このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

おなじ はこの 中で、つめたいのと あったかいのが できるの?

同じ機械の中で、なぜ「冷たい」と「温かい」が両立するのか

缶・ボトル飲料自販機のホット&コールド ── 仕切り壁と断熱、ヒートポンプによる排熱の再利用

分野:技術

じどうはんばいきの まえに 立つと、つめたい ジュースの となりに、あったかい コーヒーが ならんで います。おなじ はこの 中なのに、ふしぎです。

どうやって 二つの おんどを 作って いるのか、しらべた ことを、いっしょに 見て みましょう。

冬の自動販売機には、冷たいジュースと温かいコーヒーが同じ機械の中に並んでいます。冷やす装置と温める装置が、ひとつの箱に同居しているのです。

ふたつの温度をどう分けているのか、そして「冷やすときに出る熱」をどう使っているのか。業界団体などの資料を手がかりに見ていきます。

日本の缶・ペットボトル飲料の自販機の多くは、1台で冷たい飲み物と温かい飲み物を売る「ホット&コールド」方式だ[1]。

このメモでは、庫内を仕切って2つの温度帯を保つ構造と、冷却で出る熱をヒートポンプでホット側に回す仕組み[1][2][3]、そして消費電力を減らしてきた工夫を、複数の公的・業界資料を突き合わせてたどる。

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1. なかは いくつかに わかれて いるの?

1. ひとつの箱を仕切って、2つの部屋にする

1. ホット&コールド機の構造 ── 仕切り壁と断熱材

にほんの じどうはんばいきの おおくは、1だいで つめたい ものと あったかい ものを うれます[1]。

その ひみつの ひとつは、なかの 仕切りです。はこの 中に かべが あって、つめたい へやと あったかい へやに わかれて います[1]。

はこには、ねつを にげにくく する ざいりょうが 使われて います[3]。あったかさや つめたさを、はこの 中に とどめる ためです。

へやの かずは、きしゅに よって ちがう ようです。

仕切り壁のある機械

缶・ボトル飲料の自動販売機のうち、機械の内部が仕切り壁で分けられ、商品を冷蔵したり温蔵したりして売るものを「ホットアンドコールド機」といいます[1]。日本の缶・ペットボトル飲料の自販機の多くは、この方式だと説明されています[1]。

熱や冷気を逃がしにくくする断熱

自販機には、庫内の熱や冷気を逃がしにくくする断熱材が使われています。近年は、グラスウールなどを真空パックして金属フィルムで覆った、保温効率の高い真空断熱材が使われるようになってきたそうです[3]。部屋の数は機種によって違い、ここでは一つに決めません。

缶・ボトル飲料自販機の「ホットアンドコールド機」は、内部が仕切り壁で仕切られ、商品を冷蔵または温蔵して販売するものと定義されている[1]。日本の缶・ペットボトル飲料自販機の多くがこの方式である[1]。

自販機には庫内の熱や冷気を逃がしにくくする断熱材が使われており、近年は、グラスウールなどを真空パックして金属フィルムで覆った真空断熱材が採用されるようになった[3]。室の数は機種により異なり、断定できない。

2. なんどに して いるの?

2. 「約5度」と「約55度」に決まっている理由

2. 設定温度の目安 ── コールド約5度・ホット約55度

おんどの めやすは、つめたい ほうが 5どくらい、あったかい ほうが 55どくらいです[4]。

ひやしすぎると、あまさや あじが わかりにくく なるそうです。あたためすぎると、すぐには のめません[4]。

ちょうど よい おんどが、5どと 55どの あたりだ、と メーカーは せつめいして います。ただし、きしゅや メーカーで せっていは ちがいます[4]。

おいしい温度のねらい

温度の目安は、コールドが約5度、ホットが約55度です[4]。飲料メーカーの説明では、冷やしすぎると甘みや風味を感じにくくなり、温めすぎるとすぐには飲めない人もいるため、このあたりが適温とされています[4]。

あくまで「約」の目安で、機種やメーカーによって設定は違います。

設定温度の目安はコールドが約5度、ホットが約55度である。冷やし過ぎると甘みや風味を感じにくく、温め過ぎるとすぐ飲めないため、この温度が適温とされると飲料メーカーは説明する[4]。機種・メーカーで設定は異なる。

3. つめたく すると、ねつが でるの?

