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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

台風は どこで 生まれて、どこへ 行くの?

台風はどこで生まれ、何に運ばれるのか ── 海があたたかい赤道の近くで生まれにくいわけ

台風はどこで生まれ、どう進むのか ── コリオリの力と偏西風

分野:自然

赤道の ちかくの うみは、とても あたたかいです。だから 台風が たくさん 生まれそうです。

ところが、赤道の ま上では、台風は 生まれにくいと いわれます。どうして なのでしょう。生まれた 台風が、どこへ 行くのかも、いっしょに 見て いきます。

台風の材料は、あたたかい海と、そこから立ちのぼる水蒸気です。だとすると、海があたたかい赤道の真上こそ、台風の名所になりそうです。

ところが実際には、赤道のごく近くでは台風は生まれにくいといわれます。その理由と、生まれた台風が季節ごとにどんな道をたどるのかを、気象庁などの資料で見ていきます。

台風は熱帯の暖かい海上で発生するが、海が暖かい赤道直下では発生しにくい。その理由は、風を曲げるコリオリの力が赤道で0になることにあるとされる[5]。

このメモでは、台風が積乱雲の集まりから渦として育つ過程[2]、水蒸気の潜熱というエネルギー源[1][6]、進路を決める風と、春・夏・9月以降で異なる経路[3]を、気象庁などの資料を突き合わせてたどる。

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1. あついのに、赤道では 生まれないの?

1. 海があたたかいだけでは、台風はできない

1. 発生の条件 ── 高い海面水温と、赤道で0になるコリオリの力

台風の 生まれる ところは、あたたかい 海の 上です[2]。目やすは、水の あたたかさが 26度 いじょうと されます[5]。ただし、この 数字は 本によって 少し ちがいます。

それなら 赤道の ちかくが よさそうです。でも 台風は、うずを まいて 育ちます。うずの もとには、風を まげる 力が かかわります。

その 力を、コリオリの 力と いいます。赤道では この 力が 0です[5]。だから 海が あたたかくても、赤道の ま上では 台風が できにくいと いわれて います。

赤道こそ有利なはずなのに

台風は、海面水温が高い熱帯の海上で生まれます[2]。水温の目安として、26度以上という説明があります。ただし26〜27度と書く資料もあり、きっちり決まった数字ではありません[5]。

水温だけで決まるなら、赤道付近の海はあたたかいので、赤道の真上でもできやすいはずです。ところが名古屋大学の解説は、赤道上では台風ができないと説明しています。

風を曲げる力が0になる場所

理由として挙げられているのが、コリオリの力です。北半球では進行方向の右へ風を曲げるように働き、北半球では高緯度ほど大きく、赤道では0になります[5]。

台風は、あたたかい海があり、風を曲げる力もはたらく緯度で生まれます。

台風の発生域は、海面水温が高い熱帯の海上である[2]。水温の目安としては26℃以上とする説明があるが、26〜27℃とする資料もあり、固定された閾値ではない[5]。

ただし水温が高いだけでは足りない。名古屋大学ISEEの解説は、コリオリの力は北半球では進行方向右へ働き、北半球では高緯度ほど大きく赤道では0であるため、海がいくら暖かくても赤道上では台風ができないとしている[5]。この理由は今回の資料では同解説1件で確認したもので、気象庁のページ[2]にはコリオリの力の記述がない。

なお、台風の定義は、北西太平洋または南シナ海に存在し、低気圧域内の最大風速がおよそ17 m/s以上のものである。これに達しないものは熱帯低気圧と呼ばれる[1]。

2. 台風は、どうやって 大きく なるの?

2. 積乱雲の集まりが、うずになり、水蒸気の熱で育つ

2. 発達 ── 積乱雲の集合体と、水蒸気の凝結熱

あたたかい 海の 上では、空気が 上へ のぼりやすく なります。のぼった 空気は、次々に 積乱雲せきらんうんを 作ります[2]。

積乱雲せきらんうんが たくさん あつまって、うずを まく ように なると、台風の たまごの ように なります[2]。

大きく なる ための ちからは、水蒸気すいじょうきです。海から のぼった 水蒸気すいじょうきが 雲の つぶに かわる とき、あつさを 出します[1]。この あつさが まわりの 空気を あたためて、上へ のぼる 風を もっと 強くします[6]。

やかんの お湯から 出る ゆげを 思い出して みましょう。ゆげが 台風の 水蒸気すいじょうきに あたります。ゆげが 水の つぶに もどる とき、まわりを あたためて います。ただし 台風の 大きさは、やかんとは くらべものに なりません。

