1. まんげつの おおきさを はかると
1. 満月の大きさを測ると、差がある
1. 実測値 ── 2019年の最大と最小の満月
つきの みかけの おおきさは、「かくど」で あらわします。めから みたとき、どれくらいの ひろがりに みえるか、と いう ことです。
2019ねんの てんもんだいの しらべでは、いちばん おおきい まんげつ(2がつ20にち)が 33ふん29びょうかく。いちばん ちいさい まんげつ(9がつ14にち)が 29ふん24びょうかくでした[2]。
2つを くらべると、おおきい ほうが、ちいさい ほうの 1.14ばいぐらいです。
2019年の最大と最小
天体の見かけの大きさは、角度で表します。1度の60分の1が「1分角」、その60分の1が「1秒角」です。
国立天文台の資料では、2019年でいちばん大きい満月(2月20日)の見かけの直径(視直径)が33分29秒角、いちばん小さい満月(9月14日)が29分24秒角でした[2]。
比を計算してみる
秒角にそろえると、33分29秒角は2009秒角、29分24秒角は1764秒角です。2009 ÷ 1764 はおよそ1.14。つまり、大きい満月は小さい満月より、直径で約14%大きいことになります。
2. どうして ちがうの? ── つきは まるく まわって いない
2. なぜ違うのか ── 月は楕円のみちを回っている
2. 原因 ── 楕円軌道と近地点・遠地点
つきは、ちきゅうの まわりを ぐるぐる まわって います。その みちは、ぴったりの まるでは なく、すこし つぶれた かたち(だえん)です。
だから、ちきゅうに ちかく なる ときと、とおく なる ときが あります。いちばん ちかい ところを 「きんちてん」、いちばん とおい ところを 「えんちてん」と いいます[1]。
ちかい ときの まんげつは おおきく、とおい ときの まんげつは ちいさく みえます。ボールも、ちかづくと おおきく みえますね。それと おなじです。つきの ほんとうの おおきさは、かわりません。
近地点と遠地点
月は地球のまわりを、円ではなく楕円の軌道で回っています。地球にいちばん近い点を近地点、いちばん遠い点を遠地点と呼びます[1]。
NASAによると、月は約27日で地球を1周し、その間に近地点(平均で約36万3300km)と遠地点(平均で約40万5500km)を通ります[5]。平均どうしでも約4万kmの差があります。
距離は毎回ちがう
月の軌道は、太陽や地球などの重力の影響でわずかに変わります。そのため、近地点や遠地点の距離も、毎回まったく同じではありません[1]。
月は地球のまわりを楕円軌道で公転し、地球に最も近い点を近地点、最も遠い点を遠地点という[1]。NASAは、月が約27日の周期で近地点(平均約363,300km)と遠地点(平均約405,500km)を通るとしている[5]。
軌道は太陽や地球などの重力でわずかに変化するため、近地点・遠地点の距離は毎回異なる[1]。上の数値は平均であり、個々の満月の距離は満月ごとにばらつく点に注意する。
満月の日の地心距離は、国立天文台の資料ではおよそ35万6千kmから40万7千kmの間で変化するとされる[2]。2017年の資料では上限が40万6千kmと書かれており、年により上限の値が少し異なるため、本稿では「約」を付けて扱う[1]。
3. 「14%」って、どれくらい?
3. 距離の差と、見かけの差はどうつながるか
3. 距離と視直径の関係 ── 約356,000kmと約407,000kmの比
いちばん ちかい まんげつは、ちきゅうから 35まん 6せん キロメートルぐらい。いちばん とおい まんげつは、40まん 7せん キロメートルぐらいです[2]。
とおい ほうの 数を、ちかい ほうの 数で わると、およそ 1.14。きょりは、とおい ほうが 1.14ばい。だから、ちかい まんげつは、とおい まんげつより、見かけの おおきさが 1.14ばいぐらい(14%ぐらい)おおきく なります。国立てんもんだいの 数字と、ぴったり あいます。
ひかりの あかるさも、おなじ ように、30%ほど ちがう と いわれます[5]。
4. なのに、めで みても きづきにくい
4. なぜ、見ただけでは気づきにくいのか
4. 知覚の問題 ── 14%の変化は単独では検出しにくい
これだけ ちがうのに、ふつうは きづきにくいのです。まんげつを 1こ だけ みても、いつもの おおきさと くらべる ものが ないからです。
うでを いっぱいに のばして、ゆびの つめで つきを かくして みてください。つきは つめの なかに すっぽり かくれます。つめの おおきさが 14%ふえても、ほんの すこし ふえたようにしか かんじません[6]。
ちがいが わかるのは、おなじ せってい(ばしょと ズームの おおきさ)で うつした しゃしんを ならべた ときです[4]。
5. 「スーパームーン」って なに?