3. 冷やすと出る熱は、むかしは捨てていた

3. 従来の方式 ── 冷却の排熱を庫内から放出していた

ものを ひやす そうちは、かわりに、ねつを どこかへ 出して います。れいぞうこの うしろが あたたかいのも、この ためです。

むかしの じどうはんばいきは、ひやす ときに 出る ねつを、はこの 外へ にがして いました[1]。

そして あったかい ほうの しょうひんは、ヒーターで あたためるのが ふつうでした。おなじ はこの 中で、ねつを すてながら、ねつを 作って いたことに なります。

冷やす装置は熱も出す

冷やす装置は、冷たい場所の熱をどこかへ運び出すことで冷やしています。冷蔵庫の背中が温かいのは、そのためです。運ばれた熱は、どこかに出さなければなりません。

資料によれば、従来の自販機は、冷却のときに出る熱を庫内から放出していました[1]。ホット商品はヒーターで温めるのが基本でしたから、捨てる熱と加える熱が同じ箱の中に同居していたことになります。

冷却装置は低温側の熱を高温側へ移す装置であり、冷却時には熱が出る。従来の自販機は、この熱を庫内から放出していた[1]。一方でホット商品はヒーターで温めるのが基本だった。同じ筐体内に、捨てる熱と加える熱が同居していたことになる。

4. すてて いた ねつを つかうと?

4. ヒートポンプで、冷やす側の熱を温める側へ回す

4. ヒートポンプ方式 ── 排熱をホット商品の加温に再利用する

いまの じどうはんばいきの おおくは、この ねつを すてずに、あったかい へやを あたためる ために つかいます[2]。

この しかけを、ヒートポンプと いいます[1]。ねつを 「作る」のでは なく、「はこぶ」 そうちです。

ヒーターが なくなる わけでは ありません。でも、ヒーターが はたらく じかんが へって、でんきを つかう りょうも へります[1]。

ぎゃくに いえば、ひやす ことが、あたためる ことの てつだいに なって いるのです。

熱を「運ぶ」しくみ

最近の自販機は、ヒートポンプ方式を採用し、冷却のときに出る熱をホット商品を温めるのに再利用しているとされています[1]。全国清涼飲料連合会も、コールド商品を冷やしたときの排熱を外へ捨てず、ホット商品を温めるのに使うと説明しています[2]。日本自動販売システム機械工業会にも、同じ趣旨の説明があります[3]。

ヒートポンプは、熱を「作る」のではなく、低いほうから高いほうへ「運ぶ」装置です。エアコンや冷蔵庫と同じ種類の装置だと説明されます。冷媒を圧縮すると温度が上がり、膨張させて圧力を下げると温度が下がる、という性質を使います[5]。

ヒーターは、なくならない

この方式でも、ヒーターがなくなるわけではありません。ヒーターの運転率が下がって、消費電力量が減る、というのが資料の説明です[1]。

近年の機種はヒートポンプ方式を採用し、冷却時の排熱をホット商品の加温に再利用する。これによりヒーターの運転率が下がり、消費電力量が減るとされる[1]。全国清涼飲料連合会[2]と日本自動販売システム機械工業会[3]も、独立に同様の説明をしている。

ヒートポンプは低温側から熱を集めて高温側へ移す装置で、エアコンや冷蔵庫と同じ種類である。圧縮すると温度が上がり、膨張弁で減圧すると温度が下がる、という原理で説明される[5]。熱を作るのでなく運ぶ点が要点だ。

誤解しやすいが、ヒーターが無くなるわけではなく、運転率が下がるだけである[1]。

5. もっと でんきを へらす くふうは?