台風のたまご

暖かい海の上では上昇気流が起こりやすく、その気流で次々に積乱雲ができます。積乱雲が多数まとまってうずを作るようになると、台風へ育っていきます[2]。

水蒸気が雲になるときの熱

育てるエネルギーになるのは、海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱です[1]。日本気象協会のページでも、この熱が周りの空気を暖めて上昇気流を強め、気圧も下がると説明しています[6]。

台風は、海の熱を水蒸気の形で受け取りながら育つ、と考えるとイメージできます。

台風は、海面水温の高い熱帯の海上で、上昇気流により次々に生じた積乱雲が多数まとまって渦を形成することで発達する[2]。エネルギー源は、暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になる際に放出される潜熱で、これにより中心気圧が下がる[1]。

日本気象協会(tenki.jp)の解説も、放出された熱が周囲の空気を暖めて上昇気流を強め、気圧を下げると述べており、気象庁の説明と一致する[6]。

3. 台風は、どうやって すすむの?

3. 台風は、風に流されて進む

3. 進路 ── 偏東風、太平洋高気圧、偏西風

台風は、自分で 足を 出して すすむ わけでは ありません。まわりの 風に ながされて、すすみます[1]。

あたたかい 南の ほうでは、東から 西へ 風が ふいて います。だから 台風は、はじめは 西へ すすみます[1]。

やがて、たいへいよう こうきあつの まわりを ぐるりと まわるように、北へ むかいます[1]。

もっと 北の 空の 上では、西から 東へ 強い 風が ふいて います。これを 偏西風へんせいふうと いい、台風は 北東へ 早く すすみます[1]。

川に浮かぶ葉のように

台風は、川に浮かぶ葉が水の流れで運ばれるように、まわりの風の流れに乗って動きます。台風を流す風は、場所によって変わります[1]。

台風の進み方は三段階

東風が吹く低緯度では、西へ進みます。次に、太平洋高気圧のまわりを回るように北上します。中緯度から高緯度まで来ると、上空の強い西風(偏西風へんせいふう)に乗って、速い速度で北東へ向かいます[1]。

こうして、台風の道は日本の南の海から西へ、北へ、そして北東へとカーブする形になります。

気象庁は、進路を次のように説明している。東風が吹いている低緯度では西へ移動し、太平洋高気圧のまわりを北上して、中・高緯度に達すると、上空の強い西風(偏西風)により速い速度で北東へ進む[1]。台風は自ら推進するのではなく、周囲の大規模な風に流される、という理解になる。

低緯度の東風は偏東風(貿易風)とも呼ばれるが、この呼び名との対応は今回確認した気象庁のページには書かれていない。

4. 春と 夏と 9月で、道は ちがうの?

4. 季節で変わる台風の道

4. 季節による経路の違い ── 春はフィリピン方面、9月以降は放物線

同じ 台風でも、生まれる 月に よって、道が ちがいます[3]。

春の はじめは、南の ほうで 生まれ、西へ すすんで、フィリピンの ほうへ 行きます[3]。

夏には、生まれる 場所が 北へ よります。日本に むかって 北へ すすむ 台風が 多く なります[3]。

9月から あとは、南の 海から 日本の ちかくを、ボールを なげた ような カーブで とおる 台風が 多く なります[3]。

台風の 数が いちばん 多い 月は 8月で、ふつうの 年には 5.7こです[7]。

春は西へ、夏は北へ

春先は、低緯度で生まれた台風がそのまま西へ進み、フィリピン方面へ向かいます。夏になると生まれる緯度が高くなり、太平洋高気圧のまわりを回って日本へ北上するものが多くなります[3]。

8月の不安定な経路、9月以降の放物線

気象庁は、8月は台風を流す上空の風がまだ弱く、不安定な経路をとることが多いと説明しています。9月以降は、南の海から放物線を描くように日本付近を通ります[3]。

月別の平年値(1991〜2020年)では、台風の発生は8月が最多で5.7個、次いで9月が5.0個、7月が3.7個です[7]。

気象庁は、季節による経路の違いを次のように整理している。春先は低緯度で発生して西進し、フィリピン方面に向かう。夏は発生緯度が高くなり、太平洋高気圧のまわりを回って日本に北上する台風が多い。8月は台風を流す上空の風がまだ弱いため、不安定な経路をとることが多い。9月以降は南海上から放物線を描いて日本付近を通る[3]。

1991〜2020年の30年平均では、月別の発生数は8月が5.7個で最多、次いで9月5.0個、7月3.7個である[7]。年間では発生25.1個、日本から300km以内への接近11.7個、上陸3.0個となっている。ただし接近数の「300km以内」の定義は、今回確認したページの要約からは原文に当たれていない。

5. 日本の ちかくに 来ると、どう なるの?

