1. にせさつは、どれくらい 少ないの?
1. 100万枚のうち、にせ札は何枚か
1. 偽札の発生率:2009年の国際比較
にほんぎんこうの しりょうには、こんな 数字が あります。出まわって いる おさつ 100万まい あたりの にせさつは、日本で 0.3まい。イギリスで 207まい、ヨーロッパで 63まい、カナダで 38まいです。[1]
イギリスと くらべると、日本は 700ぶんの 1 くらいです。ただし これは 2009ねんの 数字で、いまの 数字では ありません。
では、日本の おさつには、どんな しかけが あるのでしょう。
日本銀行の広報資料によると、流通している銀行券100万枚あたりの偽札の数は、日本が0.3枚、イギリスが207枚、ヨーロッパが63枚、カナダが38枚でした[1]。日本の値は「桁違いに低い」と説明されています。
207を0.3で割ると約690なので、イギリスの値は日本の約700倍です。ただし、この比較は2009年時点のものです。今の値として読むことはできません。
数字の差は、お札にどんな工夫があるかを見る入り口になります。
日本銀行の広報資料(Focus BOJ)は、偽札の発生率を各国・地域の流通銀行券100万枚あたりで比較している。日本0.3枚に対し、イギリス207枚、ヨーロッパ63枚、カナダ38枚である[1]。207÷0.3≒690なので、イギリスは日本の約700倍にあたる。
この値は2009年時点であり、現在の数値ではない。この差の理由は資料からは分からないが、日本のお札にどんな技術が使われているかを見ていく。
2. 「これだけ」という きめては ないの?
2. 1つの決め手ではなく、技術の重ね合わせ
2. 多層的な防止技術:新札の8技術と二千円券の例
にせものを つくりにくく している のは、1つの すごい しかけでは ありません。いくつもの しかけが かさなって います。
たとえば、げんかんの とびらに かぎが 1こだけなら、それが やぶられたら おしまいです。かぎが 3こ、5こ あれば、ぜんぶを やぶるのは たいへんです。ただし おさつの しかけは、かぎと ちがって、見る・さわる・かたむける と、ちがう やりかたで たしかめられます。
2024ねん7月3日に はじまった あたらしい おさつには、8つの 技術が つかわれて いると、にほんぎんこうは しょうかい しています。[2]
お札の偽造防止は、「これがあれば大丈夫」という1つの技術ではなく、いくつもの技術を組み合わせることで成り立っています。2024年7月3日に発行が始まった新しい日本銀行券には、8つの偽造防止技術が搭載されていると、日本銀行のページに書かれています[2]。
2000年発行の二千円券の説明も、同じ考え方です。日本銀行は、視覚と触覚の両方に対応した技術を組み合わせて、偽造を困難にしていると説明しています[3]。
玄関に鍵が1つだけなら、破られたら終わりです。3つ、5つと重ねれば、全部を破るのは大変になります。ただしお札の技術は、目で見る、指で触る、傾けるなど、確かめる側のやり方も違います。その点は鍵と違います。
3. さわって わかる しかけは、なに?
3. 指でなぞると分かる、盛り上がったインキ
3. 深凹版印刷と識別マーク
おさつの 数字の ところを、ゆびで そっと なぞると、ざらざら します。インキが 高く もりあがって いるからです。[2]
この 印刷は、数字と、目の ふじゆうな 人のための「しきべつマーク」に つかわれて います。[2]
二千円さつの しきべつマークは、てんじの「に」を デザインした ものです。さわって わかる しかけは、にせもの ふせぎと、目の ふじゆうな 人の たすけを、いっしょに やって います。[3]
4. ひかりに かざすと、なにが 見えるの?
4. 光にかざすと浮かぶ「すき入れ」
4. すき入れと高精細すき入れ
おさつを ひかりに かざして みましょう。うっすらと、人の かおが うかんで 見えます。これは「すき入れ」と いって、かみの あつさに ちがいを つけて つくる えです。[4]
あたらしい おさつでは、かおの うしろに、とても こまかい もようが つづく すき入れも くわわりました。[4] [2]
すき入れは、にせものを つくるのが とくに むずかしい 技術と されて います。[4]
5. かたむけると、なにが 起こるの?