5. 「スーパームーン」という呼び名
5. 用語 ── 「スーパームーン」の定義の曖昧さ
ちかい まんげつは、「スーパームーン」と よばれる ことが あります。でも、これは てんもんがくの きまった ことばでは なく、はっきりした きまりも ありません[3]。
NASAは、きんちてんの ちかくで まんげつに なる ときを さす ことが おおい、と せつめいして います[5]。
6. ちへいせんの つきが おおきいのは べつの はなし
6. 地平線の月が大きく見えるのは、別の現象
6. 区別 ── 月の錯視は距離の変化とは別の現象
うみや たてものの ちかくに、のぼったばかりの つきが おおきく みえる ことが あります。これは、めの さっかく(そう みえて いるだけ)と いわれます。
つきの ほんとうの おおきさは、そらの どこに あっても、ほとんど おなじです[7]。この ふたつは べつの はなしです。
月や太陽が地平線の近くで大きく見えるのは、目の錯覚です。実際の大きさは空のどこにあってもほぼ同じで[7]、原因もまだ完全には説明されていません。
この記事で見てきた「満月ごとの大きさの違い」は、月と地球の距離が変わることで、本当に視直径が変わる現象です。地平線の錯視とは分けて考える必要があります。
地平線付近の月や太陽が大きく見えるのは目の錯覚であり、その原因は完全には説明されていない。月や太陽の実際の大きさは、空のどこにあってもほぼ同じである[7]。
したがって、満月ごとの視直径の違い(距離の変化による物理的な変化)と、同じ夜に高さによって大きさが違って見える現象(知覚による変化)は、原因が別である。
7. じぶんでも しらべて みよう
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
つぎの まんげつの ひは、こよみで しらべられます。その よる、おうちの人と いっしょに、あんぜんな ばしょで、うでを のばして ゆびの つめで つきを かくして みましょう。おおきさを おぼえておくと、おもしろいです。
もし しゃしんが とれるなら、まいつき おなじ ばしょから、おなじ ズームで とって ならべて みましょう。ちがいが みえるかどうかは、やって みないと わかりません。
こくりつ てんもんだいの ホームページには、まんげつの くわしい ちがいが のって います。
今日できること:次の満月の日を暦で調べ、その夜、家の人といっしょに、安全な場所で、腕をいっぱいに伸ばして爪で月をかくしてみましょう。どれくらいの大きさか、体で覚えておくためです。
出かけてできること:スマートフォンなどで、毎月同じ場所から、同じズームの倍率で満月を撮っておき、並べてみましょう。差が目で見えるかどうかは、やってみないとわかりません。
公式情報:国立天文台の「今年最大の満月」や、FAQの「スーパームーンってなに?」を読むと、その年の数値が確かめられます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:国立天文台・NASA・JPLの解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- 国立天文台「今年最大の満月(2017年12月)」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/12-topics01.html (楕円軌道、近地点・遠地点の距離が毎回異なることについて)
- 国立天文台「2019年最大の満月」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2019/02-topics01.html (満月の地心距離の範囲と、2019年の最大・最小の視直径について)
- 国立天文台FAQ「「スーパームーン」ってなに?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a0207.html (直径で約14%・面積で約30%の差と、用語の扱いについて)
- 国立天文台「2025年で地球にいちばん近い満月」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/11-topics03.html (2025年11月と4月の満月の比較と、写真で並べる方法について)
- NASA Science「Supermoons」。https://science.nasa.gov/moon/supermoons/ (近地点・遠地点の平均距離と、14%・30%の数値について)
- NASA JPL「Teachable Moment: What's a Supermoon」。https://www.jpl.nasa.gov/edu/resources/teachable-moment/whats-a-supermoon-and-just-how-super-is-it/ (爪でおおえる大きさが14%増えても目立たない、という説明について)
- 国立天文台FAQ「月や太陽が大きく見えるのはなぜ?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a0202.html (地平線の月の錯視と、実際の大きさが変わらないことについて)
なおした ところ
更新履歴
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