5. 日本付近で弱まる理由と、予報円の見方

5. 衰弱と予報円 ── 水蒸気の供給の減少、確率70%

台風は、日本の ちかくの 海に 来ると、すこしずつ 元気が なくなります。日本の ちかくの 海は、熱帯ねったいの 海より つめたい からです[2]。

あたたかい 海から もらう 水蒸気すいじょうきが へると、台風は 弱まる ことが あります。また、ちがう 種類しゅるいの 低気圧ていきあつに かわる ことも あります[2]。

天気よほうで 台風の まわりに 出る 円は、「よほうえん」と いいます。台風の 中心が この 円の 中に 入る 見こみは、100回の うち 70回ぐらいです[4]。

あたたかい海からはなれる

台風が海面水温の熱帯より低い日本付近に来ると、海からの水蒸気の供給が減り、勢力が弱まることがあります。また、温帯低気圧や熱帯低気圧に変わることもあります[2]。

予報円は「70%」の範囲

天気予報の予報円は、予報した時刻に台風の中心が入る確率が70%の範囲を示しています。台風の中心が、予報円の中心をつないだ線の上を必ず進むわけではない、と気象庁は注意を促しています[4]。

台風は、海面水温が熱帯より低い日本付近に来ると、海からの水蒸気の供給が減少し、衰弱することがある。また、温帯低気圧や熱帯低気圧に変わることもある[2]。

予報円は、予報時刻に台風の中心が入る確率が70%の範囲である。中心が必ずしも予報円の中心を結んだ線に沿って進むわけではないことに注意するよう、気象庁は述べている[4]。予報円の詳しい見方は、別のメモ(台風の近づき方)で扱っている。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

気象庁きしょうちょうの ホームページには、むかしの 台風の 「けいろず」が のって います。下の 「しらべた もとの じょうほう」の [3]から 気象庁きしょうちょうの ページを ひらき、たどって さがして みましょう。3月ごろと 9月ごろに 生まれた 台風を くらべて、道が どう ちがうか、ゆびで なぞって みましょう。

なぜ そう なるのかを 家の 人と はなして みるのも いいです。

今日できること:下の情報源[3]の気象庁ページから気象庁の台風のページへたどり、過去の台風の経路図を探して、春と9月ごろの台風を1本ずつ選んで、指でなぞって比べてみましょう。西へ向かうのか、日本の近くでカーブするのかを見ると、この記事で読んだ「風に流される」という話が、目に見える形になります。

公式情報:気象庁「台風の進路」「台風情報の種類と表現方法」のページで、この記事の元になった説明が読めます。

気象庁の解説ページ(台風の発生・発達[2]、台風の進路[3])は日本語で読める。過去の台風の経路図と、このメモの季節ごとの説明を並べて見ると、経路の傾向を自分で確かめられる。

コリオリの力については、名古屋大学ISEEの解説[5]が読みやすい。台風の「たね」にあたる熱帯擾乱については、今回の資料になく扱っていない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:気象庁の解説ページを主に使い、発生条件は名古屋大学ISEE、エネルギー源は日本気象協会でも確かめた。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. 気象庁「台風(台風とは)」。https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-1.html (定義・エネルギー源・進路について)
  2. 気象庁「台風の発生・発達」。https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-2.html (発生の仕組み・衰弱について)
  3. 気象庁「台風の進路」。https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-4.html (季節による経路の違いについて)
  4. 気象庁「台風情報の種類と表現方法」。https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/7-1.html (予報円について)
  5. 名古屋大学 宇宙地球環境研究所「気象50のなぜ+10 20.台風はどうやってできるの?」。https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/meteorology/20.html (水温の目安とコリオリの力について)
  6. 日本気象協会 tenki.jp「台風のしくみ」。https://tenki.jp/bousai/knowledge/5accc20.html (水蒸気の熱と上昇気流について)
  7. 気象庁「台風の平年値」。https://www.data.jma.go.jp/typhoon/statistics/average/average.html (月別の発生数について)

なおした ところ

更新履歴

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