5. 傾けると変わる図柄と、回転するホログラム
5. 潜像模様・ホログラム・光学的変化インキ
おさつを ゆっくり かたむけると、数字や 文字が うかんで 見える しかけが あります。これを「せんぞう」と いいます。あたらしい おさつでは、おもてに きんがくの 数字、うらに「NIPPON」の 文字が うかびます。[2]
さらに、あたらしい おさつの ホログラムは、人の かおが りったいに 見えて、まわるように うごきます。おさつに ホログラムを のせたのは、せかいで はじめてと されて います。[2]
二千円さつには、見る むきで 青みどりから むらさきに かわる インキも つかわれて いました。[3]
券を傾けると、図柄や文字が浮かぶ技術を潜像模様といいます。新札では、表面に額面数字、裏面に「NIPPON」の文字が浮かびます[2]。券種によって、浮かぶ文字や模様は違います。
新札のホログラムは、肖像が立体的に見えて回転する仕組みです。日本銀行のページでは、銀行券への搭載は世界初とされています[2]。
二千円券には、ほかにも、紫外光を当てるとオレンジ色に光る特殊発光インキ、見る角度で青緑色から紫色に変わる光学的変化インキ、「NIPPON GINKO」と読める微小な文字が使われました[3]。見る、触る、光を当てる。確かめ方の違う技術が、同じ1枚に重なっています。
潜像模様は、券を傾けたときに図柄や文字が浮かぶ技術で、新札では表面に額面数字、裏面に「NIPPON」が現れる[2]。千円券だけの技術ではなく、券種によって表現が異なる。
新札のホログラムは肖像が3次元に見えて回転する機能で、銀行券への搭載は世界初とされる[2]。
二千円券(2000年発行)の資料には、紫外光でオレンジ色に光る特殊発光インキ、角度で青緑色から紫色に変わる光学的変化インキ、マイクロ文字「NIPPON GINKO」が挙げられている[3]。これも新札の技術一覧ではなく、2000年発行券の例である。
見る・触る・傾ける・光を当てる、と確かめ方が異なるため、一つが再現されても他の特徴で気づける余地が残る。これが重ね合わせの意味だと考えられる。
6. にせさつを 見つけたら、どうするの?
6. 偽造券の発見枚数と、疑わしいお札の届け出
6. 発見枚数の推移と法的な扱い
にせさつを つくったり つかったり する ことは、とても おもい つみに なります。にせものと 知って つかった 人も、おなじです。[5]
あやしい おさつを 見つけたら、じぶんで なんとか しようと せず、おとなに はなして、けいさつか にほんぎんこうに とどけます。[5]
けいさつが 見つけた にせさつの 数は、ここ数年でも、年ごとに 大きく かわって います。[6]
自分でも ためして みよう
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日できること
おうちの 人と いっしょに、さいふの おさつを 1まい 出して、3つ ためして みます。1、まどの ひかりに かざして、かおや もようが うかぶか 見ます。2、ゆびで 数字の ところを なぞって、ざらざらを たしかめます。3、ゆっくり かたむけて、光り方が かわるか 見ます。おさつは おらず、やぶらないように します。
あたらしい おさつと ふるい おさつで、見え方が ちがうかも しれません。ちがいを 見つけたら、それも ひとつの はっけんです。
出かけてできること
ぎんこうや はくぶつかんの てんじで、おさつの しかけを せつめいした ものが ないか、さがして みましょう。
今日できること
財布のお札を1枚出し、次の3つを順に試して、気づいたことを書き出します。窓の光にかざして、肖像や模様が見えるか。指で額面数字をなぞって、ざらつきがあるか。ゆっくり傾けて、光り方が変わる部分があるか。お札は折ったり破ったりしないでください。
新札と古いお札を並べると、見え方の違いが分かることがあります。違いが見つからなくても、それも結果です。
もっと調べたいとき
日本銀行の「新しい日本銀行券の特徴」や、国立印刷局の紹介ページに、それぞれの技術の説明があります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料の一覧です。
- 日本銀行 Focus BOJ「銀行券の流通」 https://www.boj.or.jp/about/annai/genba/focusboj/focusboj01.htm (偽札の発生率の国際比較、2009年)
- 日本銀行「新しい日本銀行券の特徴」 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/n_note/security.htm (新札の技術・深凹版・潜像・ホログラム)
- 日本銀行「二千円券の偽造防止技術」 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/security/cur0004a.htm (識別マーク・インキの例)
- 人事院総裁賞 国立印刷局の紹介ページ https://www.jinji.go.jp/seisaku/sousai/037/insatsu.html (すき入れ・高精細すき入れ)
- 日本銀行「銀行券の偽造防止技術について」 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/security/gizoe.htm (偽造・変造の扱いと届け出)
- 警察庁「偽造通貨の発見枚数」 https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/gizou/gizou.pdf (発見枚数の推移)
なおした ところ
更新履歴
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