5. 必要なところだけ冷やす ── 電力を減らしてきた歩み

5. ゾーンクーリングと消費電力量の低減 ── 1991〜2012年の70%以上削減

いまの じどうはんばいきには、ほかにも くふうが あります。たとえば、もうすぐ うれる しょうひんだけを ひやす やり方です[2]。

はこ ぜんぶを ひやさないので、でんきが すくなくて すみます。

1991ねんから 2012ねんの あいだに、1だい あたりの 1年の でんきの りょうは、70パーセント いじょう へった、と こうぎょうかいは いって います[3]。

これは ヒートポンプだけの おかげでは なく、だんねつや あかりの くふうなども あわせた けっかです。

まもなく売れる商品だけを冷やす

「ゾーンクーリング」は、庫内全体を冷やさず、まもなく売れる商品だけを部分的に冷やして電力を減らす技術です[2]。

1991年から2012年の歩み

日本自動販売システム機械工業会は、1991年から2012年の消費電力量低減計画で、缶・ボトル飲料自販機1台あたりの年間消費電力量を70%以上減らしたと述べています[3]。この数字は、ヒートポンプ単独の効果ではありません。断熱の改良や照明の工夫などをまとめた結果です。

全国清涼飲料連合会によると、ゾーンクーリングは庫内全体を冷やさず、まもなく売れる商品だけを部分的に冷やして電力消費を減らす技術である[2]。

日本自動販売システム機械工業会は、1991〜2012年の消費電力量低減計画で、缶・ボトル飲料自販機1台あたりの年間消費電力量を70%以上削減したと述べる[3]。この削減はヒートポンプ単独ではなく、断熱・照明などの改良の合計である。別の資料には2005〜2014年に52.5%減という数字もあるが、期間と基準が異なるため、ここでは混ぜない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

おうちの れいぞうこの うしろや よこに、そっと 手を あてて みましょう。ほんの り あたたかい ことが あります。ねつを そとへ はこんで いる あかしです。

まちの じどうはんばいきを 見て、つめたい ほうと あったかい ほうの ならびかたを くらべても おもしろいです。

今日できること:家の冷蔵庫の側面や背面に、手の甲をそっと近づけてみましょう。温かさを感じるかもしれません。冷やすと熱が出る、という話と結びつけると、自販機のホット側がなぜ温まるのかが想像しやすくなります。触るときは、やけどしないように軽くにとどめ、家の人にひとこと声をかけてください。

出かけてできること:自販機の前で、ホットとコールドの並び方や、「あったか〜い」「つめた〜い」の表示を見てみましょう。

公式情報:日本自動販売システム機械工業会や全国清涼飲料連合会のサイトに、省エネ技術の説明があります。

庫内の温度の設定や省エネ技術の説明は、日本自動販売システム機械工業会[3]と全国清涼飲料連合会[2]のサイトで読める。ホット&コールド機の定義は、低炭素投資促進機構の告示資料[1]にある。冷媒の圧縮と膨張の詳細を知りたければ、ダイキン工業のヒートポンプ解説[5]から入るとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:低炭素投資促進機構の告示資料(工業会の解説を含む)、全国清涼飲料連合会、日本自動販売システム機械工業会の公開情報、飲料メーカーの説明を紹介した記事、ダイキン工業のヒートポンプ解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 低炭素投資促進法告示「缶・ボトル飲料自動販売機」(低炭素投資促進機構)。https://www.teitanso.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/12/2_47_seihin.pdf (ホット&コールド機の定義、ヒートポンプによる排熱の再利用について)
  2. 全国清涼飲料連合会「自販機の主な省エネ技術」。https://www.j-sda.or.jp/vending-machine/energy_saving.php (排熱の再利用、ゾーンクーリングについて)
  3. 日本自動販売システム機械工業会「環境問題への取り組み」。https://www.jvma.or.jp/enviromental/ (排熱の再利用、真空断熱材、消費電力量の削減について)
  4. 週刊アスキー「自販機の缶コーヒー温度は何度?」。https://ascii.jp/elem/000/001/599/1599305/2/ (ホットとコールドの温度の目安について)
  5. ダイキン工業「ヒートポンプは熱をどう運ぶ?」(ダイキンの空気の技術)。https://www.daikin.co.jp/air/technology/our-technology/heatpump/mechanism (冷媒の圧縮と膨張による温度変化の原理について)

なおした ところ

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