くて、どのくらい 速いの?

2. 高さ100km、秒速数十kmの世界

2. 発光高度と突入速度

流れ星が 光るのは、地上から 100キロメートルくらいの 高い ところです[3]。ひこうきが とぶ 高さより、ずっと 上です。

そこへ、ちりは 1びょうで 数十キロメートルも すすむ 速さで とびこみます[4]。1びょうで 30キロメートル すすむと、東京から よこはまの ほうまで いって しまう ほどです。

光って いる あいだは、およそ 1びょうです[4]。まばたきを すると、見のがして しまいます。

流れ星が光るのは、地上からおよそ100km前後の高さです。資料によって、90〜110kmとも、80〜120kmとも書かれています[3][6]。光り始める高さは、ちりが飛びこんでくる速さで変わる、とも説明されています[6]。

速さは、秒速数十kmです[4]。地球が太陽のまわりを回る速さは秒速約30kmで、その動きとちりの動きが合わさるため、正面からぶつかる場合は秒速70km程度にもなるといわれます[3]。光っているのはおよそ1秒で、その間に数十km進みます[4]。

発光高度は、IPRMOが90〜110km(およそ100km)[3]、EarthSkyが約80〜120kmとし、高度は突入速度に依存するという[6]。出典間で幅が異なるため、「100km前後」と扱う。

突入速度は、地球の公転速度(約30km/s)との合成で決まり、正面衝突なら約70km/sになりうる[3]。発光時間は約1秒、その間の移動距離は数十kmと説明される[4]。

3. 「まさつで もえる」だけ?

3. 「摩擦で燃える」と、資料によって言い方がちがう

3. 加熱機構をめぐる説明の相違

国立科学博物館はくぶつかんは、流れ星を「空気との まさつで あつく なって、光った もの」と 説明せつめいして います[2]。手を こすると あたたかく なるのに にた、と 思うと わかりやすい、という 博物館はくぶつかんの 説明せつめいの イメージです。ただ、まさつだけでは せつめい しきれない、という 資料しりょうも あります。

ところが、大阪おおさかきょういく大学の 天文の けんきゅう室では、「まさつでは なくて、空気に はげしく ぶつかったり、前の 空気が ぎゅっと おしちぢめられたり して、あつく なる」と 説明せつめいして います[4]。

じてんしゃの 空気入れを、いきおいよく おすと、あつく なる ことが あります。空気は おしちぢめると あつく なるからです。ただし 流れ星の ばあいは、この しくみだけで すべてが きまる わけでは ありません。

あつく なった ちりは 蒸発じょうはつして、その ぶんしと 空気が、光を 出すと 説明せつめいされて います[1]。

国立科学博物館の「宇宙の質問箱」は、流れ星を「地球の空気との摩擦で熱くなり、光ったもの」と説明しています[2]。

いっぽう、大阪教育大学の天文学研究室は、光るのは摩擦のためではないと説明しています。大気の分子と激しくぶつかったり、前にある空気が急に圧縮されたりして加熱され、プラズマという状態になって光る、という説明です[4]。流星観測団体IPRMOも、主な仕組みは摩擦ではなく、衝突による電離だと述べています[3]。

国立天文台は、ちりが大気と激しく衝突して高温になり気化する一方で、大気や気化したちりの成分が光を放つ、と説明しています[1]。

「摩擦」と「衝突・圧縮」は、同じ現象を別の言葉で言っているのか、注目する部分がちがうのか、これらの資料だけでは決められません。ここで言えるのは、空気との衝突で加熱され光ることは資料で説明されている、ということです。圧縮の役割や「摩擦」との関係までは、資料だけでは決められません。

加熱の説明は分かれている。国立科学博物館は「地球の空気との摩擦で熱くなり、光った」とする[2]。大阪教育大学の天文学研究室は、摩擦ではなく、大気分子との激しい衝突と前面の空気の急激な圧縮(断熱圧縮)で加熱され、プラズマ化して光ると説明する[4]。IPRMOも、主な仕組みは摩擦ではなく衝突による電離とする[3]。

国立天文台は、チリが大気と激しく衝突して高温になり気化し、大気の成分と気化したチリの成分が光を放つと述べ、摩擦か圧縮かには踏みこんでいない[1]。

一般向けの平易な説明(博物館)と、発光過程を細かく述べた説明(研究室・観測団体)で言葉が違う可能性はあるが、この資料群からは断定できない。本稿で確認した資料では、衝突による加熱・発光は説明されている。一方、圧縮の役割や「摩擦」との関係は、資料だけでは一律に結論できない。

4. 光る 道すじは、どのくらい 太いの?

4. 流れ星の光る筋は、たった数ミリ

4. すばる望遠鏡による発光域の測定(2007)

流れ星は、空に 長い 線を ひきます。では、その 線は 太いのでしょうか。

すばる望遠鏡ぼうえんきょうで しらべた けっかでは、光っている ところの 太さは、わずか 数ミリでした[5]。ちりの つぶの 10ばいほどです[5]。

空に 長く のびて 見えるのに、ほんとうは 数ミリしか ない 光の ぼうだった、ということです。

2007年、すばる望遠鏡が、流れ星が通ったあとの光る部分の太さを、初めて測りました。結果は、直径わずか数mmで、ちりの粒の直径のおよそ10倍程度でした[5]。

この観測の対象は、直径0.1〜1mmほどのちりが、秒速数十kmで高度110km付近に飛びこんで光った流れ星です[5]。すべての流れ星の大きさではありません。

空には長い線に見えますが、その光の筋は、たった数mmの太さしかなかった、ということです。

すばる望遠鏡の観測(2007年、プレスリリース)は、流星の通過後に発光する領域(トンネル)の直径が、わずか数mmであると初めて示した。この値は、典型的なチリの直径の約10倍程度にあたる[5]。

対象は、直径0.1〜1mmほどの塵が毎秒数十kmで突入し、高度110km付近で光る流星である。全流星に当てはまる値ではない点に注意したい[5]。

5. 空気が うすい ところでも、光る

5. 空気がうすいところで光る、毎日降ってくる小さなちり

5. 希薄な大気と、地球に降る流星物質の総量

高さ 100キロメートルの 空気は、地上より ずっと うすいです。それでも、ちりは 空気の つぶに ぶつかって、光ります[3]。

空気が うすい ところでも、ぶつかった ときの 光が 目に 見える、ということです。

こうした ちりは、毎日 ふって きます。NASAは、地球に 1日 およそ 44トンと 見つもって います[7]。

高さ100km前後は、地上よりずっと空気がうすい場所です。IPRMOは、この高さでは大気の分子どうしの間隔が広く、そこでぶつかることで起きる発光が見える、と説明しています[3]。

こうしたちりは、毎日降っています。NASAは、地球に降る流星物質は1日に約44トン(メートルトン)と見積もっています[7]。

流星群は、彗星が軌道に残したちりの粒の集まりに、地球が入りこむと起こります[1]。ふだんの流れ星も流星群も、光っているのは、宇宙から来た小さなちりです。

IPRMOは、高度100km前後では大気分子の間隔が広く、衝突による発光が観察されるとする[3]。大気の密度と発光の関係を、より詳しく知るには、原資料を当たりたい。

地球に降る流星物質の量について、NASAは1日あたり約44トン(44,000kg、メートルトン)と見積もっている[7]。流星群は、彗星が軌道上に放出したチリの粒の集団に地球が入ることで起こる[1]。

6. 夜空を 見て みよう

6. 自分で確かめてみる

6. 出口 ── 観察する/原典を読む

おうちの 人と いっしょに、よるの あかるく ない ところで、空を 見あげて みましょう。あぶない ところには 近づきません。

流れ星が 見えたら、心の なかで「いち」と かぞえて みます。光って いた 時間は、どれくらいだったでしょう。見えるか どうかは、その 日に よって ちがいます。

もう ひとつ。手に 1円玉を のせて、その かるさを たしかめます。流れ星の 元に なる ものは、それより かるい ことが 多いのです。

おうちの人といっしょに、暗くて安全な場所で夜空を見上げ、流れ星が見えたら「いち」と数えてみてください。光っていた時間は、およそ1秒という説明と比べてどうでしょうか。見えるかどうかは、日によってちがいます。

もっと知りたくなったら、国立天文台の流星群の解説[1]や、大阪教育大学の「流れ星が光る理由」[4]を読み比べてみてください。「摩擦」の説明のちがいが、どこにあらわれているかを探してみるのも、おもしろい読み方です。

観察するなら、暗い場所で夜空を見上げ、流れ星が見えたら継続時間をおおまかに数えてみる。大阪教育大学の説明(約1秒)と比べられる[4]。夜間の観察は保護者と行い、安全な場所を選ぶ。

原典に当たるなら、国立天文台の流星群解説[1]、国立科学博物館の質問箱[2]、IPRMOの解説[3]、大阪教育大学の説明[4]、すばる望遠鏡のプレスリリース[5]が日本語で読める。加熱の説明がどこで分かれるかを見比べると、この記事の第3章の論点がたどれる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国立天文台、国立科学博物館、流星観測団体IPRMO、大阪教育大学の天文学研究室、すばる望遠鏡、EarthSky、NASAのページを使った。1円玉の重さ(1g)との比べ方は、IPRMOの説明による。

  1. 国立天文台「流星群」 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html (チリの大きさ、発光の説明、流星群)
  2. 国立科学博物館「宇宙の質問箱」 https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/a-c-m/a-c-m04.html (重さ、摩擦の説明)
  3. IPRMO「流星現象のしくみ」 https://jpn.iprmo.org/meteor-info/intrometeor02_j.html (重さ、高度、速度、プラズマ)
  4. 大阪教育大学 天文学研究室「流れ星が光る理由」 https://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~katsura/meteor.html (速さ、光る時間、加熱の説明)
  5. すばる望遠鏡 プレスリリース(2007年9月10日) https://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2007/09/10/j_index.html (光る部分の太さ)
  6. EarthSky「At what altitude do meteors become incandescent?」(英語) https://earthsky.org/space/at-what-altitude-do-meteors-become-incandescent/ (光る高さの幅)
  7. NASA Science「Meteors and Meteorites Facts」(英語) https://science.nasa.gov/solar-system/meteors-meteorites/facts/ (1日に降る量)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。